会社概要と最近の業績
株式会社小森コーポレーション
商業用の印刷機や、紙幣・有価証券などを印刷する特殊なセキュリティ印刷機を製造・販売している大手印刷機械メーカーです。
世界中の印刷会社や各国の造幣局などに製品を供給しており、日本で使われているお札も、その多くが小森コーポレーションの印刷機で印刷されています。
近年は、従来の紙への印刷技術を応用し、電子部品の回路を形成するプリンテッドエレクトロニクス関連の装置も手掛けるなど、事業領域を広げています。
2025年8月6日に発表された最新の決算によると、2026年3月期の第1四半期(2025年4月1日から6月30日まで)の売上収益は315億円でした。
これは、前年の同じ時期と比較して35.5%の増加となります。
営業利益は32.2億円となり、前年の同じ時期の2.1億円の赤字から黒字に転換しました。
この好調な業績は、主に商業用印刷機や証券印刷機の受注が国内外で堅調に推移したことによるものです。
価値提案
同社の価値提案は、高精度かつ高品質の印刷を実現する印刷機械と、その後のアフターサービスを組み合わせた総合的なソリューションにあります。
特に紙幣や有価証券のように極めて厳格な精度が求められる場面でも安定した品質を保てる技術が強みです。
これが信頼性や安全性の面で他社との差別化につながっています。
またデジタル印刷機やプリンテッドエレクトロニクスなど新領域も取り入れることで、あらゆる印刷ニーズに応えられる柔軟な製品ラインアップを構築しています。
【理由】
印刷市場そのものがオフセット中心の時代から徐々にデジタル化に移行しつつあるため、新たな技術を取り込まなければ顧客満足を維持できないと判断したからです。
さらに、これまで培ってきた精度へのこだわりと、大判印刷や高速印刷などの特殊ニーズに対応してきた経験が融合することで、より幅広い顧客層に対する価値を創出できるようになっています。
主要活動
同社の主要活動は、印刷機械そのものの設計や製造に加え、販売とアフターサービスに力を入れている点が大きな特徴です。
印刷機は一度導入するとメンテナンスや改良が長期的に必要になります。
そのため、売り切りではなく、定期的な保守や部品交換などを通じて信頼関係を築く仕組みが重要ですです。
また最新鋭のつくばプラントを活用した高度な生産体制の確立によって、高品質かつ安定した量産を可能にしています。
【理由】
こうした取り組みがなぜ行われるかというと、印刷機は高額である一方、不具合が起きれば生産性に直結するため、導入企業は高精度な設備だけでなく、すぐに対応してくれるサポート体制を求めます。
結果として、導入前後を通じて一貫してサポートし、信頼を深めることが企業としての大きな収益源かつ強みになっているのです。
リソース
重要なリソースには高度な技術力を持つ人材と、最新設備を備えた生産拠点があります。
印刷機はミクロン単位の精度が要求される分野もあり、機械設計からソフトウェア開発まで多岐にわたる専門知識が不可欠です。
【理由】
なぜこれが大切かというと、例えば紙幣を製造する機械ではセキュリティ技術や緻密な印刷精度が必要で、知識やノウハウの蓄積がなければ対応できません。
さらに、つくばプラントのように最新鋭の生産設備を整えることで、高速かつ安定した製造プロセスを実現し、顧客からの急な注文や特殊な仕様に応じることができるのです。
この組み合わせこそが同社の独自性を形作る大きな要素といえます。
パートナー
同社が協力関係を築いているのは、印刷関連企業や資材メーカー、海外販売代理店などです。
例えば印刷技術に必要なインクや紙などの資材メーカーとの連携がなければ、最高の印刷品質を引き出すことは難しくなります。
海外展開においては現地販売代理店と連携し、それぞれの国や地域で顧客との接点を持つことで市場を開拓します。
【理由】
なぜパートナーシップが重視されるかというと、グローバル化が進んでいる印刷業界では、一社単独では対応できない地域や分野が多いからです。
そこで専門知識や販売チャネルを共有することで、顧客ニーズに速やかに対応でき、結果的に自社のブランド力を高めることにもつながります。
チャンネル
同社のチャンネルとしては、国内外の営業拠点やオンラインプラットフォームが挙げられます。
これにより世界各地の顧客に直接営業活動を行うだけでなく、ウェブを通じて新製品の情報発信やアフターサポートの受付をすることが可能です。
【理由】
大型の印刷機は現場での稼働状況を確認しないと魅力を十分に理解しづらい部分があります。
対面の営業拠点を持つ一方で、リモートでのデモやオンラインでの相談体制を強化し、顧客が気軽に問い合わせできるようにしているのが特長です。
これによって遠方の顧客や忙しい担当者も製品に触れやすくなり、潜在需要の掘り起こしにつながっています。
顧客との関係
顧客との関係は、主に直接販売とアフターサービスを通じて構築されています。
印刷機は長期間使われる設備なので、納品後のメンテナンスや修理対応、技術サポートが欠かせません。
こうした手厚いサポートを行うことで、顧客は機械の安定稼働による生産効率向上を実感しやすくなり、結果としてリピート受注や追加投資にもつながります。
【理由】
なぜこのモデルが重要かというと、印刷機の導入には大きなコストがかかるため、一度選んだメーカーと長期的に付き合う傾向が強いからです。
手厚いアフターサービスを行うことが顧客満足度の向上につながり、その信頼関係こそが継続的な収益源になります。
顧客セグメント
同社の顧客セグメントは、商業印刷業者だけでなく、政府機関やパッケージ印刷会社など多岐にわたります。
紙幣や有価証券のように高セキュリティが求められる印刷から、書籍やチラシなどの大量印刷、さらにはパッケージ印刷までカバーできる総合力があるからこそ多様な顧客を抱えています。
【理由】
創業以来培ってきたオフセット印刷の技術だけでなく、時代に合わせてデジタル印刷や特殊印刷にも対応してきたためです。
これにより、一つの分野の需要が減少しても、他の成長分野でカバーできるバランスの良い事業構造が整っています。
収益の流れ
主な収益の流れは印刷機械の販売収益と保守・メンテナンス収入です。
特に高価格帯の大型印刷機の納品は一度に大きな売上をもたらしますが、導入後の保守契約や部品交換、アップグレードなども継続収益の柱になっています。
【理由】
なぜこの仕組みになっているかというと、印刷機は長期運用が前提であり、定期的なメンテナンスと部品交換が欠かせないからです。
また、デジタル印刷機など新しい機種を導入するときにも既存顧客との関係が信頼のもとにあるため、買い替えや追加導入がスムーズに進むというメリットがあります。
これらが組み合わさることで、企業全体としての売上を安定的に伸ばすことが可能になります。
コスト構造
大きなコストとしては研究開発費や生産設備の維持費、人件費などが挙げられます。
印刷機の性能を高めるためには継続的な研究開発が不可欠ですし、高精度の部品を製造するには最新設備を整えなければなりません。
【理由】
なぜ多額の投資が求められるかというと、競合との技術差別化を図るために新素材や新プロセスを常に検討し、実証を重ねる必要があるからです。
さらに、サポート体制を維持するためには全国や海外の拠点で専門知識を持った人材を配置するコストも発生します。
こうした要素が重なってはじめて高い品質とスピーディーなサポートを実現できるため、このコスト構造は同社のビジネスモデルを支える土台になっています。
自己強化ループについて
同社では顧客から得たフィードバックを新製品や改良に活かすことで、さらに品質を向上させる自己強化ループが機能しています。
具体的には導入企業の要望や課題を営業担当やアフターサービス部署が吸い上げ、それを研究開発部門へ迅速に共有する仕組みを整備しています。
印刷機の現場では印刷速度や用紙の対応幅、インクの発色など細かい調整が必要な場合が多いです。
そうした声を積み重ねながら改良を行うことで、実際の生産現場で役立つ製品へと進化していきます。
さらにソリューションビジネスを推進し、顧客が抱える経営上の課題に対して最適な印刷機やサービスを提案することで、導入企業の満足度を高めながら新たな需要も生み出せます。
このように顧客満足度の向上がさらなる受注や追加投資につながる好循環をつくり、同社の持続的な成長エンジンとなっています。
採用情報
同社の採用情報では、初任給や平均休日、採用倍率など具体的な数字は公表されていませんが、高度な技術開発やグローバル展開を行う企業という点で、エンジニアや営業職など幅広い職種での活躍が期待されています。
印刷技術やメカトロニクス分野への興味を持つ人にとっては、多様な学びとキャリア形成の機会があり、長く働きやすい環境づくりにも力を入れているとされています。
株式情報
銘柄は証券コード6349で、配当金や1株当たりの株価といった詳細情報は最新のIR資料などで随時更新されているようです。
中長期の成長が期待される場合は、研究開発費の推移や海外展開の状況なども考慮しながらチェックすると良いでしょう。
印刷市場の変化が大きい中で同社がどのように対応しているかを確認するのも、投資判断の一助になりそうです。
未来展望と注目ポイント
今後は世界的なデジタル化の進行や、環境に配慮した印刷技術の需要がさらに高まると予想されます。
その中で、オフセット印刷とデジタル印刷を両立させる技術力を持つ同社は大きな強みを発揮できるでしょう。
紙幣や証券などの高セキュリティ印刷はなお残る需要があり、プリンテッドエレクトロニクスの分野も新素材や半導体技術との連携で大きな可能性を秘めています。
さらに海外の成長市場に対して積極的に拠点を拡充すれば、安定した売上の拡大も狙えるでしょう。
印刷市場自体は縮小傾向といわれる部分もありますが、パッケージ印刷や特殊印刷のニーズは堅調で、これらをしっかりと取り込むことで企業の持続的な発展が見込まれます。
同社がこれらの動きをどのように戦略化していくのかが今後の焦点となりそうです。
特にIR資料などで公開される成長戦略の詳細に注目し、引き続き進捗を追っていくことが重要だと感じます。
今後も高い技術力と柔軟な事業展開を武器に、新たな市場を開拓し続ける姿勢に期待が寄せられます。


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