株式会社ビジネスエンジニアリングのビジネスモデルで見る成長戦略

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企業概要と最近の業績

ビジネスエンジニアリング株式会社

当社は、製造業を中心に企業の基幹業務システム(ERP)の導入支援やコンサルティングを手掛けるIT企業です。

自社開発のERPパッケージソフト「mcframe」シリーズが主力製品であり、生産管理や販売、会計などの幅広い業務領域をカバーしています。

また、ERP導入に加えて、システムの運用保守サービスや、IoT・AIといった最新技術を活用したソリューションの提供も行っています。

海外にも拠点を持ち、グローバルに事業を展開する製造業のITパートナーとして活動しています。

2026年3月期第1四半期の決算では、売上高が47億1,300万円となり、前年の同じ時期に比べて17.2%の増加となりました。

営業利益は6億3,900万円で前年同期比42.8%増、経常利益も6億4,400万円で43.0%増と、大幅な増収増益を達成しています。

これは、主力製品である「mcframe」のライセンス販売や導入プロジェクトが好調に推移したことによります。

特に、既存顧客のシステム更新や海外展開支援の需要が業績を牽引しました。

【参考文献】https://www.b-en-g.co.jp/

  • 価値提案

    製造業の業務特性に深く根ざしたERPソリューションとコンサルティングサービスを提供することが同社の価値提案となっています。

    日本国内の製造業では品質管理や在庫管理、生産計画などの要素が複雑に絡み合うケースが多く、その業務プロセスをシステム化するには豊富な現場知識が欠かせません。

    株式会社ビジネスエンジニアリングは長年の導入実績から得たノウハウを活かし、単なるシステム導入にとどまらず、業務改革の支援までを一貫して行うのが強みです。

    【理由】
    なぜそうなったのかという点については、製造企業の現場に深く入り込むスタイルを確立してきたことが大きいです。

    一般的なITベンダーでは把握しきれない細かな工程や業務のクセまで対応するため、顧客企業からの信頼度が高まり、結果として高い価値提案が可能になりました。

    主要活動

    同社の主要活動はERPシステムの開発と販売、コンサルティング、導入支援、運用保守まで含まれます。

    具体的にはmcframeシリーズの開発・アップデートや、顧客企業の要件定義、システム設定、テスト、社員向け研修といったプロジェクト全体を担うことが特徴です。

    【理由】
    なぜこうした活動に注力しているかというと、製造業におけるシステム導入は長期的な視点での保守と継続的な改善が必要とされるからです。

    システムの導入だけでなく、その後の運用管理や最適化までフォローすることで、顧客企業との継続的な関係を構築し、リピートビジネスや追加案件の獲得にもつながりやすいのです。

    リソース

    同社のリソースとして大きな強みとなっているのは、製造業の現場を深く理解する専門人材やERP技術者が多数在籍している点です。

    また自社開発のmcframeという製品そのものも重要なリソースであり、顧客ニーズに合わせて柔軟にカスタマイズ可能なプラットフォームを内製していることが競合他社との大きな差別化要因になっています。

    【理由】
    なぜリソースを重視してきたかというと、製造業向けシステムには業種や業態によって異なる要件が数多く存在し、標準パッケージでは対応しきれない部分が多いからです。

    自社の人材と製品を組み合わせて柔軟に対応できる体制を作ることで、付加価値の高いサービスを提供できるようになりました。

    パートナー

    製造業界の現場に強い企業や、システム連携を行う他のITベンダー、場合によってはコンサルティングファームなどとの連携をパートナーとして位置付けています。

    顧客企業の業務改革を行う際には、周辺システムやサプライチェーン全体を見渡す必要があり、単独での対応は難しいことが多いです。

    【理由】
    なぜパートナーを重視しているのかは、グローバル展開や異業種連携など、専門領域を補完し合うことで顧客に対してより包括的なソリューションを提供できるからです。

    このようなパートナーシップの拡大は、IR資料などで示される成長戦略の一環とも言えます。

    チャンネル

    営業チームによる直接アプローチや、パートナー企業経由での紹介、オンラインマーケティングなど幅広いチャンネルを活用しています。

    【理由】
    なぜこれらのチャンネルが重要かというと、製造業は業界によっては商流や販路が複雑であり、信頼関係を築くためには直接のコミュニケーションが欠かせない反面、ネットによる情報収集のニーズも高まっているためです。

    複数のチャンネルを並行して運用することで、幅広い顧客層へアプローチし、商機を逃さない仕組みを作っています。

    顧客との関係

    プロジェクト単位での協力体制を築き、導入後も運用・保守・定期的なコンサルティングを続けることで深い信頼関係を構築しています。

    【理由】
    製造業は顧客個別の事情が多く、システム導入後も状況に応じたカスタマイズや追加要件が生じるからです。

    長期的に顧客企業と関係を維持できれば、新規受注だけでなく、追加機能の開発や別プロジェクトの依頼が来る可能性も高まります。

    こうして安定的な収益を確保しながら、新たな導入事例の創出につなげる好循環を生み出しています。

    顧客セグメント

    主に日本国内の中堅から大手の製造企業をメインターゲットとしています。

    取り扱う業界は自動車部品、電子部品、食品、化学など幅広いのが特徴ですが、いずれも製造工程が複雑で管理すべきデータが多い企業が中心です。

    【理由】
    なぜこのセグメントを狙うのかという点については、これらの企業が基幹系システムの更新に積極的であり、生産性向上や品質管理強化などのニーズが高いからです。

    さらにこうした顧客層は導入予算もしっかり確保しているケースが多く、長期的なサポートを求めるので、同社のサービスとの相性が良いといえます。

    収益の流れ

    同社の収益は主にmcframeライセンス販売、コンサルティングサービス料、システム導入および保守運用の契約によって成り立っています。

    【理由】
    なぜこのような収益形態をとっているのかは、ERP導入が一度きりの売り切りビジネスではなく、継続的なサービス提供が求められるからです。

    ライセンス料だけでなく、導入プロジェクトごとのコンサル費用や定期保守費用など、複数の収益源を確保することで、経営の安定化を図っています。

    コスト構造

    コストの大部分を占めるのは専門人材の人件費や、製品開発にかかる研究開発費です。

    また営業活動に要する販促費も無視できません。

    【理由】
    高度なIT技術と製造業の業務知識を兼ね備えた人材の確保と育成が欠かせず、これらのコストを惜しまず投資することで付加価値の高いサービスを維持しているからです。

    結果として顧客企業に長期的に選ばれる存在となり、ビジネスモデル全体の強化につながります。

    自己強化ループ

    自己強化ループとは、同社が自社製品の強化と拡販を通じて得た収益を、さらに製品開発や人材育成に投資するという好循環を指しています。

    たとえばmcframeシリーズの機能拡張を行い、それが顧客満足度を高め、新たな導入案件を獲得するきっかけになると、また追加の売上が生まれます。

    その利益をもとにさらなる研究開発を行い、製品の魅力を高めることで市場シェアを拡大していきます。

    顧客との長期的な関係性によってリピーターや新規紹介を得る機会も増え、営業効率も向上します。

    このように投資が成果を生み、成果がさらなる投資を後押しする循環が成立することで、同社のビジネスモデルは持続的に拡大し続けると考えられます。

    採用情報

    初任給や平均年間休日、採用倍率などの具体的な数字は公開されていません。

    しかし製造業とITの両方に深く関わる業務が多いため、幅広いスキルを身につけたい方にとってはやりがいのある職場といえます。

    また専門性の高いコンサルタントやシステムエンジニアを継続的に採用しており、人材育成にも力を入れていることがうかがえます。

    興味のある方は公式の採用ページなどで最新情報を確認すると良いでしょう。

    株式情報

    銘柄コードは4828で東証プライム市場に上場しています。

    2025年3月期の年間配当金予想は100円で前期から16円の増加となっています。

    さらに2025年2月7日時点の株価は3585円となっており、業績好調を背景に株主還元にも積極的であるといえます。

    安定した配当を期待する投資家にとっても魅力的な銘柄となっています。

    未来展望と注目ポイント

    今後はクラウド対応やグローバル市場での競争力強化が大きなテーマになると考えられます。

    特に製造拠点が海外に広がっている企業では、海外拠点との連携や複雑な部品調達の管理が求められるため、mcframeシリーズを中心としたERPシステムがますます重要な役割を果たすでしょう。

    さらに日本国内でも少子高齢化の影響で人手不足が深刻化しており、製造プロセスの自動化や効率化のニーズは高まり続けています。

    株式会社ビジネスエンジニアリングは、こうした時代の変化に合わせてソリューションを拡充し、高度化する現場の課題に対応する姿勢を見せています。

    将来的にはサービスのクラウド化をさらに推進し、導入・運用のハードルを下げることで市場規模を一段と拡大する可能性も期待されます。

    同時にデータ活用やAI技術の取り込みによって、より先進的な生産管理や在庫最適化を実現し、製造業界全体の生産性向上に寄与する企業へと進化することでしょう。

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