企業概要と最近の業績
株式会社エーアイテイー
国際貨物輸送を手配するフォワーダー(複合一貫輸送事業者)です。
自社では船や航空機といった輸送手段を持たず、荷主のニーズに応じて最適な輸送ルートや方法を提案し、通関や配送までを一貫して手配しています。
特に、日中間の海上輸送に強みを持ち、アパレル製品や日用雑貨などを多く取り扱っています。
2025年7月11日に発表された2026年2月期第1四半期の連結決算によりますと、売上高は200億5,000万円で、前年の同じ時期に比べて4.8%増加しました。
営業利益は15億円で、前年の同じ時期から7.5%の増加となりました。
経常利益は15億5,200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億5,100万円となり、増収増益を達成しています。
主力の日中間輸送および三国間輸送において、荷動きが回復し貨物の取扱量が増加したことが業績に貢献しました。
【参考文献】https://www.ait-jp.com/
価値提案
顧客企業のサプライチェーンを最適化し、コスト削減とリードタイム短縮を同時に実現することが最大の魅力です。
海上輸送や航空輸送だけでなく、輸出入通関から在庫管理までをワンストップで行うため、物流の煩雑さを大幅に減らすことができます。
【理由】
なぜそうなったのかというと、国際物流の現場では輸送モードや通関手続きなど、多くのステップを効率的につなげることが重要視されるようになりました。
こうした複雑な工程を一括管理できるノウハウを確立した結果、顧客にとって「高品質な輸送サービスをスピーディに提供できる存在」として価値を感じてもらえるようになったのです。
同時にITシステムや社内体制を整え、物流の可視化や情報共有をしやすくすることで、企業規模や業種を問わずに信頼を得られるようになっています。
主要活動
貨物の集荷や輸出入通関といった輸送管理
倉庫での在庫管理や流通加工を含む3PLオペレーション
物流コンサルティングによる最適ルートの提案
【理由】
なぜそうなったのかというと、国際物流は輸送手段の手配や通関対応など複数の工程をしっかりと結びつける必要があるからです。
顧客ごとに最適な組み合わせを提案するためには、自社で完結できるサービスをそろえておくことが大きな強みになります。
また、3PL事業では単に倉庫を管理するだけでなく、在庫の配置や流通加工のタイミングなどを計画的に組み合わせることで、顧客企業が抱える課題を根本から解決できるようになりました。
これにより顧客満足度が高まり、リピートオーダーも獲得しやすくなっています。
リソース
国際輸送や通関業務の専門知識を持つ人材
世界各国と連携できるネットワークインフラ
運営を支えるITシステム
【理由】
なぜそうなったのかというと、国際物流を円滑に進めるには多国間の法規制や文化の違いを理解し、効率良く手続きと工程管理ができる人材とネットワークが不可欠だからです。
航空会社や船会社との調整だけでなく、現地での通関や書類処理がスムーズに行われるように体制を整える必要があります。
また、近年では荷物の追跡や在庫情報をリアルタイムで把握したいというニーズが高まっており、ITシステムを活用して可視化を進めることが競争力の維持につながっています。
こうしたリソースを自社で確保し続けることで、安定したサービス提供が可能になり、結果として信頼度の高い企業イメージを築いているのです。
パートナー
船会社や航空会社などの輸送キャリア
通関業者や倉庫事業者
海外の代理店や協力企業
【理由】
なぜそうなったのかというと、単一企業だけで全世界の輸送を完結させるのは難しく、各国の物流インフラを熟知したパートナーとの連携が不可欠となるからです。
優れたパートナーを持つことで、料金やスケジュールの交渉が有利になり、貨物がスムーズに国境を越えられるようになります。
また、倉庫事業や陸上輸送網を整えている協力企業との連携により、3PLサービスの質を高めることにもつながります。
こうしたパートナーとの関係を継続的に強化することは、顧客に対して安定したサービスを提供するための重要なカギとなっています。
チャンネル
直接営業やウェブサイト経由の問い合わせ
業界イベントや展示会でのアプローチ
顧客企業への訪問と提案活動
【理由】
なぜそうなったのかというと、国際物流を利用する企業は業種や規模が多岐にわたり、それぞれが抱える課題も異なるからです。
新規顧客にはウェブサイトや展示会を通じた情報提供が有効ですが、実際に最適な物流プランを提案するには対面で細やかなヒアリングを行い、カスタマイズしたサービスを提示する必要があります。
こうした方法をバランス良く組み合わせることで、幅広い企業にアプローチできるようになり、継続的な営業機会が得やすくなるのです。
顧客との関係
長期的なパートナーシップを重視
カスタマイズされたソリューションを提供
迅速な対応と丁寧なフォローアップ
【理由】
なぜそうなったのかというと、顧客企業の物流の一部を担う立場にある以上、信頼関係が薄いと長期契約につながりにくいからです。
輸送時間の遅延や通関ミスなど、トラブルが起こると企業の事業活動に大きく影響するため、安心して任せられる運営体制が求められます。
そこで、提案段階から詳細なヒアリングを行い、それぞれの企業独自のニーズに合わせて最適なプランを設計し、さらに運用中のフォローアップやコスト見直しなどを継続的に行うことで、顧客満足度を高めています。
このような姿勢が信頼を生み、紹介や口コミによる新規顧客獲得にもつながっています。
顧客セグメント
製造業や小売業など幅広い業種
海外輸出入を行う貿易関連企業
コスト削減や時間短縮を強く求める企業群
【理由】
なぜそうなったのかというと、グローバル化が進む中で、海外調達や海外販売を行う企業が増えたため、国際貨物輸送や在庫管理のニーズが大きくなりました。
特に製造業は部品のサプライチェーンを安定させる必要があり、小売業は販売時期に合わせて在庫を確保したいという要望があります。
こうした多様な業種の要望をまとめてカバーできるよう、さまざまな輸送モードや倉庫サービスを拡充することで、多方面の顧客セグメントに対応できるようになりました。
結果として、特定の業種だけでなく、多種多様な顧客基盤を構築しやすくなり、経営の安定にも貢献しています。
収益の流れ
貨物輸送サービスの手数料
倉庫管理や流通加工など3PL関連の収益
物流コンサルティングなど付加価値サービスの料金
【理由】
なぜそうなったのかというと、単なる輸送手数料だけでは価格競争に巻き込まれやすく、利幅が安定しない可能性が高かったからです。
そこで、3PLとして倉庫管理や在庫の最適化など高付加価値のサービスを提供することで、利益率の向上を図りました。
また、近年は物流に関するコンサルティングやITシステム導入サポートなど、より専門性の高い領域に踏み込むことで新たな収益源を確保しています。
顧客にとっても一括で依頼できるメリットがあるため、Win-Winの関係が築けるようになり、リピート率の向上に寄与しているのです。
コスト構造
人件費と輸送費が主要なコスト
ITシステムの維持やセキュリティ強化への投資
海外拠点のネットワーク運用コスト
【理由】
なぜそうなったのかというと、人材と輸送キャリアの確保がビジネスの肝となる国際物流業界では、専門性の高いスタッフを抱える必要があるため、人件費がどうしても大きくなります。
また、大量の貨物を安定して輸送するためには船会社や航空会社との契約が欠かせず、そのコストも相応に発生します。
さらに、顧客企業がリアルタイムで在庫や輸送状況を確認できるようにするためのITシステムには、維持費やサイバーセキュリティ対策などが不可欠です。
これらをバランス良く管理しながら、規模拡大によるスケールメリットを活用して効率を上げることで、コストの最適化に取り組んでいます。
自己強化ループ(フィードバックループ)
株式会社エーアイテイーでは、顧客の要望や市場の変化をいち早くキャッチし、サービスの改善に生かすしくみを整えています。
具体的には、定期的に顧客企業とのミーティングを実施し、輸送中に発生した課題や改善案をヒアリングします。
その結果を社内の担当部署やITシステムの開発担当に共有し、必要に応じてオペレーションを見直す流れが構築されています。
こうしたフィードバックループを回し続けることで、現場のスタッフが新しいノウハウを蓄積し、次の顧客案件にもスムーズに対応できるようになっています。
その結果、サービス品質が向上して顧客満足度が上がり、口コミやリピート受注が増加して収益基盤が安定化するという好循環が生まれているのです。
さらに、このループが運営コストの最適化にも寄与し、企業全体の競争力をより強化しています。
採用情報
同社では人物面を重視した選考を行っており、未経験からでも国際物流のプロを目指すことができます。
初任給は月給24万3,000円から37万9,000円までと幅があり、経験やスキルに応じて待遇を決定しています。
また、完全週休2日制で年間休日は120日以上を確保し、オンとオフのメリハリをつけた働き方をサポートしています。
具体的な採用倍率は非公開ですが、近年の物流需要の高まりもあり、会社全体としては積極的に人材を採用しているようです。
株式情報
株式会社エーアイテイーの証券コードは9381です。
2025年2月期第2四半期には中間配当を実施しており、投資家に対して継続的に還元を行う姿勢を示しています。
2025年2月28日時点の株価は1株あたり1,580円となっており、物流需要の底堅さや同社の安定した業績を背景に、今後の動向が注目されています。
未来展望と注目ポイント
同社は今後さらにグローバル展開を強化し、新興国や地域拠点の物流サービスも充実させる計画があると考えられます。
世界的なサプライチェーンの変革期においては、海上輸送と航空輸送を組み合わせた複合的なソリューションが一段と求められているため、輸送モードの柔軟な選択や現地パートナーとの緊密な連携がより重要になってきます。
さらに、顧客企業が情報をリアルタイムで把握できるITシステムを強化することで、輸送状況の見える化や在庫コントロールが一層向上し、差別化のポイントになるでしょう。
物流は経済の血液といわれるほど重要な役割を担っているため、経済情勢の変化や環境規制への対応も大きな課題となります。
株式会社エーアイテイーは、これまで培ってきた実績とネットワークを活かしながら、持続可能な物流サービスの確立や、より高度な3PL機能の提供を目指していくことで、さらなる成長が期待されます。
今後のビジネスモデルや成長戦略にも引き続き注目が集まりそうです。
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