株式会社RAVIPAのビジネスモデルがすごい 最新IR資料から読み解く成長戦略

小売業

企業概要と最近の業績

株式会社RAVIPA

当社は、D2C(Direct to Consumer)事業を主軸とし、ヘアケアブランド「Hair flare」や化粧品などを企画・販売しています。

また、そのノウハウを活かした通販DX事業として、コールセンターの運営や他社の通販事業のコンサルティングも手掛けています。

さらに、飲食事業としてカフェ「ELOISE’s Café」の運営も行っています。

2025年11月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比で増加しました。

D2C事業においては、既存商品のリピート販売が好調に推移し、売上が伸長しました。

通販DX事業では、新規顧客の獲得が順調に進み、業績に貢献しています。

飲食事業については、客数の増加により売上が回復基調にあります。

これらの結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益のいずれも前年同期を上回る結果となりました。

【参考文献】https://ravipa.co.jp/

価値提案

RAVIPAの価値提案は、使っている人が実感しやすい育毛剤や美容液を、サブスクリプション形式で気軽に試せることです。

自社で企画開発をしているからこそ、ボトルの形状や香りなど細かな部分まで改良を重ねています。

こうした取り組みには、実際に商品を使った顧客の声が大きく生かされています。

満足度を高めるために成分や使用感にこだわり、より良い手応えを得られるよう品質を追求していることが特徴です。

【理由】
なぜそうなったのかというと、競合が多い美容やヘアケアの分野でリピート購入を確保するためには、商品力と信頼が欠かせないからです。

お客様に「ここなら安心して続けられる」と思ってもらえるような価値提供が、RAVIPAの最大のポイントといえます。

主要活動

RAVIPAの主要活動は、自社ブランド商品の企画開発と通信販売の運営です。

自社ECサイトや大手ECモールを通じて商品を販売し、同時に広告出稿やSNSでの情報発信などのデジタルマーケティングを積極的に行っています。

自社で運営する通販特化型コールセンターも重要な役割を果たし、商品の注文対応だけでなく、利用者の相談受付やアフターサポートも行っています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、定期購入ビジネスで顧客との長期的な関係を維持するためには、注文からアフターケアまで一貫して高品質な対応が必要だからです。

これによってリピート率が上がり、安定した収益を生み出すことを可能にしています。

リソース

RAVIPAのリソースは、まずは自社コスメの企画開発ノウハウです。

創業後早い段階で月商1億円規模を達成した成功体験に支えられ、商品をどのように企画し、どのように売り出せば消費者に響くかを知り尽くしています。

さらに、コールセンターを含む自社の受注管理システムや蓄積された顧客データベースが大きな強みです。

【理由】
なぜそうなったのかというと、サブスクリプション型ビジネスでは顧客の満足度と継続率が最重要になるため、自分たちでノウハウを持ち、データを分析できる体制を整える必要があったからです。

パートナー

OEM生産を担う工場との連携や、大手ECモール(楽天やAmazonなど)のプラットフォーム活用がRAVIPAの主要パートナーとなっています。

また、外部のインフルエンサーを活用したPRや広告代理店とのタッグも欠かせません。

【理由】
なぜそうなったのかというと、化粧品や育毛剤は品質だけでなくブランド力の訴求も重要なので、信頼できる製造パートナーと販路拡大に貢献するパートナーが不可欠だからです。

チャンネル

チャンネルとしては、公式オンラインショップや楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングなどのECモールがメインです。

電話での問い合わせや注文に対応するコールセンターも大きな役割を担っています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、サブスクリプション型の商品を多くの人に知ってもらい、さらに不安や疑問にすぐ答えてあげる体制を整えることで、購入へのハードルを下げることができるからです。

顧客との関係

顧客との関係は、定期購入の維持と手厚いサポートを中心に築かれています。

商品を継続してもらうために、丁寧なフォローアップや質問への迅速な回答に取り組んでいます。

【理由】
なぜそうなったのかというと、美容やヘアケアは効果を実感するまでに時間がかかる場合があり、その間の不安を払拭しながら使い続けてもらうことが企業の成長に直結するからです。

顧客セグメント

育毛剤や美容液などを利用する、見た目や健康を大切にする女性が主な顧客層です。

加えて、コールセンター受託やコンサル事業では通販を行う企業も大きな顧客セグメントです。

【理由】
なぜそうなったのかというと、元々は自社コスメのターゲットとして美容志向の女性向けにビジネスを始めましたが、その成功ノウハウを他の企業にも応用できると気づき、BtoB領域も取り込んだためです。

収益の流れ

RAVIPAの収益のメインは、やはり定期購入によるコスメや育毛剤の売上です。

2024年11月期で1,638百万円を記録した売上のうち、大半を通販事業が占めています。

さらに、コールセンター受託や通販コンサルティングでも安定的な収益を得ています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、化粧品や育毛剤のようにリピート需要がある商品でサブスクリプションを取り入れることで、継続課金による安定収入を生み出しやすい構造を確立したからです。

コスト構造

コストとしては、OEMによる製造費や物流コスト、新規顧客獲得のための広告宣伝費などが大きな割合を占めます。

サブスクモデルを拡大するにあたっては、一定の広告投資が必要ですが、継続率が高まればその分が安定収益につながるため、コストと収益のバランスが重要です。

【理由】
なぜそうなったのかというと、化粧品や育毛剤は競合も多く、広告なしでの認知拡大は難しいからです。

積極投資で顧客を獲得し、その後のリピート収益で回収する仕組みを作り上げることが求められます。

自己強化ループ

自己強化ループは、実際に商品を使ったお客様の声を改良に活かし、さらに満足度が上がった商品でリピート購入を高めるという流れが大きな特徴です。

コールセンターによる丁寧なサポートも好印象につながり、口コミやSNSを通じてさらにファンが増える好循環が生まれます。

こうしたポジティブなサイクルを続けることで、新商品の開発や広告宣伝への再投資が可能になり、最終的には売上とブランド力の双方を伸ばせる点がRAVIPAの強みといえます。

採用情報

採用情報としては、初任給や平均休日、採用倍率などの公式発表は確認されていません。

業務形態にシフト制を導入している部署もあり、時期によって繁忙度合いが変わるようですが、詳細は公表されていない状況です。

株式情報

株式情報に関しては、証券コードが5893で、東京証券取引所のPROマーケットに上場しているのが特徴です。

配当金は現時点で無配であり、今後の成長投資を優先する方針がうかがえます。

株価は上場時に500円台で推移していましたが、PROマーケットは取引が限定的なため、流動性は高くありません。

未来展望と注目ポイント

未来展望と注目ポイントとしては、コスメやヘアケアの分野で定評を得ている企業として、今後もサブスクリプション型ビジネスの拡充に力を入れる見通しです。

単品リピート通販で培ったノウハウをさらに活用することで、他社ブランドの通販支援やコールセンター受託の拡大を進める可能性もあります。

飲食事業などの周辺分野は収益性の課題から縮小していますが、特定の領域に集中することで利益率を高める経営方針が見えてきました。

さらなる成長戦略としては、新たなブランドの開発や海外展開への一歩なども期待できます。

今後のIR資料では、売上だけでなく継続率や広告費とのバランスなどがどのように推移していくのか注目されるでしょう。

競合が多い市場でありながらも、新規顧客とリピーターを同時に増やしているRAVIPAの手法は、これからもますます目が離せません。

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