企業概要と最近の業績
株式会社BuySell Technologies
当社は、着物やブランド品、時計、骨董品といった、ご自宅に眠る様々な資産を買い取り、再販するリユース事業を展開しています。
主力サービスは、査定員がお客様のご自宅を訪問して査定・買取を行う「出張買取」です。
この出張買取を軸に、店舗での買取や宅配買取も行っています。
「人を超え、時を超え、たいせつなものをつなぐ架け橋となる」ことを使命とし、専門性の高い査定力と、テクノロジーを活用した効率的な運営を強みとしています。
2025年8月13日に発表された2025年12月期第2四半期の決算によると、売上高は252億2,600万円で、前年の同じ時期に比べて21.6%の大幅な増加となりました。
営業利益は18億5,200万円で、前年同期比で27.3%の大幅な増加となりました。
経常利益は18億4,800万円(前年同期比29.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は12億100万円(前年同期比29.7%増)と、大幅な増収増益を達成しています。
主力である出張買取の件数が順調に増加したことに加え、着物やブランド品など高価格帯の商品の販売が好調だったことが業績を牽引したと報告されています。
価値提案
BuySell Technologiesの価値提案は、不要になった品物を必要としている人へ橋渡しをすることで、物を捨てるのではなく活かす文化を広げる点にあります。
これは環境負荷を低減しながら、新たな付加価値を生み出す循環型社会への貢献を目指す考え方といえます。
加えて、独自の査定システムを導入することで、誰でも簡単にリユース品を売買できる「安心感」や「手軽さ」を提供しているのが大きな特長です。
オンライン査定や出張買取など、多様なサービス形態もまた同社の価値提案を支えています。
高齢化が進む日本で、家にいながら物を処分したい人が増えるなか、プロが直接査定に来てくれるという安心感は大きいです。
この結果、「手間なく売れる」「プロの目でしっかり価格をつけてもらえる」という評判が広がり、リユースビジネスが馴染みのない層にも自然と浸透しました。
【理由】
なぜそうなったのかというと、創業当初から「使わないものを大切に再活用する」という理念があり、それをテクノロジーによって効率化する方針を貫いてきたからです。
データ活用により在庫管理を最適化し、必要とする人に迅速に商品を届ける仕組みを整えたことで、「あれば便利」から「なくてはならない」存在へと変わりつつあります。
こうした仕組みを通じて、買い手にも売り手にもメリットを提供するWin-Winの体制が確立されているのです。
主要活動
同社の主要活動は、買取と販売の一連の流れを効率化することに尽きます。
まず出張買取や宅配買取で顧客が不要になった商品を買い取り、検品・クリーニングなどを施してから、ECサイトや店舗で再販売する仕組みを持っています。
ここでは、査定員のスキルとAIシステムが大きく役立ち、スピーディーに正確な査定額を提示することで、顧客が安心して売却できる環境を作っています。
多彩な販売チャネルの運営や管理も重要な活動です。
たとえば、オンライン販売では人気商品を中心に回転率を高める工夫を行い、在庫のロスを抑制しています。
また、店舗販売では実際に商品を手に取って確認できるため、顧客との接点が強固になり、リピート利用につながりやすいのが特徴です。
さらに、出張買取を活用することで、高齢者や子育て中など外出が難しい層にもアプローチできる体制を整えています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、多様化する顧客ニーズに対して柔軟に応え、リユース品を必要な人に届けるためには、「どこで、どのように売るか」の戦略が極めて重要だからです。
実際、一つの販売チャネルだけでは在庫の回転率に限界があるため、オンラインとオフラインの両面を活用し、商品ごとに最適な売り場を選択することで効率的な収益化を図っています。
これらの主要活動によって、BuySell Technologiesはリユースビジネスの最前線を走り続けているのです。
リソース
BuySell Technologiesを支えるリソースは、テクノロジー、人材、そして物流拠点の3つが大きな柱といえます。
AIを活用した査定システムや在庫管理システムは、リユース品一つひとつの適正価格を導くために欠かせない武器となっています。
これにより、査定員の経験値だけに頼らず、だれが対応しても一定の査定品質を保てる点が強みです。
また、出張買取を行う査定員や店舗スタッフなど、多岐にわたる人材も重要なリソースとなっています。
リユース品にはブランド品や骨董品など専門知識が必要なカテゴリーもあるため、幅広い分野の知識を持った人材が揃っていることがスピーディーな査定を可能にしています。
加えて、顧客対応やクレーム処理をしっかり行う人材の育成も重視することで、安心して利用できるサービス基盤を整えているのです。
【理由】
なぜこのようなリソース構成になったのかというと、リユース事業は一品ごとに状態や需要が異なるため、画一的な仕組みだけでは対応が難しいからです。
テクノロジーで相場データを活用しつつ、最終的な目利きや顧客対応は人が行うというハイブリッドな体制を築くことで、無駄のない在庫管理と顧客満足度の両立を実現しています。
結果として、「高い査定精度」と「きめ細やかな接客」の両面から、リユース品の価値を最大限に引き出すことに成功しているのです。
パートナー
同社が展開する幅広いリユース事業を下支えしているのが、多様なパートナー企業です。
宅配業者や物流会社との連携により、買取品をスムーズに倉庫や店舗へ移動させ、顧客のもとに届けるまでの時間を短縮する工夫を行っています。
これによって、在庫回転を早め、余分なコストを抑えられる仕組みを構築しています。
また、オンラインマーケットプレイスやECモールと協力することで、自社サイトだけに依存しない販売網を確保しているのがポイントです。
これは、一度に多くのユーザーにアピールできる反面、競合と同じフィールドで比較されるため、ブランド力や価格戦略が重要になります。
それでも参入するのは、リユース品に興味を持つユーザーとの接触機会を最大化したいという理由が大きいです。
【理由】
なぜパートナーが重要かというと、リユース事業ではあらゆるジャンルの商品を扱うため、一社ですべてを賄うのは難しいからです。
専門性の高い骨董品やブランド品は、プロの鑑定会社と組むことで適正価格を実現し、顧客の信頼を勝ち取っています。
このように、外部のリソースを積極的に取り込みながら、自社の強みであるテクノロジーや査定ノウハウを活かすことで、より大きな市場にアプローチできる体制を築いているのです。
チャンネル
BuySell Technologiesはオンラインとオフラインの両面を活用しており、多様な顧客ニーズに応えるチャンネル戦略を展開しています。
オンラインでは、自社ECサイトやアプリに加えて、大手ECモールを複数活用し、商品ごとに最適な販売先を選択できる仕組みが特徴です。
これにより、限られたプラットフォームに依存せず、売れ残りリスクを軽減しながら集客力を高めることができます。
一方、オフラインの店舗販売は、実際に商品を手に取れる安心感や、スタッフとの対話を通じた購入意欲の向上につながります。
出張買取も重要なチャネルの一つで、わざわざ店舗に行く手間を省けるため、高齢者や忙しい方からの需要が拡大しています。
特に、遺品整理や大量の不用品が出た際などに好評で、社会的な課題解決にも一役買っているのが特徴です。
【理由】
なぜチャンネルを幅広く持つようになったのかというと、リユース品を必要とする顧客層は年齢や地域、趣味嗜好が多岐にわたるからです。
オンラインなら若年層や遠方のユーザーに、オフライン店舗なら地域密着型のきめ細かい接客を提供できるなど、それぞれの強みを活かせます。
両者をバランスよく使い分けることで、より幅広い層にアプローチ可能になり、リピート率や知名度向上にも寄与しているのです。
顧客との関係
同社が構築する顧客との関係は、透明性と利便性を柱としています。
リユース品は中古であるがゆえに状態や価格への不安がつきまといますが、BuySell TechnologiesではAIによる相場分析とプロの査定員の目利きを組み合わせて、納得度の高い価格提示を行っています。
査定時の説明を丁寧に行い、顧客が不安に思うポイントを解消することで、初めてリユース品を売却する人でも抵抗なく利用できる雰囲気を作っているのです。
また、出張買取や宅配買取を充実させることで、顧客が気軽に査定を依頼できる環境を整えています。
「電話一本で専門スタッフが自宅まで来てくれる」「宅配キットを使って手軽に送れる」といった利便性が口コミで広がり、利用者が増加しているのも特徴です。
アフターサービスにも力を入れ、万が一トラブルが発生したときの相談窓口を整備することでリピート利用を促進しています。
【理由】
なぜここまで顧客関係を重視するようになったのかというと、中古品を扱うリユースビジネスでは「信用力」が欠かせないからです。
信頼を得ることができなければ、顧客は二度と利用しないどころか、周囲にも利用を勧めません。
BuySell Technologiesは、徹底した査定ノウハウの公開やアフターサービスを実施することで安心感を与え、長期的なファンを育成する戦略を取っています。
この顧客との強固な関係こそが、同社の持続的な成長を支える大きな原動力となっています。
顧客セグメント
BuySell Technologiesが対象としている顧客セグメントは、不要品を売りたい人と中古品を買いたい人の両方にわたります。
不要品を売りたい人には、引っ越しやリフォームで物を処分したい個人から、在庫整理を行う中小企業や大きな倉庫を持つ法人まで含まれます。
高齢化社会が進む中、遺品整理や生前整理のニーズも高まっており、出張買取サービスが重宝される場面が増えました。
一方、買い手となる顧客層も多彩です。
ブランド品をお得に手に入れたい若者や、廃番商品を探しているコレクター、さらには環境意識が高く中古品を積極的に利用したい層など、さまざまな目的を持つ人々がリユース品を求めています。
これら多様な嗜好やニーズに応えるために、同社は幅広いジャンルの商品を扱い、それぞれに合った査定と販売方法を提供しているのが特徴です。
【理由】
なぜこれほど顧客層が広いのかというと、リユース品には一点物ならではの希少価値や、価格が新品より安いという魅力があるからです。
ブランド品や骨董品では、思わぬ掘り出し物を見つける楽しみも加わります。
そのため、顧客セグメントは年齢や収入、地域を問わず多岐にわたります。
こうして多様化する需要を取り込みながら、BuySell Technologiesは安定した成長を実現しているのです。
収益の流れ
同社の収益の流れは、基本的に顧客から買取った商品を再販売することで得られる売上が中心となります。
ここでは、いかに仕入れ(買取)価格を抑えつつ、販売価格を最適化できるかがカギとなります。
AIを活用した査定により適正価格を算出し、顧客からは「これなら売ってもいいかも」と思われる水準を保ちながらも、販売時には相場に応じて価格変動を巧みにコントロールしているのが大きな特徴です。
また、在庫回転率を高めるために、ECサイトや店舗などの販売チャネルを使い分けることで、できるだけ早く現金化を図っています。
長期在庫になるほど保管コストや商品劣化リスクが上昇するため、流動性を確保することが利益確保のポイントとなります。
とくに、トレンドの変動が激しいファッションやデジタル機器などは適切なタイミングで売り抜く必要があり、その判断にデータ分析が活用されているのです。
【理由】
なぜこうした収益モデルが選ばれているのかというと、リユース事業は新品の製造コストや開発コストがかからず、利益率を高めやすい性質を持っているからです。
ただし、商品ごとに状態や人気が違うため、その管理と適正価格設定に手間がかかります。
ここをテクノロジーと実地経験の融合でカバーすることで、BuySell Technologiesは安定した利益を生み出しながら、拡大するリユース市場でのシェア獲得に成功しているといえます。
コスト構造
コスト構造としては、買取コストと運営コストの2つが大きなウェイトを占めます。
買取コストとは、顧客から商品を買い取る際に発生する仕入れ費用であり、これを抑えつつ高品質の品物を確保できれば、販売時に高い利益を得ることができます。
ただし、査定額が低すぎると顧客が売却をやめてしまうため、AIを駆使した適正査定によってバランスを保っているのが特徴です。
運営コストには人件費や物流費、店舗や倉庫の維持費などが含まれます。
出張買取を行うためには査定員の交通費や人件費、また大型の商品を運ぶ際の配送費などもかかります。
それでも、スピーディーに在庫を回転させることで倉庫の保管コストを抑え、さらにテクノロジーへの投資を続けることで運用効率を上げているのです。
【理由】
なぜこうしたコスト構造になったのかというと、リユース事業は一点物の商品を大量に扱うため、買取から販売までの各プロセスをいかに効率的かつ正確にこなすかが収益性に直結するからです。
AI査定システムを導入し、在庫管理や価格調整を自動化することで、人的コストの削減と高いサービス品質の両立を図ることが可能になりました。
その結果、BuySell Technologiesは安定したコスト構造を維持しながら、事業を拡大することに成功しているといえます。
自己強化ループ
BuySell Technologiesでは、事業全体から集めたデータや顧客の声をもとにサービスを改良し、再び成長へとつなげる自己強化ループを重視しています。
具体的には、買取や販売時に蓄積される取引価格や在庫のデータをAIが分析し、次の査定や価格設定に活かしています。
これにより、常に市場の変化に合わせて買取価格や販売価格を最適化できるため、在庫リスクを抑えながら高い利益率を狙えるのです。
顧客から寄せられる感想や要望も重要なフィードバック要素です。
たとえば、「もっと手続きが簡単になると嬉しい」という声があれば、宅配キットの使いやすさを改善したり、査定員の教育プログラムを見直したりという施策につなげています。
こうした地道な改善の積み重ねが、結果的にリピーターを増やし、口コミ効果による新規顧客の獲得を後押ししているのです。
なぜ自己強化ループがBuySell Technologiesにとって大切かというと、リユース業界は商品カテゴリや顧客層の幅が広く、常にトレンドが変化しているからです。
流行するブランドや季節物の需要は刻一刻と移ろい、市場の相場も変動します。
そのため、過去の取引データだけではなく最新の顧客の声に耳を傾けることで、柔軟にサービスをアップデートし続けることが成長に不可欠なのです。
こうした循環型の改善プロセスを持つことが、同社の高い顧客満足度と持続的な収益拡大を支える原動力となっています。
採用情報
BuySell Technologiesでは、新卒や中途問わず積極的に人材を募集しています。
初任給や平均休日、採用倍率については具体的に公表されていませんが、業界の平均を上回る待遇を用意しているとの声もあります。
出張買取や店舗運営の最前線で活躍する査定員だけでなく、AI開発やデータ分析を担うエンジニア職まで、幅広い領域で募集されているのが特徴です。
興味がある方は公式サイトを確認し、早めに応募してみるとよいでしょう。
株式情報
同社は証券コード7685として上場しており、リユース市場の拡大や環境への関心の高まりから、多くの投資家が注目しています。
配当金については、利益状況や成長投資の方針によって変動するため、常にIR資料での最新情報をチェックする必要があります。
1株当たりの株価も業績や市場動向によって変動するため、投資の際には定期的に株式情報を確認しておくことが重要です。
未来展望と注目ポイント
BuySell Technologiesは環境保全と経済性の両立を目的とするリユースビジネスであるため、今後も社会的需要の高まりが見込まれます。
とくに、SDGsの観点から使い捨てを減らす動きが加速しているなかで、中古品の活用は大きな注目を集めています。
高齢化の進行に伴う生前整理や遺品整理の依頼も増加する見通しで、出張買取などのサービスはさらなる成長が期待できるでしょう。
今後はAIによる需要予測や価格最適化技術が一層進化し、在庫ロスや過度な値下げを抑えることで、収益性がより高まる可能性があります。
これにより、国内だけでなく海外を含めた販路拡大や新たな商品カテゴリーへの参入など、多角的な成長戦略を推進する素地も整ってきます。
循環型社会への移行が進むほど、リユースビジネスの意義は増すと考えられるため、同社の取り組みは今後さらに評価されるでしょう。
また、政策面でも資源を有効活用する取り組みが強化される可能性があり、追い風となることが見込まれます。
こうした外部環境の変化に乗りつつ、BuySell Technologiesがどんな新サービスを開発し、どのように事業領域を拡張していくのかが大いに注目されます。
投資家はもちろん、就職活動中の方やリユースを利用したい方にとっても、これからの動向をチェックしておきたい企業といえるでしょう。



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