企業概要と最近の業績
株式会社オートバックスセブン
カー用品の販売や取り付け、車検・整備などを手掛ける「オートバックス」のフランチャイズ本部です。
国内外のフランチャイズ加盟店へのカー用品の卸売や、直営店の運営を行っています。
また、ディーラー事業として新車・中古車の販売や買取も手掛けています。
2026年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が555億8,300万円(前年同期比2.5%増)と増収でした。
しかし、営業利益は20億1,200万円(同15.8%減)、経常利益は25億3,500万円(同16.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は15億5,800万円(同18.5%減)と減益になりました。
タイヤやエンジンオイル、バッテリーなどの消耗品の販売が堅調に推移し、売上は増加しました。
一方で、プライベートブランド商品の開発費用や、人件費、物流費などのコストが増加したことが利益を圧迫する要因となりました。
価値提案
カー用品や車検整備などを通じて、多様なカーライフをサポートしています。
全国規模で得られるノウハウを活かし、顧客の悩みや希望に応える商品を提供しています。
フランチャイズチェーン本部として、ブランド力と店舗網を強みとしています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、自動車市場は車検や定期整備などメンテナンス需要が絶えず、カー用品や点検サービスの提供が長期的な収益源になります。
そのため、幅広い品揃えと高い専門性を前面に打ち出し、あらゆる顧客のニーズをカバーできるような価値提案を行うことで市場での競争力を確立してきました。
主要活動
カー用品の販売を中心とした店舗運営。
車検やオイル交換などの整備サービスの提供。
ディーラー事業やオンラインサイト運営による収益拡大。
【理由】
なぜそうなったのかというと、単にカー用品を並べるだけではなく、利用者が困った時に頼れる総合サービスを展開することで来店機会を増やす狙いがあります。
さらに、国内外の需要を取り込み続けるために実店舗とネット両方の強化を進めることで、競合との差別化と売上の安定化を図っています。
リソース
全国各地に展開する店舗ネットワーク。
長年の運営で培われたブランド力と知名度。
整備士や接客スタッフなどの専門人材。
【理由】
なぜそうなったのかというと、大手カー用品店として成長してきた過程でフランチャイズ網を拡大し、全国的な店舗数の多さが大きな経営資源になりました。
また、豊富な知識を持つスタッフがいることで、リピーターを獲得しやすく、ブランドへの信頼感をさらに高めてきた経緯があります。
パートナー
フランチャイズ加盟店との協力体制。
海外現地企業との提携を活かした商社ビジネス。
自動車メーカーとの協業によるディーラー運営。
【理由】
なぜそうなったのかというと、オートバックス単独ですべてをまかなうのではなく、現地企業やフランチャイズパートナーと協力することで販路を拡大し、人材やノウハウの共有による効率化を実現してきました。
また、車両メーカーとの連携によって最新車両のディーラー権も取得し、新分野への進出が進んでいます。
チャンネル
全国の実店舗を中心とした対面販売。
オンラインサイトやアプリを通じたEC販売。
ディーラー店舗など新規チャネルの展開。
【理由】
なぜそうなったのかというと、インターネットの普及や消費者の購買行動の変化によって、実店舗だけでなくオンラインでも商品を購入できる環境が欠かせなくなりました。
そこで、オンラインサイトやアプリを強化し、自宅にいながらでも商品選択や予約ができるようにすることで、多様な顧客層にリーチしています。
顧客との関係
店舗スタッフによる親身な接客と会員プログラム。
公式アプリを活用した情報発信とサポート。
フランチャイズネットワークを通じた地域密着サービス。
【理由】
なぜそうなったのかというと、カー用品の購入や整備は専門的な知識が必要なケースが多く、信頼できるスタッフがいることは大きな安心感に繋がります。
さらに会員プログラムやアプリでのクーポン配信などを行うことで、リピート客の定着と新規顧客の獲得を同時に目指してきました。
顧客セグメント
車を所有する一般消費者全般。
フリート需要などを持つ法人顧客。
海外の自動車市場に関心を持つ現地ユーザー。
【理由】
なぜそうなったのかというと、クルマを使う人であれば誰でもターゲットになり得るのがカー用品の魅力です。
さらに法人向けには大口需要があるため、BtoB事業にも力を入れることで売上を安定させています。
海外展開は日本国内と比べて潜在需要の大きいASEANなどが中心です。
収益の流れ
カー用品の販売収益。
車検や整備サービスの手数料。
フランチャイズフィーやディーラー事業からの収益。
【理由】
なぜそうなったのかというと、従来の主力である小売販売だけでなく、各種サービスやフランチャイズ加盟店からの収益を組み合わせることで、景気変動や個別製品の流行だけに左右されにくいビジネスモデルを構築しました。
ディーラー事業も加わり、今後はさらに多角化が進む見通しです。
コスト構造
商品の仕入れにかかるコスト。
店舗運営やスタッフ人件費。
海外事業や新規事業への投資費用。
【理由】
なぜそうなったのかというと、商品を確保するための仕入れや在庫管理はカー用品小売において避けられないコストです。
また、店舗数が多いので人件費や賃料などが大きな比重を占めます。
さらに新規事業や海外展開を拡大する中で、投資費用が増加する局面もあり、これらをどう最適化するかが経営上の課題となっています。
自己強化ループ
株式会社オートバックスセブンでは、店舗ネットワークの拡大とブランドイメージの向上によるリピーター獲得が大きなサイクルを生み出しています。
具体的には、多くの地域で展開する実店舗とオンラインチャネルを連携させ、幅広い層にアプローチすることで来店客数を増やします。
顧客が満足すると再度利用してくれるため、会員プログラムを通じて継続的な販売やサービス受注が見込めます。
その結果、収益が高まり、新規事業やさらなる店舗強化に投資できる余力が生まれます。
投資によりサービス品質や品揃えがさらに向上し、利用者が増える好循環を生み出しているのが最大の特徴です。
採用情報
初任給は職種や地域によって変動する場合がありますが、業界大手ということもあり平均水準以上を目指しています。
休日は年間を通して比較的安定した体制を整えていますが、店舗によっては土日祝や繁忙期の出勤もあります。
採用倍率は公表されていませんが、自動車関連や接客ビジネスに興味のある学生や転職希望者にとっては根強い人気があるといわれています。
整備士資格や接客経験がある方は優遇される傾向がありますが、未経験でも研修制度を生かしてキャリアアップできるチャンスがあります。
株式情報
銘柄は9832で、東京証券取引所プライム市場に上場しています。
配当金は2023年3月期で年間60円となり、株主優待も実施されるなど投資家への還元を重視する姿勢が伺えます。
株価は日々変動するため、詳細は証券会社や関連サイトでの確認が必要です。
オートバックスの利用機会が多い方にとっては、優待のメリットを実感しやすい銘柄として注目されています。
未来展望と注目ポイント
自動車業界はEVやハイブリッド車などの環境対応車が普及し、カーシェアリングやサブスクリプションサービスなど利用形態が多様化してきています。
そのため、カー用品の売れ筋も変化し、メンテナンス分野の需要は今後さらに増える可能性があります。
また、ネットでの購入ニーズが高まる中、実店舗ではコミュニケーションやアフターサービスを重視することで付加価値を高める方針が重要になります。
さらに海外展開も拡大を目指しており、ASEAN地域を中心に店舗や商社機能を強化することで新しい収益源を築く戦略が進んでいます。
株式会社オートバックスセブンは今後の自動車社会の変化をチャンスとして捉え、多角的なビジネス展開やIR資料で示される成長戦略を推進していくことが期待されています。
これまで積み上げてきたブランド力やフランチャイズ網を生かし、次のステージへ進むための新サービスや新チャネルを開拓し続ける動きは見逃せません。
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