企業概要と最近の業績
株式会社高松機械工業
当社は、CNC精密旋盤を中心とした工作機械を製造、販売しているメーカーです。
特に「小さな加工物は小さな機械で」というコンセプトに基づいた、省スペースな機械を得意としています。
また、ロボットなどの周辺装置も自社で開発しており、お客様一社一社のニーズに合わせた自動化生産ラインを提案できることが大きな特徴です。
製品の多くは国内外の自動車部品メーカーへ納入されています。
2025年3月期の通期決算をご報告します。
売上高は138億9,300万円で、前の期と比較して2.1%の減少となりました。
営業損益は1億6,000万円の損失を計上しましたが、前の期に続いての営業損失ながら、赤字の幅は縮小しています。
主力の工作機械事業の売上が減少した一方で、IT関連の製造装置事業は増収となりました。
価値提案
同社の価値提案は、高精度と高性能を兼ね備えた工作機械を提供することです。
これにより、自動車や航空機など厳しい品質基準が求められる業界でも安心して使える設備を実現しています。
工作機械は製品の品質に直結するため、顧客企業は少し高いコストでも信頼性の高いメーカーを求めることが多いです。
【理由】
長年にわたって培った加工技術と研究開発に力を入れてきたことが理由です。
安定した精度を提供できる点が他社との差別化要因になり、今では国内外の多くの企業が信頼を寄せる存在へと成長しました。
主要活動
株式会社高松機械工業の主要活動は、製品の開発、製造、販売、そしてアフターサービスの提供です。
これらの活動を一貫して行うことで、品質管理を徹底しながらお客さまの要望をすぐに反映できる体制を整えています。
特にアフターサービスは顧客企業との長い付き合いを生む上で重要で、トラブルが起きた時にも迅速な対応ができる点が評価されています。
【理由】
一度販売したら終わりではなく、定期メンテナンスや部品交換など長期的なサポートが信頼関係を築く鍵になると考えたからです。
その結果、ユーザー企業の満足度が高く、リピート受注につながっています。
リソース
同社の重要なリソースは、熟練した技術者や研究開発体制、そして高水準の生産設備です。
工作機械の分野は技術力がものをいうため、高精度な加工や新しい技術の開発に強いエンジニアを多く抱えることが不可欠です。
また、整備の行き届いた自社工場は安定した生産と品質向上を後押しします。
【理由】
長年にわたり安定した品質を維持しながら新しい技術を積極的に取り込んできた歴史があるためです。
製造現場と研究者が密に連携し、ノウハウを蓄積してきた結果、高精度の工作機械を生み出せるリソースを確保してきたといえます。
パートナー
株式会社高松機械工業は、主要な部品サプライヤーや販売代理店との協力を大切にしています。
精密なパーツを安定供給してくれるサプライヤーがいることで、自社の工作機械の品質が支えられていますし、海外展開の際には現地販売代理店を通じた販売チャネルの拡充が欠かせません。
【理由】
自社ですべてをまかなおうとするとコストがかさむだけでなく、専門領域も広くなりすぎるためです。
信頼できるパートナーと役割分担をすることで、スピーディーかつ確実に世界中の顧客へ製品を届けられるようになったのです。
チャンネル
同社は直販を軸にしながら、代理店ネットワークやオンラインプラットフォームを活用することで、多様な販売チャンネルを構築しています。
海外の市場開拓や中小企業への販売など、ターゲットに応じて最適なチャネルを選ぶ戦略をとっているのが特徴です。
【理由】
一つの販売方法だけでは市場の変化に対応しにくく、営業範囲も限られてしまうからです。
そこで直販のメリットであるきめ細かなサービスと、代理店の広範囲なカバー力を両立させる現在の形が生まれました。
顧客との関係
顧客との関係は、長期的な信頼の構築に重きを置いています。
工作機械は一度導入すると長い期間使用されることが多いため、アフターサービスの質が顧客満足度を左右します。
修理やメンテナンス相談などを丁寧に行うことで、顧客が安心して製造ラインを回せるよう支援しているのです。
【理由】
リピート受注や口コミによる紹介が高額設備の販売には欠かせず、特に実績や評価が重視される分野だからです。
結果として、導入企業との関係を長く続けることで安定的な収益確保にもつながっています。
顧客セグメント
同社は製造業全般を顧客セグメントとしていますが、中でも自動車産業や航空宇宙産業など高精度加工を必要とする分野を得意としています。
最近では海外の自動車メーカーや部品メーカーにも導入実績が増え、グローバルな顧客層を取り込むことでさらなる成長を図っています。
【理由】
もともと国内市場の高い要求水準に合わせて技術力を磨いてきたため、海外でも同等以上の品質が評価されるようになったからです。
結果的に「高性能かつ高精度」を武器として、幅広い製造現場での活躍が可能になっています。
収益の流れ
同社の収益源は、工作機械本体の販売、保守サービス契約、そして交換部品の供給によるものです。
製品を販売して終わりではなく、長期的な保守契約や部品交換などの追加収益が見込めるのが工作機械メーカーの特徴です。
【理由】
高度な加工精度を保つには定期的なメンテナンスが欠かせず、そのノウハウを持っているメーカーが継続的なサポートを行うのが自然な流れだからです。
こうした仕組みによって、製品の販売だけではなくアフターサービスでも安定した収益を得ることができるようになっています。
コスト構造
主なコストは研究開発費、人件費、そして製造コストです。
新しい技術や高性能な製品を生み出すには、研究開発に積極的な投資が不可欠ですし、それを支える優秀な人材を確保するための人件費も大きなウエイトを占めます。
【理由】
高精度が求められる業界で勝ち抜くには、常に最先端の技術を磨かなければならないからです。
そのため、大手企業にも引けを取らない研究環境や設備投資が欠かせず、結果として研究開発と人件費が大きな負担となるコスト構造になっています。
自己強化ループ
株式会社高松機械工業が好循環を生み出すポイントは、高精度な工作機械を提供することで顧客満足度を高め、それが評判となってリピート受注や新規顧客獲得につながる構造にあります。
一度導入した企業が継続的にサービスを利用し、同時に口コミや評判で他企業にも広がることで、需要はさらに拡大していきます。
また、その収益をもとに研究開発に投資することで、より高性能な製品を生み出せる体制が整います。
こうした自己強化ループが回ることで、同社は海外市場でも競合他社と差別化できる技術力を維持できるのです。
この良い循環を続けるため、常に顧客の声を拾い、改良と新製品の開発に取り組んでいる点が大きな強みとなっています。
採用情報
初任給は大卒でおよそ20万円ほどが目安となっています。
年間の休日数は120日以上なので、ワークライフバランスを大切にしたい方にも魅力的です。
採用倍率は公表されていませんが、工作機械メーカーとしては比較的安定した企業イメージから、毎年一定の応募が集まっているようです。
専門的な技術を身につけられる環境が整っているため、モノづくりに興味のある方にはやりがいを感じやすい職場といえます。
株式情報
銘柄は証券コード6155で、年間配当金は1株あたり約20円です。
株価は1株あたりおよそ1,500円前後で推移しており、工作機械需要の動向や成長戦略の進捗により変動する可能性があります。
配当利回りや業界の市況もあわせて確認しながら、投資判断するのが良いでしょう。
未来展望と注目ポイント
今後は海外市場でのさらなる拡大が見込まれ、自動車産業や航空宇宙産業の新興国需要にも積極的に対応していく方針です。
加えて、研究開発を通じて新技術を取り入れ、高精度と高性能をより突き詰めた製品を生み出していくことで、競合他社との差別化を図ると考えられます。
最近は自動化やロボット技術との連携も進み、スマートファクトリー化を目指す企業が増えているため、こうした流れに対応できる工作機械の開発が進めば、売上の拡大だけでなく産業全体のイノベーションに貢献する可能性も高まります。
安定した配当や成長性を兼ね備えた企業として、今後のIR資料や新製品発表にも注目が集まっています。
こうした動きを見逃さずにチェックすることで、投資や就職の観点から有益な情報を得られるでしょう。
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