企業概要と最近の業績
株式会社九州フィナンシャルグループ
株式会社九州フィナンシャルグループは、熊本県の肥後銀行と鹿児島県の鹿児島銀行を傘下に持つ金融持株会社です。
熊本・鹿児島・宮崎の中・南九州を強固な営業基盤としています。
銀行業務を中心に、リース、クレジットカード、証券、信託といった総合的な金融サービスを提供しています。
近年は、DXソリューション事業やECモール事業など、金融の枠を超えた地域価値の共創にも取り組んでいます。
2025年8月7日に発表された2026年3月期第1四半期の決算によると、経常収益は641億3,200万円となり、前年の同じ時期に比べて11.6%増加しました。
また、経常利益は191億2,300万円で前年の同じ時期から42.5%の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益は134億4,800万円で44.7%の増加となり、増収増益を達成しました。
この好調な結果を受け、2026年3月期の上期(4月〜9月)経常利益予想を上方修正し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しです。
価値提案
九州フィナンシャルグループは、地域経済の発展に貢献することを大きな価値として掲げています。
単にお金を貸すだけでなく、地元企業や個人のお客さまを総合的にサポートする仕組みを整えています。
具体的には、経営相談やビジネスマッチング、さらには新規事業の創出に向けた人材紹介や教育事業も行い、地域の活性化を後押ししています。
【理由】
なぜそういった展開になったのかというと、人口減少や産業構造の変化などに直面する地域社会の課題を解決するため、金融機関としての枠を超えた取り組みが必要と判断したからです。
地域を元気にすることで自社の収益も伸ばせるという好循環を築こうとする姿勢が、現在の価値提案に反映されています。
主要活動
銀行業務や証券業務、リースやカード事業はもちろんのこと、人材サービスやコンサルティング、新規事業開発にも積極的に取り組んでいます。
これらの活動を通じて、企業の資金調達や投資運用、人材確保までワンストップでサポートできることが大きな強みになっています。
【理由】
なぜそういった活動になったのかというと、地元企業が抱える問題は資金繰りだけではなく、人材不足や市場開拓など多岐にわたるためです。
包括的に対応することで企業の成長を促し、結果として金融サービスへの需要が増す構図が形成されています。
こうした複数の活動領域を組み合わせることで、地域全体の成長とグループの安定経営を両立しています。
リソース
幅広い金融商品とサービスを提供できる体制、そして地域に根ざした店舗網や取引先ネットワークが大きなリソースです。
また、銀行・証券・リース・カード・人材派遣など、それぞれの専門知識を有する人材が多数在籍している点も強みになっています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、競合他社との差別化を図るためには専門分野に精通した人材を揃え、複数の金融ニーズにワンストップで対応する必要があったからです。
地域の課題に寄り添うには専門性だけでなく地元の状況を理解する力も求められるため、多様な人材と広域ネットワークの活用が鍵となっています。
パートナー
地域企業や自治体、他の金融機関、さらには様々なサービスプロバイダーとの連携を深めています。
金融サービスのみでは解決できない課題に対して、外部の専門機関と協力することでより包括的なソリューションを提供できるからです。
【理由】
なぜそうなったのかというと、地域経済の課題は高齢化や産業構造の転換など幅広く、金融機関一社だけでは対応が難しいケースが増えてきたためです。
こうしたパートナーシップを通じて地域の潜在力を引き出し、それが新たなビジネスチャンスと業績の底上げにつながっています。
チャンネル
店舗を中心とした対面サービスだけでなく、オンラインプラットフォームやモバイルアプリ、コールセンターなど多様なチャネルを整備しています。
地域に密着した対面ならではの相談体制を維持しつつ、デジタル技術を活用して非対面でもスムーズに取引や相談ができる仕組みを整えているのが特徴です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、若年層やビジネスパーソンを中心に、忙しくて店舗に行く時間がないというニーズが高まっているためです。
より多くの顧客との接点を確保することで、機会損失を防ぎながら地域の隅々までサービスを届ける狙いがあります。
顧客との関係
対面のコンサルティングを大切にしながら、オンラインやコールセンターを使ったアフターフォローにも力を入れています。
さらに定期的なセミナーやイベントを通じて、顧客同士の情報交換やビジネスマッチングの機会を提供しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、地域の方々が抱える問題は資金繰りだけでなく、将来設計や事業継承、人材確保など多面的であり、対面とオンラインの両面からしっかり支える必要があったためです。
こうした関係づくりが長期的な信頼関係の構築とリピーターの獲得につながっています。
顧客セグメント
個人顧客から中小企業、地方自治体まで幅広くカバーしています。
特に地域の中核を担う中小企業向けには、資金提供やコンサルティング、人材派遣といった総合サポートを行うことで、一社一社の課題に寄り添っています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、地方経済を支えるのは中小企業が多く、その活性化が地域全体の発展につながるからです。
また個人客に対しても資産運用や住宅ローンの相談など、多様なニーズに対応することで長期的な信頼を獲得し、グループ全体の顧客基盤を強化しています。
収益の流れ
メインは利息収入や各種手数料収入であり、投資収益なども加えて安定的にキャッシュフローを生み出しています。
また、リースやカード、人材サービスなどの周辺事業から得られる収益も大きな柱となっています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、超低金利時代が続く中で金利差による収益だけではリスクが高く、安定した成長が難しいからです。
多角化によってリスク分散を図り、地域の経済状況に応じて柔軟に対応できるようにしている点が重要な背景となっています。
コスト構造
人件費やITシステム維持費、店舗運営費など、銀行業としての基本コストはかかりますが、多様な事業分野を有することで規模の経済を活かし、効率的な運営を目指しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、地方銀行は大都市部に比べて顧客数や取引金額で劣ることも多く、コスト削減だけではなく新たな収益源の確保が不可欠だったからです。
デジタル化や店舗戦略の見直し、グループ各社の連携を進めることで、必要なコストを抑えつつ高品質のサービスを継続的に提供できる体制を整えています。
自己強化ループ
九州フィナンシャルグループでは、地域経済の発展と自社の成長が互いを後押しする好循環を作り出そうとしています。
具体的には、地域企業への資金援助やコンサルティングを行って企業の成長を促し、それにより地域社会が活性化し、さらなる資金ニーズやサービスニーズが高まるという流れです。
新たに生まれたニーズに対して多角的な事業部門が連携しながら対応し、その結果としてグループ全体の収益が向上し、また地域への投資やサービス開発に還元される仕組みになっています。
こうしたサイクルが進むほど地域社会は豊かになり、自社の存在感もさらに高まるため、双方にとってメリットのある関係が強固になっていきます。
このように地元経済の成長が自己強化のエンジンとなっている点が、同グループの強みといえます。
採用情報
九州フィナンシャルグループの初任給は具体的に公表されていないものの、一般的な地方銀行と同等か、もしくはそれに準ずる水準であると見込まれています。
年間休日は120日以上とされており、ワークライフバランスを重視した働き方が期待できます。
採用倍率は公表されていませんが、多角的な事業展開を行っているため、金融だけでなくITやコンサルティング、人材サービスに興味がある学生からも幅広く応募があると考えられます。
株式情報
銘柄は株式会社九州フィナンシャルグループで、証券コードは7180となっています。
配当金については具体的な金額が公表されておらず、最新の情報はIR資料などで確認することをおすすめします。
また、1株当たりの株価についても相場の変動があるため、証券取引所や金融情報サイトなどで最新の数値をチェックすると良いでしょう。
地方銀行の中でも成長戦略を強く打ち出している企業として、投資家からの注目が集まりやすい銘柄といえます。
未来展望と注目ポイント
九州フィナンシャルグループは、2023年度から2026年度にかけて当期純利益を約38.5パーセント増やす計画を立てており、地域創生やESG投融資の分野でも積極的な動きを見せています。
これからは単に金利収入を追うだけではなく、地域の課題を解決しながら新しいビジネスを生み出すことが重要になるでしょう。
例えば農業や観光業など、地域の強みを活かした産業の成長をサポートする施策が加速すると期待されています。
さらにデジタル化を進めることで、若年層を含む幅広い顧客層へのアクセスが一段と容易になるでしょう。
今後は従来の銀行業務とIT技術を組み合わせた新サービスや、他業種との連携によるイノベーションが注目されます。
地域コミュニティを支えながら安定収益を生み出すビジネスモデルがうまく機能すれば、投資家や就職希望者にとっても魅力的な企業としてさらに輝きを増すのではないでしょうか。
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