株式会社エフアンドエムの魅力に迫る 成長戦略とビジネスモデルの全貌

サービス業

企業概要と最近の業績

株式会社エフアンドエム

中小企業の経営支援を目的とした、さまざまなアウトソーシングサービスを提供している企業です。

主力の事業として、月額定額制で人事、労務、経理、財務などのバックオフィス業務を総合的に支援する「F&Mクラブ」を運営しています。

その他にも、個人事業主向けの会計サービスや、企業の健康経営をサポートするサービス、給与計算のアウトソーシングなども手掛けています。

アラカルト型支援サービスとして、企業のニーズに応じてISO・Pマークの認証取得支援や補助金・助成金の活用支援なども行っています。

2026年3月期第1四半期の決算短信によりますと、売上高は44億13百万円で、前年の同じ時期に比べて13.7%増加しました。

営業利益は11億32百万円となり、前年同期比で11.7%の増益を達成しています。

経常利益は11億33百万円(前年同期比11.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億82百万円(前年同期比12.0%増)となりました。

この増収増益は、主力の「F&Mクラブ」をはじめとする各種ストック型(月額課金型)のサービス会員数が順調に増加したことが主な要因です。

【参考文献】https://www.fmltd.co.jp/

価値提案

中小企業や個人事業主が抱える労務や総務などのバックオフィス業務を効率化し、経営者が本業に専念できる環境を作ることがエフアンドエムの主な価値提案です。

とくに「オフィスステーション」は、面倒な書類手続きや人事情報の管理をクラウドでまとめて処理できるので、利用者は作業時間やコストを大きく削減できます。

【理由】
中小企業はリソースが限られており、専門知識を持った人材を多数抱えるのが難しいことが背景にあります。

エフアンドエムはこの課題に着目し、簡単かつスピーディーに使えるクラウドシステムを提供することで、多くの企業から支持を得ているのです。

主要活動

エフアンドエムの主要活動は、クラウドソフトの開発と提供、そしてコンサルティングサービスです。

クラウドソフトの開発では、利用企業から寄せられる要望を反映し、より使いやすく高度な機能を搭載できるよう常に改良が続けられています。

コンサルティングでは、人事制度の見直しや経営改善など幅広いアドバイスを行い、バックオフィスにとどまらない総合的な経営サポートを実現しています。

【理由】
中小企業は状況に応じた柔軟なサービスを望む一方で、手厚い支援も必要としています。

そのため、ソフトウェアとコンサルの両面から課題解決をするエフアンドエムの体制が評価され、主要活動として確立してきたのです。

リソース

エフアンドエムのリソースは、専門知識をもつ人材とクラウドプラットフォームの開発力に加え、中小企業との長年のつながりによる豊富な顧客基盤です。

自社開発の「オフィスステーション」は常に新機能が追加され、安心して使えるクラウド環境を整えています。

人材面では社会保険労務士やバックオフィス領域に精通したコンサルタントが多数在籍し、顧客企業の規模や業種に合わせた柔軟なサポートを行っています。

【理由】
中小企業の課題は多岐にわたり、汎用的な解決策だけでは対応が難しいからです。

そのため、人的リソースをしっかり育成し、クラウド基盤との組み合わせで多方面から支援できる体制を整えています。

パートナー

エフアンドエムが築いているパートナーは、金融機関や会計事務所、社会保険労務士事務所などが中心です。

企業のバックオフィス業務を円滑に進めるためには、専門家との連携が欠かせないため、エフアンドエムは幅広いネットワークを活用して顧客ニーズに即応できる体制を構築しています。

【理由】
中小企業が抱える経理や人事労務の問題は法律や制度改正の影響を受けやすく、専門機関とのスムーズな情報連携が必要だからです。

パートナーと協力することでコンサルの幅が一気に広がり、顧客の信頼獲得にもつながっています。

チャンネル

エフアンドエムのサービスが届けられるチャンネルには、社内の営業チームによる直接営業やオンライン広告、そしてパートナー企業からの紹介などがあります。

特にクラウドソフト「オフィスステーション」は、Webサイトや口コミで認知度を高めており、導入までがスピーディーな点が特徴です。

【理由】
中小企業の場合、一度使い勝手の良さを体験すれば同業者や取引先などにすすめるケースが多いからです。

この拡散効果を狙い、エフアンドエムはオンラインとオフラインの両方で積極的にサービスを案内し、多方面から顧客を獲得しているのです。

顧客との関係

顧客との関係は、単発で終わる契約ではなく、長期的なパートナーシップとして位置づけています。

クラウドソフトのサブスクリプション利用や継続的なコンサル契約を通じて、必要に応じたサポートを受けられる環境を提供しています。

【理由】
バックオフィス業務は一度導入して終わりではなく、制度改正や業務拡張に合わせて継続的に改善を求められるからです。

エフアンドエムは定期的な連絡や情報提供を行い、顧客満足度を高めながら長期間の信頼関係を築いているのです。

顧客セグメント

エフアンドエムが主に対応している顧客セグメントは、中小企業や個人事業主、そして会計事務所や社会保険労務士事務所などの士業の方々です。

多くの中小企業では人事労務や総務の専門スタッフが少なく、外部サービスに頼らざるを得ない場合が少なくありません。

【理由】
これらの企業は大企業と比べてスピーディーに導入を決められる一方、導入後も運用サポートが必要で、そのニーズを的確に捉えることができるからです。

エフアンドエムは幅広い業界・業種に柔軟に対応し、多様なお客さまに「オフィスステーション」やコンサルティングを提供しているのです。

収益の流れ

エフアンドエムの収益の流れは、大きく分けるとクラウドソフト「オフィスステーション」のサブスクリプション収入と、コンサルティングフィーです。

「オフィスステーション」は導入企業が増えるほど毎月安定した収益をもたらし、コンサル業務では契約内容に応じて追加収益を得られます。

【理由】
クラウドソフトでストック型収益を積み上げる一方、専門的なアドバイスを必要とする企業向けにスポットでのコンサルや長期的な支援を提供する仕組みにより、収益バランスを保つことができるからです。

このハイブリッドな収益モデルがエフアンドエムの安定成長を支えています。

コスト構造

コスト構造は人件費、システム開発や保守運用費、そしてマーケティング費用などが中心です。

特にクラウドソフトの開発や維持には一定の投資が必要ですが、それを上回る効果が期待できるため、積極的な費用投入が行われています。

【理由】
サービスの利便性を高めて利用者数を増やすことで、長期的に売上が拡大すると見込まれているからです。

エフアンドエムは継続的なシステム投資を惜しまず行い、顧客満足度の高いサービスを維持している点が特徴です。

自己強化ループ

エフアンドエムでは「オフィスステーション」を導入する企業が増えれば増えるほど、収益が安定し、その分を新機能の開発や既存サービスの改良にまわすことができます。

こうしてクラウドソフトがさらに便利になれば、利用企業からの口コミやパートナー企業からの紹介も増え、また新たな導入企業を獲得できるようになります。

この流れが続くことで、エフアンドエムはバックオフィス業務における信頼度をさらに高め、大手の競合他社が参入しても存在感を保ちやすくなるのです。

さらに、コンサルティング事業を利用した顧客がクラウドソフトにも興味を持ち、逆にクラウドソフトを導入した顧客がコンサルに興味を持つことで、両事業が相乗効果を生み出しているのも強みです。

このように自己強化ループがうまく回り続けることで、エフアンドエムは継続的な成長を実現しています。

採用情報

エフアンドエムの採用情報としては、初任給に関する具体的な金額は公開されていません。

休日は年間123日で、完全週休二日制となっています。

採用倍率も公表されていないため数値は不明ですが、自社のクラウドサービスを活用して労務管理を効率化していることから、ワークライフバランスに配慮した働きやすい環境であると期待されています。

人材育成にも力を入れており、中小企業の経営課題を解決する専門知識を磨くことができる点が魅力です。

株式情報

エフアンドエムは証券コード4771で上場しており、2025年1月31日時点の株価は1株あたり1,877円となっています。

予想配当利回りは約2.13パーセントで、クラウド事業を軸とした成長と株主還元の両立を目指す姿勢がうかがえます。

クラウド型ビジネスの安定した収益により、今後も配当や投資などの形で積極的な還元が期待できるかもしれません。

未来展望と注目ポイント

今後は「オフィスステーション」のさらなる拡張や機能強化に注目が集まります。

たとえば会計ソフトや採用管理ツールとの連携を進め、中小企業が必要とするバックオフィス機能をワンストップで利用できる体制を整えることで、利用者の利便性はますます高まるでしょう。

また、中小企業の経営者が増える一方で専門知識を持つ人材が不足している状況は続くと予想されるため、専門家ネットワークとの連携を強化し、コンサルティング領域をさらに広げる可能性もあります。

こうした拡大路線が進めば、エフアンドエムは中小企業向けクラウド支援とコンサルの両軸でより大きなシェアを獲得し、ビジネスモデル全体の安定感が増すはずです。

現時点でも売上や利益が堅調に成長していることから、新たなサービス開発やM&Aによる規模拡大が期待され、今後の動向を注視する価値が十分にある企業だといえます。

特にクラウドサービスの分野は競合が激化する傾向にありますが、先行者メリットと豊富なノウハウを生かして、市場をリードする存在として活躍を続けるとみられています。

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