企業概要と最近の業績
株式会社東建コーポレーション
株式会社東建コーポレーションは、土地活用を提案する建設・不動産賃貸会社です。
主力事業は、賃貸マンション・アパートなどの建設請負事業と、完成した建物の入居者仲介や管理を行う不動産賃貸事業です。
土地オーナーに対して、市場調査から事業計画、設計・施工、入居者募集、管理・運営までを一貫してサポートする「土地有効活用システム」を提供しています。
その他、子会社を通じて広告事業(ホームメイトの運営など)やリゾート事業なども展開しています。
2026年4月期第1四半期の決算短信によりますと、売上高は719億48百万円となり、前年の同じ時期と比較して5.4%の増収となりました。
営業利益は47億11百万円で、前年同期比11.7%の増益です。
経常利益は52億5百万円(前年同期比9.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は33億96百万円(同10.0%増)となり、増収増益を達成しました。
主力の建設事業において、資材価格高騰の影響を受けつつも受注・施工が堅調に推移したことや、不動産賃貸事業における安定した入居率などが業績に貢献したと報告されています。
【参考文献】https://www.token.co.jp/
価値提案
・土地所有者に向けて、賃貸経営を活用した安定的な収益獲得プランを提案しています。
【理由】
高齢化や相続税対策などのニーズが強まる中で、節税や資産活用の手段として賃貸経営が注目を集めているためです。
同社は豊富な建設実績を活かし、オーナーにとってリスクとリターンをバランス良く設計した価値を提供することに力を入れています。
主要活動
・土地活用コンサルティング、物件の設計・施工、賃貸仲介や管理業務を一貫して手がけています。
【理由】
土地所有者が必要とするサービスをワンストップで提供することで、顧客満足度を高めつつ、自社の収益源を多角化できるためです。
リソース
・専門知識を持つ営業担当や設計・施工の技術者、全国規模のネットワークを保有しています。
【理由】
地域特性を把握する営業網と建設ノウハウの両方が必要とされるビジネスであり、長年の経験から蓄積された人材や仕組みが同社の強みとなっているためです。
パートナー
・金融機関や資材供給業者、地元の関連事業者などが挙げられます。
【理由】
建設資材の安定確保や資金面のサポート、地域に根付いた情報を得るための連携が欠かせないからです。こうしたパートナーとの協力体制があることでスムーズな事業運営が可能になります。
チャンネル
・自社の営業拠点とオンラインを活用した情報発信を行っています。
【理由】
全国的な知名度を活かすために拠点数を確保しつつ、インターネットを使った集客も強化することで、多様な顧客にリーチできる環境を作る必要があるからです。
顧客との関係
・直接対面でのコンサルティングや、完工後のアフターサポートなど、長期的な付き合いを重視しています。
【理由】
土地活用や賃貸経営は長期間にわたる契約になることが多く、オーナーとの信頼関係が企業の評判と収益に直結するからです。
顧客セグメント
・主に土地所有者と賃貸物件の入居希望者が中心です。
【理由】
土地を持つオーナー向けに建築や管理を提供すると同時に、その物件に入居したい人を集客することで、両面から売上を生む仕組みとなっているためです。
収益の流れ
・コンサルティング料や建設工事の収益、入居者管理に伴う手数料によって構成されています。
【理由】
一度の建設だけでなく、入居者の家賃管理やアフターサービスでも収益を得ることで、長期にわたる安定した収益基盤を形成できるからです。
コスト構造
・人件費や建設資材費、営業経費が主なコストになります。
【理由】
高品質な建物を提供するための建設コストや、多数の営業拠点を運営するための人件費が不可欠だからです。これらのコスト管理が利益拡大の大きなポイントになります。
自己強化ループ
同社の事業には、顧客と密接に関わることで生まれる自己強化ループが存在しています。
まず、土地所有者に対する質の高いコンサルティングや施工を行うことで、オーナーからの信頼が高まります。
その結果、物件の完成後は満足度の高いオーナーからの口コミや紹介が増え、新規顧客の獲得につながります。
一方で、良質な建設と入居者管理の仕組みによって、実際に入居した方の満足度も高めやすくなります。
高い入居率が維持されればオーナーにとっての収益が安定し、さらに追加の建設依頼や管理契約を任される可能性が高まります。
こうした好循環は、会社のブランドイメージをより強固にし、地域を問わず新たなビジネス機会を生み出していくのです。
このループによって、事業規模が拡大するとともに営業ネットワークやノウハウが蓄積され、ますます優位性が高まっていきます。
人材面でも、強いブランド力がある企業ほど有能な人材を惹きつけやすくなり、より高度なサービスが実現できるという連鎖も期待できます。
結果として、オーナーと入居者双方の満足度を軸にした自己強化型のビジネスモデルが確立されているといえるでしょう。
採用情報
東建コーポレーションでは、新卒の初任給が月給26万3,000円以上となっており、固定残業代47時間分を含んでいます。
平均年収は約819万円とされ、完全週休2日制で年間休日123日を導入するなど、待遇面にも配慮されています。
採用倍率は正式に公開されていませんが、全国的に拠点を構えているため、幅広い人材を積極的に募集していると考えられます。
専門知識を身につけたい方や、土地活用ビジネスに関心のある方にとっては魅力的な就職先といえるでしょう。
株式情報
東建コーポレーションは証券コード1766で上場しており、期末一括配当を270円から330円へと大幅に増額修正しています。
これまでの配当実績が250円だったことを踏まえると、株主還元の姿勢を強めているといえそうです。
さらに、2025年3月3日15時30分時点の株価は1株あたり12,960円で推移しており、好調な業績を反映して株価にも注目が集まっています。
安定した収益モデルや堅実な経営が、投資家からの支持を得ている大きな要因といえるでしょう。
未来展望と注目ポイント
東建コーポレーションの今後を考える上で、まず注目したいのは国内の土地活用需要がどのように変化していくかという点です。
高齢化が進む中で相続対策や節税対策の重要性がより一層高まり、賃貸経営を含む土地活用のニーズは引き続き存在すると見込まれています。
同社はこれまで培ってきた実績とノウハウを生かし、土地活用ビジネスの細分化や地域特性に合ったサービス開発を進めることで、さらなる成長のチャンスをつかもうとしています。
建築費や人件費の高騰が続く可能性もありますが、自社で設計から施工、管理まで完結できる体制を持つため、コストコントロールや品質管理の面で強みを発揮できるでしょう。
さらに、近年はオンラインやデジタル技術を活かした営業体制や管理システムの整備が進み、これまで接点が少なかった層へのアプローチもしやすくなっています。
今後は、若年層の賃貸ニーズを取り込むための新しい住宅プランや、資産形成に興味のある個人投資家向けの情報発信など、多岐にわたる取り組みが予想されます。
長期的には、国内の不動産需要だけでなく、海外展開や新技術の活用など、まだまだ拡大の余地がある分野にも注力する可能性が考えられます。
同社が持つ自己強化型のビジネスモデルを保ちつつ、時代の変化や社会のニーズに合わせた戦略を柔軟に打ち出せるかが、今後の飛躍における大きなポイントとなるでしょう。


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