企業概要と最近の業績
株式会社月島ホールディングス
上下水道設備の建設や、産業機械の製造などを手掛ける月島機械グループの持株会社です。
中核である水環境事業では、全国の自治体向けに上下水処理場や汚泥処理施設の設計・建設・維持管理を行っており、私たちの生活に不可欠な水インフラを支えています。
また、産業事業では、化学、食品、医薬品など様々な工場で使われる晶析(しょうせき)装置やろ過機、乾燥機といった機械を製造・販売しています。
100年以上の歴史で培った高い技術力を活かし、環境保全と産業の発展の両面に貢献している企業です。
2025年8月6日に発表された最新の決算によると、2026年3月期の第1四半期(2025年4月1日から6月30日まで)の売上高は210億82百万円でした。
これは、前年の同じ時期と比較して3.0%の増加となります。
営業損益は9億20百万円の赤字で、前年の同じ時期の13億55百万円の赤字から赤字幅は縮小しました。
経常損益は6億79百万円の赤字となっています。
価値提案
上下水道や廃棄物処理を中心に、生活や産業に不可欠なインフラを安全かつ効率的に運営する技術とサービスを提供しています。
人々の暮らしに密接に関わる水処理技術を軸に、廃棄物の再資源化やクリーンエネルギーへの変換など、環境保護と経済発展を両立させることを提案しているのが特徴です。
【理由】
近年の成長戦略では単に装置を納入するだけでなく、長期的な運転管理まで手掛けてトータルサポートする姿勢が評価されているからです。
環境負荷の削減やコストダウンを同時に実現したいと考える顧客のニーズが高まり、この付加価値の高い提案こそが同社の強みとなっています。
地球温暖化や水資源の有限性への意識が世界的に上がる中で、より包括的な技術提供が求められるようになり、価値提案が進化してきました。
主要活動
プラントや設備の設計・製造、運転開始後の保守点検や運転管理の代行などが主要活動です。
特に上下水道や廃棄物処理施設の導入から運用改善まで一貫して対応することで、顧客が安全かつ効率的に施設を維持できるようサポートしています。
【理由】
従来のエンジニアリング企業は納入して終わりの場合が多かったのに対し、社会全体でインフラの長期安定運用が重視されるようになったからです。
その流れを受け、月島ホールディングスでは運転管理サービスの強化とノウハウの蓄積に力を入れ、公共セクターや民間企業からの信頼を得る体制を整えました。
その結果、更新工事や追加設備の依頼がリピート受注として繰り返し得られるようになり、継続的な収益基盤を築いています。
リソース
独自の水処理技術、廃棄物処理技術、施設管理ノウハウなどがリソースとして挙げられます。
実務経験豊富なエンジニアや研究開発部門を擁し、新技術の開発と実用化が可能な点も強力なリソースです。
【理由】
長年にわたって水処理や環境保全に取り組んできた歴史があり、自治体や企業から蓄積した課題とその解決策をノウハウ化してきた背景があります。
さらに、研究開発部門が得た新知見をエンジニアリング現場にフィードバックする仕組みを整え、技術力の進化を続けてきました。
こうした経験と専門知識の融合が同社ならではの大きな資産であり、企業全体の競争優位を保つ源泉になっています。
パートナー
地方自治体や民間の産業廃棄物処理企業、産業界の大手エンジニアリング企業などが主要なパートナーです。
大規模プロジェクトでは、共同で設備を構築したりメンテナンスを分担するケースが多々あります。
【理由】
公共事業においては入札や複数企業のコンソーシアム形式での受注が一般的であるため、協働が不可欠です。
また、環境規制の強化に伴い、顧客のニーズも多様化しており、幅広いソリューションを提供するには専門領域が異なる企業同士が連携する必要が出てきました。
月島ホールディングスはこうしたパートナーシップを通じて、自社の技術をより大きなプロジェクトで活かす道を選んできたのです。
チャンネル
公共入札による案件獲得、法人向けの直接営業、業界展示会やセミナーなど、多面的なチャンネルを活用しています。
上下水道事業者や産業廃棄物処理業者に対しては、従来から築いてきた関係性をベースに提案を行い、新規案件を探る動きも継続的に行っています。
【理由】
公共事業は入札制度が基本となるため、契約を獲得するには公的機関との良好な関係と提案力が重要です。
一方で、民間企業への営業では価格だけでなく、長期的なメリットを提示するコンサルティング型のアプローチが必要とされています。
多様なチャンネルを使い分けることで、同社は幅広い顧客層にリーチできる体制を整えています。
顧客との関係
設備納入後もメンテナンス契約や運転管理受託など、長期的なサポートを継続する関係を築いています。
定期点検や緊急時の対応など、アフターサービスを充実させることで高い顧客満足度を維持しています。
【理由】
インフラ設備の多くは24時間稼働し続けるため、トラブルのリスクを最小限に抑えることが欠かせません。
信頼できるパートナーとして選ばれるためには、設備導入後のフォローアップ体制こそが決め手となります。
同社はこの考え方を早期から実践しており、運転管理を含めた長期契約によって顧客と深い関係を築いてきました。
顧客セグメント
水道事業を担う地方自治体や上下水道事業者、産業廃棄物処理の大手企業などが主な顧客です。
近年は再生可能エネルギーやカーボンニュートラルの分野にも取り組む企業も顧客として増加傾向にあります。
【理由】
環境負荷削減へのニーズが社会的に高まる中で、多岐にわたる分野から水処理や廃棄物処理技術に関心が寄せられているからです。
もともと公共分野での実績が多い同社ですが、民間企業も環境対策に力を入れるようになり、顧客の幅が自然と広がってきています。
収益の流れ
設備の設計・製造・納品に伴う収益と、運転管理やメンテナンス契約に基づく継続的なサービス収益が中心です。
公共案件や大規模施設の場合は、更新工事や追加設備の導入などのリピート受注も大きな割合を占めます。
【理由】
インフラ設備の導入は一度きりの売上で終わるのではなく、長期間の運用を通じたメンテナンスや部品交換の需要が安定して発生するからです。
企業の収益を安定させるには、単発の案件だけでなく、定期的なサービスを提供し続けるビジネスモデルが理想的とされます。
同社は環境エンジニアリングの領域で長年積み上げてきた実績を活かし、この安定収益モデルを確立してきました。
コスト構造
設備の製造にかかる原材料費や人件費、研究開発費などが主要なコストです。
加えて、現場の施工管理やメンテナンス人員にかかる経費も大きなウエイトを占めます。
【理由】
環境エンジニアリングは装置の品質や安全性に対して厳格な水準が求められ、研究開発と熟練技術者の確保が必要となります。
さらに、現場工事や運転管理には専門知識を持ったスタッフが不可欠で、こうした人件費が一定程度発生します。
公共事業においては入札による価格競争もあるため、同社はコスト削減策と高品質の両立を図りながら、技術力を強みに顧客の信頼を得ています。
自己強化ループ
株式会社月島ホールディングスが強みを発揮できる背景には、環境規制の強化による需要拡大と、同社の技術発展が相互に影響し合う自己強化ループがあります。
例えば、水質基準や排ガス規制が厳しくなると、新たなろ過システムや焼却技術が求められます。
同社はそれに応える形で研究開発を進め、より高性能な設備を生み出します。
これらの設備が採用されると、運転管理や定期保守などのサービス需要がさらに拡大し、収益が増加します。
その収益を研究開発や人材育成に再投資することで、より高度な技術を生み出せるようになり、再度規制の強化や社会のニーズに応えていくという循環が生まれます。
この流れが続くことで、同社の技術とサービスは一層磨かれ、競合他社と比べても高い付加価値を提供できるようになるのです。
このように、規制や社会要請を受けて製品やサービスが進化し、それがさらなる売上や投資につながる構造こそが、同社の大きな成長エンジンになっています。
採用情報
株式会社月島ホールディングスでは、技術職や事務職など幅広い分野での採用を行っています。
初任給に関する具体的な公表は見当たりませんが、一般的なエンジニアリング企業の水準を意識して設定されるようです。
年間休日は120日以上で、完全週休2日制を採用しています。
採用倍率に関しては公開されていませんが、水処理や環境に関する専門知識を生かせる企業として人気が高く、専門性の高い人材が集まる傾向があります。
株式情報
銘柄は月島ホールディングス(証券コード 6332)として上場しています。
配当金については経営状況に応じて変動し、最新の配当金額を確認する場合はIR資料を参照する必要があります。
一株当たりの株価も市場環境や業績動向によって日々変動するため、投資を検討する際には最新の株価チャートとあわせて、同社の今後の取り組みや業績見通しを確認することをおすすめします。
未来展望と注目ポイント
株式会社月島ホールディングスは、インフラ老朽化対策の需要が続く国内市場に加え、海外でも都市化が進む地域での上下水道インフラ需要に応じた成長を目指しています。
たとえば、新興国では安全な水の確保や効率的な廃棄物処理へのニーズが年々高まっており、同社が培ってきた技術が活躍できる場面が増えると考えられます。
また、カーボンニュートラルや再生可能エネルギーへの転換が叫ばれる中、廃棄物をエネルギー化する技術や省エネルギー型の処理プロセスなども注目を集めそうです。
これまで公共事業が中心だったビジネスモデルから、民間企業との連携や独自のサービス開発などに取り組むことで新たな収益源を開拓し、成長戦略を進める可能性があります。
さらに、研究開発投資による最新技術のアップデートと運転管理サービスの高度化は、顧客満足度を高めるだけでなく、同社のブランド力強化や新たな受注獲得にも寄与するでしょう。
今後も社会の環境意識やインフラ投資の動向を注視しながら、国内外で安定した成長を続けることが期待されています。


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