大運の企業概要と最近の業績
大運株式会社
当社は、大阪港を主な拠点とする総合港湾物流企業です。
1918年の創業以来、港湾運送事業を中核として事業を展開しています。
主な事業内容は、輸出入される貨物を船から揚げ積みしたり、コンテナターミナルを運営したりする港湾運送事業です。
その他にも、貨物の通関手続き、倉庫での保管、トラックによる陸上輸送なども手がけており、港を起点とした一貫物流サービスを提供しています。
最新の2026年3月期第1四半期の決算によりますと、売上高は45億2,400万円となり、前年の同じ時期と比較して5.3%増加しました。
営業利益は3億2,700万円で、こちらも前年同期から10.1%の増加となっています。
主力の港湾運送事業において、コンテナ貨物や一般貨物の取扱量が堅調に推移したことが増収増益に貢献しました。
コスト上昇への対応として行った料金改定なども利益を押し上げる要因になったと報告されています。
【参考文献】https://www.daiun.co.jp/
価値提案
港湾運送や自動車運送、倉庫保管などをワンストップで提供し、物流コストと時間の最適化を支援。
お客様ごとの物流ニーズに合わせた柔軟なプランを提案し、迅速かつ的確な貨物取り扱いを行う。
【理由】
なぜそうなったのかというと、幅広い物流サービスをまとめて依頼したい荷主企業が増え、対応力の高い総合物流会社が選ばれやすくなっています。
大運は大阪港に強い拠点をもち、海陸一貫の輸送と保管を一気通貫で手がけることで、付加価値の高いサービスを実現しています。
主要活動
港湾での荷役や通関手続き、トラック輸送の手配。
倉庫・物流センターにおける在庫管理や流通加工。
顧客企業への直接営業とカスタマイズ提案。
【理由】
なぜそうなったのかというと、グローバルなサプライチェーンでは、輸送手段の調整と在庫管理を一体的に行う必要があります。
大運は自社リソースを活かして港湾から最終配送までをカバーし、海運会社やトラック事業者との連携を強化することで、一貫性とスピードを実現しています。
リソース
大阪港を拠点とした高度な物流ネットワーク。
ノウハウをもつスタッフと専門知識。
倉庫・物流センターなど設備面での充実。
【理由】
なぜそうなったのかというと、港湾輸送の拠点は交通アクセスと貨物量の多さが重要です。
大運は関西の中心である大阪港を活用し、豊富な物流ルートを確保しています。
さらに、経験豊富な人材と適切な設備投資によって、多種多様な貨物に対応可能な体制を維持し続けています。
パートナー
海運会社やトラック運送業者。
倉庫業者や通関業者。
荷主企業との長期契約。
【理由】
なぜそうなったのかというと、複数の運送手段を連携させるためには、それぞれの専門企業との協力関係が欠かせません。
大運は長年にわたる港湾事業で築いたネットワークを活かし、柔軟にサービスを組み合わせることで顧客ニーズに応え、安定したビジネス基盤をつくっています。
チャンネル
直接営業による受注。
ウェブサイトやオンライン問い合わせ。
【理由】
なぜそうなったのかというと、物流サービスは企業の特性や貨物の種類によって求められる内容が異なります。
そのため、担当者同士が詳細を打ち合わせしながらカスタマイズするケースが多く、直接営業が有効です。
一方、インターネット経由での問い合わせも増えており、オンラインの利便性にも対応しています。
顧客との関係
長期的な契約による安定的サービス提供。
カスタムメイドの物流プランや相談窓口。
【理由】
なぜそうなったのかというと、物流は事業活動の根幹となるため、荷主企業は信頼できるパートナーを求めます。
大運は長期契約や専用窓口を設置することで、顧客企業のニーズを深く理解し、的確な提案を行います。
こうした密接な関係を築くことで、価格競争に陥りにくい安定収益を確保できています。
顧客セグメント
輸出入企業全般。
製造業者(部品や原材料の輸送ニーズ)。
小売業者(店舗やEC向けの在庫・配送管理)。
【理由】
なぜそうなったのかというと、海外との取引が活発な企業や、国内販売向けにスピード重視で物流を組み立てたい企業からの需要が高まっています。
大運は輸出入の手続きから国内配送まで一貫対応できるため、多種多様な業界の顧客に適したサービスを提供しやすい構造となっています。
収益の流れ
物流サービス(港湾運送・陸上輸送・倉庫保管)による手数料。
その他付帯業務(通関手続き代行、事務作業代行)。
【理由】
なぜそうなったのかというと、本業の運送や倉庫事業で安定的に収益を得つつ、通関や事務作業など周辺業務も引き受けることで収益源を分散させています。
一つの企業が多方面の物流業務をまとめて委託する傾向があるため、大運の総合力は収益拡大に結びつきやすくなっています。
コスト構造
人件費(ドライバーや倉庫スタッフなど)。
輸送コスト(燃料、車両維持費、港湾施設使用料など)。
設備投資や倉庫管理の維持費。
【理由】
なぜそうなったのかというと、物流業は人手が欠かせない一方、燃料費や設備費などの固定費も高額です。
大運は事務処理の効率化や倉庫の合理化などでコストを抑えつつ、必要なところに投資を集中的に行うことで、競争力を維持しています。
自己強化ループについて
大運が取り組む自己強化ループは、まず事務処理や倉庫オペレーションを効率化し、無駄な経費を削減することで利益率を高めるところから始まります。
そこから生み出された余剰資金を再びITシステムや配送インフラへ投資し、さらなる効率化や品質向上を目指します。
こうしたサイクルにより、単に人員を増やすだけでなく、既存のリソースを最大限に活かした高付加価値サービスを実現できます。
たとえば、電子化された通関書類管理や自動化された在庫管理システムを取り入れることで、担当者の負担が軽減され、高度なサービスの提供や新規事業開発に人的リソースを振り向けやすくなります。
結果として、より魅力的な物流プランをお客様に提案できるため、リピーターや固定客が増え、安定的な収益が確保しやすくなるのです。
採用情報
大運では、地場2t・4tの箱車ドライバーに対して月給25万円以上~35万円以上(一律手当含む)と比較的高水準の給与を設定しています。
休日は月7~8日のシフト制となっており、ライフワークバランスを取りながら働きたい方にも配慮があります。
採用倍率は公表されていませんが、物流業界全体でドライバー不足が深刻化している背景からも、安定した人材確保を重視していることがうかがえます。
株式情報
大運の銘柄コードは9363で、2024年3月期の年間配当金は11.00円と発表されています。
2025年2月3日時点での株価は1株あたり494円で推移しており、コスト削減による利益改善が続くようであれば、株主還元の拡大や株価上昇にも期待が寄せられています。
物流セクターは景気や為替の影響を受けやすいものの、安定的に稼ぐ仕組みを作れれば中長期での評価が高まる可能性があります。
未来展望と注目ポイント
大運は海上運賃の下落や為替変動による輸入貨物の減少といったリスク要素を抱えながらも、既存の収益体質を改善する施策で成果を上げています。
コストを抑えた運営体制をさらに強化しつつ、ITソリューションの導入や省人化投資でサービス品質を高めることで、顧客企業に選ばれる物流パートナーとしての地位を確立する戦略が考えられます。
市場全体ではEC需要の拡大やサプライチェーンの再構築など、物流企業にとって新たなチャンスが生まれやすい時期でもあります。
大運は大阪港という重要拠点を武器に、一貫輸送の強みと多彩な業務ノウハウを組み合わせることで、新規顧客や既存顧客の深耕に力を入れられる点が魅力です。
将来的に輸出入が活性化した際にも、安定稼働できる体制を早めに整えておくことで、景気回復の波に乗る可能性があります。
今後は外部環境への素早い対応と、社内の効率化を両立させながら、さらなる成長を目指すことが期待されています。
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