企業概要と最近の業績
株式会社エンゼルグループ
当社は「総合リゾートサービス業」として、リゾート地の活性化と新たな価値創造を目指している企業です。
主な事業として、ホテルやコテージなどの宿泊事業、リゾートマンションや別荘地の管理事業、リゾート不動産の売買や仲介を行う不動産事業などを展開しています。
特に、新潟県の越後湯沢や、福島県の那須白河、静岡県の伊豆など、首都圏からアクセスの良いリゾートエリアに事業を集中させています。
子育て世代を応援するファミリーリゾートや、大切な愛犬と一緒に過ごせる施設など、お客様の多様なニーズに応えるサービスを提供しているのが特徴です。
2023年9月には東京証券取引所 TOKYO PRO Marketへ上場しました。
最新の2024年8月期第2四半期決算では、同期の連結業績について報告されています。
売上高は44億8600万円となり、前年の同じ時期の43億1000万円から増加しました。
営業利益は9600万円（前年同期は3億3300万円）、経常利益は1億円（前年同期は3億4700万円）でした。
親会社株主に帰属する四半期純利益は4500万円（前年同期は11億5000万円）となっています。
【参考文献】https://www.angel.co.jp/
価値提案
リゾート事業を通じて日常とは異なるゆったりとした時間や癒しを提供しているのが大きな価値提案だといえます。
株式会社エンゼルグループは、ホテルや貸別荘などの宿泊施設を多彩に用意し、旅行者やオーナーが非日常の空間を満喫できる仕組みを整えているのです。
さらに、不動産売買や管理事業を組み合わせることで、リゾート地での住まい探しにも貢献しており、単なる短期滞在ではなく長期利用や資産形成まで幅広くサポートしています。
こうした幅広いサービスをワンストップで提供することで、顧客にとっての手間を減らし、より多くの人が快適にリゾートライフを楽しめるような環境を実現しています。
高品質なサービスと顧客に寄り添う姿勢が、他社との差別化に大きくつながっていると考えられます。
リゾートマンションの再生や価値向上にも取り組むことで、物件オーナーと利用者の両者がメリットを享受できる仕組みを整えています。
このように、癒しや楽しみといった無形の価値だけではなく、資産の保全や資産価値の向上といった有形のメリットも提供できる点が、同社の価値提案の重要な部分だといえます。
主要活動
宿泊施設の運営や別荘地の管理、不動産の仲介・売買など、多角的に活動している点が目立ちます。
ホテル事業では集客に向けたオンラインでの広報や接客品質の向上に力を入れており、民泊や貸別荘では独自のノウハウを活かして付加価値を高めています。
リゾートマンションや別荘地の管理業務では、オーナーに代わって定期的な清掃や修繕、セキュリティなどを実施し、物件が常に良好な状態を保てるようにサポートしています。
さらに不動産売買においては、同グループが蓄積してきた地域情報や観光業界との連携を活かし、顧客に対して適切な物件情報を提供しています。
これらの活動を組み合わせることで、単なる宿泊施設の運営会社ではなく、リゾート地での暮らしや投資を総合的に支援できる企業としての地位を築いています。
複数の事業を持つことで季節や景気による影響を分散しながらも、各部門を連動させることで相乗効果を生み出しているところが、この企業の大きな強みだといえます。
リソース
多様な宿泊施設の運営権や管理物件、専門的な知識と経験を持つスタッフなどが重要なリソースとなっています。
ホテルや民泊、別荘管理では、現地でのオペレーション能力やホスピタリティ精神が求められます。
不動産の売買仲介では、正確な市場情報と顧客のニーズに合わせた提案力が欠かせません。
さらにリゾート地の開発や再生に取り組む場合、行政や地元事業者との調整力や、施設を適切に運用するための技術が必要です。
株式会社エンゼルグループは、こうした多方面の人材とノウハウを長年蓄積してきたことで、物件オーナーや宿泊客の満足度を高めるリソースを形成しています。
別荘やリゾートマンションを購入後も安心して利用できるよう、アフターサービスや管理体制を整えているのも、大きな信頼につながる要素です。
これらのリソースを組み合わせることで、宿泊・管理・売買といった多彩なビジネスを安定して展開できる体制を保っています。
パートナー
グループ会社としてホテル運営に特化したエンゼルホテルズや、リゾート物件売買に強いエンゼル不動産などを有しており、これらと密接に連携することで高いシナジーを発揮しています。
また、地元の観光業者や飲食店、レジャー施設との協力関係も重要です。
観光客にとって魅力的な宿泊体験を提供するには、地域全体の活性化が欠かせないため、地域のイベントや行政の施策に合わせて集客キャンペーンを行うなど、相互に利益を高められる取り組みを実施しています。
さらに物件売買の際は、地元金融機関や保険会社との連携がスムーズであるほど、購入検討者にとってもメリットが大きくなります。
このように多方面のパートナーと協力し合うことで、単純な管理業務や宿泊サービスだけでなく、地域創生や観光振興にも貢献する企業として認知を広げています。
グループ内外の連携によって、お互いの強みを活かし合いながら事業を拡大していることが大きなポイントだといえます。
チャネル
自社ウェブサイト、旅行代理店、オンライン予約サイトなどの多様なチャネルを活用して宿泊客を獲得しています。
自社サイトでは、独自のキャンペーンや会員向け特典を用意してリピーターの獲得を促進しており、旅行代理店やOTA（オンライン・トラベル・エージェント）経由では広範囲な顧客層を取り込むことを狙っています。
不動産部門においては、現地店舗やポータルサイトへの掲載、SNSやメルマガなどを組み合わせ、売買や賃貸のニーズを効率的に取り込む戦略をとっています。
これによって宿泊客からリゾート物件に興味を持った人や、賃貸でリゾートライフを試したい人を取りこぼさずにカバーできるのです。
紙媒体の広告や地域の観光案内所、イベント出展などリアルな手段を活用することで、オンラインになじみの薄い層にもアプローチが可能となっています。
このような多面的なチャネル展開は、リゾートビジネスにおいて顧客のライフスタイルに合わせた情報提供を実現するために欠かせない取り組みだといえます。
顧客との関係
高品質なサービスと顧客目線のサポートが基本姿勢となっており、リピート利用や長期契約が重要なビジネスにとって、顧客との良好な関係構築は欠かせません。
宿泊部門では利用者の声を積極的に取り入れ、部屋の清掃レベルやアメニティなどを常に見直すことで満足度を高めています。
別荘地やリゾートマンションの管理部門では、オーナーとのコミュニケーションが特に重要です。
定期的な報告やトラブル時の迅速な対応を行い、信頼関係を深めることが長期的な契約維持につながっています。
不動産売買では、購入前の相談から購入後のアフターサポートまで一貫してサポートし、顧客の不安を解消しているのが特徴です。
こうした細やかな対応が評判となり、新たな紹介や口コミによる顧客獲得に結びついていると考えられます。
顧客に寄り添ったサービス姿勢が長期的なブランドイメージを高め、グループ全体の信頼性を強固なものにしているのです。
顧客セグメント
リゾート地を訪れる観光客はもちろん、リゾートマンションや別荘を所有したい個人投資家、長期休暇を過ごしたいファミリー層など、幅広い顧客層を対象としています。
また最近ではテレワークやワーケーションを目的にリゾート滞在を考えるビジネスパーソンからの需要も増えています。
さらに別荘やリゾートマンションを投資目的で所有し、賃貸運用を検討する人も顧客セグメントの一つです。
このように多様なニーズを持つ顧客を取り込むため、宿泊施設の形態や販売する物件の価格帯を柔軟に用意しています。
若年層にはリーズナブルな民泊やシェアハウス型のリゾート利用を提案し、富裕層にはラグジュアリーな別荘やホテルスイートを提供するなど、ターゲットに合わせた選択肢を設けることで市場を拡大しています。
結果として、景気やトレンドの変化に左右されにくい安定的な顧客基盤を築けていると考えられます。
収益の流れ
宿泊料金や管理費、不動産の売買・賃貸収入など、複数の収益チャネルを持っている点が大きな特徴です。
宿泊部門はシーズンごとの繁閑があるものの、民泊や貸別荘などで需要が高い時期に十分な収益を確保することができます。
別荘地やリゾートマンションの管理部門は、オーナーからの管理費を長期的に受け取りやすいストック型収益となっており、景気に左右されにくい安定要因です。
加えて、不動産の売買・仲介においては、契約成立時に大きな手数料や売却益が得られるため、短期間での収益を高めることも可能です。
複数の収益源があることで、それぞれの景気変動を相殺し合い、全体としての収益を安定化させることにつながります。
こうした仕組みによってリゾートという季節変動の大きいビジネスでありながらも、安定した経営を実現しているのが特徴です。
コスト構造
宿泊施設や別荘地、マンションの維持管理に関する人件費や設備費用が主なコストとなります。
特にリゾート地では自然環境や天候の影響を受けやすいため、定期的なメンテナンスや補修が必要になり、それらがコストを押し上げる要因となります。
また集客や認知度向上のための広告・マーケティング費用もかかりますが、オンライン予約サイトや自社サイトなどを活用することで比較的コストを抑えながら集客できるよう工夫しています。
さらに、不動産売買においては仕入れやリノベーション費用などが発生する場合があり、大きな投資となることもあります。
ただし管理部門を強化することで、長期的なストック型ビジネスから得る安定収入がこうしたコストを補う形になっています。
複数の事業を組み合わせてコストを最適化することが、株式会社エンゼルグループの収益性を支えるカギとなっています。
自己強化ループ
株式会社エンゼルグループでは、宿泊サービスを利用した顧客がリゾート物件の購入や賃貸に興味を持ち、その後管理サービスを利用するという循環が生まれやすい構造を持っています。
たとえば、ホテルや民泊をきっかけに現地の魅力を知った旅行者が「ここに別荘を持ってみたい」と感じることがあります。
その際、不動産部門が物件紹介や売買手続きのサポートを提供し、購入後は管理部門が物件の維持を手掛けることで、オーナーは手間をかけずにリゾートライフを楽しむことができます。
こうしたポジティブな体験が口コミやSNSで拡散されると、さらに新たな顧客を呼び込み、宿泊事業や不動産事業へとつながっていくのです。
このように、一つのサービスが次のサービスの利用を促し合う自己強化型のフィードバックループが形成され、全体の売上と収益が高まりやすい仕組みになっています。
この循環を強固にするために、グループ内の各部門が情報とリソースを共有し、顧客にとって「頼りになる総合リゾート企業」と感じてもらうことが重要なポイントです。
採用情報
初任給は高卒が月給203970円以上、大卒や専門卒は月給215510円から227030円までとなっており、サービス業としては比較的高水準といえます。
年間休日は120日程度で、オンオフのメリハリを大切にする社風がうかがえます。
採用倍率については公表されていませんが、リゾート事業や不動産管理など幅広い業務領域があるため、自分の得意分野に合わせたキャリア形成を考えやすい環境だといえます。
株式情報
銘柄は株式会社エンゼルグループで、証券コードは5534です。
配当金や1株当たりの株価などの最新情報は現時点で公表されていないため、投資を検討される方は日々の株式市場やIR資料の開示などをチェックすることをおすすめします。
業績の安定性や多角化によるリスク分散などは投資家からも注目されやすい要素ですので、これからの動向が期待されます。
未来展望と注目ポイント
今後は国内観光の回復やインバウンド需要の拡大に伴い、リゾート関連ビジネスがさらに活性化すると見込まれます。
株式会社エンゼルグループは、すでに多角的な事業体制を築き上げているため、宿泊業と不動産業の組み合わせによる新たな成長戦略が実現しやすい立場にあるといえます。
また、ワーケーション需要の高まりやテレワーク環境の整備が進むことで、リゾート地への長期滞在を希望する個人や企業が増える可能性があり、それに応じた物件の供給やサービス開発が期待されます。
さらに少子高齢化や都市一極集中が進む日本において、地方のリゾート地再生や地域創生に貢献する企業として、行政や地域社会からの支持を得やすいのも強みです。
今後は環境に配慮した持続可能な観光や、AIやIoTを活用した管理効率化などのトレンドに対応できるかどうかが注目されるポイントでしょう。
リゾートを中心にした統合型ビジネスモデルを強化しながら、さらに魅力ある新サービスを打ち出すことで、多様化する顧客ニーズに対応し続けることが同社の大きな成長エンジンになると考えられます。
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