企業概要と最近の業績
インターライフホールディングス株式会社
【全体の業績】
インターライフホールディングス株式会社は、商業施設やオフィス、ホテル、公共施設などの内装企画、設計、施工を中核に展開する空間創造企業であり、デザインから施工、アフターメンテナンスにいたるまでをグループ内で内製化できる高いワンストップ対応力を最大の強みとしています。
店舗やオフィス空間の価値を高める内装施工事業を中心に、近年では商業施設の電気・空調などの設備工事や、音響・映像システムの構築、さらには人材派遣事業や不動産事業など多角的なビジネスモデルを展開しており、変化する都市開発やオフィス移転の需要を捉えて市場における確固たる地位を築いています。
このような強固な事業基盤を持つ同社の最新の通期決算における業績は、売上高が14,037百万円となり、前年同期に比べて18.1パーセントの大幅な増収を記録しました。
本業の儲けを示す営業利益は166百万円となり、前年同期比で1.8パーセントの微増を達成しています。
また、経常利益については185百万円を計上し、前年同期比で3.6パーセントの増益となりました。
最終的な経営成果である親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比42.7パーセント増の159百万円となり、全体として増収増益を果たす堅調な決算となっています。
この業績結果をもたらした要因としては、国内における人流の回復や経済活動の活性化に伴い、ホテルや大型商業施設、専門店における内装施工やリニューアル工事の需要が通期を通じて極めて活発に推移したことが強力な追い風となりました。
さらに、建設業界全体における深刻な人手不足や、原材料価格、外注労務費の上昇といった厳しい外部環境に直面したものの、同社が強みとするグループ連携を駆使した資材調達の最適化や、施工現場における徹底した工程管理による原価低減施策が功を奏しました。
加えて、得意とする大型物件や高付加価値案件の受注活動を戦略的に強化したほか、不採算案件を排除する厳格な見積もり管理を徹底したといった経営施策がコスト上昇の圧力を補い、確実な売上の拡大と利益の確保へと繋げています。
【参考文献】https://www.interlife.co.jp/ir
価値提案
インターライフホールディングス株式会社が顧客に提供する価値の核心は、商業施設やホテル、大学などに対して快適な空間を創出する内装工事と音響・照明設備を一貫して提供できる体制にあります。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、過去にグループの事業体制を再編し、工事会社を中心とするプロフェッショナル集団へと経営資源を集中させる方針をとったためです。
この体制再編により、事業を担う会社は株式会社日商インターライフ、株式会社システムエンジニアリング、株式会社サンケンシステムの3社体制へと整理されました。
これにより、空間の設計から施工、さらには専門性の高い音響や照明の設備導入までをグループ内で完全に完結させることが可能となっています。
また、特許出願中の独自製品であるアトラスボードの開発など、他社にはない技術的な付加価値の提供にも注力しています。
こうした高度な一貫施工体制は、大阪万博における人気アーティストAdoのコンサート会場施工実績など、大規模で特殊な要求が求められる現場で高く評価されています。
単なる施工業者ではなく、空間全体の価値を総合的に高めるソリューションプロバイダーとしての立ち位置を確立している点が、同社の強力な価値提案です。
主要活動
インターライフホールディングス株式会社の主要活動は、都市部の再開発に伴う内装工事の施工管理、専門的な設備導入、および若手職人の育成活動に集約されます。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、建設業界全体が抱える職人の高齢化と若手入職者の減少という深刻な社会課題を解決し、自社の安定した施工力を長期的に担保する必要があったためです。
この課題に対処すべく、2014年から本格的にスタートした若手育成の長期計画である匠プロジェクトを強力に推進しています。
このプロジェクトを通じて、外部への外注依存から自社グループ内での内製化への転換を推し進め、施工品質の安定と利益率の向上を図っています。
また、ITインフラを積極的に活用した施工プロセスの最適化活動も重要な取り組みの一つに位置づけられています。
これにより、現場の作業効率化と職人の働き方改革を同時に進めることが可能になっています。
これらの活動は、目先の利益を追求するだけでなく、長期的な企業競争力の源泉を自ら作り出すという、同社の持続的な成長を支える根幹の活動となっています。
リソース
インターライフホールディングス株式会社のビジネスを支える中核的なリソースは、熟練の職人ネットワークと専門的な施工管理ノウハウ、そして強固な資本関係を持つ顧客基盤です。
【理由】
なぜそうなっているのかといえば、高品質な施工を安定して提供し続けるためには、自社専属の技術者集団と、安定した案件受注を可能にする株主やパートナー企業との関係性が不可欠だからです。
技術面のリソースとして特筆すべきは、匠プロジェクトなどを通じて育成された約250名規模にのぼる専属のベテラン職人ネットワークの存在です。
2026年2月期時点で連結従業員数が238名であることからも、この職人ネットワークがいかに大きな事業基盤であるかが分かります。
また、強固な顧客基盤というリソースの側面では、大株主である株式会社辰巳(持分31.3パーセント)や、大手ディスプレイ企業である株式会社乃村工藝社(持分2.8パーセント)の存在が挙げられます。
こうした資本関係や業務提携を通じた人的・組織的なネットワークが、安定した受注基盤という強力な無形リソースを形成しており、同社の事業を力強く支えています。
パートナー
インターライフホールディングス株式会社のビジネスにおいて、大手ディスプレイ企業や不動産デベロッパー、総合建設業者などとの強固な取引関係は極めて重要なパートナーシップです。
【理由】
なぜそうなっているのかといえば、大型の再開発案件や万博関連事業など、一社単独では受注や施工が難しい大規模プロジェクトに参画し、事業規模を拡大していくためです。
主要なパートナーとしては、同社の主要株主でもあり業界を牽引する株式会社乃村工藝社との協力関係が挙げられます。
また、東京建物株式会社などの大手不動産デベロッパーとの取引実績も、同社の高い施工能力と信頼性を示す重要な証となっています。
さらに直近では、大阪万博関連の施工パートナーとして名を連ねており、関西圏での大型イベントにおいても有力な企業と連携して事業を推進しています。
これらのパートナー企業とは単なる下請け関係ではなく、自社が持つ一貫施工能力や独自技術を提供する戦略的な協業関係を築き上げています。
チャンネル
インターライフホールディングス株式会社は、顧客からの直接受注および、パートナー企業を通じた間接受注という2つの強力な販売チャネルを構築しています。
【理由】
なぜそうなっているのかといえば、既存事業の収益性を高めるため、独自開発した製品などを武器に自ら直接提案を行う機会を戦略的に増やしているためです。
直接受注のチャネルを通じた成果としては、独自開発製品であるアトラスボードを活用した大学のルーム改修案件の獲得や、著名ホテルのキッズルーム改修案件の受注などが挙げられます。
また、地域的なチャネル展開としては大阪拠点の存在が非常に大きく、2026年2月期における大阪拠点の売上高は25億7,300万円に達し、前年同期比で104.3パーセント増という驚異的な伸びを示しています。
この大阪拠点をハブとした西日本エリアでの営業チャネルの確立が、今後の大規模需要を取り込むための極めて重要な経路として機能しています。
このように、間接受注による安定した基盤の上に直接提案のチャネルを上乗せすることで、収益構造の多角化と安定化を進めています。
顧客との関係
インターライフホールディングス株式会社は、ESGを強く意識した経営とIR活動の強化を通じて、顧客をはじめとするあらゆるステークホルダーと長期的な信頼関係を構築しています。
【理由】
なぜそうなっているのかといえば、資本コストや株価を意識した経営を強力に推進し、時価総額の目標達成など企業価値の最大化を図る経営戦略をとっているためです。
具体的な関係構築の取り組みとして、環境面では建設現場における資材のリユース推進など、サステナビリティに配慮した施策を実施し、法人顧客のESGニーズに直接応えています。
また、投資家との関係強化においては、ログミーファイナンス等の媒体を活用した個人投資家向けのIR情報を積極的に発信しています。
さらに、市場における自社株式の流動性向上を目的とした株式の売出しを実施するなど、市場との対話にも非常に力を入れています。
これらの真摯な活動により、顧客企業からは持続可能な社会を共に目指すパートナーとして、投資家からは透明性の高い成長企業としての関係性を確固たるものにしています。
顧客セグメント
インターライフホールディングス株式会社の主要な顧客セグメントは法人顧客を中心とするBtoBビジネスであり、主にオフィスビル、ホテル、大学、ディスプレイ業界などを対象としています。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、アフターコロナの事業環境において都市部の再開発やインバウンド需要の急速な回復により、これらの分野で旺盛な設備投資が行われているためです。
特にディスプレイ業界は、2025年度以降に1兆8,200億円規模に達すると予測されており、同社にとって極めて重要なターゲット市場となっています。
また、地域およびイベント主導の顧客セグメントとして、大阪万博関連施設を計画・運営する法人顧客が直近の大きなターゲットになっています。
さらに中長期的な視点では、2030年の開業に向けた大阪IR(統合型リゾート)の関連需要をターゲットに見据え、関西圏の法人顧客セグメントへのアプローチを強化しています。
このように、マクロ経済の動向と大規模イベントのスケジュールに合わせた戦略的な顧客ターゲティングが、同社の継続的な成長を牽引しています。
収益の流れ
インターライフホールディングス株式会社の収益の流れは、工事の進行に伴って計上されるフロー収益が主体となっており、主に内装工事と音響・照明設備工事の2本柱から構成されています。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、事業の選択と集中を推し進め、設備・メンテナンス事業を担っていた玉紘工業を売却したことで、より専門性の高い工事事業への依存度が相対的に高まったためです。
2026年2月期の連結売上高163億3,600万円の内訳を見ると、この明確な収益構造が表れています。
売上全体の約61.5パーセントを、株式会社日商インターライフなどが手掛ける内装工事事業が稼ぎ出しています。
そして残りの約38.4パーセントを、株式会社システムエンジニアリングなどが担う音響・照明設備事業が生み出しています。
このように、大規模な初期投資を伴う建設プロジェクトからのフロー収益に特化しつつ、異なる2つの専門領域を持つことで、案件単価の引き上げと収益基盤の安定化を両立させています。
コスト構造
インターライフホールディングス株式会社のコスト構造は、施工に伴う材料費、外注費、そして職人の人件費が中心となっていますが、近年その利益率は劇的に改善しています。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、採算重視の受注戦略への転換と、外注依存から自社グループ内での内製化を強力に進めたことで、大幅な原価低減が実現したためです。
この構造改革の成果として、営業利益率は2025年2月期の5.2パーセントから、2026年2月期には7.1パーセントへと大きく向上しました。
また、子会社ファシリティーマネジメントの吸収合併による間接部門の業務効率化も、販管費の抑制に大きく寄与しています。
一方で、持続的成長のためのコスト投下も惜しまず、新卒初任給の引き上げや資格補助制度の拡充など、人的資本への投資強化を戦略的に行っています。
単なるコスト削減に留まらず、削減した原価を人材という未来の成長源泉に投資するという、未来志向のコスト構造を構築している点が同社の強みです。
自己強化ループ
インターライフホールディングス株式会社の事業モデルには、企業の成長が自動的に加速していく強固な自己強化ループが存在しています。
この循環の起点は、匠プロジェクトなどを通じた自社専属の若手職人および施工管理者の育成という内製化の推進から始まります。
自社で優秀な人材を育成することで、内装から音響・照明に至る高品質な専門工事の安定供給と原価低減が可能になります。
その結果として、著名ホテルや大型施設などから利益率の高い優良案件を直接受注できる力が高まります。
優良案件の増加は業績の向上に直結し、2026年2月期に見られたような営業利益率7.1パーセントという高い収益性の達成をもたらします。
そして、ここで得られた潤沢な利益を、フルフレックス制の導入や高い初任給といった人的資本への投資、さらにはアトラスボードのような新製品開発に再投資します。
この積極的な再投資がさらなる優秀な人材の獲得と新たなパートナー企業との提携を生み出し、再び最初の職人育成と内製化の強化へと戻るという強力なサイクルが回っています。
このループが実際に機能していることは、自社で約250名もの大規模な職人ネットワークを維持し続けていることや、2026年2月期時点でROE18.6パーセントという極めて高い資本効率を実現している数字からも明確に裏付けられます。
採用情報
インターライフホールディングス株式会社の中核事業会社である株式会社日商インターライフの採用環境は、働きやすさと高水準の待遇を両立させています。
2026年7月時点で確認できる内装施工管理職の新卒初任給は、255,460円に設定されています。
この金額には基本給196,160円のほか、みなし残業手当とみなし休日残業手当が含まれています。
休日制度についても充実しており、年間休日総数は125日を確保しています。
働き方の特徴として、日曜定休をベースとしつつ、その他の曜日は自分の裁量で取得可能なコアタイムなしのフルフレックス制を導入しており、夏季休暇や年末年始休暇も整備されています。
採用人数について、直近3年間の具体的な総数は公表されていませんが、新卒の内装施工管理職として10名、高卒の内装工職人として11期生の募集が行われていることが確認できます。
なお、応募者数が非開示であるため、具体的な採用倍率に関する公式情報はありません。
定着率を示す指標として、インターライフホールディングス単体の2026年2月期の有価証券報告書によると、平均勤続年数は6.0年、平均年間給与は約692万円となっています。
求める人物像としては、フルフレックス制などの裁量を活かし、現場で自ら挑戦しながら成長できる人材が掲げられています。
選考フローはエントリーから始まり、約1週間の書類選考を経て、対面面接と適性検査が行われ、応募から約3週間で内定に至るスピーディーなプロセスとなっています。
株式情報
インターライフホールディングス株式会社の株式は、証券コード1418で、東京証券取引所のスタンダード市場に上場しています。
株式の売買単位である単元株数は100株に設定されており、国内株式の標準的な仕様に準拠しています。
決算期は毎年2月に設定されており、この本決算に向けて事業計画が進捗していきます。
株主還元の方針については、企業としての明確なガバナンスの姿勢が打ち出されています。
具体的には、公平な利益還元の観点から2023年2月末を最後にQUOカードの株主優待制度を廃止し、その分を配当による還元へと集約する方針をとっています。
配当方針としては配当性向40パーセント以上を目標に掲げており、業績の成長に合わせた増配の考え方を市場に示しています。
株価水準については、2026年7月時点でおよそ590円台で推移しています。
この水準に基づくと、単元株数から算出した最低投資金額の目安は約5万9,000円となります。
なお、株式の数値や状況は常に変動する性質があるため、実際の投資判断を行われる際は最新情報を必ずご自身でご確認いただきますようお願いいたします。
未来展望と注目ポイント
インターライフホールディングス株式会社の未来展望は、明確な数値目標とそれを裏付ける確かな戦略によって描かれています。
同社は第5次中期経営計画「NEXT STAGE 2030 時代の変革に挑み続け、持続的成長を実現する」を策定し、野心的な目標を掲げています。
この計画において、2027年2月期の目標として売上高170億円、営業利益12億円の達成を目指しています。
さらにその先の2031年2月期には、売上高250億円という一段高いステージへの飛躍を計画しています。
期間中の重要指標として、営業利益率5パーセント以上、配当性向40パーセント以上、ROE13パーセント以上、PBR1.5倍以上というKPIを設定し、資本効率と株主還元の両立を図る姿勢を鮮明にしています。
今後の成長を牽引する注力領域としては、独自開発製品であるアトラスボードの拡販と、M&Aによる事業シナジーの拡大が挙げられます。
具体的には、M&Aを活用して内装工事事業で100億円、音響・照明設備事業で100億円の計200億円体制を確立するという投資方針を打ち出しています。
また、2030年に予定されている大阪IRの開業を展望し、関西圏での大型需要を取り込む戦略も極めて重要な成長ドライバーとなります。
決算説明会において貴田晃司社長が語った、200億円体制と時価総額100億円企業への挑戦というビジョンの実現に向け、同社の今後の動向から目が離せません。



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