企業概要と最近の業績
株式会社ロココ
ロココは、企業のIT活用を支援するサービスを展開している会社です。
事業は大きく2つに分かれています。
一つは、顧客企業のIT部門の業務を代行する「ITアウトソーシングサービス」です。
ヘルプデスクの運用、サーバーやネットワークの監視、BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）などを提供しています。
もう一つは、業務システムの受託開発や、顔認証システムなどの自社開発ソリューションを提供する「システム開発サービス」です。
大阪と東京を拠点に、幅広い業種の顧客へサービスを提供しています。
2026年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が28億82百万円（前年同期比8.5%増）、営業利益が2億32百万円（同15.4%増）、経常利益が2億33百万円（同15.9%増）、親会社株主に帰属する四半期純利益が1億57百万円（同16.3%増）となり、増収増益でした。
企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）推進の流れを背景に、主力のITアウトソーシングサービスにおいて、既存顧客からの増員要請や新規案件の受注が好調に推移しました。
システム開発サービスにおいても、業務アプリケーションの開発案件が堅調でした。
利益面では、増収効果に加え、生産性向上の取り組みなどが貢献しました。
価値提案
株式会社ロココは多角的なITアウトソーシングサービスとクラウドソリューションを組み合わせて、企業の業務効率化やコスト削減をサポートしています。
これによりクライアントは専門知識のない分野でも安心してシステム導入や運用を行えるため、ITに詳しくない企業にも利点があります。
【理由】
なぜそうなったのかというと、企業規模や業種に応じた柔軟なサービス提供を可能にすることで、あらゆるニーズに対応できる体制を築いたからです。
特に勤怠管理システムや顔認証システムなど、自社開発のソリューションを組み合わせることで、ユニークな価値提案を実現しているといえます。
さらに、アウトソーシング事業で培った顧客対応力を活かして、導入後のサポートや保守まで一貫してフォローする仕組みを整えています。
この充実したサービス範囲が、多くの企業に選ばれる理由の一つになっています。
主要活動
システム開発や運用保守、コンサルティング、ヘルプデスクの運営など、主に企業のIT環境を縁の下で支える活動を行っています。
これらを一括して引き受けることでクライアント企業は本業に集中しやすくなり、IT部門の負担を大幅に軽減できます。
【理由】
なぜそうなったかといえば、IT人材の確保が難しくなる中、専門企業に外注するニーズが高まっている点が背景にあります。
株式会社ロココはカスタマーコミュニケーションやイベントサービスなど、幅広いサポート体制を整えており、顧客が望むタイミングと規模感に合わせて柔軟に対応できる体制を構築してきました。
さらに、多拠点展開による迅速なトラブルシューティングも強みとして挙げられます。
リソース
高度な技術を持つ人材や国内外の拠点、自社開発のクラウドシステムなどが代表的なリソースです。
ITアウトソーシングに必要なエンジニアやコンサルタント、サポート担当者がそろっており、それぞれが専門領域を深めることで高品質なサービスを維持しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、創業から積み重ねてきた経験と教育体制によって人材育成に注力し、幅広い領域に対応できる総合力を重視してきたからです。
また、自社で開発したServiceNow導入支援や勤怠管理システムなどの独自ソリューションを持つことで、付加価値をさらに高めています。
顧客の声に素早く応えられる柔軟性も同社のリソースの一部といえます。
パートナー
技術パートナーとしてMicrosoftやServiceNow Japan合同会社との連携を深めています。
外部の最新ソフトウェアやプラットフォームと組み合わせることで、自社サービスの幅を広げるだけでなく、導入スピードの向上やコスト削減にも貢献しています。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、IT業界では複数のベンダーが協力してソリューションを提供するケースが増えており、顧客の要望に合わせた柔軟なサービス提供が求められるからです。
専門性の高いパートナーシップを活用することで、株式会社ロココはクラウドソリューションや認証技術における最新の知見を取り込み、成長戦略の実行に必要なリソースを確保しています。
こうした協働体制が、新規顧客の開拓にもつながっています。
チャンネル
直接営業やオンラインプラットフォーム、さらにはパートナー企業からの紹介など、多様なチャンネルを使っています。
業務や運用に関する相談を受けるヘルプデスク機能もチャンネルの一つと言え、顧客との継続的なコミュニケーションを大切にしています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、ITソリューションは導入後の運用サポートが鍵であり、顧客との接点を多く設けることでリピートオーダーや追加導入の機会を逃さないようにするためです。
加えて、セミナーやイベントを活用した情報発信により、ITに関する課題を抱える企業に積極的にアプローチしている点も特徴です。
顧客との関係
アウトソーシング契約を通じて長期間にわたるサポートを行い、日常的なシステム運用から大規模なシステム更改まで伴走する関係を築いています。
コンサルティングサービスを併用するケースも多く、顧客は常に最新のIT環境を活用できる利点があります。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、業務プロセスから深く理解することで、単なるサービス提供だけでなく、経営課題の解決までサポートする役割が求められているためです。
また、サポートデスクを窓口にすることで利用者の意見を吸い上げ、その声をサービス改善や新規提案につなげるという循環を生み出しています。
顧客セグメント
製造業や小売業、金融機関など幅広い業種をターゲットにしています。
IT技術が不可欠になった現代では、業界を問わずシステム導入の需要が高まっているため、多様なソリューションを組み合わせる力が重要です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、企業の成長戦略やDX推進に合わせた総合的なサポートが求められ、特定の業種だけでなく横断的なニーズに応えられる柔軟性が強みとなるからです。
株式会社ロココは顧客ごとの要件をカスタマイズし、クラウドソリューションやアウトソーシングをセットで提案することで、複数の課題を同時に解決するアプローチを可能にしています。
収益の流れ
アウトソーシングやBPO契約からの定期的なサービス料金に加え、自社開発ソフトウェアのライセンス販売や保守契約など、複数の収益源を持っています。
これによって安定したキャッシュフローを確保しながら、新しいソリューション開発にも投資できる体制が整っています。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、運用保守のみならずクラウドサービスやサブスクリプションモデルを組み合わせることで、景気に左右されにくいリカーリング収益を確保する戦略を取っているからです。
さらに、顧客満足度が高いことにより、追加受注や長期契約につながる好循環が生まれている点も大きいでしょう。
コスト構造
主なコストは人件費と開発運用費、そして営業やマーケティングにかかる費用です。
優秀なエンジニアやコンサルタントを確保し、継続的にスキルアップさせるには相応の投資が必要ですが、それが高品質なサービス提供につながると考えられています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、ITアウトソーシングは技術者の質や人数が業務効率や顧客満足に直結する業態であり、人材育成を疎かにするとサービス全体のクオリティが低下するリスクがあるためです。
自社開発のクラウドソリューションにおいても、定期的なアップデートやサーバー環境の維持など、運用コストが発生しますが、これらは将来の顧客ニーズに的確に応えるための重要な投資とされています。
自己強化ループ
株式会社ロココでは、サービス提供を続けながら顧客の声を吸い上げ、そのフィードバックを基にシステム開発や運用体制を強化する循環が確立されています。
例えば、サポートデスクが蓄積した問い合わせ内容を分析することで、よくあるトラブルを未然に防ぐシステム改修につなげるなど、地道な改善を継続しています。
こうした取り組みにより、顧客満足度が高まれば追加発注や長期契約の更新が増え、さらに売上高の安定とサービス拡充に投資できるようになります。
この投資が新たな機能開発や人材育成へ回されることで、より高品質なサービスを生み出す好循環が生まれるのです。
これこそが同社の自己強化ループの特徴であり、成長エンジンといえるでしょう。
採用情報
株式会社ロココの初任給は大卒でおおむね月額20万円台からスタートし、各種手当や年2回の賞与などが用意されています。
年間の休日は120日前後を確保しており、ワークライフバランスの整備にも力を入れている印象です。
採用倍率は職種によって異なりますが、ITエンジニアやコンサルタントを志望する場合、一定以上の専門知識やコミュニケーション能力が求められるため、やや高めになることがあるようです。
スキルアップのための研修制度や資格取得支援なども用意されているため、長期的にキャリアを築きたい人にとって魅力的な環境といえます。
株式情報
同社は東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場での銘柄名は株式会社ロココとして取引されています。
1株当たりの配当金はここ数年で徐々に増加傾向にあり、株主還元にも前向きな姿勢がうかがえます。
2023年10月には1株を20株に分割する株式分割を実施しており、個人投資家にとって購入単位が手に取りやすくなる変化といえます。
株価は業績や市場環境によって変動しますが、ITアウトソーシングとクラウドサービスの需要拡大が続く中、安定した成長を見込む投資家の注目を集めやすいと考えられます。
未来展望と注目ポイント
今後は企業のDX推進が一層加速し、多くの業界でシステム導入やクラウド移行のニーズが高まると予想されています。
そのため、ITアウトソーシングだけでなく、自社で開発するソリューションの拡張や新たなテクノロジーへの対応が鍵を握るでしょう。
勤怠管理や認証技術など、すでに有する強みを活かしてサービスラインを拡大すれば、顧客との接点を増やし、さらなるクロスセルにもつながる可能性があります。
また、世界的な人材不足を踏まえ、リモートワークや海外拠点を活用した柔軟な運用体制を進化させることが重要です。
こうした変化に適応し続けることが、株式会社ロココの安定成長と差別化を生み出す最も注目すべきポイントだと考えられます。
コメント