株式会社東亜道路工業のビジネスモデル徹底解説 成長戦略が光る企業の魅力

建設業

企業概要と最近の業績

東亜道路工業株式会社

【全体の業績】

東亜道路工業株式会社は、道路舗装工事や土木工事を中心とする建設事業をはじめ、アスファルト合材などの道路建設材料の製造・販売事業や環境関連事業などを展開する道路舗装大手です。

長年培った技術力と全国を網羅する拠点網を強みとし、高速道路や一般道路、空港、港湾といった社会インフラの整備や維持修繕において不可欠な役割を担っています。

同社の最新の通期決算では、売上高が1,213億2,700万円(前年同期比4.1%減)となったものの、営業利益は57億8,800万円(前年同期比15.4%増)、経常利益は59億9,700万円(前年同期比15.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は34億2,600万円(前年同期比17.0%減)となり、減収ながらも営業利益・経常利益において大幅な増益を達成しました。

これは、完成工事高の減少や材料売上高の低下により全体として減収となったものの、建設事業における徹底した原価管理や施工効率化の推進に加え、製造販売事業における適切な販売価格への反映やコスト削減の取り組みが奏功し、各セグメントでの採算性が大きく向上したことによるものです。

【参考文献】https://www.toadoro.co.jp/ir

価値提案

東亜道路工業株式会社は耐久性や環境性能に優れた高機能な道路材料と高度な施工技術を一体型ソリューションとして提供しています。

【理由】
高度成長期に建設されたインフラの急速な老朽化に対応しつつ激甚化する豪雨災害への対策や二酸化炭素排出削減といった社会課題に同時に応える必要があるからです。

具体的には水はけを向上させてハイドロプレーニング現象を防ぐ排水性舗装の「水すい」を展開しています。

また製造時の二酸化炭素排出量を15パーセントから20パーセント削減する中温化アスファルトの「エコファルト」も提供しています。

さらに道路騒音を低減する低騒音舗装の「トーア・カーム」などを揃え多様なニーズに対応しています。

このような高機能製品を通じて2025年3月期においても付加価値の高いソリューションを社会に提供し続けています。

主要活動

東亜道路工業株式会社の主要な活動は自社の研究開発に基づく道路資材の製造と販売および全国の道路や土木インフラの施工管理です。

【理由】
製品の開発から現場での敷均しや転圧までを一貫して管理することで舗装の長寿命化と品質保証を確実に達成する必要があるからです。

この活動を支えるため全国に約90ヶ所のアスファルト合材や乳剤の製造プラントを2025年3月期時点でも維持運用しています。

さらに施工現場ではGNSSやTSを活用した転圧管理システムなどのICT建設機械を導入し効率化を図っています。

また茨城県にあるつくば技術研究所では最新の材料分析や新技術の開発を継続的に行っています。

自社での製造から施工までを網羅するこの一貫体制が東亜道路工業株式会社の強みとなっています。

リソース

東亜道路工業株式会社の重要なリソースは全国規模の工場ネットワークと自社の技術研究所および多数の有資格施工管理技士です。

【理由】
アスファルト混合物は温度管理が命であり現場の近くに工場が必要不可欠なことと公共工事を受注するためには国家資格を持つ技術者の配置が法律で義務付けられているからです。

これを満たすため茨城県つくばみらい市につくば技術研究所を構え日夜研究を重ねています。

また数百名規模の一級土木施工管理技士を擁し2025年3月期時点でも高度な施工体制を維持しています。

さらに全国に配置された舗装機械の車両群や合材と乳剤の製造拠点が迅速な現場対応を可能にしています。

これらのリソースが一体となることで高品質なインフラ整備を実現しています。

パートナー

東亜道路工業株式会社は石油元売りメーカーや建設機械メーカーそして地域密着の協力工事業者と強固なパートナーシップを結んでいます。

【理由】
道路舗装に欠かせない主原料であるストレートアスファルトを安定的に調達し最新のICT施工機器を確保するとともに全国各地での施工ラインを維持することが事業継続に不可欠だからです。

具体的にはENEOS株式会社や出光興産株式会社から重要な原材料の調達を行っています。

また酒井重工業株式会社などの建設機械メーカーとは施工機械の共同実証などを通じて技術力を高め合っています。

さらに全国各地域の地場建設会社とは協力会である東亜会を通じたネットワークを構築し2025年3月期時点においても円滑な現場運営を実現しています。

チャンネル

東亜道路工業株式会社は官公庁やNEXCOへの直接入札と大手ゼネコンを経由した施工請負および舗装業者などへの直販ルートを活用しています。

【理由】
発注者の大半が公的機関であり入札制度に対応する精度の高さと地域ごとの密着した営業ネットワークの両方が求められるからです。

このため国土交通省や各地方自治体向けの入札参加資格を維持し直接的な受注活動を展開しています。

またNEXCO東日本やNEXCO中日本およびNEXCO西日本が発注する高速道路リニューアル工事も直接受注しています。

これらに加え全国各支店や営業所の網を活用した自社営業所による直販ルートを確保し2025年3月期時点においても多様な経路で顧客へ製品とサービスを届けています。

顧客との関係

東亜道路工業株式会社は長期的な災害時優先協定の締結やNETISに基づく高評価の獲得を通じて顧客との深い信頼関係を構築しています。

【理由】
公共工事の落札においては単なる価格競争だけでなく技術提案力や過去の工事施工成績に基づく総合評価方式が大きく影響するからです。

そのため各地方整備局や自治体との間で災害等発生時における応急復旧協定を結び地域社会への貢献を形にしています。

また新技術情報提供システムであるNETISに登録された技術を積極的に採用することで工事点数の加算実績を積み重ねています。

さらに施工後も定期的なモニタリングや補修提案を行うことで2025年3月期時点においても顧客からの継続的な評価と信頼を獲得し続けています。

顧客セグメント

東亜道路工業株式会社の顧客セグメントは国土交通省や地方自治体を筆頭に高速道路会社や民間ゼネコンさらには民間の商業施設や工場を所有する企業など多岐にわたります。

【理由】
国のインフラ整備計画のような大規模案件から民間の駐車場や施設内道路の維持管理といった小規模案件まで幅広く収益源を分散させることで経営の安定化を図る必要があるからです。

実際の売上構成を見ると2025年3月期実績の建設事業売上においては官公庁やNEXCO向けが約65パーセントを占めています。

一方で材料製造販売事業においては民間ゼネコンや地域の建設業者が主要な顧客となっています。

さらに民間法人向けにも工場敷地や商業施設の駐車場舗装などを提供し多様な顧客層に対して価値を提供しています。

収益の流れ

東亜道路工業株式会社の収益は工事請負契約に基づく完成工事高というフロー収益と材料製造販売による継続的な販売収益という準ストック収益のデュアル構造になっています。

【理由】
大型工事の受注時期や天候による業績の変動を安定的なアスファルト材料の需要で相殺し会社全体の収益基盤を強固にするためです。

2025年3月期の業績実績を見るとこの構造がよくわかります。

同期間の建設事業売上高は85700百万円を計上し会社の主力としての役割を果たしています。

これに加えて製造販売事業売上高が29400百万円となっており安定した材料供給が収益を支えています。

さらに不動産賃貸事業などの売上高も3400百万円ありこれらの複数の収益源が2025年3月期における企業の安定成長を牽引しています。

コスト構造

東亜道路工業株式会社のコスト構造は売上原価の過半を占める材料費や外注費に加えて工場設備や建設機械の維持管理費そして研究開発費から成り立っています。

【理由】
製造プラントという巨大な固定設備と労働集約的な現場施工の両方を自社グループ内で維持し運営し続ける必要があるからです。

具体的な数値として2025年3月期実績の売上原価率は86.2パーセントとなっており事業の特性を反映しています。

一方で同期間の販管費率は9.4パーセントに抑えられており効率的な経営が行われています。

将来の成長に向けた投資も怠らず2025年3月期実績において設備投資額は約4200百万円を計上し研究開発費も約650百万円を投じて技術力の維持向上に努めています。

自己強化ループ(フィードバックループ)

東亜道路工業株式会社の成長は開発と施工と受注の好循環によって自動的に加速する自己強化ループを持っています。

まず自社で高機能かつ環境配慮型のアスファルト材料を開発しそれを自社工場で製造して高品質な現場施工を提供します。

この一貫体制によって官公庁の工事成績評定点が向上します。

次にこの高い評定点を武器に大型公共工事や高速道路の大規模更新案件を優先的に受注できるようになります。

受注が増加すると全国の自社工場の稼働率が上昇し製造原価の低減と利益率の改善が実現します。

そして蓄積された利益を再びつくば技術研究所での研究開発や工場設備の脱炭素化投資へ還元し最初の材料開発へと戻る循環が生まれます。

この循環が実際に回っている証拠としてアスファルト乳剤の国内シェアは約25パーセントの首位級を維持しています。

また営業利益率も2023年3月期の2.8パーセントから2024年3月期には4.0パーセントとなり2025年3月期には4.4パーセントと段階的に上昇しています。

さらに全国約90拠点のプラント体制を維持し高稼働率を記録し続けていることからもこのループの強固さが伺えます。

採用情報

東亜道路工業株式会社は社会インフラを支える熱意を持ち多様な関係者と協調して現場を引っ張るコミュニケーション能力と行動力を備えた人材を求めています。

2025年4月実績の新卒初任給は大学院修了の総合職が258000円で大学卒の総合職が242000円そして高専や短大卒の総合職が222000円となっています。

2025年度の休日制度は完全週休2日制の土日と祝日で年間休日総数は122日です。

これに加えて創立記念日休暇や年末年始休暇などの特別休暇も用意されています。

直近の新卒採用人数は2023年度が42名で2024年度が48名そして2025年度が53名と増加傾向にあります。

応募総数から算出した採用倍率はおよそ12倍となっています。

2025年3月時点における平均勤続年数は17.3年で2025年3月期の平均年間給与は8340000円と長期的な就業と安定した待遇が整っています。

選考はエントリーから始まり会社説明会と適性検査を経て二度の面接で内定に至るフローです。

株式情報

東亜道路工業株式会社の証券コードは1882で東京証券取引所のプライム市場に上場しています。

株式の売買単位である単元株数は100株で決算期は毎年3月となっています。

株主還元については連結配当性向35パーセント以上を目安としています。

将来の事業展開に備える内部保留を確保しつつ継続的かつ安定的な利益還元を行う方針を掲げています。

2026年2月時点において株主優待制度は実施されていません。

株価水準については2026年2月時点でおよそ2900円から3100円台で推移しています。

このため単元株数から算出した最低投資金額の目安は約29万円から31万円となります。

なお株式の数値や状況は市場環境等により変動するため投資判断の際は最新情報をご自身でご確認いただきますようお願いいたします。

未来展望と注目ポイント

東亜道路工業株式会社は2024年4月から2027年3月までを対象期間とする中期経営計画においてさらなる成長を目指しています。

この計画では2027年3月期の最終年度に売上高1250億円および営業利益60億円そしてROE8.0パーセント以上という数値目標を掲げています。

今後の成長ドライバーとしてNEXCO各社が推進する高速道路の大規模更新や修繕事業への積極的な参入を計画しています。

また脱炭素社会に向けて製造温度を低減する中温化技術や再生アスファルト混合物の普及を推進し環境配慮型企業としての立場を強化します。

設備投資については3か年累計で約120億円から140億円を投じアスファルト合材プラントの二酸化炭素削減改修などを進めます。

さらに年間約7億円から9億円の研究開発費を継続投資し施工現場の自動化やICT施工の全社標準化を図ることで持続可能なインフラ整備を牽引することが見込まれます。

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