ビジネスモデルを軸に急成長を遂げるdelyの魅力と今後の可能性

サービス業

企業概要と最近の業績

dely株式会社

【全体の業績】

dely株式会社は、ライフスタイル領域におけるプラットフォーム事業を展開する、Zホールディングス(現LINEヤフー)グループの企業です。

同社は、月間利用者数およびアプリダウンロード数で国内屈指の規模を誇るレシピ動画プラットフォーム「クラシル」の開発・運営を主軸としています。

さらに、ライフスタイルやトレンド情報を発信するウェブメディア「TRILL」の運営や、多様なクリエイターが活躍するライフスタイルECなど、デジタルメディアとコマースを掛け合わせた独自のビジネスモデルを展開し、ユーザーの日常に寄り添うインフラとして市場で確固たる地位を築いています。

最新の通期決算における同社の業績は、売上高が67億1,300万円(前期比15.2%増)、営業利益が5億4,100万円(前期比28.4%増)、経常利益が5億2,800万円(前期比26.1%増)、当期純利益が3億1,200万円(前期比34.7%増)となりました。

主力のメディア事業における収益基盤の強化と効率的なオペレーションが機能した結果、売上高、各段階利益ともに前期を大きく上回る力強い増収増益を達成しています。

この好調な業績結果をもたらした要因として、同社が運営する「クラシル」において、食品メーカーや日用品メーカーを対象としたタイアップ動画広告や運用型広告の需要が旺盛に推移し、広告単価および出稿量がともに拡大したことが挙げられます。

また、アプリ内の有料プレミアムサービスにおける会員数が順調に純増したことに加え、リテール(小売業)向けに提供するデジタル販促支援ソリューションの導入店舗数が拡大したことも売上高の押し上げに大きく寄与しました。

さらに、基盤となるシステム開発の内製化の進展や、効率的なデータ活用によるマーケティングコストの最適化を徹底したことで、販売費及び一般管理費の伸びを最小限に抑え、増収効果を利益へダイレクトに直結させる高い収益構造を実現しました。

【参考文献】https://dely.jp/

価値提案

同社が提供する価値提案は、日常生活を豊かにする多彩なコンテンツを中心としており、料理やファッション、美容、さらにはライブ配信といった幅広いニーズをカバーしている点が強みです。

レシピ動画の「クラシル」は、簡単かつ見やすい料理手順を動画とテキストで分かりやすく提供することで、家庭料理や時短レシピに興味を持つ幅広いユーザーを獲得しています。

なぜそうなったのかというと、スマートフォンの普及でユーザーが映像コンテンツに慣れ親しむようになり、短時間で情報を得られる動画レシピの需要が高まった背景があります。

また、女性向けメディア「TRILL」では美容やファッションなどの多面的な情報を発信し、読者が日常生活に取り入れやすいトレンドを届けていることが大きな魅力となっています。

さらにライブ配信事業「LIVEwith」では、視聴者とのインタラクションを重視し、リアルタイムでのコミュニケーションが可能な場を提供することで、ユーザーの新たな体験価値を引き出しているのです。

主要活動

株式会社delyは、まず高品質のコンテンツ制作を核としています。

レシピ動画や美容・ファッション関連の記事、そしてライブ配信の運営など、多角的なコンテンツを自社メディアで展開しており、それらを通じてユーザーの興味を引き続けることが重要な活動となっています。

また、プラットフォームの運営にも力を入れ、ユーザーがストレスなくサービスを利用できるようにUI/UXの向上を図っています。

【理由】
スマートデバイスで手軽に利用できるサービス環境を整えることが、継続的なアクセス数の増加と広告収入の拡大につながるためです。

加えて、ライバーマネジメント事務所の運営では、タレントやライバーの育成と支援を行い、ライブ配信市場でのプレゼンス拡大を図ることが主要活動の一つとなっています。

リソース

同社にとって強固なユーザー基盤と豊富なコンテンツは最大のリソースと言えます。

クラシルのレシピ動画は数多くの料理ジャンルをカバーし、幅広い層のニーズに対応できるラインナップを揃えています。

この豊富なコンテンツがSNSや口コミによって拡散され、新規ユーザーの獲得に寄与する好循環を生んでいます。

【理由】
初期段階からクオリティの高い動画制作やレシピの厳選を行い、ユーザー満足度を高めたことが支持につながったためです。

また、「TRILL」における女性向けライフスタイルコンテンツや、「LIVEwith」におけるライバーの多様性も、同社のメディアとしての存在感を高める重要なリソースになっています。

提携先や広告主との連携によって得られる情報やノウハウも、他社との差別化を可能にするリソースの一部となっています。

パートナー

株式会社delyのパートナーとしては、食品・飲料メーカーや小売企業、広告主などが挙げられます。

クラシルにレシピを提供する企業や、「TRILL」に広告を出稿するブランドとの協力によって、よりリアルな消費シーンを提案することが可能となっています。

【理由】
ユーザーが普段の生活で利用する商品情報やトレンドを組み合わせることで、コンテンツを通じて購買意欲を刺激する相乗効果が見込めるからです。

また、ライブ配信においても企業やタレント事務所との連携が不可欠であり、パートナー関係の拡充が新規ユーザー獲得やファンコミュニティ形成に大きく寄与しています。

こうした相互利益のあるパートナーシップは、今後もビジネスモデル拡大において重要な役割を果たすでしょう。

チャンネル

同社が主に展開するチャンネルは、自社アプリやウェブサイト、SNSなどのデジタルプラットフォームです。

クラシルの動画やTRILLの記事はSNSで拡散されることも多く、幅広いユーザー層へ瞬時にリーチできる点がメリットになっています。

【理由】
スマートフォンの普及に伴い、ユーザーがいつでもどこでも必要な情報を手軽に得られる状況が当たり前になったためです。

さらに、LINEなどのコミュニケーションツールと連携することで、ユーザーの日常導線に溶け込む形で情報を届けられる体制を整えています。

ライブ配信においても、アプリとSNSを活用することでタイムリーに視聴者を集められるチャンネル設計が可能になり、ユーザーにとって利便性が高い点が特徴です。

顧客との関係

株式会社delyはユーザーとの関係を深めるために、コミュニティ形成やユーザーエンゲージメントの強化に注力しています。

たとえばクラシルでは、コメント機能やお気に入りレシピの保存機能など、ユーザー同士が交流しやすい環境を提供しています。

【理由】
単に動画や記事を見せるだけではなく、ユーザーが主体的に参加できる仕組みを作ることで、サービスへのロイヤルティが高まるからです。

ライバーを通じた配信であれば、視聴者とのリアルタイムなコミュニケーションによって独自のコミュニティが形成され、ファン同士のつながりが強化される点も大きな魅力です。

このように能動的な参加を促す仕組みが顧客ロイヤルティを支え、長期的な利用継続につながっています。

顧客セグメント

同社の顧客セグメントは、料理愛好家や女性ユーザー、そしてライブ配信視聴者へ多角的に広がっています。

クラシルは料理の経験が浅い人から上級者まで幅広い層をターゲットにしており、TRILLはファッション・美容・ライフスタイル全般に興味を持つ女性ユーザーが中心です。

【理由】
スマホ世代を中心に動画視聴や情報収集のハードルが下がっており、日常的に活用できる情報を好むユーザーが増えた背景があります。

一方、LIVEwithではゲーム実況や雑談、コスメ紹介など多彩なジャンルで配信を行うライバーを擁しており、エンターテインメント全般に興味を持つ視聴者層を取り込もうとしています。

これら複数のセグメントをカバーすることで、広告主にも多岐にわたる訴求が可能になり、収益源の多様化を実現しています。

収益の流れ

同社の収益は広告収入、アフィリエイト収入、そしてライブ配信を通じた関連収入が中心となっています。

レシピやライフスタイルの情報を求めるユーザーが多いことから、食品・美容・アパレルなど多様な業種の広告主を引きつけられる環境が整っており、広告掲載や企業タイアップ企画が大きな収益源となっています。

【理由】
ユーザーが実際の消費行動につなげやすい領域(料理・美容・ファッションなど)で信頼度の高いコンテンツを提供しているため、広告の効果が出やすいことが要因です。

さらに、アフィリエイトの仕組みを導入することで、商品購入やサービス利用につながる成果報酬も得られるようになっています。

ライブ配信においては、ギフト機能やイベントなどの課金要素を設けることでユーザーから直接収益を得る仕組みも拡充され、近年の収益拡大を支える柱となっています。

コスト構造

同社のコスト構造は、動画を中心としたコンテンツ制作費、プラットフォーム運営にかかるシステム開発・保守費、人材を確保するための人件費などが主軸となっています。

特に高品質のレシピ動画や多彩なライフスタイル記事を継続的に生み出すためには、専門的なスキルを持つスタッフやライターが必要であり、その育成と確保には一定のコストがかかるのです。

【理由】
ユーザーが求める価値を安定して提供するためには、プロフェッショナルな人材によるコンテンツ制作が欠かせないからです。

また、ライブ配信の運営においては、配信者のサポートや配信システムの拡張などにコストがかかります。

しかし、その投資がユーザー満足度や広告収益増加につながるため、一定のコストをかけてでも質の高い環境を整備することが長期的には大きなリターンをもたらすと考えます。

自己強化ループ(フィードバックループ)

株式会社delyの成長を支えている自己強化ループとして、まず多彩なコンテンツの提供によるユーザー数増加が挙げられます。

レシピ動画やライフスタイル情報を見に来たユーザーが、そのまま他ジャンルの記事やライブ配信へ流入することで、さらに広告主にとって魅力的なプラットフォームとなり広告収益が拡大します。

そしてその収益が再投資され、より質の高いコンテンツ制作やサービス機能の拡張が可能になることで、ユーザー体験の向上に直結します。

この好循環がさらに新規ユーザーを呼び込み、既存ユーザーのエンゲージメントを高める結果を生み出しています。

こうした仕組みは、短期的な収益だけでなく、長期的なブランド力やユーザーロイヤルティの醸成にも大きく寄与し、競合他社との差別化につながっています。

採用情報

同社では、初任給や採用倍率については現時点で公表されていません。

ただし、フレックスタイム制を導入しており、コアタイムは10:00~16:00、フレキシブルタイムは5:00~10:00と16:00~22:00となっています。

ワークライフバランスを重視する傾向が強まる中、柔軟な労働環境を整えている点は、求職者にとって魅力的なポイントといえるでしょう。

企業としては人材育成や組織強化に注力しているため、特にコンテンツ制作やマーケティング、IT・開発分野のスキルを持つ人材を積極的に求めている傾向がうかがえます。

株式情報

株式会社delyの銘柄コードは299Aで、配当金については情報が公開されていません。

また、2025年1月30日時点での1株当たり株価は1,218円となっており、上場企業として投資家からの注目度が高まっています。

今後の収益拡大や新たなサービスの展開が予想される中、株主へのリターンがどのように変化していくかも見逃せないポイントです。

未来展望と注目ポイント

同社はレシピ動画を核としたメディア事業からスタートしましたが、女性向けメディア「TRILL」やライブ配信「LIVEwith」など、多角的な展開を進めることでビジネスモデルを強化してきました。

今後はリアルとデジタルを結びつける新たな取り組みや、大手企業との連携によるデータ活用などを通じて、さらなる成長を目指すことが予想されます。

具体的には、蓄積されたユーザーデータを活用したレコメンド機能や、レシピ検索以外の領域へのサービス拡張が期待されるでしょう。

ライブ配信市場は既に競争が激化していますが、クリエイターやライバーを支えるマネジメント面を強化し、多角的に才能を発掘・育成できる体制を作り上げることで、競合他社との差別化が図れると考えられます。

広告主やパートナー企業に対しては、従来の広告枠販売だけでなく、企業のニーズに合わせたタイアップ企画やブランドコラボを提案することで、新しい収益源を開拓し続けるポテンシャルがあります。

これからもdelyが、ユーザーの生活をより豊かにする総合プラットフォームとして進化し続けるかどうかが大きな注目点となるでしょう。

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