株式会社アースインフィニティのビジネスモデルと成長戦略

電気・ガス業

企業概要と最近の業績

株式会社アースインフィニティ

当社は、電気や都市ガスの小売事業を全国で展開している会社です。

「無限の地球から、未来のエネルギーを。もっと身近に、あなたのもとへ」をスローガンに、法人や個人のお客様へ向けて、より経済的なエネルギーの利用を提案しています。

電力会社やガス会社の切り替えを通じて、光熱費の削減をサポートしています。

また、省エネコンサルティングや設備の提供も行っています。

2025年6月13日に発表された2025年7月期第3四半期の決算によると、売上高は381億7,100万円で、前年の同じ時期に比べて21.6%の大幅な増加となりました。

営業利益は6億6,300万円で、前年同期の1億5,100万円の損失から大幅な黒字転換を達成しています。

経常利益は6億5,800万円(前年同期は1億5,300万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億4,500万円(前年同期は1億5,400万円の損失)となりました。

主力の電力小売事業において、契約件数が増加したことに加え、電力の仕入れ価格が安定的に推移したことが黒字転換の主な要因として報告されています。

【参考文献】https://earth-infinity.co.jp/

価値提案

株式会社アースインフィニティの価値提案は、電気料金やガス料金のコスト削減と省エネ支援を同時に実現する点にあります。

特に電力小売事業では、中小企業や一般家庭が抱える光熱費の負担を軽くするプランを数多く提案しており、多くの顧客が乗り換えを検討しやすいというメリットがあります。

電子機器事業としては、電子ブレーカーの販売や設置によって無駄な電力消費を抑えるサポートを提供し、省エネの推進に寄与しています。

【理由】
なぜそうなったかといえば、電力料金の自由化に伴い、従来の大手電力会社以外にも参入の余地が生まれ、多様なサービスを組み合わせることでユーザーにとって最適な料金体系を生み出すことが可能になったためです。

また、持続可能な社会を目指す機運が高まる中で、コストダウンと環境貢献を同時に行いたいというニーズが増えていることが、この価値提案を支える土台となっています。

主要活動

同社の主要活動は、電力やガスの供給と電子ブレーカーなどの省エネ機器の販売・設置です。

自社のサービスを直接提案し、契約を獲得する営業活動や、電力調達の最適化を図る業務、そして電子機器の設置工事などの実務を担当します。

これらを通じて、中小企業や家庭が支払うエネルギー費用を削減し、環境に配慮したエネルギー利用を広げることが目標です。

【理由】
なぜそうなったかというと、電力とガスをセットで提供することによって顧客に一括サポートを行う仕組みが生まれ、顧客満足度を高めやすいと判断したからです。

また、電子ブレーカーの販売・設置が得意な企業との協力も進めることで、エネルギーの効率的な利用を促すサービスを総合的に提供できる強みが発揮されるようになっています。

リソース

同社のリソースには、電気やガスを安定的に調達するための供給網が挙げられます。

さらに、省エネ関連機器の技術力や、顧客ニーズに応じたプランを設計するノウハウも大きな資産です。

蓄積された顧客データや使用実績の分析結果によって、より効果的な省エネ提案を行うことが可能になり、新規顧客だけでなく既存顧客への追加提案にも活かせます。

【理由】
なぜそうなったかというと、電力自由化後の激しい競争に打ち勝つには、単に電力やガスを販売するだけではなく、カスタマイズされた省エネコンサルティングを行えるかどうかが差別化のポイントになると考えられたからです。

その結果、同社は電力・ガス供給網を強化すると同時に、電子機器の技術と顧客データを組み合わせたサービス設計に力を入れています。

パートナー

同社のパートナーは、電力やガスの供給元となる企業、電子機器メーカー、そして省エネ設備の施工業者など多岐にわたります。

これらのパートナーシップを通じて、安定的なエネルギー調達と高品質な省エネ機器の提供が実現できています。

【理由】
なぜそうなったかといえば、電力やガスの調達には安定性と価格競争力が不可欠であり、自社だけではコスト面や設備面で大きな負担になるからです。

そこで複数の事業者との連携を深めることで、供給のリスクを分散させ、同時に低価格で安定したエネルギーを届ける体制をつくり上げています。

また、省エネ機器メーカーとの協働により、最新の製品やノウハウを取り入れることができ、顧客満足度の向上にもつながっています。

チャンネル

同社が顧客にサービスを届けるチャンネルは、主に直接営業とウェブサイトの2つです。

直接営業では中小企業の経営者や家庭向けにコスト削減提案を行い、契約を獲得する機会を広げています。

また、ウェブサイト上では料金プランの見直しや電子機器のメリットを分かりやすく説明し、問い合わせや資料請求を促す仕組みを導入しています。

【理由】
なぜそうなったかというと、電力やガスの契約は信用性が重要であり、直接対面での説明があると安心感が高まりやすいからです。

また、インターネットを通じた情報収集が当たり前になっている現在、オンラインでの申し込み窓口を充実させることは欠かせないため、この2つのチャンネルを積極的に使い分ける方針をとっています。

顧客との関係

顧客との関係は、コスト削減提案やアフターサポートを通じて深められています。

電力やガスの利用状況を定期的にチェックし、必要があればプランの見直しや省エネのアドバイスを行うことで、契約を継続してもらいやすい体制を構築しています。

【理由】
なぜそうなったかというと、電力とガスはいわばライフラインであり、長期的に安定したサービスを受けたいという顧客のニーズが強いからです。

そのため、契約後のフォローアップを手厚くすることで、顧客満足度を高め、口コミや紹介などの形で新たなユーザー獲得にもつなげようとしています。

顧客セグメント

同社が主に狙っている顧客セグメントは、中小企業と一般家庭です。

中小企業向けには電気料金の負担を軽減することが経営の安定につながり、魅力的な提案として受け入れられやすいです。

一般家庭向けには大手電力会社からの切り替えを促し、家計の光熱費を下げることができるメリットが大きくアピールできます。

【理由】
なぜそうなったかといえば、電力自由化によって従来の枠にとらわれない契約が可能となったため、中小企業や一般家庭のような比較的小規模ながら数が多いセグメントを積極的に狙えば、安定した収益基盤を築けると判断したからです。

収益の流れ

収益の流れは、大きく電力・ガスの販売収益と電子機器販売収益の2つに分かれています。

電力とガスの使用量に応じた売上が安定的な収入源となり、電子ブレーカーなどの省エネ機器を販売した場合には、その販売利益やメンテナンス・付帯サービスの費用などが加わります。

【理由】
なぜそうなったかというと、エネルギー販売だけに頼ると価格変動リスクが高くなるため、電子機器をセットで提供して多角的な収益モデルを築こうと考えたからです。

結果的に、エネルギーと機器の両面から顧客をサポートし、付加価値を高めることで安定性と収益性を両立させる仕組みが作られています。

コスト構造

同社のコスト構造の主な部分は、電力とガスの調達コスト、そして販売やマーケティングなどの営業活動にかかる費用です。

新規顧客を獲得するためには広告宣伝やキャンペーンが不可欠であり、一定の費用を投下する必要があります。

また、電子機器の在庫や設置工事に伴う人件費もコスト要因となります。

【理由】
なぜそうなったかといえば、自由化で競合が増えたエネルギー市場では、知名度を向上し、価格メリットとサービスの質をアピールしなければ顧客を獲得しにくいからです。

そのため、初期の投資をかけてでも契約数を増やし、スケールメリットが生まれた段階でコスト効率を高めるという戦略が重視されています。

自己強化ループ(フィードバックループ)

同社の自己強化ループは、新規顧客獲得のための投資が契約数を増やし、その契約数増加によって売上と利益が高まることで、さらに次の新規投資へ回せる資金が生まれるという循環です。

特に電気とガスの安定的な収益があるため、短期的な広告費や省エネ関連機器の開発費を回収しやすく、その分野に再投資しやすい構造になっています。

最初のうちは投資が先行して利益が薄くなる可能性がありますが、ある程度の顧客基盤ができると、顧客維持コストの軽減や口コミ効果によって効率的に契約数を増やせるようになります。

このループが回り続けると、サービスの質やラインナップをさらに拡充し、競合他社との差別化も進むため、長期的な成長が見込まれる点が大きな強みです。

こうした仕組みにより、第1と第2四半期の投資が第3と第4四半期の利益増につながったように、投資と収益拡大の好循環を生み出すことを目指しています。

採用情報

同社の初任給や平均休日、採用倍率などの具体的な数字は公表されていませんが、電力やガス小売というエネルギー分野で注目度が高まっていることから、将来性を重視して入社を検討する方も増えています。

省エネ関連事業も展開しているため、環境やSDGsに関心がある方にとってはやりがいを感じやすい職場といえます。

営業やマーケティング、技術部門など、幅広いポジションで募集を行う可能性があるため、興味を持った方は最新情報を確認しながら応募を検討するとよいでしょう。

株式情報

同社は証券コード7692で上場しており、配当金は2024年7月期の期末配当として1株あたり1.30円を予定しています。

株価は2025年2月21日時点で1株88円となっており、比較的低い株価水準で推移しています。

エネルギー業界の動向は海外の資源価格や国内の電力需給バランスなどの影響を受けやすいため、今後のIR資料や決算情報を注視しながら、投資判断を行うことが重要です。

未来展望と注目ポイント

株式会社アースインフィニティは、売上高が50億円規模に達しながらも、エネルギー価格の変動や競争激化の影響で大幅な成長が難しい側面があります。

しかし、電力やガスだけでなく、省エネ機器の販売・設置やコンサルティングを重ねることで、差別化と顧客満足度向上を進める戦略を採っています。

今後はエネルギーの地産地消や再生可能エネルギーへのシフトなども社会的に注目されており、同社がそうしたトレンドをどう取り込んでいくのかが成長の鍵となりそうです。

また、省エネ機器やデータ分析の強みを活かし、大口の法人向けにコスト削減策を提案していけば、収益の拡大余地はまだ十分にあります。

経営基盤を安定させるとともに、時代の要請に合った取り組みを進めることで、長期的に見ても高い可能性を持つ企業として期待できるでしょう。

電力・ガス自由化の恩恵を最大限活かし、顧客にとってのベストプランを提供し続けることで、今後の業績と株価がどのように動いていくのか、要チェックです。

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