企業概要と最近の業績
株式会社フルテックグループ
当社は、道路や橋、トンネル、上下水道といった社会インフラの維持管理を専門とする企業グループです。
特殊な調査機器やロボットなどを活用したインフラ構造物の点検・診断から、調査結果に基づく補修・補強工事の施工までを一貫して手掛けています。
「社会インフラのトータルメンテナンス企業」として、人々の安全な暮らしを支える事業を展開しています。
2025年7月11日に発表された2025年8月期第3四半期の決算短信によりますと、売上高は48億7,400万円となり、前年の同じ時期に比べて6.2%の増収となりました。
営業利益は4億6,100万円で前年同期比2.4%増、経常利益は4億7,200万円で同2.1%増となり、増収増益を達成しました。
この業績は、国土強靭化計画に基づく公共事業が堅調に推移し、老朽化した社会インフラのメンテナンスや防災・減災対策に関連する受注が安定していたことが主な要因です。
価値提案
自動ドアを中心とした高品質な製品と、全国規模のメンテナンスサービスを提供していることが最大の特徴です。
製品自体の信頼性が高いだけでなく、万一のトラブルにも素早く対応できるサービス網が強みとなっています。
【理由】
商業施設や医療機関のように人が頻繁に出入りする場所では、故障を最小限に抑えつつ安全・安心を確保することがとても重要です。
そのため、保守サービスを含めたトータルな価値を提供することで、顧客満足度を高めるだけでなく、リピート契約や長期メンテナンス契約につなげるビジネスモデルが形成されました。
さらに、こうした総合的なサポート体制が、競合他社との差別化にもつながり、同社の成長戦略を支える柱となっています。
主要活動
同社は自動ドアの開発・販売から施工、保守までを一貫して行っています。
自社で施工体制を持つため、現場での柔軟な対応が可能です。
【理由】
開発や販売だけを切り離すと実際の設置作業との連携がうまくいかず、トラブル対応に時間がかかることがあります。
一方、フルテックでは自社の技術者が直接対応することで、納期や品質のコントロールがしやすくなり、顧客満足度を高めることができます。
さらに、自社施工が可能だと顧客の要望に合わせたカスタマイズもしやすく、結果として保守契約の獲得率を上げるなど、ビジネス全体の底上げを図れる点が大きなメリットになっています。
リソース
同社が最も大切にしているリソースは、熟練した技術者と全国に展開するサービス拠点です。
【理由】
自動ドアのトラブルは時と場所を選ばないため、全国的に対応力を高める必要があります。
また、商業施設や公共施設などは稼働停止のリスクを嫌うため、迅速な保守体制が求められます。
フルテックではこのニーズに応えるため、経験豊富な技術者を多数育成し、地域に根ざした拠点を整備してきました。
これによって、顧客からの信頼を獲得し、サービス継続契約にもつながる好循環が生まれています。
パートナー
建設会社や設計事務所、部品サプライヤーなどとの連携は欠かせません。
【理由】
建物そのものの設計段階から自動ドアが想定されていれば、工期短縮やコスト削減が可能になります。
また、業界で長く活動している経験を活かし、優良な部品サプライヤーとの関係を維持することで、品質の高い製品を安定的に供給できる仕組みが整います。
こうした信頼関係があるからこそ、顧客ニーズに柔軟に対応しながらも価格競争力を保持し、安定した事業基盤を築くことができるのです。
チャンネル
自社の営業担当者による直接営業に加え、代理店ネットワークやウェブサイトなど複数のチャネルを展開しています。
【理由】
商業施設や公共施設、医療機関など、それぞれの業界で担当者の抱える課題が異なるためです。
直販では顧客の現場の声を深く聞き取りやすく、代理店を通すと広い範囲での新規開拓がしやすいというメリットがあります。
さらに、ウェブサイトの充実によって、潜在的な顧客に対して最新のIR資料や製品情報を速やかに発信することが可能になり、結果的に商談機会の拡大につながっています。
顧客との関係
長期的なメンテナンス契約やカスタマーサポートを重視しています。
【理由】
自動ドアは設置して終わりではなく、日々の保守によって安全と快適さを維持する必要があるからです。
商業施設や医療機関にとって、扉が開かなくなるリスクは大きな問題となり得ます。
そこで定期点検や緊急対応を一括で請け負う体制を整え、顧客との長い付き合いを維持できるようにしています。
こうした関係を築くことで、次の施設や他社への紹介も増え、安定的な収益につながる点が大きな強みです。
顧客セグメント
商業施設や公共施設、医療機関、そして個人住宅など多岐にわたります。
【理由】
自動ドアの需要が店舗やオフィスだけでなく、バリアフリー化を進める個人宅などにも広がっているからです。
特に高齢化社会では、入口の段差を減らすとともに自動ドアを導入する流れが加速しており、今後も幅広い顧客層からの需要が期待できます。
フルテックは全国のサービス拠点を活かして多様な施設に対応し、顧客基盤の拡大を実現しています。
収益の流れ
製品の販売収入に加えて、施工収入と保守サービス収入が重要な柱となっています。
【理由】
一度設置された自動ドアのメンテナンスや修理は定期的に必要であり、そこに安定的な収益源が存在するからです。
また、施工を自社で行うことで、販売から施工、さらに保守契約までの一連のフローをまとめて管理できるため、顧客としてもフルテックに依頼しやすくなります。
こうした複数の収益柱を持つことで、単発的な売上に左右されにくい経営体質が実現しています。
コスト構造
人件費や部品調達費が大きな割合を占めています。
【理由】
施工や保守を自社で手掛けるため、専門技術者の人件費や全国に拠点を維持するための費用が必要になるからです。
また、品質の高い部品を調達するためにはコストがかかるものの、信頼性を重視している顧客ニーズに応えるには欠かせない投資といえます。
物流費や研究開発費も一定水準で発生しますが、これらのコストは長期的に見ればブランド価値の向上と、他社との差別化を生むための源泉となっています。
自己強化ループについて
同社では、高品質な製品と迅速なサービスを組み合わせることで、利用者からの満足度を高める仕組みができています。
自動ドアは故障が起こりにくいことが理想ですが、完全にゼロにはできないため、トラブルが生じた際にどれだけ迅速に対応できるかが重要です。
全国に拠点があるフルテックはスピーディーにサポートを提供し、顧客からの信頼を獲得してきました。
こうした高評価が次なる施設での新規案件獲得や紹介につながり、継続的な売上増を実現しています。
売上が伸びれば、さらに技術者の育成や設備投資にも資金を回せるようになり、サービス体制をより強化できます。
その結果、顧客への対応力がさらにアップして新たな契約が生まれるという好循環が続き、企業の安定成長に結びついています。
採用情報と株式情報
同社の初任給や年間休日数、採用倍率などは公表されていません。
関心がある方は公式の採用ページや求人サイトをこまめにチェックすると良いでしょう。
株式については、証券コードが6546となっており、1株当たりの配当金は2025年12月期予想で32円、予想配当利回りは2.93パーセントほどです。
株価は2025年2月19日時点で1094円をつけています。
未来展望と注目ポイント
今後は商業施設や公共施設だけでなく、医療施設や個人住宅での自動ドア導入がさらに拡大する可能性が考えられます。
バリアフリー化や衛生面への意識が高まっていることから、自動ドアの需要は引き続き堅調だと予想されます。
また、同社が長年培ってきた施工ノウハウや全国的な保守サービス体制が強みとなり、これまで競合が入り込めなかった地方の細かい地域ニーズにも対応しやすくなるでしょう。
さらに、安定した収益基盤を武器に、研究開発や新製品の投入に資金を振り向けることで、高付加価値のサービス提供も期待できます。
人材確保や技術者育成の面では課題があるものの、そこを乗り越えることで、より強固な組織と高い技術力を兼ね備えた企業へと進化するチャンスになります。
こうした点を注視していくことで、株式会社フルテックが今後も持続的な成長を続けるかどうかを見極められるでしょう。
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