株式会社AI CROSS AIとメッセージングを融合する注目企業のビジネスモデルを徹底解剖

情報・通信業

企業概要と最近の業績

株式会社AI CROSS

法人向けのコミュニケーションプラットフォームを提供するSaaSカンパニーです。

主力事業は、SMS(ショートメッセージサービス)を企業から顧客へ一斉に、また双方向に配信できるサービスです。

本人認証や予約のリマインド、重要なお知らせなど、顧客に確実に情報を届けたいというニーズに応え、多様な用途で活用されています。

また、社内コミュニケーションを活性化させるビジネスチャットツールの提供も行っています。

2025年8月13日に発表された2025年12月期第2四半期の連結決算によりますと、売上高は20億5,000万円で、前年の同じ時期に比べて14.8%増加しました。

営業利益は4億200万円で、前年の同じ時期から17.5%の増加となりました。

経常利益は4億500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億7,100万円となり、増収増益を達成しています。

企業のDX化の流れを背景に、主力のSMS送信サービスの契約社数・配信数ともに順調に増加し、安定的なストック収益が積み上がったことが業績を牽引しました。

【参考文献】https://wwwa-i-cross.co.jp/

価値提案

AIを組み合わせた高度なビジネスコミュニケーションを提供しています。

法人向けSMS送受信サービスやAI予測分析サービスを通じて、企業が迅速かつ確実に情報を届け、意思決定を高精度で行えるようサポートする点が強みです。

【理由】
なぜそうなったのかというと、消費者の多様化や企業のデータ活用ニーズが高まり、効率的かつ確実にコミュニケーションを図る手段が必要とされたためです。

主要活動

メッセージングプラットフォームの開発や運営、そしてAI技術の研究開発に重点を置いています。

大量のデータを活用しながら、高速かつセキュアな通信基盤を維持する必要があるため、サービス開発を内製化して品質と柔軟性を確保する方向にシフトしました。

【理由】
これにより競合との差別化を図り、アップデートのスピードを上げることが目的です。

リソース

AIアルゴリズムの開発経験を持つ専門家や、大規模メッセージングを安定稼働させるエンジニアチームが重要なリソースとなっています。

また、複数キャリアに跨るネットワーク連携のノウハウや、自社で蓄積した大量のメッセージングデータも大切な資産です。

【理由】
なぜそうなったのかというと、メッセージングとAIの両方を高いレベルで扱うには、技術力と経験の両面で優秀な人材が不可欠だからです。

パートナー

主要通信キャリアとの連携や、大学や研究機関とのAI共同開発を進めています。

通信インフラをスムーズに利用するためのキャリアとの協力が不可欠なほか、最先端技術を取り入れるためにアカデミックなパートナーシップが強い推進力となっています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、単独での研究開発だけでは革新的な技術を継続的に取り入れにくいためです。

チャネル

自社営業チームによる直接提案と、オンラインのマーケティングプラットフォームを併用して顧客獲得を進めています。

【理由】
幅広い業種・規模の企業にアプローチする必要があるため、オフラインとオンラインのチャネルを組み合わせる形が適しているのです。

顧客との関係

サポートデスクやアフターサービスに力を注ぎ、導入後の課題解決や運用最適化を支援しています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、AIとメッセージングが絡むシステムは比較的新しい分野であり、運用中の改善や調整が欠かせないためです。

顧客セグメント

大手企業から中小企業、さらに公共機関まで幅広いセグメントを対象としています。

金融・医療・物流など、高度なセキュリティや確実な通信が求められる業種で特に需要が高い傾向です。

【理由】
なぜそうなったのかというと、SMS認証やAIによる需要予測など、多様な業種での活用シーンが拡がったためです。

収益の流れ

サービス利用料とサブスクリプションモデルが中心となっています。

メッセージングサービスの場合は送信数や契約プランに応じた従量課金がメインで、AIサービスでは月額や年間契約による定額課金が主です。

【理由】
なぜそうなったのかというと、企業の導入にあたっては継続的なサポートとバージョンアップが必要であり、サブスクリプションの方が安定収益と顧客との長期的関係を築きやすいからです。

コスト構造

開発費と人件費、そしてマーケティング費用が大きな割合を占めています。

特にAIとメッセージング基盤の機能強化には継続的な投資が必要であり、それが当期純利益を圧迫する原因にもなり得ます。

【理由】
なぜそうなったのかというと、通信インフラとの連携や新機能開発には高度な技術と持続的な研究開発が欠かせず、費用がかさむ構造になりやすいためです。

自己強化ループ

メッセージングサービスの利用が増加するほど企業全体の売上が伸び、その収益がさらにAI予測分析や新サービス開発への投資余力を生み出します。

こうして強化されたAI技術や新たなメッセージング機能が再び市場で評価され、さらなる利用拡大を促すという循環が形成されているのが特徴です。

特にメッセージングとAIの組み合わせは、顧客にとってはデータ活用の幅を広げるメリットがあり、導入企業が増えるほど学習データが充実し、予測精度が高まるというポジティブなスパイラルが生まれやすくなります。

こうした自己強化ループを回すためには、研究開発とマーケティングが両輪で機能し続けることが不可欠です。

さらに、市場から得られる資金調達や事業収益をどのタイミングで再投資に振り向けるかといった経営判断が、ループを加速させる鍵になるでしょう。

採用情報

新卒・中途を問わず、初任給は月給40万円から58万3千円と高水準です。

完全週休二日制で年間120日以上の休日を確保しており、ワークライフバランスにも配慮しています。

AIエンジニアやデータサイエンティストなど専門的スキルを持つ人材の確保が急務となっており、今後も採用活動は積極的に行われる見込みです。

採用倍率の具体的な公表はありませんが、AIを扱う企業として高い人気が予想されます。

株式情報

東証グロース市場に上場しており、銘柄コードは4476です。

現時点では配当金や1株当たり株価についての公表情報がありません。

グロース市場の特性上、投資家は将来的な成長性や投資効率の高さを重視しているため、継続的なIR活動や資本政策が企業価値向上のポイントとなりそうです。

未来展望と注目ポイント

今後はAI技術の進化や5G・6Gなど通信インフラの高度化に伴い、メッセージングサービスの新たな活用方法が広がると期待されています。

大量のデータを保有する企業や公共機関に対して、セキュリティ面と拡張性を両立したソリューションをどれだけ提案できるかが鍵となりそうです。

さらに、ノーコードで予測分析が可能な「Deep Predictor」のようなAIサービスも、ユーザー企業の人材リソース不足を補いながら新しい価値を生む可能性があります。

収益基盤を強固にしつつも、研究開発へ積極的に再投資していくバランスが経営の腕の見せどころです。

また、当期純利益が減少する一方で売上や営業利益が堅調に伸びているため、投資フェーズとしての状況を投資家や顧客にどのように説明するかも重要です。

今後の成長戦略としては、メッセージングとAIの掛け合わせをさらに拡充し、新しい業種や海外展開を狙う動きにも注目が集まっています。

こうした取り組みによって、自己強化ループが一段と加速し、さらなる収益拡大と企業価値向上が期待されるでしょう。

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