株式会社ナガホリの成長戦略が気になるビジネスモデルの魅力

卸売業

企業概要と最近の業績

株式会社ナガホリ

ダイヤモンドやカラーストーン、真珠などの宝飾品の製造・卸売・小売を手掛ける、1962年創業の宝飾品専門企業です。

全国の有名百貨店での販売を主力とし、オリジナルブランドの展開も行っています。

企画から製造、販売までを一貫して行う体制を強みとして、質の高いジュエリーを市場に提供しています。

2025年8月8日に発表された2026年3月期第1四半期の連結決算によりますと、売上高は40億5,000万円で、前年の同じ時期に比べて7.8%増加しました。

営業利益は3億円で、前年の同じ時期から14.2%の増加となりました。

経常利益は3億1,200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億円となり、増収増益を達成しています。

主力の宝飾事業において、インバウンド観光客の需要回復を背景に、百貨店での高価格帯商品の販売が好調に推移したことが業績を牽引しました。

【参考文献】https://www.nagahori.co.jp/

価値提案

高品質なジュエリーを手の届きやすい価格帯から高級ラインまで幅広く展開することで、多様な顧客層のニーズに応えています。

自社工場を持つため、素材選定から最終仕上げまで一貫して品質を管理できる点が強みです。

【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリーは人生の特別な節目や贈り物などで選ばれることが多く、高い信頼性と丁寧なつくりが必須とされる商品だからです。

川上から川下まで自社で一貫管理することで、仕入れコストを抑えつつ品質保証を実現し、顧客に「安心して長く使えるジュエリー」を提案できます。

こうした取り組みがブランド力向上に直結し、信頼を得やすくなる仕組みが形づくられています。

主要活動

素材の買い付け、企画、製造、販売という一連の流れを社内で完結させることが特徴的です。

通常であれば、宝飾品の企画・デザインは外部に委託したり、製造を海外工場に任せるケースも多いのですが、株式会社ナガホリは自社工場を活用し、高品質の製造工程を維持しています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリーの魅力はデザインだけでなく素材の質や仕上げの美しさにも大きく左右されるからです。

自ら買い付けを行うことで希少な素材を確保しやすくなるだけでなく、工場を自社で持つことで短いリードタイムと高いクオリティを両立しやすくなります。

最終的に販売現場での対応力も高まり、顧客から「好みに合った商品がいつでも手に入る」と評価されることにつながっています。

リソース

大きな強みのひとつは、熟練したクラフトマンを社内に抱えている点です。

デザインを形にする職人がいることは、オリジナリティを持った製品開発とブランドイメージの創出に不可欠です。

また、全国の百貨店や小売専門店との取引ネットワークも重要なリソースといえます。

【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリー業界では丁寧な手作業が必要不可欠だからです。

機械化や外部委託を増やせばコスト面のメリットはあるかもしれませんが、会社としての特色や品質を保つためには熟練したクラフトマンを自社に持つことが大きな武器になります。

さらに、全国に渡る流通チャネルを確保しているため、多くの顧客接点を作り出し、ブランドの認知度向上につなげています。

パートナー

有名百貨店とのタイアップや、全国の小売専門店との協力が株式会社ナガホリのビジネスを支える大きな土台となっています。

店舗販売だけでなく、展示会などイベントでのコラボレーションも多く展開しているのが特徴です。

【理由】
なぜそうなったのかというと、百貨店や専門店で扱われるジュエリーは消費者から一定の信頼を得やすく、ブランドイメージを高めるうえで大きな効果があるからです。

また、イベントやフェアでの販売は店舗とは違ったターゲットに訴求するチャンスでもあり、販売面・宣伝面で有力なパートナーの存在が不可欠といえます。

これによって認知度が高まり、新たな顧客とのつながりを築きやすくなります。

チャンネル

主なチャンネルとしては百貨店の宝飾売場や全国の小売専門店、さらに展示会などのイベントが挙げられます。

近年では公式オンラインショップやSNSでの情報発信にも力を入れ始めています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリーは実際に見て手にとってから購入したいという顧客が多い一方で、情報収集はオンラインで行う時代になっているからです。

そこで、対面販売の強みを残しつつも、オンラインで製品の魅力をしっかり伝えることで、新規顧客にアプローチする手段を増やしているといえます。

顧客との関係

対面接客が中心で、スタッフがお客さまの要望をじっくりとヒアリングして希望に近い商品を提案しています。

定期的に開催される展示会では直接接触できる機会が増えるため、リピーターの獲得にもつながります。

【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリーの購入は高額な買い物になることが多く、じっくりと話し合ったうえで安心して買いたいという顧客心理があるからです。

そのため、一方通行の広告やオンラインだけではなく、スタッフと話せる場が大切になります。

こうした関係性を深める販売スタイルは、企業への信頼感を育みやすく、長期的なファンづくりに役立っています。

顧客セグメント

国内外の幅広い顧客を対象にしていますが、特に高品質なジュエリーにこだわる層に強くアピールしています。

近年は中国本土への展開によって、インバウンド需要だけでなく、現地の富裕層にもアプローチを拡大しています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、国内市場が飽和傾向にある中で、成長性の高い海外市場を狙うのは自然な流れです。

富裕層からは上質かつ希少性のあるジュエリーが求められ、そこを自社の工場とクラフトマンの技術でしっかりと担保できる点が評価されています。

一方で、手頃な価格帯の商品も充実させることで、幅広い層からの支持を得やすくなり、全体としての売上を底上げする仕組みになっています。

収益の流れ

主な収益源はジュエリーの販売です。

店舗での直販だけでなく、イベント販売や外商と呼ばれる訪問販売も行っています。

近年はオンラインを通じた売上も少しずつ伸びています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、伝統的に百貨店での対面販売が主力だった宝飾ビジネスが、時代の変化とともに販売チャネルを広げてきたからです。

外商やオンラインを組み合わせることで顧客接点を増やし、単発的な売上だけでなくリピーターやファンとの関係強化も図っています。

この多角的な収益源が安定経営に寄与していると考えられます。

コスト構造

素材の調達コスト、製造にかかる人件費や工場維持費、さらに販売員の人件費などが主なコスト要因になります。

百貨店での出店コストも無視できない部分です。

【理由】
なぜそうなったのかというと、ジュエリー業界は素材価格の変動が利益を左右しやすく、また高い接客レベルを求められるため、人材教育や人件費も比較的大きなウエイトを占めるからです。

さらに、一等地にある百貨店での販売スペースを確保するための出店費用やテナント料なども必要になります。

これらのコストを一貫管理することで、効率よく運用しながらブランド価値を高める戦略が重要となっています。

自己強化ループ(フィードバックループ)

株式会社ナガホリの自己強化ループとしては、まず自社工場を活用した高品質なジュエリーの製造が顧客の満足度を高め、それがブランドイメージの向上につながる点が挙げられます。

さらに、海外展開によって売上が伸びると投資余力が生まれ、新しいデザイン開発や追加出店に充てることができます。

これらの新たな取り組みで製品ラインナップや販売チャネルが拡大すれば、再び売上が上乗せされる好循環が生まれます。

また、対面販売を重視することで顧客の声を直接フィードバックとして受け取りやすくなり、商品改善やサービス向上に素早く取り組めるのも大きな強みです。

このように、品質・ブランド・販路拡大の三つが相互に影響し合うことで、さらなる成長を後押しする仕組みになっています。

採用情報

株式会社ナガホリでは、制作(クラフトマン)や内販・外販を含むジュエリー販売など幅広い職種を募集しています。

初任給は公表されていませんが、百貨店勤務の場合は手当なども整備されているようです。

平均休日や採用倍率も具体的には公表されていませんが、自社工場での製造や全国の店舗での販売など、多彩なキャリアを積める点が魅力です。

ジュエリーの知識だけでなく、接客スキルや商品企画に興味のある方にもチャンスのある企業といえます。

株式情報

同社の銘柄コードは8139で、配当金や1株当たり株価などは公表されていない部分があります。

株価は市場の動きや会社の業績に左右されやすいので、投資を検討する際はIR資料や最新の開示情報を確認することが大切です。

宝飾・装身具に関連する企業としては市場内でも数少ない上場企業ですので、特徴ある事業内容から注目されることがあります。

未来展望と注目ポイント

株式会社ナガホリは、国内だけでなく海外展開を本格化させている点が大きな強みとなっています。

すでに中国本土への出店で一定の成果を上げていることから、今後はさらに店舗数を増やして新しい顧客層を取り込む可能性も高いです。

今後はECやSNSを活用したデジタル戦略を強化することで、若年層や遠方に住む顧客にもリーチしやすくなるでしょう。

また、ジュエリー市場は景気やトレンドの影響を受けやすい反面、ハレの日や特別なシーンでは常に需要があるため、安定的に売上を確保しやすい特徴もあります。

自社工場を活かしたオリジナルデザインの展開、職人技術のアピールなど独自の価値を打ち出すことで、海外市場でもさらなるブランド認知度の向上が期待できます。

こうした取り組みが好調に進めば、将来的には多店舗展開だけでなくブランドコラボや新製品の投入も視野に入り、さらなる成長戦略を後押しする重要な鍵となるでしょう。

今後の動向を注意深く追うことで、ジュエリー業界全体の潮流もあわせて理解することができるかもしれません。

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