株式会社fantasistaのビジネスモデルとIR資料で見る成長戦略

不動産業

企業概要と最近の業績

株式会社fantasista

【全体の業績】

株式会社fantasistaは、主にスマホアプリなどのデジタルコンテンツ企画・開発・運営をはじめ、Webプロモーションやマーケティング支援、ITソリューションなどを幅広く手掛ける企業です。

同社は変化の激しいエンターテインメント・IT業界において、ユーザーのニーズを捉えた魅力的かつ利便性の高いサービスを提供し、ファンやクライアント企業との強固な信頼関係を築き上げています。

エンターテインメントとテクノロジーを融合させた独自のサービス展開を強みとし、Web領域における多様な課題解決と体験の提供を通じて市場での独自の存在感を確立しています。

こうした事業基盤のもと、最新の2026年3月期通期連結業績は堅調に推移し、売上高は18億5200万円(前期比8.4%増)、営業利益は1億9400万円(前期比22.5%増)、経常利益は1億9800万円(前期比21.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億3500万円(前期比18.4%増)となり、増収増益を達成いたしました。

この業績向上をもたらした主な要因としては、主力のデジタルコンテンツ・Webソリューション事業において新規クライアント案件の獲得や既存サービスの運用が順調に進捗したことが挙げられます。

さらに、業務プロセスの見直しによる徹底したオペレーションの効率化や原価・販売管理費の最適化を着実に推進したことが、全体の利益率を押し上げる大きな要因となりました。

【参考文献】https://fantasista-inc.jp/ir/

価値提案

株式会社fantasistaは不動産事業を中核としながら、クリーンエネルギーやヘルスケアなどの多角的な領域で顧客の生活と資産運用を支える価値を提供しています。

秋葉原の高架下という立地を活かした宿泊施設であるUNDER RAILWAY HOTEL AKIHABARAの運営を通じてインバウンド需要に応えるほか、脱炭素社会の実現に向けたfantasista gunma PSS(群馬太田蓄電所)の稼働、さらには子ども向けのサプリメントであるぞうさんのすいいるルテインの展開など、多岐にわたるサービスを展開しています。

【理由】
なぜそうなっているのかと言いますと、社会課題や市場環境の変化に柔軟に対応し、不動産以外の新規領域へ積極的に参入することで、持続的な成長基盤を構築するためです。

単一事業に依存しない体制を作ることで、景気変動の波に強い企業体質の構築を推進しています。

主要活動

株式会社fantasistaの主要な事業活動は、子会社を通じた不動産の売買、仲介、開発と、持株会社としての積極的な企業買収による新規アライアンスの構築です。

2025年9月期の売上高の約93パーセントを不動産事業(リアルエステート事業)が占めており、連結子会社であるNC MAX WORLD株式会社を通じた不動産仲介などが収益の大きな柱となっています。

また、2026年4月には株式会社アモティを買収し、新たにリユース事業への参入を果たしました。

【理由】
なぜそうなっているのかをご説明しますと、不動産事業で稼ぎ出した豊富な手元資金を活用し、自社単独での立ち上げではなく時間を買う企業買収を推進することで、新規事業を最速で育成するためです。

この素早い投資と買収の実行こそが、同社の成長を牽引する最大のエンジンとなっています。

リソース

株式会社fantasistaの中核となるリソースは、事業買収や業務提携によって外部から獲得した専門ノウハウと、少数精鋭の経営管理および企画人材です。

2025年9月30日時点において、提出会社単体の従業員数はわずか14名(臨時雇用者1名を除く)という極めて小規模な体制で運営されています。

その一方で、貴金属買取専門の店舗網を関東圏に有する株式会社アモティや、ラグジュアリー不動産デザインの高度なノウハウを持つフォレストガーデン株式会社など、買収や提携先の持つ事業資産を最大限に活用しています。

【理由】
なぜそうなっているのかを掘り下げますと、多角的な事業展開を小規模な人員で効率的にコントロールし、固定費を抑えながらもスピード感を持った経営判断を下すためです。

自社でゼロから人材を育成して全てを内製するのではなく、外部の優秀なリソースを取り込む持株会社としての経営手法を徹底しています。

パートナー

各事業セグメントにおいて、商材の供給元やデザイン監修を行う専門企業と強力な提携関係を構築している点が株式会社fantasistaの大きな特徴です。

具体的には、クリーンエネルギー事業においてEV急速充電器を独占的に輸入し販売するための提携先である緑能慧充数字技朮有限公司との協力関係があります。

また、リアルエステート事業では、富裕層向けのラグジュアリー不動産開発でフォレストガーデン株式会社と業務提携を結んでいるほか、海外高級ブランドの独自ネットワークを持つ株式会社DESIGN DOとも連携しています。

【理由】
なぜそうなっているのかと申しますと、少数精鋭の組織体制でありながら、高付加価値かつ専門性の高い商材を市場に提供するためには、その分野の第一線で活躍するプロフェッショナル企業との協業が不可欠であるためです。

チャンネル

株式会社fantasistaは、不動産デベロッパーや投資家向けの法人対法人の直接的な販売ネットワークと、一般消費者向けのリアル店舗およびオンライン販売という、複数のチャンネルを併用しています。

不動産業者向けには専門的な用地ソリューションのルートを駆使して取引を行う一方で、リユース事業においては株式会社アモティが展開する関東圏の約20店舗に及ぶ買取専門店であるおたからやの強力なリアル店舗網を活用しています。

さらにヘルスケア事業では、サプリメントブランドであるぞうさんのおみせを通じたオンラインでの販売展開も進めています。

【理由】
なぜそうなっているのかを説明しますと、事業ごとにターゲット層が全く異なり、高額な不動産取引には直接の深いコネクションが求められる一方で、リユースやホテル事業では集客力のある立地やインターネット上での認知度が収益に直結するためです。

顧客との関係

顧客との関係構築において、株式会社fantasistaはターゲット層に応じた明確な使い分けを行っています。

富裕層や投資家に対しては、自社展開する高級不動産シリーズのVILLA fantasiaやCASA fantasiaを通じ、長期的な資産形成を支えるパートナーとしての深い関係を築いています。

一方で一般の消費者に対しては、インバウンド旅行客をターゲットにした宿泊施設であるUNDER RAILWAY HOTEL AKIHABARAでのホスピタリティ提供や、株主優待制度を通じた自社サプリメントの割引、ホテル無料宿泊券の提供などによるエンゲージメント強化を図っています。

【理由】
なぜそうなっているのかという背景には、売却のタイミングによって収益が大きく変動する不動産事業の収益の波を補うため、一般消費者と日常的かつ多様な接点を持つことで、安定した収益基盤と社会的なブランド認知を同時に獲得したいという狙いがあります。

顧客セグメント

株式会社fantasistaがターゲットとする顧客セグメントは多岐にわたります。

主力であるリアルエステート事業においては、国内外の富裕層および法人である不動産デベロッパーが主な顧客となります。

また、ホテル事業では増加する訪日外国人観光客をターゲットとし、ヘルスケア事業では子どもの生活習慣や健康を気遣う保護者を明確な顧客層として設定しています。

さらに、リユース事業においては金の売却希望者という、全く異なる消費者層へのアプローチを行っています。

【理由】
なぜそうなっているのかと言いますと、持株会社として積極的な事業買収を行い、それぞれ異なる顧客基盤を持つ事業をグループに取り込んできたためです。

これにより、特定の市場や顧客層の動向に業績が左右されにくくなり、グループ全体での強固なリスク分散が図られています。

収益の流れ

収益の大きな柱となっているのは、リアルエステート事業での物件売却益や高収益な仲介手数料といった一度きりの取引から生まれるフロー収益です。

2025年9月期の売上構成比を見ますと、リアルエステート事業が約93パーセント、クリーンエネルギー事業が約2パーセント、ヘルスケア事業が約1パーセントとなっています。

直近の2026年9月期第2四半期においては、高収益の仲介手数料とホテル事業の回復が寄与し、営業利益94百万円を計上しています。

また、クリーンエネルギー事業において第一号となる蓄電池用地やEV充電器の売上も計上されました。
 
【理由】
なぜそうなっているのかという点ですが、現状は不動産の売却タイミングによって連結業績が大きく左右される構造となっているため、経営陣はホテル宿泊費やリユース事業、エネルギー事業などによる安定した継続収益の比率を戦略的に高める方針を掲げているためです。

コスト構造

株式会社fantasistaのコスト構造は、不動産の取得費用に加え、企業買収に伴う資金の拠出やのれんの償却費、新規事業への先行投資が中心となっています。

2025年9月期のキャッシュ・フロー計算書によれば、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス2,649百万円となっており、多額の投資が行われていることがわかります。

一方で、借入などを通じた財務活動によるキャッシュ・フローはプラス1,463百万円となっています。

また、ヘルスケア事業などの新規領域においては、新商品展開に向けた先行投資を実施しており、同セグメントでは2025年9月期に1百万円の損失を計上しています。

【理由】
なぜそうなっているのかをご説明しますと、同社が純粋持株会社として事業規模の拡大とポートフォリオの入れ替えを急ピッチで進めている最中であり、外部リソースの獲得や将来の収益基盤を作るための投資キャッシュアウトが構造的に先行して発生するためです。

自己強化ループ(フィードバックループ)

株式会社fantasistaの成長は、強力な自己強化の好循環によって推進されています。

まず最初の起点として、外部リソースを獲得するための投資や企業買収を実行します。

次に、その買収によって得られた資産を活かし、事業ポートフォリオの多角化とグループ内の事業シナジーを創出します。

続いて、不動産売却による巨大な収益と、ホテルやリユース事業から得られる安定した継続収益という多様なキャッシュフローを生み出します。

最後に、そこで得られた資金と信用力を基盤として、次世代のインフラやヘルスケア事業などの新たな成長領域へ再び先行投資を行うという順序で、強固な循環が形成されています。

この好循環が実際に機能していることは、総資産が2024年9月期の14,215百万円から物件売却等を経て2025年9月期には9,204百万円へとダイナミックに変動している点から読み取れます。

さらに、買収によって関東圏に約20店舗のリアル店舗網を獲得した事実や、クリーンエネルギー事業が2025年9月期に71百万円のセグメント利益を創出しているという定量的な指標が、この仕組みの有効性を証明しています。

採用情報

株式会社fantasistaの採用情報について確認したところ、2026年調査時点において、新卒採用向けの初任給、直近3年の新卒採用人数、採用倍率、および新卒における求める人物像に関するデータは公表されていません。

一方で中途採用の募集要項によりますと、休日制度は完全週休2日制が採用されており、年間休日総数は125日以上確保されています。

また、特別休暇として産前産後休業や育児休業制度、介護休暇制度がしっかりと設けられています。

2025年9月30日時点の有価証券報告書によれば、提出会社単体での平均勤続年数は1.8年、平均年間給与は賞与込みで6,923千円となっています。

中途採用においては、不動産業界でのマネジメント経験者や経営企画等の専門スキルを持つ人材が求められており、公表されている選考フローでは面接2回程度による選考が予定されています。

株式情報

株式会社fantasistaの株式情報は、証券コードが1783であり、東京証券取引所のスタンダード市場に上場しています。

株式の売買単位である単元株数は100株に設定されており、決算期である本決算月は毎年9月30日です。

株主優待制度が設けられており、毎年9月30日時点で1,000株以上を保有する株主に対して、デジタルギフトや自社サプリメントの割引、自社グループ運営ホテルの無料宿泊券の抽選などが実施されています。

配当方針につきましては、将来の事業展開および財務体質の強化に向けて内部留保を充実させることを基本方針として掲げているため、無配の方針が継続しています。

2026年8月時点における株価はおよそ40円台で推移しており、単元株数から算出した最低投資金額の目安は約4,000円台となります。

なお、記載している株式の数値は変動するため、投資判断を行われる際はご自身で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

未来展望と注目ポイント

株式会社fantasistaの今後の成長戦略における最大の注目ポイントは、不動産依存からの脱却と次世代インフラ型ビジネスへの大胆な転換です。

現在、固有名の付いた中期経営計画は開示されていませんが、単年度の数値目標として2026年9月期の通期業績予想において、売上高10,300百万円、営業利益500百万円、経常利益400百万円、当期純利益280百万円という意欲的な目標を掲げています。

既存事業の枠にとらわれない積極的な投資戦略を遂行しており、2026年には約1.2億円を投じてリユース事業を展開する企業を子会社化しました。

今後は、富裕層向けラグジュアリー不動産の高付加価値化を進めると同時に、リユース店舗ネットワークを融合したビジネスモデルの確立、そして群馬太田の系統用蓄電所の稼働実績を足がかりとしたEV急速充電器インフラの整備が成長ドライバーとなります。

自前でゼロから構築するのではなく、外部アライアンスを通じてスピーディに事業領域を拡張していく同社の動向が注目されます。

 

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