企業概要と最近の業績
株式会社ミクリード
当社は、居酒屋やレストランといった飲食店の皆様を専門にした、業務用食材の通信販売会社です。
「飲食店のバックヤード」として、お店の仕込みの負担を軽減できるような、ひと手間加えた冷凍・加工食品を中心に扱っています。
お客様はカタログやインターネットを通じて、必要な食材を少量からでも注文することができます。
オリジナルのプライベートブランド商品の開発にも力を入れ、飲食店の多様なニーズに応える商品とサービスを提供しています。
2025年8月7日に発表された2026年3月期第1四半期の決算によると、売上高は30億8,600万円で、前年の同じ時期に比べて13.7%増加しました。
営業利益は1億6,800万円で、前年同期比で64.7%の大幅な増加となりました。
経常利益は1億7,100万円(前年同期比61.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億1,600万円(前年同期比61.1%増)と、大幅な増収増益を達成しています。
顧客である飲食店の活動が活発化したことに加え、オリジナル商品の販売が好調に推移したことが、この好業績を牽引したと報告されています。
価値提案
株式会社ミクリードは中小規模の飲食店が必要とする多様な食材を小ロットで提供しています。
少ない注文でも対応できるので、在庫リスクを抱えたくない飲食店にとって利用しやすいのが大きな魅力です。
仕入れ担当者が少ない店舗でもオンラインや電話を活用して気軽に発注でき、365日出荷により急な需要にも対応可能です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、中小飲食店は一度に大量の食材を仕入れる余裕がなく、限られた冷蔵や冷凍スペースを有効活用するためにも小ロットのニーズが強いからです。
こうした課題を解決することで、リピート率が高まり安定した収益につながっています。
主要活動
商品の企画や販売はもちろん、受注と出荷管理、そして顧客サポートまで一貫して行っています。
365日対応する体制を整えることで「いつでも必要な時に頼める」という信頼を得ており、飲食店との長期的な関係性を築いています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、飲食店は営業時間が不規則であり、休日や深夜帯でも発注したいというニーズがあるからです。
そのため受注センターは柔軟に稼働し、物流面でも夜間や早朝の出荷体制を確保することで他社との差別化を図っています。
リソース
株式会社ミクリードの主なリソースにはECサイトと受注センター、さらには充実した出荷センターが挙げられます。
ECサイトからは商品情報を検索しやすく、顧客自身で注文を確定できる便利さがあります。
【理由】
なぜそうなったのかというと、電話注文だけでは対応しきれない件数や時間帯に発注機会を拡大する必要があったからです。
特に多品種少量生産の食材を扱うために効率的な在庫管理システムを整備することが欠かせず、そのためにはECとリアルの両面を組み合わせた運営が重要となっています。
パートナー
仕入先の食品メーカーや卸業者、さらに外部の物流業者との連携が重要な役割を果たしています。
大量仕入れによるコストダウンを実現しつつも、小口配送を可能にする柔軟な物流がミクリードの強みです。
【理由】
なぜそうなったのかというと、自社で物流をすべて賄うには膨大な投資や人材確保が必要となるため、外部委託で効率を高めながら自社は受注や商品企画などのコア業務に集中したほうがメリットが大きいからです。
チャンネル
自社ECサイトとカタログを中心に販売ルートが構築されています。
オンラインでの受注を強化することで、注文ミスを減らし顧客の利用体験を向上させています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、中小飲食店の多くがスマートフォンやタブレットで注文を完結したいという要望を持っており、それに応えるためのECチャネル整備が不可欠だからです。
電話注文との併用によって、さまざまな顧客に対応できる体制を維持しています。
顧客との関係
定期的なプロモーションやオンラインサポートを通じて密なコミュニケーションを図っています。
新しいメニュー提案や季節商材の紹介など、飲食店に役立つ情報発信を積極的に行うことで、ただの仕入れ先にとどまらないパートナーとして認知されやすくなります。
【理由】
なぜそうなったのかというと、飲食店は常に新メニュー開発やコスト削減のアイデアを求めており、そのニーズに応えることで深い信頼を得られるからです。
顧客セグメント
中小規模の飲食店や個人経営の飲食店を主な顧客としています。
こうした店舗は大量仕入れが難しく、在庫やコストを最小限に抑えたいという課題を抱えがちです。
【理由】
なぜそうなったのかというと、大手チェーン向けの大量供給ではなく、小ロットでの細やかな対応に特化するほうが自社のリソースを活かせ、競合との差別化が図りやすいからです。
収益の流れ
基本的には食材の仕入れ価格と販売価格のマージンが収益源です。
外部物流費やシステム維持費もかかりますが、それ以上に高いリピート率で安定収益を確保できる構造をつくっています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、食材そのものの付加価値と利便性を提供することで、継続的に利用してもらえる基盤が構築できれば、販売数量が拡大して収益も伸びるからです。
コスト構造
仕入コストや物流費、人件費が主な費用です。
適正なタイミングで仕入れ先と交渉し、また価格改定を実施することで売上総利益率を高めています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、原材料高や燃料費の高騰など外部環境の変化に合わせて素早く対応しなければ、利益が圧迫されてしまうからです。
コストを最適化しながらも品質とサービス水準を維持する工夫がポイントとなっています。
自己強化ループ
株式会社ミクリードは顧客数が増えるほど仕入れ規模も拡大し、仕入コストの削減が可能になります。
このコストメリットを顧客に還元したり新商品の開発に投資したりすることで、さらに魅力的なサービスを提供できるようになります。
そうすると口コミやリピート率が高まり、結果として新規顧客の獲得にもつながりやすくなります。
またオンライン化が進むことで、受注と出荷管理がより効率化し、スタッフが増えなくても多店舗の対応が可能になります。
こうした正の循環がいわゆる自己強化ループであり、拡大した売上はECサイトの機能拡充や物流拠点の強化にも再投資されています。
これが顧客にとっての利便性アップにつながり、さらなる成長を呼び込むのです。
採用情報
2024年3月末時点で従業員数は33名で、うち常勤が30名、非常勤役員が3名となっています。
2025年3月末までに31名を目標としており、増員計画があるものの、詳細な初任給や平均休日、採用倍率などは公表されていません。
今後は受注管理やEC運営でのデジタル人材、物流管理の専門スタッフなどが重視されると予想されます。
株式情報
株式会社ミクリードはグロース市場に上場しており、時価総額は33億円、株価は2024年時点で493円となっています。
2024年3月期の配当金は1株あたり20円30銭で、2025年3月期は6円90銭が予想されています。
2024年4月1日に1株を3株に分割しており、分割後の配当水準を考慮すると安定した還元を続けているといえます。
未来展望と注目ポイント
今後はビジネスモデルのさらなる拡大とECサイトの強化により、顧客数と売上の継続的な伸びが期待されています。
中小飲食店を支える役割は依然として大きく、コロナ禍以降も外食産業の需要は戻りつつあるため、その回復局面で同社の成長余地は大きいとみられます。
特に受注管理システムや物流体制への投資が進めば、よりスピーディーな出荷と幅広い品揃えが実現し、他社との差別化を強化できるでしょう。
一方で物流コストや人件費の上昇などのリスクにも注意が必要ですが、適時の価格改定によるマージン維持が得意な点が強みとして評価されています。
今後は新たな提携先の開拓や新商品ジャンルへの参入によって売上源を多角化し、さらなる成長戦略を展開することが見込まれます。
すでに多くの中小飲食店がリピート利用していることから、市場シェアを拡大するチャンスは十分あり、その動向に注目が集まります。


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