企業概要と最近の業績
株式会社テイツー
当社は、リユース（再利用）事業を中核とする会社です。
主力業態として、中古の本やCD、DVD、ゲームソフトなどを売買する「古本市場」を全国に展開しています。
また、近年ではトレーディングカードやフィギュアといったホビー商材の専門店「ふるいち」の運営にも力を入れています。
実店舗での販売に加えて、オンラインストアでの販売も強化し、エンターテインメントのリユースを通じて、循環型社会に貢献することを目指しています。
2025年7月11日に発表された2026年2月期第1四半期の決算によると、売上高は82億5,500万円で、前年の同じ時期に比べて5.3%増加しました。
営業利益は4億1,100万円で、前年同期比で18.5%の大幅な増加となりました。
経常利益は4億5,500万円（前年同期比20.4%増）、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億7,500万円（前年同期比20.1%増）と、大幅な増収増益を達成しています。
主力であるトレーディングカードの販売が、新品・中古ともに市場の活況を背景に好調に推移したことが、業績を牽引したと報告されています。
【参考文献】https://www.tay2.co.jp/
価値提案
テイツーはエンターテインメント商材のリユースを通じて、手頃な価格と豊富な品ぞろえを求める顧客に多様な価値を提供しています。
新品に比べてリーズナブルに商品を手に入れられるだけでなく、レアなトレーディングカードや懐かしい古本の「宝探し」を楽しめるのも大きな魅力です。
さらに、自社開発のトレカ読取査定機「TAYS」を活用し、迅速で正確な査定を実現しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、リユース品を幅広い人に手軽に売買してもらう仕組みが、市場の拡大につながると考えられたからです。
安心して利用できるプラットフォームを整えることで、コレクターやファンが集まりやすくなり、リピーターの増加や口コミでの集客拡大につながっています。
主要活動
テイツーの主要活動は、商品の仕入れと販売、店舗運営、オンライン販売、そしてトレカ査定機「TAYS」の開発・運用に集約されます。
全国の「ふるいち」「古本市場」などの店舗を通じて中古品を買い取り、在庫を確保しています。
同時に、オンラインショップ「ふるいちオンライン」でも販売を強化し、遠方の顧客にもサービスを提供しています。
トレカ査定機「TAYS」を店舗に導入することで、人的負担を軽減しながら精度の高い査定が可能になりました。
【理由】
なぜそうなったのかというと、伸び続けるトレカ市場を見据え、査定業務の効率化と顧客満足度の向上が事業成長のカギになると判断したためです。
こうした取り組みが他社との差別化や売上アップにつながっています。
リソース
テイツーのリソースとしては、全国で展開する多くの直営店・フランチャイズ店、オンラインショップ、そして独自開発のトレカ査定機「TAYS」が挙げられます。
また、リユース品を集めるための仕入れルートと、多数の店舗を運営してきたノウハウやマニュアル化されたオペレーションも重要です。
店舗のネットワークが広いほど地域の特性を正確に把握でき、効率的な仕入れや販売が可能になります。
【理由】
なぜそうなったのかというと、フランチャイズ展開などを活用しながら規模拡大を図り、多様な地域の顧客ニーズを吸い上げる戦略をとってきたからです。
オンラインとオフラインを組み合わせる形で、在庫回転率を高めてコストを抑えつつ、価値を提供しています。
パートナー
テイツーのパートナーには、メーカーや問屋をはじめとする仕入先、フランチャイズ加盟店、ショッピングモールの運営会社などが含まれます。
これらのパートナーシップを通じて、新製品の流通や販促活動の効率化を図り、多様な商品を安定的に供給できる体制を整えています。
フランチャイズ店を増やすことで出店コストを抑えながら店舗網を拡大し、商業施設への出店によって高い集客力を得ることも可能です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、リユース事業においては商品の確保が収益に直結するため、仕入先との連携や立地の良さが不可欠だからです。
これによりリユース品の取扱量を増やし、店舗での売上増や顧客満足度向上を狙っています。
チャンネル
テイツーのチャンネルは、直営店やフランチャイズ店といった実店舗に加えて、オンラインショップ「ふるいちオンライン」やBtoB取引などが含まれます。
多くの顧客が直接店舗に来て商品を手に取れるメリットを重視する一方、オンライン上では全国規模で集客できるため、在庫を効率的にさばくことが可能です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、インターネットが普及する時代においてオフラインだけでは取りこぼしてしまう顧客層が多いためです。
複数のチャネルを組み合わせることで、利便性を向上させ、幅広い層に対して安定的に商品を届ける仕組みを築いています。
顧客との関係
テイツーは「ふるいち」アプリ会員制度などを駆使し、オンラインとオフライン双方で顧客をサポートしています。
店舗ではスタッフが直接査定や商品案内を行い、対面での信頼関係を構築しています。
アプリ会員にはクーポンやセール情報を配信することで、リピート率の向上を目指しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、中古品特有の状態や真贋など、顧客は安心を得るために直接コミュニケーションできる環境を求めるからです。
オンラインでもサポートを強化することで、遠方や忙しい人でも気軽に商品を探せるようになり、幅広い層を取り込めるようになっています。
顧客セグメント
顧客セグメントは漫画やゲームソフトを求める若年層から、トレカを資産とみなす社会人層、さらには家族連れまで非常に幅広いです。
特にトレカ市場が活況を呈していることで、コレクターはもちろん、投資目的で希少カードを狙う大人のユーザーも増えています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、かつて子ども向けだったトレカが、今では高額な値がつく投資商品として認識されるようになり、需要が多角的に拡大したためです。
中古本を含めて多種多様な商品を扱うことで、幅広い世代のニーズに応え、リユース事業ならではの楽しさを提案できるようになっています。
収益の流れ
収益の柱は、店舗とオンラインショップでの商品販売収入です。
そこにフランチャイズ加盟店からのロイヤリティ収入やトレカ査定機「TAYS」の販売・リースによる利益が加わります。
【理由】
なぜそうなったのかというと、リユース品の販売だけに依存していると市場変動の影響を受けやすくなるため、複数の収益源を持つことで安定性を高める狙いがあるからです。
また、トレカ人気に伴って「TAYS」に対する需要が増えたことも、収益を多角化する追い風となっています。
コスト構造
主なコスト構造は、仕入れコスト、店舗運営費、人件費、物流費、システム開発費に分類できます。
中古トレカの相場は市場動向に左右されやすく、高額なカードを仕入れたはいいものの値崩れが起きるとリスクが大きい点が特徴です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、トレカはブームによって値段が急騰することもあれば、一気に相場が下落することもあるからです。
さらに、新規出店や「TAYS」の開発費などの先行投資も一時的に利益を圧迫する要因になりますが、長期的に見ればオペレーションの効率化や事業の拡張性につながる可能性があり、コストとリターンをバランス良く管理することが重要といえます。
自己強化ループのポイント
テイツーの自己強化ループは特にトレカ市場を中心に回っています。
トレカ取扱量が増えれば増えるほど、多様なカードが集まり、コレクターや投資家の興味をひきつけやすくなります。
さらに、膨大な査定実績が「TAYS」の精度を高めることで、高額カードを含めた査定が素早く正確に行えるようになります。
その結果、ユーザーが査定の早さや信頼性を評価し、店舗やオンラインショップをリピートしやすくなる好循環が生まれます。
こうした循環が継続することで、テイツーの売上増とブランド力強化につながり、また新たな顧客を呼び込むというポジティブな連鎖反応を引き起こしています。
採用情報
テイツーでは、新規出店や店舗拡張の動きに合わせて人材の募集を継続的に行っていますが、初任給や平均休日、採用倍率などの詳細情報は公表されていません。
リユース事業特有の業務フローや、店舗シフトの柔軟性が求められることが多いため、応募時には自身のライフスタイルやキャリアプランを踏まえて検討することが大切です。
トレカや古本などのエンターテインメント商材に興味がある場合は、業界の動きを肌で感じながら働ける魅力があります。
株式情報
テイツーの株式は証券コード7610で上場しています。
2024年2月期には1株当たり4円の配当が実施され、2025年2月14日時点の株価は1株当たり141円となっています。
配当利回りとしては一定の魅力があり、リユース市場やトレカ分野への期待が投資家の注目を集める要因になっています。
今後は投資先行で減少した利益率をどう回復させるかや、配当方針がどのように変化するかが重要な見どころです。
未来展望と注目ポイント
今後のテイツーは、新規出店を継続しながら既存店舗のオペレーション効率化にも力を入れていくと考えられます。
トレカ市場は一過性のブームにとどまらず、コレクターや投資家など多彩なニーズを持った顧客が増えており、さらに大きなビジネスチャンスが潜んでいます。
テイツーが独自に開発した「TAYS」をいかに普及させ、効率的な査定や在庫管理を実現するかが収益アップのカギとなるでしょう。
また、電子書籍やサブスクの普及で落ち込みがちな古本分野をどう盛り上げるか、あるいはトレカ市場でのリーダーシップをどこまで確立するかも、今後の事業展開を左右するポイントです。
投資家視点ではIR資料をこまめにチェックし、成長戦略がどのように実行され、利益率や配当がどのように推移していくのかに注目することで、テイツーの将来性を見極めやすくなるでしょう。
今後の事業拡大がどこまで進むか、まさに目が離せない企業といえます。
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