企業概要と最近の業績
株式会社Sapeet(サピート)
【全体の業績】
株式会社Sapeetは、東大発のディープラーニング技術や独自の3D画像処理技術、生成AI技術をコアとし、専門的な知見(熟練者のノウハウ)をAI化する「Expert AI」を軸としたAIプロダクトおよびAIソリューションを提供している企業です。
同社は、姿勢分析・カルテ管理により整体院やピラティススタジオなどの多店舗展開を支援する「カルティクラウド(旧シセイカルテ・マルチカルテ)」や、AIを活用した対話型営業ロープレシステム「SAPIロープレ」、さらには生成AIを活用した「SAPEET 資料作成AIエージェント」や「AI研修サービス」を展開しており、店舗ビジネスの現場や企業の営業活動・バックオフィス業務におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進しています。
このような事業基盤を持つ同社の2026年9月期第2四半期累計決算における業績は、売上高が8億2900万円となり、前年同期と比べて84.9%の大幅な増収を達成いたしました。
収益面においては、営業利益が前年同期比579.0%増の1億200万円、経常利益が前年同期比2,219.1%増の1億200万円となり、中間純利益は1億1600万円を計上し、全ての段階利益において爆発的な増益を記録しています。
この非常に好調な業績結果をもたらした背景として、東証グロース市場への新規上場に伴う知名度および社会的信頼度の向上に加え、生成AI技術の急速な進化という強力な追い風を捉えたことが挙げられます。特に「AIソリューション事業」において、新規顧客の獲得が堅調に推移したほか、既存顧客の案件がPoC(概念実証)フェーズから本開発へと順調に進捗したことで、同事業の売上高が6億2000万円(前年同期比132.6%増)と爆発的に伸び、全社の成長を力強く牽引いたしました。
また、「AIプロダクト事業」においても、主要な多店舗展開事業者への導入拡大が進み、ベースとなるストック売上(月額課金型収益)が2億900万円(前年同期比15.1%増)へと堅実に積み上がったことが収益基盤の安定に寄与いたしました。
その一方で、同社は今後のさらなる飛躍を見据え、コンサルタントやプロジェクトマネージャー、アルゴリズムエンジニアといった優秀な人材の獲得強化、開発投資、セキュリティ体制の拡充、さらには人員増に伴うオフィス拡張の前倒し実施といった積極的な先行投資を進めました。しかし、これらによる販売管理費の増加を売上高の急激な伸びによる固定費負担の吸収効果が大きく上回ったため、営業利益率も大幅に上昇いたしました。
なお、この足元の極めて順調な推移と今後の旺盛な需要を踏まえ、同社は通期の業績見通しにおける売上高の成長率予想を従来の40%から70%へと上方修正し、将来の成長投資を加速させながらも、さらなる収益性の向上を目指す経営施策を徹底して推進しています。
【参考文献】https://sapeet.com/ir/
価値提案
株式会社Sapeetの価値提案は、AIと3D技術をかけ合わせた独自の身体分析や営業支援のソリューションを提供するところにあります。
従来は複数の機器や専門知識が必要だった姿勢分析をタブレット1台で完結できるようにし、新人営業でも高度なプレゼン・商談ができる環境を用意しています。
【理由】
現場の効率化とスキル格差の解消が多くの企業にとって切実な課題であり、AIによる自動化や可視化が大きな付加価値を生むからです。
主要活動
製品の開発・運用、AIアルゴリズムの研究、そしてカスタマーサクセスによる顧客サポートが主要活動です。
【理由】
なぜこれらが中心かといえば、同社の競争力はまさに高度なアルゴリズム技術や使い勝手の良いUI・UXの提供にあり、さらに導入企業を成功へと導く継続的なサポート体制が契約継続率や口コミ効果を高める要因だからです。
リソース
独自開発したAI・3Dアルゴリズムや、それを実装するエンジニア、そしてフィットネス・営業支援の現場を理解した専門人材などがリソースとして挙げられます。
【理由】
なぜリソースが重要かといえば、ソフトウェアの品質やコンサル力が顧客の成果に直結し、継続利用やアップセルを生む土台となるからです。
パートナー
主にヘルスケアやフィットネスの施設、営業支援を必要とする企業と業務提携を結ぶケースが多く見られます。
【理由】
現場での活用事例を増やし実証データを蓄積することによって、AIアルゴリズムの精度向上と信用力アップを同時に狙うためです。
チャンネル
自社営業チームや公式ウェブサイト、さらに業界パートナー経由でサービスを拡販しています。
【理由】
高度なAI技術であっても導入ハードルを下げるために、実際の現場にアプローチしやすいチャンネル構築が重要だからです。
顧客との関係
カスタマーサクセスチームがコンサルティングや導入支援を行い、定期的なフィードバックを収集する関係を築いています。
【理由】
SaaSモデルでの収益拡大には継続利用が鍵となり、顧客が使い続けられる仕組みを整えることが欠かせないためです。
顧客セグメント
主にヘルスケアやフィットネス関連の事業者、そして営業支援を必要とする企業が顧客セグメントです。
【理由】なぜそこを狙うのかといえば、これらの業界は人材不足やデジタルシフトへのニーズが高く、AIによる効率化が大きなインパクトを与えられるためです。
収益の流れ
SaaSプロダクトのサブスクリプション料金や、個別のAIソリューション提供費用から収益を得ています。
【理由】
継続的なアップデートとサポートが必要なサービスにとってサブスクリプションは安定収益を得やすく、開発投資との相性が良いからです。
コスト構造
AIや3D技術の研究開発費、人件費、そして新規導入促進のためのマーケティング費が主なコスト構造を占めます。
【理由】
最先端の技術を武器にするためには継続的な研究開発と優秀な人材確保が必要であり、それらを顧客獲得のためのプロモーションと両立させる必要があるからです。
これらの9要素は、株式会社Sapeetが高付加価値のサービスを展開しながらも、安定的な収益を狙っていけるビジネスモデルとして機能しています。
また、AIや3D技術という専門領域を活かしつつ、導入・運用の容易さを打ち出すことで、幅広い顧客層への普及を図っている点が特徴です。
自己強化ループの重要性
株式会社Sapeetのさらなる成長を支える仕組みとして、ユーザーフィードバックを活用した自己強化ループが挙げられます。
ユーザーが「シセイカルテ」などのプロダクトを利用する中で得られるデータや意見は、AIアルゴリズムの精度向上や新機能の開発に直結します。
具体的には、姿勢分析の結果や営業トレーニングのログデータを継続的に蓄積し、それをもとにモデルの学習を繰り返すことで、よりパーソナライズされたソリューションにアップデートできるのです。
新機能の追加や改善によってユーザーの満足度が高まれば、さらなる利用拡大や口コミ効果が生まれ、結果として新規顧客の獲得や売上増加につながります。
さらに、同社はカスタマーサクセスチームを強化することで、顧客とのコミュニケーションを密に保ち、導入後の課題や要望を的確に汲み取っています。
この循環が持続的に繰り返されるほど、市場での評価は高まり、同社の技術力や信頼性が一段と確固たるものになります。
自己強化ループを意図的に設計し、開発スピードと顧客満足度を同時に高めるアプローチこそが、今後の飛躍につながる鍵といえるでしょう。
採用情報
現時点で、初任給や平均休日、採用倍率などの情報は公表されていません。
ただし、急成長を遂げるスタートアップ企業であることから、今後の人材募集はAIや3D技術の専門人材をはじめ、カスタマーサクセスやマーケティング領域まで多岐にわたる可能性があります。
研究開発費が大きいという事実からも分かるように、先端技術に携わりたいエンジニアやデータサイエンティストにとっては魅力的な環境が整いつつあると考えられます。
事業拡大フェーズにおいては、給与や福利厚生面の充実化とともに、スキルアップできる教育制度やキャリアパスの明確化が進むことが期待されます。
株式情報
2025年1月29日時点での1株当たり株価は4,460円です。
銘柄コードは269Aに設定されており、現時点では配当金の設定は公表されていません。
研究開発投資が続く段階であるため、短期的な配当よりも、株主還元策として株主優待や企業価値向上が優先される可能性があります。
今後の成長戦略次第では追加の資金調達が検討されることもあり得るので、株価の動向や発行株式数の変化には注目しておくと良いでしょう。
未来展望と注目ポイント
今後はAIと3D技術のさらなる進化が見込まれ、ヘルスケアや営業支援の領域でより高度なソリューションが求められるようになるでしょう。
そのときに大きなアドバンテージとなるのが、既存プロダクトの利用実績とそこから得られるビッグデータの存在です。
株式会社Sapeetはタブレット1台で姿勢を分析できる利便性に代表されるように、専門知識がなくても扱えるプロダクトを提供することで、多くの企業・施設での導入ハードルを下げています。
これにより、継続的に集まるユーザーデータをもとに、アルゴリズムの精度を向上させ、新たなサービスを創出できる可能性が広がっています。
また、新人教育に特化した「カルティ セールス」やAIアバターとロールプレイができる「カルティ ロープレ」は、労働人口の減少やリモートワークの普及に伴い、企業の教育コストを削減しつつ学習効果を高めるソリューションとして注目されるはずです。
競合他社と差別化するためには、具体的な導入効果の数値化がより重要になり、コンサルティング機能の強化など、サービス拡充にも一層力を入れることが予想されます。
今後も、ユーザーとのコミュニケーションを通じて自己強化ループを回しながら、積極的にR&D投資を行い、新しい市場領域を開拓していくことが成長のカギになると考えられます。
今まさに拡大期にあるため、今後の動向や追加のIR資料の発表などには、引き続き大きな注目が集まるでしょう。
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