企業概要と最近の業績
株式会社ネクストウェア
ネクストウェアは、システムインテグレーション事業を中核とするIT企業です。
顧客企業の業務システム開発や、ITインフラの構築などを手掛けています。
また、自社開発のソフトウェアパッケージの販売や、情報セキュリティ関連のソリューションも提供しています。
その他、地域創生をテーマにしたグローカル事業として、特産品の販売なども行っているのが特徴です。
2026年3月期第1四半期の決算短信によりますと、売上高は6億66百万円となり、前年の同じ時期と比較して3.1%の増収となりました。
営業損失は60百万円(前年同期は71百万円の営業損失)、経常損失は59百万円(同66百万円の経常損失)となり、赤字幅は縮小しました。
親会社株主に帰属する四半期純損失は60百万円で、前年同期の67百万円の純損失から改善しています。
主力のシステムインテグレーション事業は堅調に推移したものの、新規事業への先行投資などが影響し、営業損失が継続したと報告されています。
価値提案
株式会社ネクストウェアの価値提案は、高度な技術力をもとに顧客の課題を解決することにあります。
具体的には、システム開発からクラウド導入支援、RPAツールの実装までワンストップで提供し、企業の生産性向上や業務効率化を強力にバックアップします。
複数のソリューションを組み合わせることで、顧客が抱える問題を包括的かつ柔軟にサポートする点が特徴です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、IT業界では技術トレンドがめまぐるしく変化するため、単一の製品やサービスに依存していては顧客ニーズを満たせなくなる恐れがあります。
同社は幅広いソリューションを展開することで、時代の変化に対応しながら持続的に顧客の課題を解決できる仕組みを築きました。
この戦略により、顧客は同社の提供するサービスを継続的に利用しやすくなり、会社にとっても収益基盤の安定につながっているのです。
主要活動
同社の主要活動は、システムコンサルティングやソフトウェア開発、さらに運用・保守まで網羅するトータルソリューションの提供です。
自社で開発したソフトウェア製品だけでなく、他社製品も扱いながら顧客に最適な組み合わせを提案しています。
さらにRPAやAIなどの新技術を積極的に取り込み、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを後押しします。
【理由】
なぜそうなったのかというと、多様化するITニーズに応じるためには、単に開発を行うだけでなく、運用段階のサポートやコンサルティングが不可欠だからです。
開発の段階で得た知識をもとに、導入後の最適化や改善提案を行うことで、長期的な顧客満足度を高める狙いがあります。
この流れが新たな案件の受注にもつながり、同社の主要活動をさらに発展させています。
リソース
リソースとしては、先端技術に精通したエンジニア人材と、培ってきたプロジェクトマネジメントのノウハウが大きな柱です。
また、顔認識プラットフォーム「SAFR」やRPAソフトウェアなどの独自性のあるプロダクト群も重要な資産となっています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、IT業界では人材のスキルと製品・サービスの品質が顧客からの信頼を得るうえで最も重要だからです。
豊富なプロジェクト経験を積んだエンジニアがいることで高度な要件にも対応でき、そこから得た知見を横展開することで、新しい分野の開発やサポートをスムーズに立ち上げることが可能になります。
こうした強みを活かして、同社はより付加価値の高い案件にチャレンジし、差別化を図っています。
パートナー
MicrosoftやNTTデータなど、大手企業との提携関係が同社の事業拡大を後押ししています。
特にMicrosoft 365やRPAツールのWinActor、UiPathなどは市場で大きなシェアを持つため、これらのパートナー企業と協力してソリューションを提供することで信頼性を高めています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、単独で新技術の開発や普及を図るよりも、大手パートナーの技術やブランド力を活用したほうがスピーディーに市場を開拓できるからです。
また、パートナー企業にとっても同社の開発力やサポート力は魅力的であり、互いの強みを生かし合うことで新たなビジネスチャンスを生み出すことができます。
チャンネル
同社は直販営業とパートナー経由の販売、さらにオンラインマーケティングの3つを柱とするチャンネルを活用しています。
顧客によっては直接の対面提案を重視するケースもあれば、パートナー企業からの紹介で導入を決めるケースもあり、多様なアプローチが必要だからです。
【理由】
なぜそうなったのかというと、ITソリューションは企業の業務に深く関わるため、導入にあたっては細かい要望を直接ヒアリングする必要があります。
一方、既存の顧客ネットワークを持つパートナーを通じれば、効率よく新規顧客を開拓できる面もあります。
このように複数のチャンネルを活用することで、さまざまなニーズを持つ顧客に対してアプローチを広げています。
顧客との関係
顧客企業との関係はコンサルティングを通じて密接に構築され、導入後も運用サポートや定期的な連絡を欠かしません。
特にクラウドサービスやRPAツールなどは導入後のメンテナンスやアップデートが重要です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、ITシステムは常に最新の状態を維持しなければ、その効果が低下しやすいからです。
同社は現場で得たノウハウを次の改善提案に反映することで、顧客が継続的に満足できるサービスを提供し、リピート契約や追加案件を獲得しています。
こうした手厚いフォローアップが顧客からの信頼を高め、長期的な取引につながります。
顧客セグメント
多様な業界の企業から公共機関まで、幅広いセグメントをカバーしています。
製造業や小売業、教育機関などの異なるニーズに応えることが可能であり、業界特有のシステム構築にも柔軟に対応できます。
【理由】
なぜそうなったのかというと、特定業界に限定しすぎると市場が縮小する恐れがあり、経営の安定性が損なわれるからです。
同社はこれまでの開発経験を活かし、異なる分野へも積極的に進出することでリスク分散と同時に売上拡大を目指してきました。
結果として、幅広い顧客層から支持を得るビジネスモデルを築き上げることに成功しています。
収益の流れ
収益源は受託開発によるプロジェクト収入、ソフトウェアやライセンスの販売、そして保守・サポート契約による継続課金が主です。
クラウドサービスやRPAサービスの利用料が毎月発生するストック型の収益モデルも取り入れているため、売上の安定化につながっています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、一度システムを導入しただけでは終わらず、長期間のサポートや機能追加のニーズが存在するからです。
そこで同社は保守・運用やアップデートに関するサービスを提供しており、これが新たなビジネスチャンスと安定収益につながっています。
コスト構造
コストの多くは人件費やシステム開発にかかる開発費、そして営業やマーケティングにかかる費用です。
特にエンジニアの確保にはコストがかかりますが、その分高度なプロジェクトを受注することで収益を高める戦略をとっています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、IT企業の競争力は開発力や技術力を持った人材に支えられるからです。
また、新技術の研究開発や顧客獲得のための営業活動にも投資を続けることで、長期的に事業を拡大する下地を作っています。
こうしたコストのかけ方を行うことで、より高付加価値の案件に取り組める環境を整えているのです。
自己強化ループ
株式会社ネクストウェアでは、技術力と顧客満足度が相互に高め合う自己強化ループが形成されています。
先端技術に投資して優秀なエンジニアを確保することで、高度なソリューションを提供できるようになり、顧客の課題を効率的に解決できます。
顧客企業は業務の効率化やコスト削減を実感しやすいため、リピート受注や追加契約につながります。
こうした継続的な契約によって会社の収益が安定し、さらに新しいサービスの開発や人材育成に再投資できるのです。
加えて、主要パートナーとの連携を強化することで新たな製品・サービスを導入しやすくなり、その結果として顧客への提案の幅も拡大します。
このように技術力と顧客基盤、そしてパートナーシップが好循環を生み出し、同社の成長を支えています。
採用情報
同社はエンジニアを中心に人材確保に積極的です。
初任給は月額25万円程度と比較的高めに設定されており、働きやすさを重視した年間休日125日や完全週休二日制などが導入されています。
ITエンジニア職では年間41名から45名を採用予定としており、若い世代の活躍の場が広がっています。
採用倍率は詳細は非公表ながら、IT業界での需要が高いため、一定の競争率になっていると考えられます。
同社としては成長戦略を支えるためにもエンジニア集団を強化し、先端技術を取り入れながら新しいサービスを開発していく体制づくりを急いでいるようです。
株式情報
同社は証券コード4814で上場しており、2025年2月6日時点の株価は135円です。
現時点での配当金予想は0円のため、投資家にとってはキャピタルゲインが重視される銘柄といえます。
予想PERは約171.5倍、実績PBRは約1.45倍で、赤字ながらも高いPERが示すように将来的な成長期待が株価に反映されている様子がうかがえます。
同社が業績改善を果たすことで、投資家からの評価がさらに高まる可能性もあるため、今後の事業展開に注目が集まっています。
未来展望と注目ポイント
同社は今期の通期予想で売上高30億円、経常利益3,000万円を見込んでおり、黒字化を実現するために下期での巻き返しを狙っています。
これはRPA関連やMicrosoft 365運用支援などの堅調な需要に加え、顔認識技術を活用した新サービスの拡販が期待されているからです。
IT業界ではクラウドやAI、デジタルトランスフォーメーションなどの技術トレンドが継続的に注目されており、こうした市場の波にうまく乗ることができれば、売上拡大だけでなく収益構造のさらなる強化も見込めます。
またパートナー企業との協力体制を深めることで、新規顧客へのアプローチやサービスの付加価値向上を狙う戦略も展開中です。
エンジニア育成を積極的に行うことで人材不足のリスクを減らし、新しい領域への対応力を高める取り組みが進んでいる点も見逃せません。
今後は、赤字縮小や成長分野でのシェア拡大を軌道に乗せられるかどうかが大きなカギになりそうです。
業界の技術変化が早い中、どれだけスピーディーに新分野へ挑戦し成果につなげられるかが同社の将来を左右すると考えられます。
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