企業概要と最近の業績
株式会社第一興商
第一興商は、業務用カラオケ事業を中核とする総合エンターテインメント企業です。
事業は大きく2つのセグメントで構成されています。
一つは「業務用カラオケ事業」で、カラオケ機器「DAM」シリーズの開発・販売・レンタルや、カラオケ楽曲の配信を行っており、業界のリーディングカンパニーとして知られています。
もう一つは「カラオケ・飲食店舗事業」で、カラオケルーム「ビッグエコー」や、多業態の飲食店を全国にチェーン展開しています。
その他、音楽ソフトの企画・販売や、介護事業なども手がけています。
2026年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が405億18百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益が50億25百万円(同15.2%増)、経常利益が52億10百万円(同14.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が35億80百万円(同15.1%増)となり、増収増益でした。
新型コロナウイルス感染症の5類移行後の人流回復が継続し、主力のカラオケ・飲食店舗事業の来客数が増加したことが主な要因です。
特に、都心部の店舗やインバウンド(訪日外国人客)の利用が好調でした。
業務用カラオケ事業においても、ナイト市場(スナックやバーなど)の需要回復を背景に、カラオケ機器の販売が堅調に推移しました。
価値提案
株式会社第一興商の価値提案は、カラオケ、飲食、駐車場など幅広いサービスを統合し、「楽しい時間と便利な空間」をまとめて届ける点にあります。
特に、最新のカラオケ機器や多様なコンテンツを提供することで、老若男女問わず楽しめる環境を作り出しています。
【理由】
なぜこうした提案になったのかというと、少子高齢化やライフスタイルの多様化が進む中で、単に歌うだけでなく、幅広い世代がコミュニケーションできる環境を創り出す必要があると考えたためです。
その結果、あらゆる生活シーンをカバーする多面的な価値提案を実現しています。
主要活動
主要活動は、業務用カラオケ機器の開発とレンタル、カラオケ・飲食店舗の運営、そして駐車場の運営まで多岐にわたります。
カラオケ機器の開発では最新技術を取り入れ、店舗運営では快適な空間と多彩なメニューで集客力を高めています。
パーキング事業では、安心して利用できる設備を充実させています。
【理由】
こうした幅広い活動が生まれた背景には、「娯楽の場と日常生活の利便性を合わせて提供することで、顧客との接点を増やす」という戦略意図があります。
リソース
同社のリソースは、全国に展開するカラオケ・飲食店舗のネットワークと、先進的な業務用カラオケ機器の技術力です。
高機能なカラオケ機器と豊富な楽曲データベースは、飽きのこないエンターテインメント体験を提供します。
また、全国各地の店舗スタッフの接客スキルや店内イベントの企画力も大きな財産です。
【理由】
これらのリソースは、長年にわたり日本のカラオケ文化をリードしてきた実績と店舗運営のノウハウから生まれたものです。
さらに、パーキング事業の施設網も加わり、複数事業との連携を図りやすい土台を築いています。
パートナー
パートナーは、音楽コンテンツの権利を持つ企業、飲食業者、駐車場関連会社など多岐にわたります。
【理由】
なぜこうしたパートナーシップを築いているのかというと、複数の領域を組み合わせるには、専門性を持った企業との協力が欠かせないからです。
これにより、幅広い顧客ニーズをトータルで満たす体制を構築し、事業の安定と拡大に役立っています。
チャンネル
直営店舗を中心に、オンラインプラットフォームや提携施設を通じて顧客にリーチしています。
【理由】
こうした多彩なチャンネルを展開しているのは、店舗集客だけに依存しない収益源を確保するためです。
また、パーキングの利用者からカラオケ店舗への誘導が可能になるなど、事業間の相乗効果も高めています。
顧客との関係
顧客との関係を深めるために、会員制度やプロモーションキャンペーンを活用しています。
会員限定の特典やSNSでの情報発信を積極的に行い、リピーターの獲得に力を入れています。
【理由】
こうした取り組みが行われる背景には、顧客一人ひとりの嗜好や利用目的が多様化していることが挙げられます。
特に、高齢者向けプログラムや法人向けのプランなど、利用シーンに合わせたきめ細やかなサービスを提供することで、幅広い顧客層と継続的につながりを保っています。
顧客セグメント
顧客セグメントは、一般消費者から法人客、高齢者施設まで幅広く分かれています。
若年層には最新曲や豪華なルームを、高齢者層には健康カラオケなどを提供するなど、年齢や目的に合わせたプランを用意しています。
【理由】
これほど多彩なセグメントを取り込んでいるのは、カラオケ文化が幅広い世代に親しまれているためです。
そして、飲食や駐車場などの周辺サービスを組み合わせることで、あらゆるシチュエーションでの需要を取り込むことが可能になります。
収益の流れ
収益は、業務用カラオケ機器のレンタル・販売収入、カラオケボックスや飲食店舗の売上、そしてパーキングの利用料から成り立っています。
【理由】
こうした収益構造が確立したのは、多角的なサービス展開により、売上を複数の収益源から分散化できるメリットが大きいからです。
一つの事業が不調でも他事業が補える体制を作り、安定した収益の確保につなげています。
コスト構造
コスト構造は、人件費や設備投資に加えて、販管費やM&Aによるのれん償却費も含まれています。
【理由】
こうしたコストが発生する理由は、エンターテインメント産業で常に新鮮なサービスを提供し続ける必要があるからです。
特にカラオケ業界は競争が激しく、継続的な投資を怠ると顧客離れを起こす可能性があります。
そのため、売上拡大とコスト最適化の両立が課題となっています。
自己強化ループ
株式会社第一興商が行う自己強化ループのポイントは、業務用カラオケ機器のレンタル件数を増やし、安定したキャッシュフローを得ることにあります。
この安定収益をもとに新たな機能開発や店舗リニューアルなどに投資し、更なるサービス向上を図るのです。
アップグレードされた機器や新しい店舗コンセプトは、多くの顧客を惹きつけ、さらなる利用者増加につながります。
利用者が増えれば、機器のレンタル需要や店舗の売上も一層拡大し、企業全体の収益が底上げされます。
また、パーキング事業も同様に、施設数が増えるほど利用者が増え、その利益を他の事業へ再投資できます。
このように各事業の成長が互いを助け合う循環構造を作り出すことで、長期的に見ても堅調な成長が見込まれる仕組みを築いているのです。
採用情報
現在、初任給や平均休日、採用倍率などの詳細な採用情報は公表されていない状況です。
例年、カラオケや飲食事業、パーキング事業など幅広いフィールドで人材を募集していることから、興味のある方は定期的に求人情報を確認するとよいでしょう。
多店舗展開や事業拡大中であるため、多様な職種へのキャリアパスも期待できます。
株式情報
銘柄は株式会社第一興商で、証券コードは7458です。
配当金や1株当たりの株価については、現時点では具体的な数字が公開されていません。
株式投資を検討する際には、同社のIR資料や最新の決算発表をチェックし、経営方針や成長戦略をよく理解することが重要です。
未来展望と注目ポイント
今後、第一興商はさらなる成長戦略として、業務用カラオケ機器の機能拡充や新サービスの導入を積極的に進めると考えられます。
高齢者向けの健康支援プログラムやデジタル技術を活用した映像サービスなど、新たな付加価値を提供することで新規需要を取り込む余地は大きいでしょう。
また、パーキング事業においてはさらなる施設拡大や他企業との共同開発も期待され、相乗効果を生み出す可能性があります。
飲食と駐車場を組み合わせることで、来店者向けの特典やキャンペーンを実施し、グループ内の送客効果を高める戦略も有望です。
長期的には、より広範囲なエンターテインメントや地域コミュニティへの貢献など、社会的価値を意識した取り組みが成長のカギになると考えられます。
市場環境の変化に柔軟に対応しながら、新しい可能性を探り続ける姿勢が今後も注目されるポイントです。
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