企業概要と最近の業績
株式会社リソー教育
首都圏を中心に進学個別指導塾などを展開する総合教育企業です。
主力は、質の高い講師による完全マンツーマンの進学個別指導塾「TOMAS(トーマス)」の運営です。
また、名門小学校・幼稚園の受験指導で高い実績を持つ幼児教室「伸芽会」なども手掛けています。
質の高い教育サービスを強みとして、高価格帯の教育市場に特化しています。
2025年7月11日に発表された2026年2月期第1四半期の連結決算によりますと、売上高は80億5,000万円で、前年の同じ時期に比べて5.8%増加しました。
営業利益は10億円で、前年の同じ時期から9.5%の増加となりました。
経常利益は10億1,200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億5,500万円となり、増収増益を達成しています。
主力の「TOMAS」事業において、中学・大学受験に向けた旺盛な需要を背景に生徒在籍数が順調に増加したことが業績を牽引しました。
価値提案
リソー教育の価値提案は、講師が1対1で生徒を指導する完全個別指導の徹底と、高難度の受験対策にも対応できる幅広いノウハウにあります。
全室黒板付きの個別指導ブースを設置している進学塾TOMASだけでなく、医学部受験に特化したメディックTOMAS、マンツーマン英会話のインターTOMASなど、各生徒の目的に合わせた高度なプログラムが揃っています。
【理由】
なぜこの形に至ったかというと、少子化が進む中で生徒一人ひとりの目標に寄り添う指導が差別化につながり、難関校受験や専門分野への合格実績に貢献することでブランド力が高まるからです。
講師からのきめ細やかなサポートを受けられる環境を整えることにより、生徒や保護者の満足度が上がり、口コミや紹介が増える好循環を生んでいます。
主要活動
リソー教育の主要活動は、個別指導塾の運営や家庭教師派遣、幼児教育プログラムの提供など、学習支援全般を多方面で展開することです。
特にTOMASやスクールTOMASなど、学校内での個別指導を含む多彩な形態を実施することが大きな特長となっています。
【理由】
なぜこの形を取るかといえば、さまざまな学習ニーズに合わせることで顧客の選択肢を広げ、単なる一拠点の学習塾にとどまらず総合的な教育サービス企業としての認知を得られるからです。
プロ社会人講師を派遣する家庭教師サービスや、名門幼稚園や小学校受験をサポートする伸芽会のような幼児教育にもリソー教育ならではのノウハウが活かされています。
これらの活動が相互にブランド価値を高め合い、企業全体の強みに繋がっています。
リソース
リソー教育を支える重要なリソースは、実績豊富な講師陣と首都圏を中心に構築された校舎ネットワークです。
特に講師の採用・育成には注力しており、一人ひとりの生徒に対してきめ細かな指導が行える教育力とコミュニケーション能力を兼ね備えた人材を確保しています。
こうした講師を首都圏の主要駅周辺などアクセスの良い場所に配置した校舎ネットワークで指導を行うことで、リピーターや口コミを増やしやすい環境をつくっています。
【理由】
なぜそうなったかというと、高品質な指導を届けるには講師の力量が不可欠であること、そして都心に近い立地や校舎の設備によって、生徒と保護者の満足度を高められるからです。
これらのリソースが結集することで、高付加価値ビジネスモデルが成立しています。
パートナー
リソー教育のパートナーシップは、異業種との提携を通じた新規事業開発などが挙げられます。
たとえば合宿教育事業などで外部施設を活用したり、学校と連携してスクールTOMASを運営したりする中で、教育以外の業界との協力体制を築いていることが特徴です。
【理由】
なぜこのようなパートナーシップを重視するかというと、少子化が進む状況でも多角化や新規事業への挑戦を続けるためには、柔軟なサービス展開が欠かせないからです。
異業種との協力によって、より充実した学習環境や付加価値の高いサービスを提供できるようになります。
これによってリソー教育自体のブランドが強化され、新たな顧客層を開拓しやすくなるという効果も期待できます。
チャネル
リソー教育が顧客にサービスを届けるチャネルは、直営校舎とオンライン授業、そして学校内個別指導ブースの3つが大きな柱になっています。
実際に校舎へ通うことで講師と対面で学べる安心感、オンラインを利用して時間と場所の制約を緩和する利便性、学校内で個別ブースを設けることで学習時間を有効に活用できるサービスを同時に提供する形です。
【理由】
なぜそうした複数チャネルを整備したかというと、一人ひとりの生徒が持つ生活リズムや学習目標に合わせた柔軟な選択肢を用意することで、満足度を高められるからです。
複数のチャネルを使い分けてもらうことで稼働率が上がり、企業としても安定的な収益確保に繋げる戦略を取っています。
顧客との関係
リソー教育と顧客である生徒・保護者との関係は、密なコミュニケーションを通じて築かれています。
個別指導ならではの面談やカウンセリングが頻繁に行われ、一人ひとりの進度に合わせた指導計画が更新されるため、保護者にとっても安心感があります。
【理由】
なぜこのような関係性が重視されるかといえば、受験や学力向上といった教育目標は保護者にとって非常に大事なテーマであり、信頼関係を築くことで長期的な利用や周囲への紹介が期待できるからです。
また、定期的に成績データや学習状況を共有することで、顧客との対話を増やし、サービス改善にも反映させています。
顧客セグメント
リソー教育の顧客セグメントは、幼児から高校生まで幅広くカバーしています。
伸芽会を活用した幼稚園や小学校受験対策、TOMASを中心とした中学・高校・大学受験指導、そして医学部受験専門まで、さまざまな学年と志望校に対応するサービスを持っています。
【理由】
なぜこうした広いセグメントを扱うかというと、長期的な顧客との関係が期待できるからです。
幼児期からリソー教育のサービスを受けている家庭であれば、小学校受験・中学校受験といったライフステージに応じて継続的に利用してもらえる可能性が高まります。
生徒一人ひとりのニーズに合わせた指導コースを提供できる点が強みです。
収益の流れ
リソー教育の収益は授業料を中心に、入会金や教材費などのサブ収益も加わる形を取っています。
とくに個別指導の授業料は高付加価値型ビジネスモデルの要であり、マンツーマンという特性から比較的単価が高く設定されていることが特徴です。
【理由】
なぜ単価を高めに設定できるかというと、講師と生徒が1対1で向き合い、学習効率や合格実績で結果を出す仕組みが評価されているからです。
また、幼児教育事業や合宿事業、学校内個別指導事業など、それぞれの専用プログラムや教材も有料提供することで、複数の収益源を持ちリスク分散を図っています。
コスト構造
リソー教育のコスト構造は、人件費や校舎運営費、広告宣伝費が大きな割合を占めます。
個別指導における講師の数や質を維持するために、優秀な講師の確保と研修にコストがかかることは避けられません。
一方で、校舎を駅前など利便性の高い場所に開設することによるテナント料や維持費も発生します。
【理由】
なぜこのようなコストが必要になるかというと、高付加価値サービスを展開するには質の高い講師やアクセスの良い立地が不可欠だからです。
広告宣伝費に関しては、ブランド力を保ちつつ新規生徒獲得を目指すための投資と位置づけられています。
自己強化ループ
リソー教育では高品質な個別指導を提供することで、生徒の学力向上や合格実績の向上につながり、結果として口コミや評判が高まりやすい仕組みになっています。
実際に難関校や医学部への合格など、結果を出した生徒が増えるほどブランド力が強化され、次年度以降の新規入塾希望者が増えていく好循環が生まれます。
さらに優秀な講師が集まる環境が整うことで、指導レベルのさらなる向上と多面的な教育サービスの充実が進みます。
このように、指導実績による満足度向上と優秀な講師の確保が連鎖しているのがリソー教育の強みです。
加えて、地域ごとのニーズや生徒層に応じてサービスを細分化することで、学習成果に対する評価が拡散されやすくなり、いっそうの知名度向上に寄与しています。
採用情報
初任給は月給27万円以上で、完全週休2日制と年間休日120日以上が確保されています。
採用倍率は未公開ですが、教育業界としては高めの待遇を提示していることが特徴です。
若手社員が働きやすい職場環境を整備しており、指導力を磨きながらキャリアアップできる仕組みも用意されています。
株式情報
リソー教育の銘柄は4714です。
配当金や1株当たり株価は市場状況や同社の経営方針によって変動するため、最新のIR資料などで確認すると良いでしょう。
教育ニーズが多様化するなかで、個別指導中心の高付加価値モデルを展開する同社への注目は続いています。
未来展望と注目ポイント
今後は学校内個別指導や幼児教育の分野をさらに拡大しながら、新たなニーズに対応することで持続的な成長を目指すと考えられます。
特に少子化が進行する時代だからこそ、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの学習指導は保護者や学校からの支持を集める可能性が高いです。
さらに高難度の受験指導ノウハウを活かして、医療やグローバル人材をめざす生徒に向けた特化型サービスを充実させる余地も十分にあります。
合宿教育やオンライン対応など、学習スタイルの多様化に合わせたサービス展開も鍵になるでしょう。
加えて、異業種との連携や新規事業への積極的な投資により教育サービスの幅を広げ、生徒や保護者にとって価値ある選択肢をどんどん増やしていくことで、企業としての成長戦略をさらに加速させると期待されています。
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