エクスモーションの企業概要と最近の業績
エクスモーション株式会社
2026年3月期の第1四半期決算では、売上高が7億2百万円となり、前年の同じ時期に比べて13.8%の増加となりました。
営業利益は2億12百万円で前年同期比18.4%増、経常利益は2億11百万円で前年同期比17.2%増となり、増収増益を達成しています。
親会社株主に帰属する四半期純利益は1億47百万円で、前年の同じ時期から17.6%増加しました。
これは、自動車メーカーや大手部品メーカーからのソフトウェア開発支援やコンサルティングの受注が引き続き好調に推移したことによるものです。
特に、ソフトウェアの品質向上や開発効率化を支援するコンサルティングサービスの需要が旺盛でした。
また、新規顧客の獲得も順調に進んでおり、事業の成長に貢献しています。
価値提案
エクスモーションの価値提案は、高品質なソフトウェア開発支援と実践的な人材育成に集約されています。
コンサルタントが現場に入り込み、顧客のチームと一緒に問題点を洗い出し、解決策をリアルタイムで提案する姿勢が評価されています。
【理由】
組込みソフトウェアは安全性や正確性が求められる分野であり、机上だけの理論では通用しないことが多いからです。そのため、現場目線のアドバイスを行うエクスモーションのスタイルが強みになっています。
さらに自社で得たノウハウを研修やオンライン教材として提供することで、顧客企業内に知識を根付かせる仕組みも整えています。
こうした支援と育成の両軸が組み合わさることで、顧客企業は安心して新技術導入や製品開発に取り組めるため、エクスモーションへの信頼が高まっています。
主要活動
主要活動は大きく分けてコンサルティング、トレーニングサービス、そしてAIサービスの提供です。
特にコンサルティングにおいては、組込みソフトウェア開発の設計技術に特化し、顧客ごとに異なる課題を丁寧に解決しています。
トレーニングサービスは、実際のプロジェクト経験をもつコンサルタントが講師となり、理論だけでなく実践に即した学びを提供している点が魅力です。
【理由】
現場で起こるトラブルや難題を解決してきた実績が、研修プログラムの内容に反映されるためです。さらに新たに立ち上げた「CoBrain」では、顧客の持つ膨大なナレッジをAIで分析し、自動生成の形で支援を行うことが可能になりました。
これらの活動を柱にすることで、長期的な関係づくりや多角的なサービス展開が実現しています。
リソース
リソースとしては、高度なスキルを持つコンサルタントやオンライン学習のコンテンツが中心に挙げられます。
エクスモーションのコンサルタントは、組込みソフトウェア開発の現場経験や、最新の開発手法に精通している人材が多く、技術領域を横断して課題を把握できるのが特徴です。
【理由】
エクスモーションが早期から専門知識をもった人材を積極的に採用し、社内研修やOJTを通じてノウハウを共有してきたからです。またオンライン上に充実した学習コンテンツを備え、自社スタッフや顧客がいつでも学べる環境を整えています。
こうした人材とコンテンツの融合が、独自の技術力とアドバイス品質を保つ大きな支えになっています。
パートナー
エクスモーションは、業務提携やM&Aによってソリューションを拡張しています。
たとえば連結子会社buboの技術を活用することで、新たな製品やサービス分野にも対応できるようになっています。
【理由】
組込みソフトウェア開発といっても、実際には幅広い産業における多様なシステムを扱うため、社内だけのリソースではカバーしきれない場面があるからです。その点を提携企業や買収先と補い合うことで、顧客に対してワンストップでサポートを提供できる体制を築き上げています。
結果として、顧客層の拡大や技術領域の拡張につながり、市場での競争力を高める要因になっています。
チャンネル
エクスモーションのチャンネルは、直接営業とオンラインプラットフォームの両輪で運営されています。
まず直接営業では、コンサルタントや営業担当が顧客と深くコミュニケーションを重ね、具体的な課題をヒアリングしながらソリューションを提案する形を取っています。
【理由】
組込みソフトウェア開発の課題は非常に専門的で、顧客によってニーズが変わるため、顔を合わせて要件をすり合わせることが重要だからです。一方でオンラインプラットフォームは、トレーニング受講者が学習コンテンツを利用したり、AIサービスを導入する際の窓口として機能しています。
こうしたハイブリッドのチャンネル展開により、多様な顧客との接点を持てるようになっています。
顧客との関係
顧客との関係は、長期的な支援とカスタマーサクセスを意識した形で構築されています。
エクスモーションは一度のコンサルティングだけで終わるのではなく、プロジェクトの進捗や技術の進歩に合わせて継続的なサポートを行い、顧客が持つ新しい課題にも柔軟に対応しています。
【理由】
組込みソフトウェア開発はバージョンアップや環境の変化が頻繁に起こるため、継続支援の重要度が高いからです。また顧客が自社内で人材を育てたい場合には、トレーニングコースやオンライン学習を活用してスキルアップを支援しており、これが顧客満足度の向上とリピート案件の獲得につながっています。
顧客セグメント
主な顧客セグメントは自動車や医療機器、産業機械などの製造業です。
いずれも安全性や品質に対する要求が厳しく、ソフトウェアのバグやトラブルが大きなリスクにつながる分野です。
【理由】
エクスモーションが得意とする組込みソフトウェアの開発手法は、まさに信頼性の高さが求められる産業に直結しているからです。さらに、自動車分野では電動化や自動運転など、新しい技術トレンドに対応できるところが大きな魅力となっています。
医療機器でも精密な制御や長期の安全性が求められるため、エクスモーションの専門性が活きる構造になっています。
収益の流れ
収益の流れはコンサルティングフィー、トレーニング受講料、そしてサービス利用料が主要な柱です。
コンサルティングフィーは課題分析や設計支援などに応じて発生し、案件規模が大きいほど収益も増えやすい仕組みです。
一方、トレーニング受講料は、講義やオンラインコンテンツを通じて定期的に発生するため、安定的な収益源として機能します。
【理由】
顧客が継続的に学習・スキルアップを必要としているからです。さらに新サービスの「CoBrain」はサブスクリプション型のサービス利用料を想定しており、長期にわたる収入を得ることが期待されています。
こうした複数の収益モデルを組み合わせることで、景気やプロジェクトの波に左右されにくい収益構造を構築しています。
コスト構造
コスト構造の大部分は人件費、開発投資、販管費に集中しています。
特に高い専門性を持つコンサルタントへの報酬や、AIなど先端技術を取り入れるための研究開発費がかさむのが特徴です。
【理由】
高度なサービスを提供するためには優秀な人材の確保と育成が不可欠であり、定期的な研修や社内設備の充実などが必要だからです。また営業活動やマーケティングを通じて新規顧客を開拓し続けるための販管費も大きな割合を占めます。
しかしこれらのコストを惜しまずに投資することで、専門性の高いソリューションが提供できるようになり、結果として顧客満足度やリピート受注につながっています。
自己強化ループ(フィードバックループ)
エクスモーションでは、コンサルティングで得た知見をトレーニング教材に反映させ、その教材を使った人材育成によって新たなプロジェクト機会を生み出すというループが機能しています。
さらに「CoBrain」などのAIサービスを活用することで、プロジェクト中に蓄積されるノウハウを自動的に学習データとして取り込み、次の提案活動に活かす循環が生まれています。
なぜこうした自己強化ループが重要かというと、組込みソフトウェア開発の知識は高度かつ更新スピードが早いからです。
常に新技術にキャッチアップしながら顧客ニーズに応えるためには、学習と実践が止まらないシステムを作り上げる必要があります。
そして、その循環がうまくいけばいくほど、顧客への提案の精度が高まり、コンサルティングの成果が上がり、会社の評判も高まるという好循環を生み出しています。
採用情報
エクスモーションでは、初任給を比較的高い水準に設定しており、専門性の高い人材を確保する方針を打ち出しています。
休日は年間120日以上を確保し、ワークライフバランスにも配慮することで技術者が長く働きやすい環境づくりを目指しています。
採用倍率は職種によって変動しますが、コンサルタント職は特に人気が高く、書類選考から最終面接まで厳選しているため高い競争率といわれています。
これには独自の研修制度や、最先端の開発プロジェクトに携われる魅力が影響しているようです。
株式情報
エクスモーションの証券コードは4394です。
配当金は2024年11月期が1株当たり19円となり、来期の2025年11月期は20円に増配する予定です。
また2025年3月14日時点の1株当たり株価は848円で推移しています。
コンサルティング事業だけでなくAIサービスなど新規事業の成長が期待されているため、今後の株価動向にも注目が集まっています。
未来展望と注目ポイント
今後は自動車の電動化や自動運転といった先端技術の普及、さらに医療機器や産業用ロボットなど、幅広い分野でソフトウェアの重要度が高まっていくと考えられます。
その中でエクスモーションは、現場に寄り添ったコンサルティングと実践的なトレーニングを組み合わせることで、顧客企業の技術力と開発効率を同時に底上げしています。
またAIを活用した「CoBrain」による自動化・効率化も大きな伸びしろがあり、一度導入した顧客が継続して利用しやすい仕組みを整えている点がポイントです。
業務提携やM&Aを通じて技術領域や提供サービスの幅をさらに拡大し、収益モデルを多角化する戦略も持っています。
これらの取り組みが進むにつれ、エクスモーションはより多くの企業から「頼れるパートナー」として選ばれ、継続的な売上拡大と企業価値の向上が見込まれます。
中学生でもわかりやすく言うと、最新のテクノロジーを使いこなしながら、お客さんの困りごとを一気に解決できる会社になろうとしている、というイメージです。
こうした動きが今後どこまで広がっていくのか、引き続き目が離せません。
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