企業概要と最近の業績
株式会社アクセスグループ・ホールディングス
当社は、企業の販売促進や広報活動を支援する事業を展開している企業です。
特に、大学や専門学校などの教育機関が生徒を募集するための広報活動を支援する「学校広報事業」を主力としています。
進学相談会といったイベントの開催や、学校案内のパンフレット制作、ウェブサイトを通じた情報発信などを通じて、学校と高校生や学生との「より良い縁」を創出しています。
また、企業の採用活動をサポートする「採用広報事業」や、人材派遣・紹介を行う「人材支援事業」も手掛けています。
2025年9月期の第3四半期連結決算では、売上高が28億27百万円となり、前年の同じ時期と比較して8.9%の増収となりました。
利益面では、営業利益が1億13百万円となり、前年同期の40百万円の赤字から黒字へと大きく転換しました。
経常利益も1億17百万円の黒字(前年同期は36百万円の赤字)となっています。
主力の学校広報事業において、対面形式のイベントが活況を呈し、来場者数が増加したことなどが業績の向上に寄与しました。
価値提案
株式会社アクセスグループ・ホールディングスの価値提案は、企業や教育機関のプロモーション採用活動を一括してサポートできる点にあります。
これは、セールスプロモーションや合同企業説明会、留学生募集支援などを組み合わせて提供するため、クライアントが抱える課題を多角的に解決できる仕組みになっています。
【理由】
なぜそうなったかというと、一つの領域だけを扱うよりも、複数の領域を横断的に扱った方が付加価値が高く、クライアントとの長期的な取引関係が築きやすいからです。
実際に新卒採用支援で参加した企業がプロモーション支援にも興味をもち、さらには教育機関向けサービスを活用するケースも出てきています。
このように幅広いソリューションを提供することで顧客満足度を高め、高いリピート率を獲得している点が特徴です。
主要活動
主要活動としては、合同企業説明会やセミナーイベントの企画運営、さらには広告宣伝に関わるプロモーション企画の提案と実施が挙げられます。
オンラインとオフラインの両方でイベントを運営する体制を整え、さまざまなニーズに対応していることが強みです。
【理由】
なぜそうなったかというと、従来の対面型イベントだけでは地理的な制約や参加者数の制限がありましたが、オンラインを組み合わせることで参加者の幅が広がり、イベント自体の収益性を高めやすくなったためです。
さらに企業や自治体への営業活動も継続的に行うことで、多様な業界のニーズを把握し、それらに応じて新サービスを開発しています。
こうした多面的な活動によって収益源を拡大し、安定化を図っています。
リソース
リソースとしては、多業種のクライアントネットワークとイベント運営のノウハウが大きな資産となっています。
特に若年層の採用や教育分野の支援に強みを持つことで、他社とは異なる独自のポジションを確立してきました。
【理由】
なぜそうなったかというと、学生や若年求職者の集客ノウハウを蓄積するうちに、教育機関や企業人事部門との結びつきが自然と強まり、それがさらに新たな依頼やサービス拡充につながるという循環構造が生まれたからです。
また外国人留学生関連のノウハウをいち早く蓄えたことも、リソース面での優位性を高める要因となっています。
これらのリソースを活かして複数の事業ドメインをまたいだ提案を行うことで、付加価値の高いサービスを提供できます。
パートナー
広告代理店や自治体、教育機関などが主なパートナーとして挙げられます。
これらの機関と協力することで、学生募集や地域活性化イベントなど幅広いプロモーション支援が可能になります。
【理由】
なぜそうなったかというと、自社だけでは対応しきれない業務を補完し合うことで、より大規模なプロジェクトを実施できるためです。
たとえば地方自治体が主催する合同企業説明会に共同で取り組むことで、地元企業への支援や地域の雇用拡大にも寄与しています。
このようにパートナーとの連携によって、より多くの実績と信頼を積み重ね、さらなる依頼獲得につなげていることがポイントです。
チャンネル
チャンネルとしては、自社ウェブサイトを活用した情報発信や直接営業、オンラインプラットフォームなどを併用しています。
特に若年層向けのイベントに関しては、SNSなども含め多角的にアプローチしており、幅広い層へリーチできる体制を整えています。
【理由】
なぜそうなったかというと、対面型の営業のみでは限界があるためです。
オンラインを駆使しつつ、実際にイベントでのコミュニケーションも活用することで、認知度と信頼度を同時に高め、効果的にクライアントを獲得しています。
こうしたチャンネル戦略によって販路を拡大し、地域や業種を問わず幅広い顧客とつながることができています。
顧客との関係
顧客との関係は、長期的パートナーシップを重視しています。
単発のイベント企画だけではなく、企業の採用戦略や教育機関の学生募集計画など、長期視点での支援を行うことで継続的な契約へ結びつけています。
【理由】
なぜそうなったかというと、人材採用や学生募集は毎年繰り返される課題であるため、一度高い成果を上げると翌年以降も契約を更新してもらえる可能性が高いからです。
また外国人留学生の募集や受け入れに関するコンサルティングなど、手厚いサポートを行うことで顧客からの信頼度が高まり、他社との差別化にも成功しています。
顧客セグメント
顧客セグメントは、企業の人事部門、教育機関の広報部門、自治体の担当部署など非常に幅広いです。
新卒採用や若年層採用を活性化したい企業、外国人留学生の確保を目指す学校、地域振興を図りたい自治体など、ニーズが多様な点が特徴です。
【理由】
なぜそうなったかというと、複数の事業を同時に立ち上げてきた歴史の中で、一つひとつのセグメントに応じたカスタマイズサービスを積み重ね、その結果として多岐にわたる顧客層を獲得してきたからです。
幅広いセグメントを持つことで、一時的な景気の波に左右されにくくなるメリットもあります。
収益の流れ
収益の流れは、イベント出展料、広告掲載料、業務代行手数料などが中心です。
採用支援では合同企業説明会への出展料やセミナーの参加費、プロモーション支援では制作費や企画費、教育機関支援では留学生募集に関する手数料など、複数の柱があります。
【理由】
なぜそうなったかというと、本業務に加えてイベント運営や広報支援といった周辺業務をまとめて請け負うビジネスモデルを構築したためです。
単に広告を作るだけでなく、運営や集客までを総合的に支援することで、高単価でのサービス提供が可能になっています。
こうした多角的な収益モデルによって業績の安定を図っています。
コスト構造
コスト構造では、人件費、イベント運営費、広告制作費などが大きな割合を占めています。
特に対面イベントの開催には会場費やスタッフ費がかかる一方、オンラインイベントではプラットフォーム関連のコストが発生します。
【理由】
なぜそうなったかというと、多様なチャネルを持つことで広範囲な顧客にアプローチできる反面、それぞれのチャネルを維持するために一定の固定費用が必要だからです。
ただしイベントの規模が拡大すると一件当たりのコストを分散できるため、収益性を高めるチャンスも生まれます。
運営ノウハウを磨くことでコストを抑えながら質の高いサービスを提供する点が成長のカギとなっています。
自己強化ループ
自己強化ループとしては、採用支援事業で高収益の対面型合同企業説明会が伸びると、その実績が評価されさらに多くの企業が参加を希望するようになります。
企業が増えれば学生の満足度も上がり、その評判が広まることで次のイベントの集客も増加します。
同様に、教育機関支援事業の外国人留学生募集企画が成功すれば、教育機関からの信頼が高まり、他のプロモーション支援や採用支援にもつながる流れができあがります。
これがまた新たな顧客獲得につながり、事業全体の収益が増えることで、組織のノウハウを強化する投資を行いやすくなります。
こうしたループが繰り返されることで、全体としてのブランド力が上がり、営業活動もしやすくなるため、さらなる案件を呼び込む好循環が進んでいきます。
要するに、一度成功事例を積み上げると、そこから派生する形で新たなビジネスが開花し、全体の事業ポートフォリオが強化されるという構造が特徴です。
結果として、安定的な収益基盤を築き上げることができるため、今後の成長を支えるエンジンとなっています。
採用情報と株式情報
採用情報については、初任給や平均休日、採用倍率などの数字は公式サイトに記載が見当たらない状況です。
ただし、採用支援を自社で行うほどのノウハウを持っているため、働きやすい環境づくりには注力していると想定されます。
株式情報に目を向けると、銘柄コードは7042、株価は927円、時価総額は約13億4千万円となっています。
発行済株式数は144万6千6百株で、1株当たり配当金は30円、配当利回りは3パーセント台と比較的高めです。
PERは7倍台、PBRは1倍台、ROEは18パーセント近くあり、利益水準は堅調といえます。
自己資本比率は35パーセント台でやや低めなので、今後の財務戦略にも注目が集まりそうです。
未来展望と注目ポイント
今後は対面型合同企業説明会を中心とした採用支援分野をさらに強化し、オンライン支援とのハイブリッド型サービスを拡充していく流れが予想されます。
コロナ禍でオンライン化が一気に進んだ一方、最近では対面でのコミュニケーション価値が再認識されており、両方を上手に組み合わせた成長戦略を打ち出すことが重要です。
教育機関支援事業においては、外国人留学生関連の拡大が継続的なテーマとなるでしょう。
少子化傾向が続く日本において、教育機関は海外からの学生受け入れに力を入れているため、この領域のサポートを手がける同社には追い風が期待できます。
さらに複数の事業を持っていることで、景気の変動にも強いビジネスモデルを構築しやすい点も注目されています。
今後はIR資料を活用しながら投資家への情報開示を強化して企業価値を高める取り組みを進めることで、株式市場での評価も一段と上がる可能性があります。
自己資本比率の向上と積極的な事業投資のバランスを保ちながら、さらなる売上成長と利益拡大を狙っていく姿が想定され、今後も株主や就職希望者から注目を集める企業として成長を続けていくことが期待されます。



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