企業概要と最近の業績
株式会社ブロンコビリー
2024年12月期第1四半期の連結業績は、売上高が86億37百万円となり、前年同期に比べて18.7%の増収となりました。
営業利益は7億82百万円で前年同期比177.3%増、経常利益は8億18百万円で同163.5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億45百万円で同160.8%増と、大幅な増益を達成しました。
この好調な業績は、既存店の売上が継続して伸長したことに加え、原材料価格やエネルギーコストの上昇に対応した販売価格の改定、生産性向上による人件費比率のコントロールなどが主な要因です。
期間中には、2024年4月24日に「ブロンコビリー大和店」(神奈川県大和市)を新規に出店しました。
2024年12月期の通期連結業績予想については、売上高330億円、営業利益20億円、経常利益20億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益13億20百万円を見込んでいます。
価値提案
炭火焼ステーキやハンバーグ、新鮮なサラダバー、大かまどで炊いた魚沼産コシヒカリなど、素材や調理方法にこだわったメニューを提供しています。
高品質を追求しながらも、気軽に入店できる雰囲気づくりに努め、家族連れやカップル、ビジネスパーソンなど幅広い層が楽しめる空間を演出しています。
【理由】
外食産業では価格競争が激しくなるほど低価格路線へ走りがちですが、同社は「素材や体験へのこだわりを強みにする」ことを選択しました。
そのため、安心感や特別感を求める顧客層の支持を集めやすく、リピーターの確保にもつながっています。
主要活動
食材の調達を安定化させるためのサプライチェーン管理。
直営店舗の運営における徹底したマニュアル化と品質管理。
ブランド力を高めるマーケティングやプロモーション活動。
【理由】
同社は全店直営のメリットを最大化するため、店舗オペレーションを標準化しながらも、顧客満足度を高める“現場力”を維持することが重要と判断しました。
調達から店舗運営までを一気通貫でコントロールすることで、コストの見える化と品質管理を厳格に行い、競合他社との差別化を図っています。
リソース
徹底した品質基準を守る自社工場や熟練スタッフのノウハウ。
店舗網の拡大によるスケールメリットとブランド認知度。
高品質な食材供給ネットワークと安定的な物流体制。
【理由】
外食ビジネスでは素材の味が直接評価につながります。
自社工場を持つことで、仕入れ段階から加工・配送までを自社基準で統一し、商品の品質と鮮度を高水準に保ちやすくしているのです。
また熟練スタッフのノウハウを積み上げることで、接客から調理までのサービス水準を保ち、顧客に安心感と付加価値を提供する体制を確立しています。
パートナー
肉や野菜など主要食材の安定供給に協力する仕入れ業者。
店舗設備や炭火焼グリルなどを開発・提供するメーカー。
ロジスティクスの最適化を担う物流パートナー。
【理由】
高品質を売りにする同社にとって、素材の安定確保はビジネスモデルの生命線です。
そこで、単に価格交渉を行うだけでなく、サプライヤーと長期的なパートナーシップを結び、安定供給とコスト管理の両方を実現しています。
こうした戦略的協業により、仕入れリスクを抑えつつ継続的な品質向上を目指しているのです。
チャンネル
全国の直営店舗。
公式ウェブサイトを通じた情報発信。
SNSや採用サイトを活用したブランドコミュニケーション。
【理由】
同社は“店舗での体験”がブランドのコアであるため、直接顧客との接点を持つ直営形態を重視しています。
同時に、オフィシャルサイトやSNSを通じて最新情報やキャンペーンを発信し、店舗へ誘導する導線を整備することで集客力を高めています。
顧客との関係
スタッフによる丁寧な接客と会員プログラム。
SNSなどを通じた顧客との双方向コミュニケーション。
アニバーサリー特典など再来店を促すキャンペーン。
【理由】
高単価なステーキやハンバーグを提供する場合、味とともに接客体験への期待値が高まります。
そのため、スタッフ教育や会員プログラムの充実により、顧客ロイヤルティを高める方針を明確にしています。
SNSの活用も積極的に行い、顧客の声を拾いながらサービス向上に反映しています。
顧客セグメント
家族連れやグループでの利用。
記念日やデートなど、少し特別感を重視する層。
ビジネスパーソンのランチや会食需要。
【理由】
リーズナブルな価格帯のステーキチェーンやファミリーレストランが多い中で、同社は高品質な食材を使いつつ幅広いシーンで利用しやすい店舗設計を追求しています。
サラダバーやライスの品質を高めることで、ファミリー層の満足度を高めながら、落ち着いた店内づくりでカップルやビジネス層にも支持される環境を整えているのです。
収益の流れ
店舗での飲食売上。
テイクアウトやデリバリー商品の販売。
サイドメニューや追加ドリンクのアップセルによる収益拡大。
【理由】
主力であるステーキやハンバーグの提供に加え、サラダバーやドリンクバーをセット化するなど、追加購買を促す仕組みを重視しています。
さらに、昨今の外食需要の多様化に対応するため、テイクアウトやデリバリーのメニュー開発にも積極的で、店舗へ来られない層にもアプローチを広げています。
コスト構造
高品質食材の調達コスト。
店舗運営にかかる人件費や設備費。
マーケティングやプロモーションへの投資。
【理由】
高品質を武器にする同社は、食材コストが一定以上かかる点は避けられません。
その一方で、直営店の一括管理や独自ノウハウの蓄積によって人件費や店舗オペレーションを効率化し、原材料費をカバーする仕組みを整えました。
さらに、広告出稿などを厳選することでブランドイメージを維持しながらコストを最適化しています。
自己強化ループ
株式会社ブロンコビリーは、高品質な食材と接客サービスを提供することで顧客満足度を高めています。
リピーターが増加すると自然と口コミやSNS評価が広がり、新規顧客を呼び込む相乗効果が生まれます。
結果として売上が伸び、利益が拡大すれば、新規店舗の出店や既存店の設備更新に再投資を行う余力が増し、さらに顧客体験の質を高められる好循環が生まれます。
高コストになりがちな高級路線と、コスト削減を重視するチェーン経営をうまく両立していることで、競合他社との差別化も図りやすくなります。
こうした自己強化ループは、ブランド力が増すほど加速度的に効果を発揮し、外食産業の厳しい競争環境下においても安定的な成長を支える大きな要因となっています。
採用情報
同社では四大・院卒の初任給を215,000円とし、短大・専門卒は204,800円を設定しています。
年間休日は105日とされており、有給休暇や産前産後、育児・介護休暇と組み合わせることで働きやすい環境を整えています。
採用人数は年間80名程度とされていますが、外食企業としては人気の高いステーキチェーンであるため、採用倍率は比較的高めになる可能性があります。
現場での接客サービスや調理技術の習得を重視する風土があるため、人材の育成スピードが速く、早期から店舗運営に関与できるのも魅力のひとつです。
株式情報
銘柄コードは3091で、東証プライム市場に上場しています。
2024年12月期の配当金は年間26円に増配されており、前期に比べて2円上乗せされました。
さらに、2025年1月30日時点の株価は3,700円で推移しており、好調な業績と増配のニュースが投資家の注目を集めています。
収益力の向上と安定した成長戦略によって、株主還元を重視する姿勢も評価されているといえるでしょう。
未来展望と注目ポイント
今後は新規出店を加速させるだけでなく、既存店の魅力を高める施策をさらに強化することが見込まれます。
例えば、サラダバーの品数を増やす、より希少価値の高い肉の仕入れルートを確立するなど、常にブランド価値を向上させる取り組みを行うことで、さらなる顧客満足度の向上が期待されます。
また、店舗オペレーションの効率化を一層推し進めることで、食材コストや人件費などの高騰リスクに対応しつつ、積極的に新規投資を行う余力を維持しやすくなるでしょう。
顧客体験に磨きをかけながら、ビジネスモデル全体でコストと収益のバランスをとる経営を続けることで、外食産業の激しい競争環境の中でも安定的かつ持続的な成長を狙っていく姿勢がうかがえます。
加えて、増配を含む株主還元策の拡充も期待できるため、投資家目線から見ても魅力のある企業として注目される可能性が高いといえます。
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