企業概要と最近の業績
中山不動産株式会社
当社は愛知県名古屋市に拠点を置き、不動産に関する多角的なサービスを展開しています。
主力事業の一つである収益不動産事業では、自社オリジナルブランド「N51 APARTMENT」という新築木造アパートの企画・販売を手がけています。
また、中古の一棟アパートやマンション、戸建てなどを買い取り、リフォームを施して価値を高めてから再販売する売買不動産事業も行っています。
このほか、賃貸物件の入居者募集から管理までを幅広くサポートする賃貸不動産事業や、パソコンスクールを運営する求職者支援訓練事業も展開しています。
2024年9月13日に発表された2025年1月期の中間決算によりますと、売上高は8億8,100万円となりました。
これは、前年の同じ時期と比較して43.4%の減少です。
利益面では、営業損失が1億1,800万円、経常損失が1億3,100万円、中間純損失が1億3,200万円となり、前年同期の黒字から赤字に転換しました。
この業績変動の主な要因として、売買不動産事業における大型案件の販売時期が下半期に集中していること、また収益不動産事業においても新築アパートの引き渡しが下半期に予定されているためと説明されています。
価値提案
株式会社中山不動産は投資家に高い収益性をもたらす不動産投資機会を提供しています。
自社ブランドであるN51 APARTMENTは資産価値の維持と安定した賃料収入が期待できる設計になっているため、投資初心者から経験豊富な投資家まで幅広く注目を集めています。
建物のデザインや設備のグレードにこだわるだけでなく、立地選定にも力を入れているので、将来の資産価値が下がりにくい点が魅力です。
【理由】
同社は長期的な不動産市場の動きを見越し、入居者が住みやすい環境や人気のある場所を優先して開発を行ってきたからです。
こうした発想は単なるアパート販売にとどまらず、投資リスクの低減と入居率の向上を同時に実現するための戦略といえます。
主要活動
企画や開発、販売、そして管理までを一貫して行うワンストップサービスが同社の強みです。
投資用物件のプランニングでは、入居者のニーズを詳細に調査し、間取りや設備の使いやすさを徹底的に検討しています。
販売活動ではセミナーや個別相談会を実施し、投資家一人ひとりに合ったプランを提案しています。
物件引き渡し後の管理においても、入居募集やトラブル対応などをまるごとサポートすることで、高い稼働率を維持しています。
【理由】
なぜこうした活動になったのかというと、投資家にとっては購入後の管理負担やリスクを軽減したいという強いニーズがあるためです。
そのため、販売だけで終わるのではなく、アフターサービスを充実させることで長期的な信頼関係を築いてきました。
リソース
同社のリソースは不動産の専門知識を持つ人材と、自社ブランドであるN51 APARTMENTに関するノウハウです。
社員は土地活用や賃貸管理に精通しており、金融機関や行政との交渉にも長けています。
また、数多くの物件企画を通じて培ったブランド力も大きな資産といえます。
こうしたリソースがあるからこそ、投資家が安心して物件を購入できる仕組みづくりを実現しています。
【理由】
なぜリソースが充実しているのかというと、地域密着型でありながら積極的に採用活動を行い、人材育成に力を注いできたからです。
さらに、地元の不動産ネットワークを活かして情報収集を行うことで、立地選定や価格設定に強みを発揮しています。
パートナー
建設会社や設計事務所、金融機関との連携によって、質の高い物件を適正な価格で提供しています。
加えて、投資家同士のコミュニティも重要なパートナーシップといえます。
セミナーや相談会で情報交換の場を設けることで、投資家間でのノウハウ共有や紹介が増え、同社への信用が高まっています。
【理由】
なぜパートナーを重視しているのかというと、不動産開発は土地の仕入れから設計、建築、販売、管理に至るまで多くの専門分野が関わるからです。
各分野のプロを巻き込み、協力体制を整えることで、個社だけでは難しいスケールメリットと品質維持を両立してきました。
チャンネル
自社ウェブサイト、セミナー、そして直接営業が中心的なチャンネルです。
ウェブサイトでは物件の最新情報や投資に関する基礎知識をわかりやすく掲載し、セミナーでは具体的なシミュレーションや事例紹介を行っています。
営業担当者による個別面談では、投資家の資金計画や将来像に合わせた物件提案が可能です。
【理由】
なぜこうしたチャンネルになっているのかというと、不動産投資は高額な取引が多いため、信頼関係が非常に大切だからです。
オンラインとオフラインを組み合わせた丁寧な情報提供によって、投資家が納得して購入を決断しやすい環境を整えています。
顧客との関係
契約前は個別相談やセミナーなどで投資家とコミュニケーションを取り、契約後はアフターフォローや物件管理まで続ける長期的な関係を築いています。
オーナー向けの定期的な報告では、入居率や収益状況などを詳しく伝え、運用面の相談にも乗っています。
【理由】
なぜこうした関係を重視するかというと、不動産投資は買って終わりではなく、賃貸運用をいかに安定させるかが成功の鍵を握るからです。
オーナーが安心して運用を続けられる体制を作ることで、リピート購入や口コミでの紹介が増え、同社の事業拡大にもつながっています。
顧客セグメント
主な顧客は不動産投資を考える個人投資家や土地のオーナーです。
最近では若いサラリーマンや主婦の方など、投資に興味を持つ層が広がっており、初心者向けセミナーを開催することで顧客層を拡大しています。
さらに、大手企業にお勤めの方が資産の一部を不動産に振り向けるケースも増えています。
【理由】
なぜこうしたセグメントになっているかというと、低金利時代が続くなかで、安定した収益源を求める人々が増えてきた背景があります。
同社は初心者でも分かりやすいサポート体制やセミナーコンテンツを用意することで、幅広い層を取り込むことに成功しています。
収益の流れ
収益のメインは不動産販売時の利益ですが、物件管理手数料や入居者募集の仲介手数料も重要な収益源となっています。
さらに、リノベーションや修繕工事の提案を通じてリピート受注を得ることで、安定収益を確保しています。
【理由】
なぜ複数の収益源を持つのかというと、不動産販売だけに頼ると経済状況や市場の影響を受けやすいためです。
管理や修繕などのサービスを継続的に提供することで、景気に左右されにくい体制を築き、投資家にも継続的なサポートを提供できるようにしているのです。
コスト構造
最大のコストは土地の取得と建設費で、人件費や広告宣伝費も続きます。
特に最近は建設コストの上昇が課題とされており、同社も効率的な施工管理や資材調達ルートの確保に力を入れています。
【理由】
なぜこうしたコスト構造になっているのかというと、不動産ビジネスは物件そのものの製造コストが高いため、利益率を確保するためには仕入れ段階からのコスト管理が欠かせないからです。
そうした努力を続けることで、投資家にも納得できる価格で物件を提供しつつ、会社としての収益性もしっかりと守っています。
自己強化ループ
株式会社中山不動産のビジネスは、不動産販売によって得た資金を再投資し、新たな物件取得やブランド価値の向上へとつなげる循環が特徴です。
優良な物件を提供すれば入居率が高まり、投資家の満足度が上がります。
投資家からの評判が良くなると口コミや紹介が増え、さらなる販売機会が生まれます。
こうして売上が増加することで、土地の仕入れや開発に積極的に投資でき、より魅力的な物件を企画できるようになるのです。
物件の質が上がるほど顧客満足度は高まり、同社のブランド力が強化されるため、新たな投資家を呼び込む好循環が生まれます。
このように、一度軌道に乗ったビジネスモデルを循環させながら持続的に拡大できるのが強みといえます。
採用情報
新卒採用では月給30万円で、内訳は基本給が18万5000円、固定残業代が5万5000円、諸手当が6万円です。
完全週休2日制を採用しており、年間休日は120日ほどと、オンとオフのメリハリをつけて働ける環境を整えています。
採用人数は毎年11〜15名ほど募集しており、学部学科を問わず幅広く受け付けています。
選考フローはエントリーから会社説明、適性検査、複数回の面接を経て内々定となる流れです。
学生だけでなく中途採用にも力を入れており、人材を積極的に獲得して企業としての成長を加速させようとしています。
株式情報
同社は東京証券取引所 TOKYO PRO Marketに上場しています。
最近の配当金は0円となっており、利益を事業拡大に再投資する方針を続けているようです。
1株当たり利益は600円で、今後の配当政策がどう変わるかが投資家にとって注目のポイントです。
上場企業として事業情報を積極的に開示する姿勢がみられ、投資家からの信用力を高めています。
未来展望と注目ポイント
今後は収益不動産事業をさらに拡大させるため、建設コストの上昇に対応した新しい施工方法や資材調達の効率化などが重要になります。
競合他社が増えるなか、N51 APARTMENTのようなオリジナルブランドをどれだけ強化できるかが成長を左右すると考えられます。
また、若い世代の投資志向が高まっていることから、セミナーやオンラインサービスの充実にも期待が集まっています。
地方の土地オーナーにもアプローチすることで、地域活性化や新たな投資需要を取り込み、企業としての社会的な存在感を高めていくことが見込まれます。
さらに、配当を出さずに内部留保を増やしてきた背景には、大きな投資案件に迅速に取り組める体制を作る狙いがあるかもしれません。
こうした長期目線の戦略が実を結ぶかどうかが今後の大きな焦点となるでしょう。
いずれにしても、安定した賃料収入を生み出す物件を開発し、顧客満足度を高めながら企業規模を拡大していく可能性が高いと考えられます。
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