成長戦略を加速するアイキューブドシステムズのビジネスモデルと最新IR資料の魅力に迫る

情報・通信業

企業概要と最近の業績

株式会社アイキューブドシステムズ

2025年5月14日に発表された2025年6月期第3四半期の決算についてご報告します。

この第3四半期までの累計売上高は33億8,800万円となり、前年の同じ時期と比較して21.4%の大幅な増収となりました。

利益面も好調で、本業の儲けを示す営業利益は9億6,700万円と、前年の同じ時期から24.1%の増加を記録しました。

経常利益は9億6,900万円で24.2%の増加、最終的な親会社株主に帰属する四半期純利益は6億6,700万円で23.3%の増加と、いずれも高い成長を示しました。

決算短信によりますと、主力のモバイル端末管理サービス「CLOMO」のライセンス数が、民間企業や教育機関向けに順調に増加したことがこの好調な業績の要因です。

特にGIGAスクール構想の進展などが追い風となり、安定したストック型のビジネスモデルが売上・利益の拡大に繋がったと説明されています。

【参考文献】https://www.i3-systems.com/

価値提案

企業のモバイル端末管理を効率化し、セキュリティリスクを低減できるサービスを提供しています。

MDMの導入を考える企業にとって、操作性やカスタマイズ性が高いことは大きな魅力です。

【理由】
スマートフォンやタブレットの企業導入が一般的になるにつれ、情報漏洩防止や端末紛失対策などの課題が増大しました。

そのため、クラウドベースで簡単かつ安全に端末を管理できる仕組みが求められ、アイキューブドシステムズはこのニーズに素早く対応することで企業価値を高めています。

主要活動

CLOMOの開発・アップデート、新機能の研究やマーケティングを行うことが中心的な活動です。

顧客サポートや運用支援体制の充実も重視しています。

【理由】
MDMは導入後もセキュリティ要件やOSアップデートなどに合わせて柔軟に機能を拡張する必要があります。

そのため、定期的なバージョンアップや顧客対応を主要活動と位置付け、競合他社との差別化を図っています。

リソース

高度な開発スキルを有するエンジニアチームや、クラウドインフラ環境を安定して運用できる体制などがリソースの要です。

既存顧客からのフィードバック蓄積も重要な知的資産となっています。

【理由】
企業向けのサービスを安定稼働させるには、高品質な運用基盤と専門知識を備えた人材が不可欠です。

アイキューブドシステムズは創業時からモバイル管理技術の研究に注力し、その蓄積されたノウハウが現在の競争力を生み出しています。

パートナー

クラウドサービスプロバイダーや販売代理店との連携、さらにセキュリティ企業などとの技術提携がパートナー関係として挙げられます。

【理由】
クラウド基盤の信頼性や拡販チャネルの確保は、SaaS事業において欠かせません。

自社だけではカバーできない技術領域や営業領域を、信頼できるパートナーと協業することで補完し、サービス品質向上と市場拡大を実現しています。

チャネル

自社ウェブサイトやオンラインマーケティング、販売代理店経由での導入提案など、多面的なチャネルを展開しています。

【理由】
企業ユーザーは導入前にサービス内容や事例を確認する傾向が強いため、オンライン上で情報提供を行うことが重要になりました。

また、代理店を通じた導入促進は信頼性やアフターサポートにも繋がるため、複数のチャネルを活用しています。

顧客との関係

導入後のサポート体制、定期的なアップデートや相談窓口などの継続的なフォローを通じて信頼関係を築いています。

【理由】
MDMは一度導入すると長期間利用されるケースが多いため、顧客満足度の維持や追加ライセンスの獲得が重要です。

そのため、きめ細かなサポートと情報提供により、継続率を高める戦略を採っています。

顧客セグメント

中小企業から大企業まで、幅広い業種が対象です。

リモートワークや現場作業が多い事業者ほど利用価値が高いとされています。

【理由】
スマートフォンやタブレットを使った業務は、業種や企業規模を問わず普及しています。

そのため、セキュリティ強化や管理コストの削減を目指す顧客層に向けて、多様なプランを用意し対応範囲を広げています。

収益の流れ

サブスクリプション型の定期収入が主要な収益源となっています。

追加ライセンスやアップセルによって収益を拡大する仕組みです。

【理由】
サービスのアップデートや継続的なサポートが求められるMDMでは、月額もしくは年額のサブスクリプションモデルが適しています。

毎月安定したキャッシュフローを得ることで、新たな機能開発やサポート体制の強化に投資しやすくなり、さらに顧客満足度が向上する好循環を作り出しています。

コスト構造

開発コストやサーバー運用費用、セキュリティ対策費用に加えて、マーケティング費用が大きな割合を占めています。

【理由】
クラウドサービスである以上、安定したサーバー環境やセキュリティ維持には一定のコストが不可欠です。

また、新規顧客の獲得とブランド力向上のために、ウェブ広告や代理店との連携にも投資しており、これらがコスト構造の中心になっています。

自己強化ループの重要性

企業のモバイル管理は日々変化するセキュリティリスクや端末OSのアップデートに対応する必要があります。

そこでアイキューブドシステムズでは、顧客からのフィードバックを迅速に吸い上げ、CLOMOの新機能やUI改善に反映する仕組みを構築しています。

サブスクリプションモデルにより安定した収益を確保し、その資金を研究開発やサポート強化に再投資していくことで、顧客満足度が向上し、さらに新規ユーザーが増えるという好循環を生み出しています。

この循環が強まるほどサービス品質が高まるため、他社との差別化が進み、顧客ロイヤルティが上昇しやすくなります。

また、社内体制を整備することで、改善要望への対応速度を高め、導入企業がさらに追加ライセンスを購入しやすい環境を作り上げることにもつながっています。

採用情報

初任給は月給260,100円からで、内訳は基本給242,000円に固定残業手当10時間分18,100円が含まれています。

年間休日数は122日とされており、ワークライフバランスを重視した制度が整えられています。

昇給は年に2回行われ、個人の実績や成長を反映しやすい環境があります。

新卒採用実績は2024年度が14名、2023年度と2022年度がそれぞれ9名となっており、モバイルソリューションやセキュリティ分野に興味がある人材に魅力的なキャリアパスを提示しているようです。

採用倍率は公式に公表されていませんが、近年の技術系人材需要を考慮すると競争率は一定水準に達していると推測されます。

株式情報

銘柄コードは4495で、東京証券取引所グロース市場に上場しています。

配当金については最新の情報が公開されていないため、投資家は今後のIR資料や決算発表などを注視する必要があります。

2025年2月4日時点の株価は公開されていませんが、業績拡大や成長戦略の進捗によって大きく変動する可能性があります。

サブスクリプション型ビジネスを軸に安定したキャッシュフローを得る同社の事業性を見極めるうえでは、営業利益や経常利益の推移とあわせて中長期の視点で評価することがポイントです。

未来展望と注目ポイント

今後、企業のリモートワークやテレワークがさらに普及するにつれて、モバイル端末管理の重要性はますます高まると考えられます。

アイキューブドシステムズは、強固なセキュリティと安定した運用体制を構築していることから、ユーザー企業の信頼を得やすく、追加機能の拡充によって新規導入のハードルを下げる戦略が期待されます。

また、海外市場の開拓やパートナー企業との連携強化によって、さらなる市場拡大を狙うことも可能性として挙げられます。

一方で競合他社の参入や技術革新のスピードにも注視が必要となり、常に最新のトレンドに合わせてサービスをアップデートし続けることが不可欠です。

サブスクリプションモデルによる安定収益を武器に、新しい成長戦略やソリューション展開を推進していくことで、さらなる飛躍が見込まれる企業として注目していきたいところです。

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