企業概要と最近の業績
株式会社ヤマトインターナショナル
カジュアルウェアを中心に扱う、大阪市に本社を置くアパレルメーカーです。
フランス発祥のアウトドア・ライフスタイルブランド「AIGLE（エーグル）」や、ワニのマークで知られる「クロコダイル」などを主力ブランドとしています。
全国の百貨店やショッピングセンター、自社のオンラインストアなどで商品を販売しています。
2025年7月11日に発表された2025年8月期第3四半期の連結決算によりますと、売上高は150億5,000万円で、前年の同じ時期に比べて5.8%増加しました。
営業利益は10億円で、前年の同じ時期から14.2%の増加となりました。
経常利益は10億5,200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億円となり、増収増益を達成しています。
主力の「AIGLE」ブランドにおいて、アウトドア需要の高まりを背景に機能性の高い商品が好調だったほか、Eコマースでの販売も伸長したことが業績に貢献しました。
価値提案
株式会社ヤマトインターナショナルが提供する価値提案は、長年親しまれてきたクロコダイルブランドをはじめとした、高品質かつ着回しやすいベーシックなカジュアルウェアにあります。
シンプルなデザインと信頼性の高い素材選びによって多くの世代に受け入れられ、時代の流行に左右されにくい安定感を備えています。
【理由】
なぜそうなったのかという背景には、同社が1963年から築き上げてきた日本国内での豊富な実績や、顧客との長年のコミュニケーション経験が大きく貢献しています。
市場では季節やトレンドに合わせた新商品が次々と登場する一方で、ベーシックラインのニーズは常に一定数存在するため、安定性の高いブランド価値を打ち出すことが重要とされてきました。
その結果、幅広い年齢層に支持されるデザインと品質に力を入れ、クロコダイルをはじめとするブランドが長期的に信頼を得ているのです。
主要活動
主要活動としては商品の企画やデザインから製造、販売、さらにマーケティング戦略の構築に至るまでを一貫して行っています。
特にベーシックなアイテムを数多く展開する中で、定番商品を継続的にリニューアルして品質を維持しつつ、新商品の投入によってトレンドを取り入れています。
【理由】
なぜこうした活動が行われるのかというと、定番商品だけに頼ると飽和感が出てしまい、ファッション市場の変化や消費者の流行への敏感さに対応しきれなくなる可能性があるためです。
そこで新しい企画やデザインを柔軟に取り入れながら、一方で長年育んできたクロコダイルブランドらしい落ち着きと高品質感を損なわないように注意を払う姿勢が主要活動の根幹になっています。
リソース
同社のリソースとしては、まずクロコダイルという知名度の高いブランドそのものが最大の強みといえます。
さらに企画力やデザイン力を持つチームが社内に在籍し、これらの人材が長年にわたって培ってきたノウハウを有効に活用しています。
【理由】
なぜこうしたリソースが重要視されるのかというと、消費者のニーズが多様化するなかで、ブランド認知度だけでなく、実際に魅力的な商品を生み出せる組織力が欠かせないからです。
また、製造や販売の外注先や提携先が多岐にわたるため、それらを取りまとめるマネジメント力も重要な社内リソースとなっています。
知名度に甘んじるのではなく、柔軟な企画力と安定した品質管理が両立できる体制を整えることで、市場での存在感を維持できるようになっているのです。
パートナー
株式会社ヤマトインターナショナルを支えるパートナーには、生産を委託する製造工場や素材を供給する業者、そして各地の小売パートナーなどが含まれます。
信頼できるパートナーを確保し、長期的な取引関係を築くことで、安定した品質や供給体制を実現してきました。
【理由】
なぜそうなったのかという背景には、ファッション業界におけるサプライチェーンの迅速化と安定化が課題となるなか、長く続くクロコダイルブランドの価値を支えるためには信頼性の高いパートナー網が不可欠という考えがあります。
これらのパートナーとの強固な連携によって、製造コストを抑えつつも一定以上の品質を維持し、全国規模での販路展開を可能にしているのです。
チャンネル
全国の大型スーパーやショッピングセンター、そして公式オンラインストアなど、複数のチャンネルを用いて販売を行っています。
【理由】
なぜこうしたチャネル構成になっているかというと、ベーシックで幅広い世代にアピールできるブランドだからこそ、多様な販売場所で顧客との接点を持つことが重要だからです。
店舗で実際に手に取って素材感を確かめたい層もいれば、オンラインで手軽に購入したい層も存在するため、両方のニーズに応えられるようにチャネルを拡充してきました。
こうしたマルチチャネル戦略はクロコダイルブランドの認知度向上と顧客基盤の拡大に大きく貢献しています。
顧客との関係
長年のファンを大切にしつつ、新規顧客を獲得するためのプロモーション活動にも注力しています。
ファッションはトレンドの移り変わりが激しいため、クロコダイルのような老舗ブランドが継続的に支持されるには、顧客との関係性を強化し続ける工夫が欠かせません。
【理由】
なぜそのような活動が必要かというと、せっかく獲得した顧客が離れてしまうとブランドの価値が低下し、売上にも直結するリスクがあるからです。
そのため定期的なキャンペーンや会員向けイベントなどを通じて、顧客満足度を高め、口コミやリピーターを増やす努力を重ねています。
顧客セグメント
ターゲットとなる顧客は、上質でベーシックなカジュアルスタイルを好む大人の男女です。
クロコダイルブランドはシンプルでありながら、落ち着いた色合いや耐久性のある素材などによって長く着用できる点が魅力とされています。
【理由】
なぜこうしたセグメントに注力するかというと、ファッション業界で若年層のトレンドを追うブランドが多い中で、ある程度成熟した層に支持される定番路線を守ることで安定的な売上を確保しやすいからです。
もちろん若年層にも人気が高まればさらに市場を広げることができますが、まずはブランドの根幹を支えてきた大人向けのスタイルをしっかり維持することが戦略上重要とされています。
収益の流れ
基本的にはアパレル製品の販売収益によって成り立っています。
店頭販売やオンライン販売から得られる売上が核となり、これをもとに新商品の開発や宣伝に投資が行われています。
【理由】
なぜそのような構造になっているかというと、老舗ブランドとして長い歴史を持ちながらも、安定した売上高を確保することがブランド維持の源泉となるからです。
利益が減少傾向にある現在も、新たな顧客層へのアプローチやコスト削減策などが検討され、収益基盤を強化するための継続的な改革が行われています。
コスト構造
製造コストや物流コスト、人件費やマーケティング費用などが主な支出となっています。
特にファッション業界では季節ごとの在庫管理やセール時期の対応も必要になるため、コスト構造の最適化が大切です。
【理由】
なぜこうしたコスト構造が組まれているかというと、幅広い店舗網やオンライン販売に対応するためには常に在庫を一定量確保しなければならず、マーケティングもブランド価値を維持するために欠かせない要素だからです。
これらをバランスよくコントロールすることで、売上高の増加につなげると同時に、利益面の改善を図る取り組みを続けています。
自己強化ループの仕組み
株式会社ヤマトインターナショナルが取り組む自己強化ループは、ブランド力の向上が売上増につながり、その売上が再びブランド力強化への投資を可能にする循環で成り立っています。
クロコダイルのような知名度の高いブランドは、多くの顧客に安心感を与え、新規顧客の獲得にも有利です。
その結果、販売チャンネルの拡充と新商品の投入がしやすくなり、さらに多くの顧客を取り込む好循環が生まれます。
また、複数のパートナーとの協力体制も強化されるため、安定した生産と流通が可能になり、売上の安定は追加の広告投資やデザイン開発にまわされるのです。
こうして強まったブランドイメージは、さらに多くのファンの心を掴み、口コミやリピート購入を生み出すことで企業全体の成長を後押しします。
ファッション業界は流行に左右される特徴がありますが、その中で安定したベーシックブランドとして認められれば、ブランド価値の高止まりと継続的な顧客獲得を見込むことができる点が大きな強みです。
採用情報と株式情報
同社の採用情報については、初任給や平均休日、採用倍率などの具体的な数値は公表されていませんが、アパレル事業に興味を持つ人にとってはブランドの歴史や安定感が魅力的といえます。
社員のアイデアを大切にし、多様な商品企画や販売手法を実践できる点が特徴と考えられます。
株式情報としては銘柄が8127で、2024年8月期の配当金は1株あたり16円です。
株価は2025年2月18日時点で358円となっており、アパレル業界の動向や同社の成長戦略に注目が集まっています。
今後の展望と注目ポイント
今後は、既存のクロコダイルブランドを磨きつつ、新たな顧客層へのアプローチが成長の鍵となるでしょう。
消費者のニーズが多様化する中で、従来の大人世代だけでなく、若年層にも受け入れられるラインナップの拡充が期待されます。
また、ECサイトやSNSなどデジタル分野の活用も重要であり、オンライン上でのマーケティングやブランド発信を強化することで、新規顧客との接点を増やすことが考えられます。
さらに利益面を改善するためには、コスト構造を一段と見直し、生産工程や在庫管理における無駄を削減することも欠かせません。
ブランドの伝統を守りながら時代に合わせて変化できる柔軟性が求められる場面が増えてくると思われます。
ファッション業界は競合も多く、トレンドがめまぐるしく入れ替わる厳しい市場ですが、長年の実績と知名度を活かせる点は同社の大きな強みです。
今後のIR資料などで発表される具体的な施策や収益動向に注目が集まり、クロコダイルブランドならではの安定感を保ちつつ、新たな挑戦でさらなる飛躍を遂げる可能性があります。
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