企業概要と最近の業績
株式会社ヤシマキザイ
当社は、鉄道や鉄鋼といった、社会の基盤を支える産業を専門とする商社です。
鉄道事業では、JRや私鉄各社に対し、車両の部品や線路の設備、駅で使われる機器などを供給しています。
鉄鋼事業では、鉄をつくる製鉄所の中で使われる様々な機械や設備、消耗品などを提供しています。
「誠実と信用」を経営理念に、長年にわたってお客様との信頼関係を築き、日本の産業と社会インフラを支えています。
2025年8月6日に発表された2026年3月期第1四半期の決算によると、売上高は80億3,900万円で、前年の同じ時期に比べて5.9%増加しました。
営業利益は4億1,400万円で、前年同期比で10.7%の増加となりました。
経常利益は4億5,500万円(前年同期比11.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億1,200万円(前年同期比10.2%増)と、増収増益を達成しています。
主力の鉄道事業において、鉄道会社の設備投資が堅調に推移したことなどが、この好調な業績につながったと報告されています。
価値提案
・鉄道関連製品や産業機械用電子部品を豊富に取り揃えることによって、企業や個人のニーズをワンストップで満たせることが大きな魅力です。
加えて、鉄道専門フリーマーケットサイト「鉄道ひろば」を運営することで、プロだけでなく鉄道ファン同士が部品やグッズを取引できる場を提供しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、従来は鉄道関連製品が企業間流通に偏っていた一方、個人でも入手したいという需要が高まっており、それに応えるかたちでオンラインプラットフォームを立ち上げたことが大きな理由となっています。
専門商社としてのノウハウと製品調達力を生かし、法人・個人を問わず幅広い顧客に「鉄道に関するワクワク」を届ける価値を生み出しているのです。
主要活動
・同社の主要活動は、鉄道用・産業用の機器や部品の販売と輸出入、そして「鉄道ひろば」の運営が中心です。
具体的には、国内外の製品を調達し、必要とする企業へ安定的に供給するサプライチェーン構築のほか、オンライン上でのC2CやB2C取引をスムーズに行うためのサイト管理・サポートを行っています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、鉄道関連市場はパーツやグッズの希少性が高く、海外から調達すべき場合も少なくありません。
同社はこの仕組みを早期に整えたことで、市場に不足しがちな部品などを効率的に提供できる企業として信頼を獲得しました。
さらに、自社が仲介に入ることで安心・安全な取引を実現していることも大きなポイントです。
リソース
・株式会社ヤシマキザイが保有するリソースとしては、専門知識を有する人材、国内外に広がる取引先ネットワーク、そして「鉄道ひろば」というオンラインプラットフォームが挙げられます。
【理由】
なぜそうなったのかというと、鉄道業界や産業機械業界特有の規格や品質基準を熟知した人材を確保する必要があり、同社は創業以来の実績を通じて専門性の高いスタッフを育成してきました。
また、製品調達のためのネットワークは国内外に多岐にわたり、希少部品の安定供給が可能になることで他社との差別化を生み出しています。
「鉄道ひろば」については、独自に運営するオンラインサービスを強みとして、商品の販路拡大とファン層の取り込みを同時に実現できる貴重なリソースとなっています。
パートナー
・同社のパートナーは、鉄道事業者や産業機械メーカーをはじめとした法人顧客、そして部品やグッズを供給するメーカーや工場などが中心です。
物流面でも専門の配送業者や倉庫業者との連携を深め、安定した供給体制を築いています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、鉄道関連部品は安全性と品質面で高い水準が求められ、産業機械用の電子部品も同様に信頼性を重視されます。
そのため、実績のある企業とのパートナーシップ構築が欠かせないと判断し、これまで蓄積してきた信用を基に複数の企業と協力関係を形成してきました。
こうした協業体制により、常に最新で高品質の製品を顧客に提供できる強みを持っているのです。
チャンネル
・同社が顧客にアプローチするチャンネルは、大きく分けて直接販売とオンラインプラットフォーム「鉄道ひろば」の二つです。
企業への部品提供や輸出入サポートは従来型のB2Bルートを通じて行われ、専門的な担当者がきめ細かいサポートを実施しています。
一方で、「鉄道ひろば」は鉄道ファンや個人が気軽に部品やグッズを売買する場を提供しており、B2CやC2Cの性質を持っています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、多様化する需要に応えるために既存の企業向け取引に加えて、個人ユーザー向けのオンラインチャンネルを確立する必要があったからです。
これによって、法人と個人の両面をカバーし、同社の売上や認知度を拡大することが可能になりました。
顧客との関係
・株式会社ヤシマキザイでは、法人顧客との関係は主にB2Bの取引に基づいており、大量注文や特注部品など、継続的かつ信頼性の高い契約関係を重視しています。
また、「鉄道ひろば」を利用する顧客に対しては、オンラインでの問い合わせ対応やアフターサービスなどを通じて丁寧なサポートを行い、リピーターを獲得しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、業界特有の技術的な質問やカスタマイズの要望が多く、手厚いサポート体制を整えなければ顧客満足度が低下してしまうからです。
結果として、長期的に見ても高い顧客ロイヤルティを築くための戦略が必要となり、B2BとB2Cそれぞれに合ったコミュニケーション方法を確立するに至りました。
顧客セグメント
・同社が扱う顧客セグメントは、鉄道事業者や産業機械メーカーなどの法人顧客と、鉄道ファンを中心とした個人顧客の二つに大別されます。
鉄道関連製品の特殊性から、法人顧客は安全性や品質管理に厳しい基準を持ち、定期的に大量の部品を必要としています。
一方、鉄道ファンや模型愛好家などの個人顧客は、希少な部品や限定品、グッズなどを収集・取引したいというニーズが強いため、「鉄道ひろば」を通じて多様な商品を提供できる同社にとっては大きなマーケットとなっています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、鉄道ファンの裾野は広く、趣味分野だけでなく研究目的や教育目的で鉄道関連品を求める人々もいるからです。
これらのニーズを取り込むことで、事業領域をさらに拡張し、安定した売上を確保することにつながりました。
収益の流れ
・収益の流れは大きく三つに分けられます。
一つ目は鉄道関連製品や産業機械用電子部品の販売収入です。
二つ目は輸出入を仲介する際に得られる手数料収入です。
三つ目は「鉄道ひろば」のプラットフォーム利用手数料で、C2CやB2Cの取引が発生するたびに収益が蓄積される仕組みです。
【理由】
なぜそうなったのかというと、もともと国内の鉄道関連部品販売が主力でしたが、海外からの部品調達や海外への輸出ニーズが高まり、輸出入業務でも収益を得る体制を整えたことが大きな要因です。
さらに、オンライン取引への需要が拡大する中で、ユーザーが増えれば増えるほど手数料収入が拡大する仕組みを作ることが成長戦略として有効と判断し、「鉄道ひろば」を充実させました。
コスト構造
・コスト構造としては、主に製品仕入れコスト、物流費、そして「鉄道ひろば」の運営に関するシステム開発やサーバー維持費などが中心となります。
安定して高品質の部品を仕入れるためには、複数のサプライヤーと取引する必要があり、その管理コストも発生します。
【理由】
なぜそうなったのかというと、鉄道関連部品は信頼性確保の観点から在庫管理を徹底しなければならず、一定量を抱えることで調達コストが増大する場合があります。
また、オンラインプラットフォームを運営するためには、常にサイトの安全性や使いやすさを維持する必要があるため、IT関連のコストも無視できません。
こうしたコストを最適化しながら、安定的な収益を確保するバランスが同社の経営の要となっています。
自己強化ループ
自己強化ループは、いわゆるフィードバックループとも呼ばれるもので、同社の場合は「鉄道ひろば」の運営を通じて目に見えやすい形で機能しています。
利用者が増加すれば出品数も多様化し、より多くのファンの興味を引くようになります。
すると、さらに多くのユーザーが集まるという好循環が生まれ、手数料収入やサイトの知名度が上がります。
同時に、登録ユーザーが増えるほど、市場データや顧客要望に関する情報が蓄積されるため、同社はそれを分析して鉄道関連製品や電子部品のラインナップを最適化し、法人向けの仕入れにも生かすことができます。
この循環が進むほど企業としての存在感が高まり、さらなるパートナー企業を呼び込み、輸出入の拡大にもつながるという連鎖反応を起こすことがポイントとなっています。
採用情報
同社の初任給は非公表ですが、一般的な専門商社の水準に準拠しているとされています。
平均休日や採用倍率も公式には明かされていませんが、専門知識が重視される分、採用倍率は比較的高めだと推測されます。
また、鉄道関連や産業機械関連に興味がある人材には魅力的な環境と言え、入社後も実務を通じて業界に関する知識を深められるのが特長となっています。
株式情報
銘柄は株式会社ヤシマキザイで、証券コードは7677です。
配当金は最新の公表値がまだありませんが、直近数期の業績好調を踏まえると、安定した配当を期待する声もあります。
1株当たり株価については市場動向により変動するため、投資家は随時確認しておくことが必要です。
今後の成長が見込まれる企業として、投資家から一定の注目を集めています。
未来展望と注目ポイント
今後は鉄道関連製品の老朽化更新需要が高まるほか、新たな輸送インフラ整備に向けた各種プロジェクトへの参画が期待されます。
また、産業機械用電子部品についても自動化やロボット導入が進むことで、さらなる需要増が見込まれます。
特に「鉄道ひろば」においては、鉄道ファンだけでなく一般のコレクターや海外のユーザーの利用増加が予想され、グローバル規模でのC2C取引を拡充する余地があります。
こうした動きは同社の成長戦略の核となり、ビジネスモデルをさらに発展させるでしょう。
IR資料でもオンライン事業の拡充に力を入れていく方針が示唆されており、ユーザー同士がつながりを深めるプラットフォーム機能の強化が進めば、自己強化ループはさらに強固になると考えられます。
国内外の市場開拓と鉄道関連の盛り上がりを背景に、今後の同社の動向には大きな注目が集まりそうです。


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