企業概要と最近の業績
株式会社ツツミ
ツツミは、ジュエリーの製造から販売までを一貫して手掛けるSPA（製造小売）モデルのジュエリーチェーンです。
海外での宝石の買い付けから、自社工場でのデザイン・製造、そして全国に展開する直営店舗での販売までを自社で行っています。
高品質なジュエリーを、お求めやすい価格でお客様に提供できることが最大の強みです。
ファッションジュエリーからブライダルジュエリーまで、幅広い品揃えでお客様の様々なニーズに応えています。
2026年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が47億78百万円となり、前年同期比で1.8%の増収となりました。
営業利益は5億24百万円で前年同期比5.1%増、経常利益は5億54百万円で同4.9%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億76百万円で同5.0%増と、増収増益を達成しました。
既存店の売上が堅調に推移したことに加え、インバウンド需要の回復も売上の増加に貢献しました。
特に、高価格帯のダイヤモンド製品や、デザイン性の高いファッションジュエリーの販売が好調でした。
利益面では、効果的な広告宣伝や販売管理費の抑制が奏功しました。
価値提案
自社で一貫して手がける設計や製造によって、品質が高く価格帯も幅広いジュエリーを提供
店舗とオンラインの両方で多彩なサービスを行い、顧客が気軽に最新のジュエリーに触れられる環境を整備
【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリーは高級品というイメージがある一方で、普段使いできる商品も求める層が増えてきました。
そこで単に高価な商品ばかり並べるのではなく、「良質なものを適正価格で」という発想を徹底し、日常使いからフォーマルシーンまで幅広く対応できる品ぞろえを行っています。
さらに自社製造ならではのコスト管理や品質管理が可能となり、顧客が安心して選べる価値提案につながっているのです。
主要活動
ジュエリーデザインや素材選定、製造工程の管理
全国の店舗運営やオンラインショップの運営
マーケティングやプロモーション活動
【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリー事業は見た目の美しさだけでなく、着け心地や耐久性といった品質面が重要です。
自社で主要活動を担うことで細かな品質チェックが可能になり、ブランドイメージを安定的に高めることにもつながります。
また、全国展開している店舗では店頭スタッフが直接顧客の声を聞き、それをすぐに商品開発に反映できる点も、主要活動を内製化するメリットといえます。
リソース
宝石や貴金属などの原材料調達ネットワーク
全国に展開する直営店舗とECサイト
社内のデザイナーや熟練工によるものづくりノウハウ
【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリー販売で必要となるのは「素材」「技術」「販売チャネル」の三つです。
これらを自社内でまとめて管理できるリソースを確保することが、競合他社との差別化とコスト削減を実現するカギとなります。
特に熟練した職人が在籍していることは信頼性向上につながり、ブランド力の維持や商品開発の柔軟性に大きく寄与しています。
パートナー
宝石・貴金属の仕入れ先との強固な連携
商業施設の運営会社やECプラットフォームとの協力
広告代理店やクリエイターとの共同プロモーション
【理由】
なぜそうなったのかというと、安定して良質な素材を手に入れるためには信頼できる仕入れ先との長期的な取引が欠かせません。
また多くの店舗を持つために、商業施設の運営会社との関係構築が必要です。
さらに、情報発信や商品企画をスムーズに行うには、広告やSNS運用で協力してもらうパートナーが重要になります。
こうした相互協力体制が確立していることで、効率的なビジネス運営が可能になっています。
チャンネル
全国の直営店舗による対面接客
公式オンラインショップやモール型ECサイト
SNSやカタログを通じた情報発信
【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリーは実際に身につけてみてこそ魅力が伝わる商品といわれます。
対面接客で詳細を説明し、試着してもらう店舗チャネルはとても大切です。
一方で忙しくて店舗に行けない人や、自宅でじっくり選びたいという需要にも応えるためにECチャンネルを拡充しました。
リアルとオンラインの両方を充実させることで、多様な顧客層にアプローチできるようになっています。
顧客との関係
店舗スタッフによるきめ細かな接客
購入後のメンテナンスやアフターケア
定期的なキャンペーンやイベントの開催
【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリーは長く使うものであるため、アフターサービスの充実度が顧客満足に大きく関わります。
たとえばサイズ調整やクリーニングなどのサービスを充実させることで、一度購入してもらったお客さまとの長期的な関係が築きやすくなります。
こうした顧客との信頼関係は、口コミやリピート購入にもつながり、ブランド価値をさらに高める要因となっています。
顧客セグメント
日常使いのファッションジュエリーを求める若年層から主婦層
結婚指輪や婚約指輪などのブライダルジュエリーを求めるカップル
記念日や節目に特別なジュエリーを贈りたい層
【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリーは多様なシーンで必要とされるアイテムです。
若い世代は手ごろな価格でトレンド感のある商品を好む一方、ブライダル層は高品質で一生の思い出に残るジュエリーを重視する傾向があります。
このように目的や予算が異なる顧客が存在するため、幅広いラインナップを用意して顧客セグメントをカバーする戦略をとっています。
収益の流れ
店舗販売とオンライン販売による商品売上
クリーニングやサイズ直しなどのサービス収益
シーズンイベントやセール期間中の特別キャンペーン収益
【理由】
なぜそうなったのかというと、主力となるのは商品販売ですが、ジュエリーにはアフターサービスの需要も根強く存在します。
ブランド力を保ちつつリピート客を増やすために、追加サービスを有償で提供することで一定の収益化が可能になります。
また、セールやイベント限定商品の企画が集客に効果的であり、結果として全体の収益アップにつながります。
コスト構造
宝石や貴金属の素材調達コスト
製造工程や人件費
店舗運営費や宣伝広告費
【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリーは素材の仕入れコストが大きな割合を占めます。
そこに加えて全国の店舗家賃や人件費、広告宣伝なども重要な費用となるため、効率的なオペレーションが求められます。
自社工場や提携工場を活用しながらスケールメリットを生かし、原価率を抑えることで高品質かつ手ごろな価格帯の商品を実現しているのがポイントです。
自己強化ループ
株式会社ツツミの自己強化ループは、まず「顧客満足度の向上」が起点になります。
魅力的なデザインや確かな品質を重視し、さらにスタッフのホスピタリティによって対面販売やオンラインサポートで好評を得ることが、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得を生み出します。
リピーターや口コミで来店する顧客が増えれば売上が伸び、より多くの資金を新商品開発や店舗改装、オンラインの販促強化に投下できるようになります。
こうして企業の知名度が高まると、パートナー企業との連携強化や優良な仕入れ先の確保がさらに進み、コスト削減と品質向上の両立が可能になります。
結果的に、再び顧客に高品質なジュエリーを魅力的な価格で提供できるという好循環を生み出すのです。
この連鎖が続いていくことで、より強固なブランド力と収益の安定を実現していると考えられます。
採用情報
株式会社ツツミでは、人と話すことが好きで明確な目標を立てて行動できる人を求めています。
初任給は大卒・短大卒など学歴によって差はあるものの、一般的な流通・小売業界と同水準とされています。
年間の休日は各店舗や雇用形態によって変わるものの、シフト制を導入しながらもしっかりと休暇を取得できるよう配慮しています。
採用倍率は非公表ですが、店舗販売スタッフのみならず、本部機能やデザイナー、EC事業部など多彩なポジションを募集することがあり、自分の強みを生かしやすい環境があるといえるでしょう。
株式情報
株式会社ツツミは証券コード7937で上場しており、投資家からも一定の注目を集めています。
配当金は年に1度の基準日を設けて支払われる形態が多いですが、実施回数や金額は業績や経営方針によって変動します。
株価は日々変動しますが、平均すると数百円から千円台の範囲で推移することが多いようです。
実際の株価水準や配当利回りを確認するには、証券会社の情報やIR資料を参照すると良いでしょう。
未来展望と注目ポイント
今後、株式会社ツツミはさらなる成長戦略としてEC事業や海外市場への展開に注力していくことが予想されます。
国内においては依然としてブライダル需要が堅調なほか、ギフト需要を取り込みやすい時期に合わせたプロモーションを強化することで、既存の店舗販売を一層活性化できる可能性があります。
さらに訪日外国人観光客の増加が見込まれる状況では、インバウンド向けの接客体制や多言語対応を整えることで、新たな収益源を確保する余地もあります。
オンラインに関しては、公式サイトの機能拡張やSNSを使ったライブコマースなど、新しい顧客接点をどう作り上げるかが課題となるでしょう。
これらの取り組みがうまく軌道に乗れば、全国店舗とECサイトによる相乗効果が高まり、顧客への情報発信や販売チャネルがさらに拡充されると考えられます。
素材価格の変動リスクや景気動向に左右されやすい面もありますが、自社製造によるコスト管理やデザイン開発力を強みに、引き続き安定したブランド価値を提供することが期待されます。
こうした戦略を着実に実行できれば、IR資料や業績指標にも反映され、長期的な企業価値向上が見込めるでしょう。
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