企業概要と最近の業績
株式会社オーハシテクニカ
当社は、自動車産業を主なフィールドとして、部品の製造と販売を手掛ける「メーカー機能」と「商社機能」を併せ持った会社です。
自動車のエンジンやシャシー、内装・外装に使われる、ねじやばねといった金属部品から樹脂部品まで、多種多様なパーツを取り扱っています。
お客様である自動車メーカーや部品メーカーのニーズに応え、最適な部品を調達・供給するだけでなく、自社工場でオリジナルの部品を開発・生産することもできるのが強みです。
日本国内はもちろん、北米やアジアにも拠点を持ち、グローバルな供給体制を築いています。
2025年7月31日に発表された2026年3月期第1四半期の決算によると、売上高は305億3,900万円で、前年の同じ時期に比べて5.0%増加しました。
営業利益は17億4,600万円で、前年同期比で4.9%の増加となりました。
経常利益は21億3,600万円(前年同期比4.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は15億2,500万円(前年同期比5.4%増)と、増収増益を達成しています。
主要な取引先である自動車メーカーの生産が、日本国内および北米で堅調に推移したことが、この好調な業績につながったと報告されています。
価値提案
株式会社オーハシテクニカは、独自の圧入プロジェクション接合技術を通じて異種金属を高精度で接合し、自動車の軽量化や高強度化を実現しています。
これにより環境負荷の低減が求められる時代に即した製品を提供できることが強みです。
【理由】
なぜそうなったのかというと、従来の溶接やねじ止めだけでは対応しきれない素材の組み合わせや強度基準に対応する必要が高まったからです。
特にEVやハイブリッド車では車体の軽量化が燃費や航続距離に直結するため、同社の技術は多くの自動車メーカーにとって欠かせない選択肢となっています。
これが高い評価を受けている理由であり、高付加価値を提供できる点が企業の収益力に貢献しています。
主要活動
同社の主要活動としては、自動車部品の設計や開発、製造に加えて、物流や輸出入関連の業務も含まれます。
【理由】
なぜそうなったのかというと、グローバル化する自動車市場で安定的に部品を供給するには、自社内で生産だけでなく流通面にも力を入れる必要があるからです。
素材の調達から製品完成までを一貫して行うことで、コスト管理と品質管理の両面を強化できます。
また、顧客企業が求める納期や大量生産のニーズに迅速に対応できる体制を整えることで、他社との差別化が図られています。
さらに加工技術開発に積極的であるため、高度な技術サポートを提供しやすい点も同社の活動の柱となっています。
リソース
高精度接合の専門家や研究開発チーム、そして独自の加工技術を支える製造設備が同社の主要なリソースです。
【理由】
なぜそうなったのかというと、軽量化や高強度化を求められる自動車の開発現場では、部品メーカーが単に製品を納入するだけでなく、技術的な課題に対してソリューションを提示する能力が求められるからです。
そのため、材料工学や機械工学の知識を持ったエンジニアを中心に、試作から量産に至るまでをシームレスに連携するチームが整備されました。
これにより受注の際にはノウハウを活かした提案ができるようになり、顧客企業との信頼関係の向上につながっています。
パートナー
自動車メーカーや部品メーカーだけでなく、物流業者や研究機関とも連携を深めています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、自動車の開発や製造には多様な専門知識が必要であり、単独の企業だけではすべてに対応しきれない場面が増えているからです。
特に新素材や新しい製造プロセスの研究には外部の知見が欠かせないため、共同研究や技術連携が積極的に行われています。
また物流網を強化することで海外拠点との連携をスムーズにし、市場の変化に迅速に対応できる体制を整えています。
こうしたパートナーシップが同社のビジネスモデルを支える大切な要素です。
チャンネル
同社は直接の営業活動やオンラインでのコミュニケーションだけでなく、モーターショーや技術展示会なども活用して製品をアピールしています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、自社の先端技術をより広く認知してもらうためには、多面的なアプローチが必要だからです。
従来は大手メーカーとの直接取引が中心でしたが、技術革新が進むにつれ、スタートアップ企業や新興国メーカーからの引き合いが増えています。
オンラインの情報発信や展示会での実演によって、多様な顧客候補を獲得しやすくなり、新規案件の開拓にもつながっています。
顧客との関係
同社はカスタマーサービスだけでなく、共同開発や技術サポートを重視しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、自動車部品は車の安全性や性能に直結し、高度な技術的課題が発生しやすいからです。
部品の仕様決めや改良には密接なコミュニケーションが欠かせないため、単なる納入業者ではなく開発パートナーとして関わることで、長期的な取引関係を築くことができています。
また問題が発生した際には迅速に対応し、改善策を提案する姿勢が高く評価されており、リピートオーダーや追加案件の獲得につながっています。
顧客セグメント
主に国内外の自動車メーカーや他の部品メーカーを顧客としています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、自社技術が車両の軽量化や強度確保に大きく貢献できるため、多岐にわたる車種や地域での需要に応えられるからです。
近年はEVやハイブリッド車など新エネルギー車の増加にともない、軽量部品や特殊合金の接合技術が必要とされています。
そこで高い技術力と安定供給が求められるなか、同社は独立系であることを活かし、複数のメーカーに柔軟に対応している点が強みになっています。
収益の流れ
売上の中心は自動車部品の販売収益ですが、それに加えて技術提供料や物流サービスなどからも収益を得ています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、顧客企業が部品の製造だけでなく、サプライチェーン全体の効率化を求めるケースが増えてきたからです。
例えば海外拠点への運送や在庫管理を含めた提案が評価されることで、付帯サービスの利用が増えています。
また同社の接合技術は特殊であるため、そのノウハウを提供するコンサルティングやライセンス契約といった形で収益源を多角化できています。
コスト構造
主に材料費や製造設備の投資、研究開発費や物流費、人件費がコストを構成しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、自動車部品の品質維持には高度な製造設備やテスト装置が欠かせず、最新技術を研究するためのR&D投資が必要だからです。
また世界各地の自動車メーカーと取引するには安定したサプライチェーンと人材が求められるため、物流費や現地法人の人件費がかかります。
ただし独自技術による高付加価値製品を提供しているため、これらのコストを吸収できる売上と利益を確保している点が重要ですす。
自己強化ループについて
同社が成長を続ける背景には、独自技術を生かした製品開発と、その技術を評価した顧客からの受注拡大が連動するポジティブな循環があります。
具体的には、高度な接合技術を武器に新規案件を獲得すると、その売上がさらなる研究開発投資を可能にします。
そして研究開発投資によって生み出される新しい部品や改良技術が、また次の受注を生むきっかけになります。
この流れによって売上や利益が安定し、結果的に社内体制の強化や生産ラインの拡充を行いやすくなるのです。
こうした継続的な自己強化ループは、競争が激化する自動車産業の中でも同社の地位を確固たるものにし、顧客企業からも長期的なパートナーとして信頼される要因となっています。
採用情報
同社の採用では、理系の専門知識を持つ技術職が特に注目されています。
初任給や平均休日、採用倍率などの詳しい条件は公表されていませんが、自動車部品や金属接合に興味のある人材にとっては幅広いチャンスがあると考えられます。
研究開発から製造、物流までさまざまな部署が連携しているため、ものづくりに関わる喜びを実感できる環境です。
新技術を生み出すチャレンジができる点も魅力といえます。
株式情報
同社は東証プライム上場企業であり、証券コードは7628です。
配当金や1株当たり株価の水準については、最新の情報は公開されていないため定期的なチェックが求められます。
自動車業界の市況やEV市場の拡大などが株価に影響する可能性があるため、投資を検討する際は自動車の成長戦略や市場動向とあわせて確認することが大切です。
未来展望と注目ポイント
今後はグローバル規模でのEV化や環境意識の高まりに対応するため、軽量化や強度アップにつながる新しい部品の需要がさらに増加すると考えられます。
そうしたなか、独自技術を武器とする株式会社オーハシテクニカは、素材研究や接合方法の革新など新領域への進出に期待が寄せられています。
さらに海外市場の開拓も進めることで、安定した売上基盤の確立とリスク分散を図れる点が注目です。
自動車メーカーとの共同開発を加速することで、顧客が抱える個別の課題に対する最適解を提案しやすくなり、長期的なパートナーシップを強化できます。
研究開発投資の継続による新技術の創出と、それを評価してくれる顧客が増えることで、好循環が長く続くことが期待されています。
こうした背景から、今後の成長余地は大きいと考えられ、自動車業界の変革を支える重要な存在として注目されています。


コメント