企業概要と最近の業績
株式会社テセック
半導体の検査工程で使われる「ハンドラ」や「テスタ」と呼ばれる装置を開発・製造している専門メーカーです。
ハンドラは、完成した半導体チップを自動で高速に選別・搬送する装置で、テスタは、その半導体が正しく動作するかを電気的に検査する装置です。
自動車やスマートフォン、家電製品など、私たちの身の回りにあるあらゆる電子機器の信頼性を支える、重要な役割を担っています。
特に、一つ一つの半導体を個別に扱うディスクリート半導体の検査装置に強みを持っています。
2025年7月29日に発表された最新の決算によると、2026年3月期の第1四半期(2025年4月1日から6月30日まで)の売上高は28億33百万円でした。
これは、前年の同じ時期と比較して3.1%の増加となります。
営業利益は3億30百万円で、前年の同じ時期から19.1%の増加となりました。
経常利益は3億66百万円で、前年同期比23.6%増となり、増収増益の好調なスタートを切っています。
【参考文献】https://www.tesec.co.jp/
価値提案
半導体メーカーの品質向上と生産性向上を支援する高精度な検査装置の提供
ハンドラとテスタの両方をワンストップで揃え、ユーザーの利便性を高める製品ラインナップ
装置の導入後も手厚い技術サポートを実施し、トータルコストを抑えられる提案
【理由】
半導体の小型化や高性能化が進むなかで、検査工程の精度とスピードが生産効率を左右する大きな要素になっています。
テセックはハンドラとテスタという検査工程を支える主力装置を両方手掛けることで、検査全体の最適化が可能になりました。
高品質な装置を提供すればユーザー企業の生産性向上だけでなく、歩留まり改善や不良削減につながるため、企業にとっては投資価値の高い選択になります。
また、導入後のアフターサービスやメンテナンスを充実させることで、長期的な稼働を保証し、買い替えや追加導入の際も継続的に選ばれやすい環境を整えてきたことが、この価値提案を後押ししています。
主要活動
ハンドラ、テスタ、パーツの研究開発
高品質を追求した製造プロセスの構築
顧客への直接販売や代理店経由での販売促進
導入後の保守サポートとメンテナンス
【理由】
半導体検査装置は、求められる機能や測定範囲が絶えず変化する半導体業界の動向に合わせて更新が必要です。
そこでテセックは継続的に研究開発を行い、顧客からのフィードバックを吸い上げながら改良を繰り返しています。
製造においては、わずかな不具合が大量生産の足を引っ張るリスクがあるため、高度な品質管理体制を整えています。
販売活動については大手メーカーと直接やり取りできるリレーションを活用しつつ、より多くの顧客にリーチするために代理店ネットワークも使っています。
さらに、製品納入後も安定稼働をサポートし、顧客満足度を高めることでリピーターや追加購入を促す仕組みを作り上げてきました。
リソース
長年培ってきた半導体検査技術のノウハウ
自社工場や協力工場を活用した製造設備
設計開発からアフターサービスまで対応できる専門チーム
【理由】
高度に集積化された半導体を正確に検査するためには、独自の技術力が欠かせません。
テセックは日本国内の大手電機メーカーとの取引を通じて経験を積み、装置の高性能化や高信頼性を実現するノウハウを蓄積してきました。
自社工場やパートナー企業との協力による製造体制も、品質を一定以上の水準に保つうえで重要な役割を果たしています。
加えて、専任の開発エンジニアやサービスエンジニアが緊密に連携することで、新しい製品開発と既存製品のサポートを両立しています。
このリソースを活用することで、顧客が求める多様なカスタマイズやアフターケアに対応できる体制を整えてきました。
パートナー
東芝、パナソニック、シャープなどの大手電子機器メーカー
世界各地の代理店や販売パートナー
部材や電子部品を供給する協力会社
【理由】
半導体検査装置は、実際に使用する顧客のニーズをきめ細かく反映させる必要があります。
そこで大手メーカーや顧客企業と密接に連携し、開発段階から改良点を共有する関係を構築してきました。
代理店や販売パートナーとの連携も、海外展開や新規顧客の開拓を進めるうえで欠かせない要素です。
また、品質基準を満たした部材や電子部品を安定供給してもらうために、協力会社との継続的なコミュニケーションを重視しています。
こうしたパートナーシップを築くことで、製造の効率化やアフターサービスの迅速化が可能になり、最終的には顧客満足度の向上とビジネスの拡大につながっています。
チャンネル
顧客企業への直接販売
代理店ネットワークを通じた販売
展示会やイベントでの製品PR
【理由】
半導体検査装置は導入コストが大きく、顧客側も比較検討に時間をかけるケースが多いです。
そのため、顧客企業と直接対話しながら要望に合わせた提案を行えるチャンネルを重視してきました。
大手顧客との長期的な取引においては、顔の見える関係による信頼構築が重要だからです。
一方で、新興企業や海外市場へのアプローチを強化するために代理店ネットワークも活用しています。
展示会やイベントなどでは、実際に装置の稼働状況や性能を知ってもらうことで、製品の優位性を直接アピールし、新規顧客獲得につなげています。
顧客との関係
長期的な技術サポートと保守契約
カスタマイズ要望への柔軟な対応
導入企業同士の情報共有を促進する仕組み
【理由】
半導体検査装置は導入して終わりではなく、常に安定した稼働を求められます。
そこでテセックはメンテナンスや定期点検のサービスを充実させ、問題発生時にも迅速な対応ができる体制を築いています。
また、顧客企業によって扱う半導体デバイスの特性や要求水準が異なるため、カスタマイズ対応も柔軟に行ってきました。
導入企業同士が活用事例を共有することで、新たな技術開発や改良のヒントを得られる仕組みも整いつつあります。
こうした関係を築くことで、顧客ロイヤルティが高まり、リピート受注や買い増しにつながっているのです。
顧客セグメント
国内外の半導体メーカー
電子機器メーカー
研究開発機関
【理由】
半導体検査装置は、チップの設計や量産を行う半導体メーカーだけでなく、最終製品を開発する電子機器メーカーも自社内でテスト工程を持つ場合があります。
さらに、先端技術の研究を行う大学や研究開発機関でも試作デバイスの評価に利用されることがあります。
テセックは幅広いユーザーの要求に応えられる製品ラインナップとサポート体制を構築することで、各セグメントから安定的に受注を獲得し、多様なニーズをカバーしてきました。
こうした幅広い顧客層に対応できる仕組みが、会社の安定経営にも寄与しています。
収益の流れ
ハンドラやテスタなど主要製品の販売収益
パーツや交換部品などの継続的な販売
保守サービスやメンテナンス契約による安定収入
【理由】
本体装置の販売による売上が大きな柱となりますが、半導体検査装置には定期的な交換部品や消耗品が必要です。
また、装置が常に高い精度で稼働するために、点検や修理といったアフターサービスのニーズも切れません。
テセックはこれらの周辺事業をしっかりと確立することで、売り切り型のビジネスではなく、持続的に収益を得られる仕組みを作っています。
装置を導入した顧客が長期間にわたって支払いを続けるサービス契約を結ぶことで、景気変動の影響を受けにくい安定収入を確保している点も強みとなっています。
コスト構造
研究開発費
製造ラインや品質管理にかかる費用
営業活動や販売管理費
【理由】
半導体業界は常に新しい技術が求められるため、研究開発費に投資を惜しまない姿勢が求められます。
テセックは新技術をいち早く製品化するために研究開発部門を強化しており、そのコストは競争力を保つために欠かせないものとなっています。
さらに、品質管理を徹底するための製造ラインや検査工程の設備にも費用がかかります。
営業や販売に関しても、顧客との長期的な関係を維持するための人件費やコミュニケーションコストが必要です。
こうした構造を理解したうえで、効率的な研究開発や生産を行い、利幅を確保しているのがテセックの特徴といえます。
自己強化ループ
テセックの自己強化ループは、高品質な製品を提供することで顧客満足度を高め、その結果としてリピーターや新規顧客を増やす好循環が生まれる仕組みになっています。
半導体検査装置は一度導入すると長期間使われるため、導入企業からのリアルな使用感や不具合情報が継続的に集まります。
テセックはこれらのフィードバックを製品開発や改良に反映し、より高性能で使いやすい装置に仕上げます。
顧客は信頼できる装置を使い続けることで生産効率を高めることができるため、追加注文やメンテナンス契約へとつながりやすくなります。
さらに新規顧客の獲得も進み、より多くの実データやノウハウが蓄積されることで、次世代製品の開発力が強化されるという連鎖が続いているのです。
こうした循環が続けば続くほど、テセックのブランド価値や市場評価は高まり、企業としての地位を揺るぎないものにしています。
採用情報
テセックでは年間休日が120日以上を確保しており、ワークライフバランスを大切にした環境づくりを進めています。
初任給や採用倍率に関する公式発表はありませんが、高度な技術を扱う企業としてエンジニア志望の方にとっては魅力的な職場といえそうです。
装置産業はメンテナンスや保守対応が必要なため、サービスエンジニアの需要も高く、さまざまな職種で活躍の場があります。
株式情報
銘柄コードは6337です。
配当金や1株当たり株価に関しては最新のIR資料には具体的な数字が見当たりませんが、市場の状況や企業の成長戦略によって変動する可能性があります。
投資を検討している方は、継続的に開示される情報を追いかけながら判断することが重要です。
未来展望と注目ポイント
テセックは国内唯一のハンドラとテスタを両立して開発・製造する企業として、今後も半導体業界での存在感を高めていくと考えられます。
半導体はIoTや自動運転、5Gなどの分野で需要が拡大しており、その検査装置を供給する企業には長期的な成長チャンスが見込まれています。
さらに研究開発への投資を継続することで、次世代の半導体や新しいパッケージング技術にも対応できる装置を生み出すポテンシャルがあります。
海外市場への拡販が進めば更なる事業拡大が期待できるでしょう。
高品質かつ一貫生産のノウハウを武器に、世界中の半導体メーカーや電子機器メーカーを顧客に取り込むことができれば、売上高だけでなくブランド力の向上にもつながります。
日本の製造業が強みを持つ精密技術分野において、テセックのような企業がどのように新しい市場を切り拓きながら成長を遂げるのか、今後の動向から目が離せません。


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