株式会社博展の成長戦略とビジネスモデルが魅力的な理由

企業概要と最近の業績
株式会社博展は、企業や団体のコミュニケーションをデザインし、人々が「体験」を通じて魅力を感じる場を数多く生み出している会社です。イベントや展示会などの企画・運営、オンラインプロモーションにいたるまで多彩なサービスを展開し、BtoBからBtoCまで幅広いニーズに応えています。2023年12月期末時点で総資産は76.67億円にのぼり、これは前期末から27.25億円も増えています。この数字からも分かるように、積極的な事業展開と安定した財務基盤によって、同社の影響力はより大きくなっていると考えられます。近年はオンラインとオフラインを組み合わせたマーケティング戦略を得意とし、多様な顧客層に対して最適な企画を提案し続けている点も特徴的です。こうした成長は、イベントや展示会のみならず企業ショールームや常設案件など、長期にわたるコミュニケーションデザイン領域での実績が積み上がっていることも要因です。今後も新たな領域へのチャレンジや強みを活かした成長戦略が期待されており、多くの投資家や就職活動生が注目しています。

ビジネスモデルの9つの要素

• 価値提案
  同社の価値提案は、クライアント企業が伝えたいメッセージを、ユーザーが現場で実感できる「体験価値」として形にすることです。なぜそうなったのかというと、単に情報を届けるだけでは印象に残りづらい中で、五感を通じた体験こそが消費者や取引先企業の心を動かし、ブランド認知や売り上げ増加につながると考えられているからです。実際にイベントや展示会での実演、オンライン上のインタラクティブな演出などを組み合わせることで、企業メッセージが強く浸透し、ファン化や商談成立を促進する力を持っています。

• 主要活動
  主要活動は、マーケティング戦略の立案やイベント・展示会の企画運営、オンラインを含むプロモーション設計などです。なぜそうなったのかというと、企業によって求められる施策は多様化しており、オフラインとオンラインを融合させた総合的なマーケティング支援が欠かせない時代になったためです。そこで一連のプロセスを自社で担うことで、クライアント企業の手間を減らし、かつ一貫性のある企画と運営を実現しやすくしています。この一元化こそが、同社の強みに直結しているのです。

• リソース
  クリエイティブディレクター、デザイナー、プランナーなど専門性の高い人材を豊富に抱えていることが大きなリソースです。なぜそうなったのかというと、イベントや展示会では空間演出、映像、デザインなどが複雑に絡み合うため、多彩な専門家が協力して一体感のある企画を作り上げる必要があるからです。加えて、オンライン施策が増える中で、デジタル領域の専門知識を兼ね備えた人材育成にも積極的に取り組んでおり、社内における研修制度の充実や採用活動の強化も欠かせないポイントとなっています。

• パートナー
  クライアント企業はもちろん、協力会社や各種ベンダーとの連携がきわめて重要です。なぜそうなったのかというと、大規模イベントや常設案件の場合、空間設計や物流、テクノロジー企業など多方面とのコラボレーションが不可欠だからです。外部としっかり連携しながらも、自社の企画力を中心に据えることで、品質や納期の管理を安定的に行えるようになっています。この広範なネットワークが同社の競争力につながっています。

• チャンネル
  チャンネルは直接営業だけでなく、オンラインプラットフォームやパートナー企業を経由した紹介にも依存しています。なぜそうなったのかというと、イベントやマーケティングの発注先を検討する企業が、ネット上で実績を確認したりパートナー企業の推奨を参考にするケースが増えたからです。従来の飛び込み型の営業だけではなく、公式サイトやSNSの活用、既存顧客からの紹介といった多様なチャンネルを確立することで、より多くのビジネスチャンスを獲得しています。

• 顧客との関係
  プロジェクト単位の契約だけでなく、長期的なパートナーシップを築くケースが増えています。なぜそうなったのかというと、展示会やイベントは一度きりではなく、定期的な開催や継続的なブランド強化が求められるからです。そこで、毎回の企画に携わりながらクライアント企業の課題を深く理解し、必要に応じてカスタマイズした施策を提案できる体制を整えています。この関係性が積み重なることで、顧客のリピート率が高まるのも大きな特徴です。

• 顧客セグメント
  BtoB企業だけでなくBtoC向けにサービスを展開している企業や、地域特化型企業も含まれます。なぜそうなったのかというと、マーケティング支援は業種や地域を問わず必要とされる普遍的な分野だからです。特に、地域活性化を狙う企業や自治体などでは、イベントや展示会の活用が効果的であるため、同社が培ったノウハウは多方面から評価されており、対応領域はさらに広がっています。

• 収益の流れ
  収益の大部分はプロジェクト契約やコンサルティングフィーです。なぜそうなったのかというと、顧客ごとに必要とされるサービス内容が異なるため、案件ごとの見積もりやコンサルティング料金がメインになるからです。また、長期契約や定期的に開催されるイベントによる安定収益もあり、一度顧客を獲得すると継続的な売り上げにつながりやすい点も同社のビジネスモデルに合致しています。

• コスト構造
  人件費やプロジェクト運営費、マーケティング費用などがコスト構造の中心にあります。なぜそうなったのかというと、大規模なプロジェクトを運営するには人材の確保と育成が不可欠ですし、演出や設備にかかる制作コスト、告知費用なども発生するからです。加えて、新しい提案や最新技術の導入を行うための調査費用や研修費用も重要であり、これらのコストを管理しながら高品質を維持している点が同社の強みとなっています。

自己強化ループ
同社の自己強化ループは、人材育成と多角的な事業展開の掛け合わせによって回っています。具体的には、新卒採用や研修制度を通じてクリエイティブ人材を育成し、新しいアイデアを絶えず生み出す体質を強化しています。その結果、イベントや展示会のみならず、オンラインやデジタル領域でも優れた企画が生まれ、さらなる実績へとつながる好循環が生まれます。実績が高く評価されると、より多くの企業がプロジェクトを依頼するようになり、さらに豊富な経験を積むことが可能になります。こうして、事業と人材が相互に高め合うことで、企業価値を着実に伸ばしていくのが同社の最大の特徴です。

採用情報
同社の初任給は月額26万円程度が予定されており、業界水準を踏まえても魅力的な水準といえます。年間休日は120日以上を確保しており、プライベートと仕事の両立がしやすい点も評価されています。採用倍率は年によって変動がありますが、専門性の高さや人気の業種であることから、毎年比較的高い倍率を維持しているようです。新卒採用では一挙に数十名を募集しており、入社後はプロジェクトを通じて実践的に成長できる環境が整えられています。

株式情報
銘柄は株式会社博展（証券コード2173）です。配当金は明確に公表されていないものの、株主優待としてJCBプレモカードや体験コンテンツへの招待などが用意されており、投資家からの関心を集めています。1株当たりの株価は日々変動していますが、2024年3月時点で時価総額は約103.3億円となっており、長期投資の観点でもチェックしておきたい企業の一つです。

未来展望と注目ポイント
同社は、イベントや展示会の企画運営にとどまらず、オンラインとの融合による新たなコミュニケーション手法を開発し続けています。これにより、リモートワークの普及やデジタルシフトが進む今の時代でも、企業メッセージを効果的に伝える方法が求められる場面はますます増えるでしょう。BtoB向けの展示会や、地域に根ざした観光・産業イベントの需要も引き続き高まっているため、同社の成長余地は十分にあります。今後はAIやXRなどの先端技術を活用し、体験価値をさらに高める試みが重要になると考えられます。既存顧客との関係を深めつつ、新分野への進出を続けることで総合的なマーケティングパートナーとしての地位を確立し、さらなる事業拡大を見込める点が大きな注目ポイントです。今後も、ビジネスモデルや成長戦略に関する最新情報に目を向けながら、同社の動きを追っていくことをおすすめします。