株式会社栗本鐵工所のビジネスモデルと成長戦略を徹底解説

鉄鋼

企業概要と最近の業績

株式会社栗本鐵工所

株式会社栗本鐵工所は、1909年の創業以来、社会のインフラと産業の基盤を支える多様な製品を手掛けてきた総合メーカーです。

事業の柱は大きく3つに分かれています。

一つ目は、水道用のダクタイル鉄管やバルブなどを製造する「パイプシステム事業」です。

二つ目は、自動車部品などをつくるプレス機械や、化学・食品プラントで使われる産業機械などを提供する「機械システム事業」です。

三つ目は、商業施設の空調に使われるダクトや、FRP(繊維強化プラスチック)製品などを扱う「産業建設資材事業」で、幅広い分野で社会に貢献しています。

2025年5月14日に発表された2025年3月期の通期決算によりますと、売上高は1,266億4百万円となり、前の期に比べて0.6%の増加となりました。

営業利益は79億30百万円(前期比6.3%増)、経常利益は84億77百万円(前期比8.5%増)、そして親会社株主に帰属する当期純利益は69億5百万円(前期比26.2%増)と、増収および大幅な増益を達成し、過去最高益を更新しました。

これは、機械システム事業と産業建設資材事業の売上が増加したことに加え、製品構成の改善などが利益を押し上げたことによるものと報告されています。

【参考文献】https://www.kurimoto.co.jp/

価値提案

高品質で安心・安全な社会インフラ製品と、生産性を高める産業設備を提供することが同社の価値提案です。

上水道用ダクタイル鉄管やFRPM管などは、人々の生活に欠かせないライフラインを支えています。

その高い品質と耐久性が信頼を獲得し、官公庁からの継続的な受注につながっています。

さらに、自動車や食品・薬品など多様な業界向け設備を提供することで、幅広いニーズに合わせた価値を生み出しています。

こうした製品の安定性と技術力の高さが、同社のブランドイメージを強固にし、多くの顧客から選ばれ続ける理由になっているのです。

生活に不可欠なインフラを支えるという使命感と、多岐にわたる産業への貢献姿勢が融合し、同社ならではの独自性を持っています。

主要活動

製品開発や製造、販売、アフターサービスが中心的な活動です。

新しい技術や素材を取り入れながら、長期利用を想定した高品質のパイプやバルブ、プレス機などを安定生産するノウハウが蓄積されています。

さらに、お客様が安心して利用できるよう、保守点検やメンテナンスなどのアフターサービスも強化しています。

この一連の活動を自社工場や協力会社と連携して行うことで、品質や納期を管理しやすくなり、顧客満足度の向上につながります。

公共事業では長いスパンでの利用が求められるため、耐久性と信頼性を第一に考えたものづくりが重視されており、そこが同社の強みとして機能しています。

リソース

長年培ってきた高度な技術力と豊富な経験、そして全国にある13か所の工場が大きなリソースです。

高度な技術力は、厳しい品質基準が求められるインフラ製品や精密性を要する産業設備の開発に役立ちます。

多拠点の工場を持っているため、地域ごとの需要や地理的特性に合わせた生産・配送体制を確立できます。

これにより運搬コストや納期を最適化し、急な需要変動にも柔軟に対応できるのです。

また、製品の開発段階から顧客の声を反映する姿勢を貫いていることも、同社のリソースを最大限に活かす要因になっています。

パートナー

官公庁や大手建設会社、自動車メーカーなどとの取引実績が豊富であるほか、海外拠点としてドイツやインドネシアに事務所や工場を展開しています。

国内だけでなく海外にもパートナーを持つことで、新技術や新素材の導入がしやすくなり、海外市場への足がかりも得やすい状況です。

たとえば新エネルギー分野やIoT化が進む産業機器分野の需要を見据え、グローバルな視点で協力関係を築いています。

官公庁からの案件は社会的責任も重く、品質や納期、コスト管理が厳しく問われますが、その期待に応えられる技術と実績があるため、継続的な関係を維持できているのです。

チャンネル

直接営業による顧客アプローチに加え、代理店やオンラインプラットフォームなどを活用して販路を広げています。

特に公共事業関連では、長年の取引実績をもつ営業担当者が直接入札や提案活動を行うケースが多く、信頼関係を築くことがポイントです。

民間向けでは自動車部品メーカーや食品・薬品企業との継続的な取引がメインとなり、設備の更新や新工場の立ち上げなどのタイミングで新製品や技術を提案する流れがあります。

オンラインプラットフォームの活用はまだ途上段階ですが、情報収集と新規顧客の開拓に活用が見込まれています。

顧客との関係

長期的な取引関係を重視し、カスタマイズ対応やアフターサービスを通じた信頼構築に力を入れています。

インフラ系製品は導入後に長く使われるため、導入後のメンテナンスや更新部品の提供などを通して顧客との関係を維持します。

産業設備も同様に、定期的な点検や故障時の迅速な対応が求められるため、顧客満足度は次の案件受注にも直結します。

こうした密接な関係づくりが、安定した受注とブランド力の向上に貢献しています。

顧客セグメント

公共機関や建設業、自動車関連企業、食品・薬品メーカーなどが主な顧客です。

公共機関向けでは道路下や河川、ビル空調など幅広いインフラ関連の製品が必要とされます。

建設業向けでは大型工事の配管や保護管などを提供し、自動車産業向けにはプレス機などの生産設備が活躍します。

食品・薬品業界でも、製造や加工工程で使われる機械が求められています。

こうした多様なセグメントをカバーすることで、特定業界の景気変動に左右されにくい事業構造を実現しています。

収益の流れ

主な収益は製品そのものの販売と、関連するメンテナンスサービスです。

大型のインフラ設備や産業設備は単価が高く、導入後にも保守点検や修理などで追加の収益が得られます。

特に官公庁案件などは導入まで時間がかかるものの、一度採用されると長期間の利用が見込まれ、更新時や追加発注も期待できます。

民間企業向けでも、工場の増設や設備更新でリピート購入が発生するため、安定した売り上げを確保しやすい傾向にあります。

コスト構造

原材料費や製造コストに加え、研究開発費も大きな割合を占めています。

鉄や各種金属、樹脂材料などの価格変動は、同社の利益に影響を与えます。

しかし技術開発の面でも積極的に投資しており、新しい生産技術を導入することで効率化や品質向上を狙っています。

全国13か所の工場運営にも固定費はかかりますが、複数拠点を活用することで地域特有の工事や企業ニーズに素早く対応できるメリットがあります。

こうしたコストと利益のバランスを継続的に最適化することで、高い経営効率を維持しているのです。

自己強化ループ

同社では、製品品質と顧客満足度を高めることでリピート受注や評判アップを狙い、さらに開発投資や生産能力を強化していく好循環を生み出しています。

例えばインフラ系製品では、水道管やバルブなどのライフライン製品が問題なく機能することで自治体や建設会社からの信頼が深まり、次のプロジェクトでも真っ先に声がかかるようになります。

また産業設備でも、導入企業が業務効率化やコスト削減を実感すれば、新工場の立ち上げや追加導入時に再度選ばれる可能性が高まります。

こうした成功事例の積み重ねがブランドを育て、それがまた新たな顧客を呼び込み、同社の技術研究や設備投資へと還元されていくのです。

結果的に、同社は顧客の要求に合わせた新製品開発やサービス体制強化へ投資し、より一層の品質向上と信頼獲得へとつながっています。

採用情報

同社の初任給は具体的な数値を公表していませんが、製造業としては標準的な待遇とされています。

年間休日の平均や採用倍率も明確には公表していないものの、全国に工場や事業所があるため、勤務地の選択肢が多いことが特徴です。

技術系だけでなく、営業や調達、管理部門など多種多様なポジションが用意されているため、自身のスキルに合ったキャリアを描きやすい環境といえます。

株式情報

同社は東証プライムに上場しており、銘柄コードは5602です。

配当金はその時々の経営方針によって変動があり、1株当たりの配当額も公式発表を確認する必要があります。

株価は経済情勢や公共投資の状況、製造業全体の景況などに影響されやすいため、最新の取引情報を追うことが大切です。

安定したインフラ需要と多分野にわたる産業設備の供給力から、今後の動向も注目されています。

未来展望と注目ポイント

同社の成長戦略としては、公共事業の拡充やインフラ老朽化対策に伴う更新需要が期待できる点が大きいです。

また、バイオマス発電や環境関連事業など、新たなエネルギー分野への参入や拡大も見逃せません。

自動車業界ではEV化や海外生産拡大の動きがあり、その対応策としてより高度な鍛造プレス機や軽量部品を製造できる設備の研究開発が進むでしょう。

こうした取り組みの結果は、長期的に事業を支える原動力となります。

さらに、海外拠点を活用したグローバル展開が進めば、国内景気に左右されすぎない収益体制を築くことも可能です。

公共・民間の双方で安定した売上を確保している同社は、今後も多様なニーズに応じた技術革新を続けながらビジネスモデルを強固にし、持続的な発展を目指すと考えられます。

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