企業概要と最近の業績
杉田エース株式会社
当社は、建築金物や建築資材を専門に取り扱う商社です。
マンションやビル、商業施設などの建設現場で使われる、手すりや郵便受け、物干し金物といった多種多様な商品を取り扱っています。
全国の金物店や建材店、工務店などへ商品を供給する卸売事業が中核です。
また、「ACE」という自社ブランドでオリジナル商品を企画・開発したり、長期保存食の「IZAMESHI（イザメシ）」や、アウトドア家具の「PATIO PETITE（パティオ・プティ）」といった一般消費者向けの商品も展開しています。
2025年7月30日に発表された2026年3月期第1四半期の決算によると、売上高は150億5,600万円で、前年の同じ時期に比べて3.1%増加しました。
営業利益は5億1,900万円で、前年同期比で29.1%の大幅な増加となりました。
経常利益は5億7,600万円（前年同期比31.5%増）、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億8,000万円（前年同期比32.4%増）と、大幅な増収増益を達成しています。
主力の建築関連金物が首都圏の再開発案件などを背景に堅調に推移したことに加え、長期保存食などの一般消費者向け商品の販売も好調だったことが業績を牽引したと報告されています。
価値提案
高品質な建築資材や住宅設備機器を多数そろえ、必要なときに安定して提供できること。
商品知識を持つスタッフによる丁寧な対応で、顧客の疑問や要望に応えやすい体制が整っていること。
【理由】
なぜそうなったのかというと、杉田エースは建築関連のニーズが多様化する中で、いかに「必要な商品を途切れなく供給するか」を課題としてきたからです。
そこで、仕入先とのパイプを強化しつつ、自社内でも幅広い在庫管理を行う体制を築き、顧客が必要とする資材を確実に届けることを重視しました。
また、顧客満足度を高めるためには製品知識だけでなく、使い方や施工上の注意点など専門知識を持つ人材が不可欠です。
こうしたサポートが付加価値となり、顧客に「ここなら安心して任せられる」と思ってもらえる提案へとつながっています。
主要活動
多数のメーカーからの仕入れと在庫管理による迅速な配送体制。
営業担当者による顧客訪問や販促施策の企画と実施。
【理由】
なぜそうなったのかというと、建築金物の需要は現場のスケジュールによって左右されるため、在庫が切れたり配送が遅れたりすると信頼を損ないやすい分野でもあるからです。
そこで杉田エースは、物流拠点を最適化するなど効率的な流通システムを確立し、必要な時に必要なだけ商品を届けることを徹底しました。
また、専門性を備えた営業担当が定期的に顧客を訪問することで、現場での具体的な要望を素早く吸い上げ、適切な製品をスムーズに提案できる体制を築いています。
これらの活動が積み重なることで、供給面でも顧客対応面でも高い評価を得られるようになりました。
リソース
広範にわたる商品ラインアップと大規模な在庫スペース。
営業や技術サポートなど専門知識を持つ人材。
【理由】
なぜそうなったのかというと、杉田エースは長年にわたり多くの取引先を開拓し、建築金物から住宅設備機器まで幅広い商品を扱ってきたからです。
その結果、単一のメーカーに依存せずに各種ブランドや製品を選択できる強みが生まれています。
さらに、大量の在庫を保持するための倉庫や物流拠点を整備したことで「品薄で手に入らない」というリスクを軽減しました。
人材面では、顧客に対して適切な説明ができるよう、商品知識や業界知識を蓄積したスタッフの育成に注力してきたため、専門的な相談にもしっかり対応できる体制が整っています。
パートナー
建材メーカーや住宅設備メーカーとの協力体制。
物流会社や代理店との緊密な連携。
【理由】
なぜそうなったのかというと、建築資材の供給は、品質だけでなく迅速な納期も重視されるからです。
そのため、杉田エースは多くのメーカーと直接連携を結び、在庫状況や出荷スケジュールを共有する仕組みを構築してきました。
また、自社配送に限界がある場面では外部の物流会社と提携することで、エリア拡大や配送時間の短縮につなげています。
これらのパートナーシップによって、企業としては在庫リスクを分散しつつ、顧客への安定供給を維持できるようになりました。
さらに、代理店ネットワークを活用することで、より多くの地域や顧客層へと商品を届けることを可能にしています。
チャンネル
営業担当者による直接訪問や電話対応。
オンラインカタログや代理店ネットワークでの情報発信。
【理由】
なぜそうなったのかというと、建築現場ではカタログからの注文だけでなく、急な追加発注や仕様変更が起こりやすいからです。
そこで、杉田エースはリアルタイムで対応できる営業担当者を配し、顧客との密接なコミュニケーションを行っています。
一方で、昨今のデジタル化の波を受け、オンライン上で最新情報を閲覧できるシステムを整え、必要な商品をいつでもチェックできるようにしました。
代理店ネットワークを通じても商品知識や情報を共有することで、地域に根ざした販売をより広範囲に展開できる体制を作っています。
顧客との関係
定期訪問とカスタマーサポートによる信頼構築。
問題が起きた際の素早いフォローアップ。
【理由】
なぜそうなったのかというと、顧客との関係性は一度の取引で完結するわけではなく、継続的に発生するニーズを的確にキャッチアップしなければならないからです。
特に建設現場では予想外のトラブルが生じることもあるため、杉田エースは定期訪問を通じて現状を把握し、必要があればすぐに代替案を提示したり追加注文に対応したりしています。
また、カスタマーサポート部門を設けていることで、商品に関する疑問点や設置後のアフターサービスにも対応でき、顧客満足度を維持・向上しやすくなりました。
こうした細やかな対応が長期的なリピート受注を促すポイントとなっています。
顧客セグメント
建設会社や工務店を中心に、リフォーム業者なども含む幅広い層。
DIY関連や個人向けニーズの拡大も視野に入れた取り組み。
【理由】
なぜそうなったのかというと、建築金物の需要は大規模工事だけでなく、小規模リフォームやメンテナンスでも発生するからです。
杉田エースは大口顧客をメインとしながらも、小規模案件にも柔軟に対応することで販売チャネルを広げてきました。
最近はDIYブームや個人でのリフォーム需要も高まっているため、商品ラインアップをさらに多様化する動きがあります。
このように、複数の顧客セグメントに合わせた品ぞろえを行うことで、どのような規模の工事でも対応できるという強みを築き上げています。
収益の流れ
商品販売から得られる収益。
アフターサービスやメンテナンスサポートによる追加収益。
【理由】
なぜそうなったのかというと、杉田エースの主な収益源は、もちろん建築資材や住宅設備機器の販売ですが、最近は導入後のメンテナンスやアフターケアなども重視されるようになっているからです。
これは顧客にとって、製品を購入するだけでなく、その後もサポートがあるかどうかが企業選択の大きな決め手になっています。
そこで同社は、追加部品の提供や点検サービスなどを有償で展開し、単発の取引にとどまらない収益基盤を強化しました。
こうした多角的な収益の構築が、安定的な業績につながっています。
コスト構造
商品の仕入れや在庫維持にかかるコスト。
人件費や物流コストなどの運用コスト。
【理由】
なぜそうなったのかというと、建築金物や住宅設備機器はサイズや重量、保管時の管理コストが大きく異なるため、幅広い商品を扱うほど在庫コストが増大するリスクがあるからです。
それでも杉田エースは、多種多様な在庫をそろえることで顧客ニーズを逃さない方針を採っています。
そのため、倉庫スペースの確保や適切な保管体制の整備に投資してきました。
また、営業担当者やサポート要員を配置する人件費、さらには日々の配送を支える物流コストも継続的に発生します。
こうしたコストを最適化するため、在庫回転率の向上や効率的な配送ルートの構築などの取り組みを進め、利益率を維持しています。
自己強化ループのしくみ
杉田エースでは、顧客から寄せられる要望や現場での課題を迅速に吸い上げ、それを商品ラインアップやサービス改善に反映させる仕組みを重視しています。
具体的には、営業担当者やカスタマーサポート部門が得たフィードバックを共有し、メーカーや仕入先と連携することで新しい商品を導入したり、不具合や不便のある製品を改善に導いたりする流れが確立されています。
これによって顧客満足度が向上し、リピート注文や紹介を通じて販売がさらに伸び、同時に資金力が高まることで新たな施策への投資が可能になります。
こうした好循環が会社全体の競争力を高め、結果的には業績アップにも貢献する自己強化ループが生まれています。
採用情報
新卒採用では大卒の初任給がおよそ22万円で、年間休日は120日程度と、業界の中でも比較的働きやすい環境づくりに取り組んでいるのが特徴です。
採用倍率は公表されていませんが、建設関連の知識を深めたい方や営業・物流など幅広い業務を経験したい方にとって、やりがいのある職場として注目されています。
株式情報
杉田エースの銘柄コードは7635.Tで、2025年3月期の1株当たりの配当金は40円を予定しています。
株価は2025年2月21日の時点で1株あたり1296円となっており、安定的な配当と株主還元姿勢が投資家の関心を集めています。
未来展望と注目ポイント
今後は新築需要が落ち着く一方で、既存住宅のリフォームやメンテナンス分野への需要が高まると予想されています。
杉田エースはこうした動きを捉え、既存の商品ラインアップだけでなく、リフォームやエコ関連商材の拡充も視野に入れることで成長戦略を描いています。
また、デジタル化による営業管理システムの高度化やオンラインでの受発注の強化によって、効率的に顧客ニーズに応えられる仕組みづくりを進めています。
さらに、海外の建材や新技術への関心が高まる中で、海外メーカーとのパートナーシップを強化する動きも期待されます。
これらの取り組みによって、競合がひしめく建設資材市場の中でも差別化を図り、より安定した業績とさらなる成長を実現していくことが見込まれます。
中長期的には、SDGsの観点から環境に配慮した製品開発やサービスの提供も求められており、同社がどのように取り組んでいくのか注目が集まっています。
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