企業概要と最近の業績
株式会社めぶきフィナンシャルグループ
茨城県を主な営業基盤とする常陽銀行と、栃木県を主な営業基盤とする足利銀行を傘下に置く金融持株会社です。
銀行業務を中心に、リース、証券、クレジットカード、信用保証、調査・コンサルティングなど、質の高い総合金融サービスを提供しています。
地域社会の課題解決を図り、地域とともにゆたかな未来を創造することを経営理念として掲げています。
2026年3月期第1四半期の決算では、経常収益は990億1,400万円となり、前年の同じ時期に比べて21.0%増加しました。
これは主に、資金運用収益やその他経常収益が増加したことによります。
経常利益は316億9,000万円で前年の同じ時期に比べて21.1%の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益も222億2,300万円で21.1%の増加と、増収増益を達成しました。
一方で、資金調達費用やその他業務費用も増加しています。
価値提案
めぶきフィナンシャルグループは、質の高い金融サービスを通じて地域の暮らしとビジネスを支援することを大きな価値としています。
単なる融資や預金商品だけではなく、経営コンサルティングや地方創生プロジェクトの企画など、多様なニーズに応える総合金融サービスを展開していることが特徴です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、地域金融機関として地元経済を支える使命感が強く、企業や個人の頼れるパートナーであり続ける必要があるためです。
この強い使命感が、単なる金融サービスを超えて幅広いサポートを提供する姿勢につながっています。
さらに、地域の声を直接取り入れやすい体制で、迅速かつ柔軟に顧客対応できる仕組みが生まれました。
こうした総合的な支援が評価され、競合が多い金融業界でも安定した地位を確立しています。
主要活動
預金や融資、為替などの銀行業務に加え、企業経営に関するコンサルティングや地域活性化支援を行うことが大きな柱となっています。
とくに中小企業向けの事業サポートでは、融資だけでなく経営課題の解決策を提案する体制が整えられ、地域企業の成長を後押ししています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、低金利環境が長期化する中で、従来の金利差収入だけに頼る収益構造では成長が難しくなったからです。
そこで手数料やコンサルティング収入など非金利収益を増やす方向にシフトを進め、企業支援や地方創生のプロジェクトを積極的に手がけるようになりました。
結果として、地域経済とともに成長するという姿勢が明確になり、新たなビジネス機会を生み出しています。
リソース
常陽銀行と足利銀行という地域での高い認知度を持つ金融機関が、大きなブランド力と顧客基盤を形成しています。
さらに、金融の専門知識を有する人材やIT技術に通じたスタッフなど、多彩な人材をそろえている点も強みです。
【理由】
なぜそうなったのかというと、地域企業と長い取引実績を重ねる中で培った信頼関係や、合併・統合による組織的なリソース拡充が背景にあります。
また、各地域の行政や大学と連携を図るためのネットワークも豊富で、ビジネスを展開するうえで欠かせない資源となっています。
こうしたリソースをうまく活用することで、細やかな顧客対応から大規模案件まで幅広く対応できる体制を確立しています。
パートナー
地元の自治体や中小企業、大手企業、大学などと連携し、地域社会の課題を共に解決していく取り組みを重視しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、銀行単独では地域全体を活性化するのは難しく、さまざまなステークホルダーと手を組むことで大きな効果を発揮できるからです。
例えば、自治体との協力ではインフラ整備や観光振興など地域課題を解決する事業を行い、大学との協力では新技術や研究成果の応用を支援することで企業のイノベーションを後押しします。
こうしたパートナーシップを広げることで、地域経済だけでなく自社の成長にもつなげる好循環を生み出しています。
チャネル
店舗の窓口、オンラインバンキング、モバイルアプリなど、顧客の利便性に合わせたチャネルを整備しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、地域密着を掲げる一方で、従来の店舗だけでは若年層や遠隔地の顧客が利用しづらい課題があったからです。
ITの進化に合わせてインターネットやスマートフォンを活用したサービスを拡大することで、より多くの人が手軽に金融サービスを利用できるようになりました。
結果として、高齢者や学生、ビジネスパーソンなど幅広い層が自身の生活スタイルに合わせて取引を行えるようになり、利用者の満足度向上にも貢献しています。
顧客との関係
対面でのきめ細やかな相談対応とオンラインでの迅速なサポートを組み合わせるハイブリッド型の顧客接点を大切にしています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、従来の銀行窓口だけでは時間帯や場所の制約が大きく、特に忙しいビジネスパーソンや遠方の顧客が不便を感じていたためです。
一方で、対面による信頼関係の構築も重視しなくてはならないので、店舗ネットワークは維持しつつオンライン支援を拡充する形を取りました。
このようにアナログとデジタルの両方を融合させることで、顧客満足度を高めながら多様なニーズに応える関係性を築いています。
顧客セグメント
個人顧客、法人顧客、地方自治体など幅広いセグメントを対象としています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、地域金融グループとして人々の生活や事業をトータルで支える使命があるからです。
個人向けには住宅ローンや資産運用など、法人向けには運転資金や設備投資などに対応し、自治体向けには地域づくりに役立つソリューションを提供しています。
こうした多様なセグメントをカバーすることで、地域全体を巻き込んで経済を循環させる仕組みが生まれ、めぶきフィナンシャルグループとしても安定した収益基盤を築きやすくなっています。
収益の流れ
融資による利息収入と、各種手数料収入の大きく二本柱になっています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、銀行業としては伝統的に金利差で利益を得る構造が基本ですが、低金利時代が続く中で収益を維持するには手数料ビジネスの拡充が必要とされました。
そこで、M&Aや事業再編のアドバイスなどコンサルティング業務を強化し、また投資信託や保険などの販売手数料も積極的に取り組むようになっています。
これにより、金利環境に左右されにくい安定的な収益源を確保できるようになり、より柔軟な経営が可能となりました。
コスト構造
人件費や店舗運営費などの固定コストに加え、システム維持費も高い割合を占めています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、銀行業務を円滑に行うためには全国規模のATMネットワークやオンラインバンキングなどのインフラ整備が欠かせないからです。
さらに、顧客情報を厳重に管理するためのセキュリティ投資や、新サービスを開発するためのIT投資も必要になっています。
ただ、収益を伸ばしながらコストも適正化するために、店舗の集約やデジタル技術の導入を進め、効率的な体制づくりを目指しているのが現状です。
自己強化ループ(フィードバックループ)
めぶきフィナンシャルグループは、地域経済が活性化すると自社の収益も伸びるという好循環を意識して事業を展開しています。
具体的には、地元企業に対して融資を行い、企業が成長すると地域に新たな雇用や消費が生まれます。
すると地域経済全体が盛り上がり、金融サービスの需要も増えるため、銀行としての収益も拡大するという流れです。
またコンサルティングサービスを強化することで、さらなる成長を求める企業に包括的な支援を行うことができ、結果として新規顧客や追加のビジネスチャンスが広がります。
地域経済が元気になればなるほど、金融機関としての存在意義が高まり、企業との信頼関係も深まっていきます。
こうしたつながりを循環させることが、めぶきフィナンシャルグループの安定的な収益拡大につながるのです。
採用情報
大卒初任給は約20万円で、年間休日は120日以上を確保している傾向があります。
具体的な採用倍率は公表されていませんが、地域金融の中でも安定企業として人気が高く、多くの就職希望者が集まるといわれています。
実際に、銀行業務だけでなくコンサルティングや地域活性化プロジェクトに携われることから、幅広い仕事を経験できる魅力があるのではないでしょうか。
地域に貢献するやりがいと、大手グループの安定性を兼ね備えた環境が働きやすさにもつながっているようです。
株式情報
証券コードは7167で、めぶきフィナンシャルグループの株として取引されています。
配当金は年間で1株当たり10円ほどとなっており、株価は2025年2月時点で1株約300円前後で推移しています。
地方銀行系の金融グループとしては比較的安定した配当を出しており、地域貢献に取り組む企業として長期的に注目している投資家も多い印象です。
経営状況やIR資料をチェックしながら、今後の株価や配当水準の推移を見守るのも投資家目線の楽しみ方といえるでしょう。
未来展望と注目ポイント
めぶきフィナンシャルグループは、今後も地域密着の強みを軸にしつつ、デジタル化への対応を一段と加速させると考えられます。
オンラインバンキングやスマホアプリのさらなる利便性向上だけでなく、AIやビッグデータを活用した与信管理やリスク分析など、高度な金融サービスの開発にも期待が高まっています。
さらに、コンサルティング業務を柱の一つとして強化していくことで、単なる銀行業務に留まらない包括的なビジネス支援が実現するでしょう。
地域経済への貢献度をさらに高めていく姿勢が、企業の信頼やブランド価値を高め、新たな顧客獲得と収益拡大につながるはずです。
今後の成長戦略としては、従来の店舗ネットワークを活かしながら、デジタル化とリアルサービスを融合させるハイブリッド型の金融グループを目指すと予想されます。
こうした取り組みが順調に進めば、めぶきフィナンシャルグループが地域とともに大きく発展していく可能性は十分にあるでしょう。
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