企業概要と最近の業績
株式会社植木組
【全体の業績】
株式会社植木組は、新潟県を拠点に東日本を中心とした地域で土木工事や建築工事をバランスよく手がける総合建設会社(中堅ゼネコン)です。
地域に根ざした道路や河川などのインフラ整備をはじめ、各種公共施設や民間建築物の建設、災害からの復旧・復興工事に強みを持ち、長年培った技術力と施工実績で地域の社会基盤を支える重要な役割を果たしています。
同社の最新の通期決算では、売上高が632億9,000万円(前年同期比24.8%増)、営業利益が37億2,100万円(前年同期比30.4%増)、経常利益が38億1,400万円(前年同期比29.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が24億700万円(前年同期比24.4%増)となり、大幅な増収増益を達成しました。
これは、主力の建設事業において手持工事の消化がスムーズに進んだことに加え、大型工事の順調な進捗が売上高を力強く押し上げたことによるものです。
さらに、建築資材価格の高騰や人件費の上昇といった厳しい環境下においても、現場での徹底した施工管理や生産性向上への取り組み、適正価格での受注活動に努めた結果、利益率が大きく改善し、大幅な利益成長につながりました。
【参考文献】https://www.uekigumi.co.jp/ir
価値提案
株式会社植木組は、安全で高品質な社会インフラである道路や橋梁、そして快適な民間施設である工場や倉庫を適正工期で提供しています。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、1885年の創業以来140年を超える歴史の中で、「選ばれ頼られ愛される」建設会社を目指し、地域に密着したモノづくりをひたむきに追求してきたからです。
なぜそうなったのかといえば、1885年の創業以来140年を超える歴史の中で、「選ばれ頼られ愛される」建設会社を目指し、地域に密着したモノづくりをひたむきに追求してきたからです。
単なる構造物の提供にとどまらず、地域の安全と発展に直結する価値を生み出し続けています。
その実績は確かなものであり、例えば新潟県長岡市にある長生橋の架設工事や、中越沖地震復興のシンボルとなった柏崎文化会館アルフォーレの建設工事などに表れています。
また、護岸耐震補強工事などの高度な施工実績も豊富に有しており、公共と民間を問わず顧客から高い評価を獲得しています。
インフラ整備を通じた地域への貢献と、徹底した品質管理に基づく適正工期の実現が、株式会社植木組の強固な価値提案となっています。
主要活動
株式会社植木組の中核となる活動は、土木工事および建築工事の施工管理、設計、積算業務、そして建設DXの推進です。
特にDX推進においては、「楽CIM(たのしむ)」という独自の合言葉を掲げ、2016年から完全内製で3Dモデル化などの本格的なBIM/CIM活用を進めています。
【理由】
なぜそうなっているのかといえば、時間外労働の規制強化や労働力減少という厳しい環境下において、完全週休2日制(4週8休)の実現と現場業務の生産性向上が必須課題となっているからです。
なぜそうなっているのかといえば、時間外労働の規制強化や労働力減少という厳しい環境下において、完全週休2日制(4週8休)の実現と現場業務の生産性向上が必須課題となっているからです。
さらに、「Fit to Standard方針」のもとでERPシステム(統合基幹業務システム)の導入も強力に推進しています。
これらの徹底した業務効率化と技術革新により、2026年3月期には営業利益37億2100万円という素晴らしい数値を創出しました。
従来の施工管理の枠を超え、先端技術を取り入れながら業務プロセスを根底から見直す活動が、株式会社植木組の成長を支える主要な柱となっています。
リソース
株式会社植木組の事業基盤を支える最も重要なリソースは、長年にわたり定着している技術系社員を中心とした人的資本です。
2026年3月期末時点における単体従業員数は587名であり、平均勤続年数は18.6年という非常に高い数値を誇っています。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、大型インフラ案件を安全かつ高品質に完遂するためには、長期的視点で育成された熟練の施工管理技術者の存在が必要不可欠であるからです。
なぜそうなったのかといえば、大型インフラ案件を安全かつ高品質に完遂するためには、長期的視点で育成された熟練の施工管理技術者の存在が必要不可欠であるからです。
技術者の定着率の高さは、そのまま現場での安定した施工品質とノウハウの蓄積に直結しています。
また、先行投資を支える強固な財務体質も重要なリソースであり、2025年時点の求人情報によれば自己資本比率は56パーセント超に達しています。
さらに、長年蓄積されたICT(情報通信技術)施工ノウハウも、他社との差別化を図る強力な経営資源として機能しています。
技術を担う人材と、それを支える安定した財務基盤の組み合わせが、株式会社植木組の競争力の源泉です。
パートナー
総合建設業である株式会社植木組のビジネスにおいて、専門工事を担う多数の協力会社は欠かすことのできない重要なパートナーです。
下請け業者をはじめとする協力会社との強固なネットワークが、大規模な工事の円滑な進行を支えています。
【理由】
なぜそうなっているのかといえば、建設業は自社のみで完結するものではなく、多数の専門業者との連携が必須であり、さらに高度なDX推進や人材確保には外部の知見や産学連携が極めて重要であるからです。
なぜそうなっているのかといえば、建設業は自社のみで完結するものではなく、多数の専門業者との連携が必須であり、さらに高度なDX推進や人材確保には外部の知見や産学連携が極めて重要であるからです。
IT推進や監査の分野でも強力なパートナーシップを構築しており、例えば会計監査はEY新日本が担い、ERP導入の支援はグローウィン・パートナーズと連携して進めています。
また、地域の教育機関との連携も深めており、外国人高専生インターンシップの受け入れを通じた産学連携にも積極的に取り組んでいます。
現場の施工から経営管理システム、そして未来の人材育成に至るまで、多岐にわたるパートナーとの協働が株式会社植木組の成長を後押ししています。
チャンネル
株式会社植木組は、安定した収益基盤となる官公庁向けの入札参加ルートと、民間企業への直接的な技術営業ルートという2つの強力なチャンネルを持っています。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、公共のインフラ整備予算を確実に取り込みつつ、首都圏などの市場規模が大きい民間設備投資需要を積極的に獲得して事業成長を牽引するためです。
なぜそうなったのかといえば、公共のインフラ整備予算を確実に取り込みつつ、首都圏などの市場規模が大きい民間設備投資需要を積極的に獲得して事業成長を牽引するためです。
この多角的なチャンネル戦略の結果は数字にも明確に表れており、2026年3月期の売上構成において土木系の官庁工事を中心とした売上高が329億800万円に達しています。
一方で、製造業や物流業などの民間企業を中心とした建築系の売上高も241億4000万円を記録しました。
さらに、これらの販売ルートを支えるため、東京本店や東北支店といった広域拠点を戦略的に配置しています。
地域密着型の公共工事ルートと、広域展開による民間案件獲得ルートの両輪を回すことで、市場環境の変化に強い事業構造を構築しています。
顧客との関係
株式会社植木組は、「万事我事(ばんじわがこと)」という独自の精神に基づき、顧客や地域社会との間に長期的な信頼関係と共生関係を築き上げています。
【理由】
なぜそうなっているのかといえば、道路や建物の建設は単なる製品販売ではなく、工期中から完成後の近隣住民への配慮までを含め、地域の深い理解があって初めて成り立つ事業であるからです。
なぜそうなっているのかといえば、道路や建物の建設は単なる製品販売ではなく、工期中から完成後の近隣住民への配慮までを含め、地域の深い理解があって初めて成り立つ事業であるからです。
この姿勢は、経営トップが掲げる「選ばれ頼られ愛される」という方針にも色濃く反映されています。
地域社会との共生を具現化する活動として、全国的に有名な長岡花火をはじめとする地域イベントへの積極的な協賛を行っています。
さらに、地域清掃やボランティア活動といった地道な取り組みも継続的に実施しており、単なる発注者と受注者という関係を超えた絆を育んでいます。
施工品質の高さだけでなく、こうした地域に根ざした誠実な対応が、長年にわたって顧客から選ばれ続ける強い関係性の土台となっています。
顧客セグメント
株式会社植木組の主な顧客セグメントは、防災やインフラ整備を発注する国や地方自治体などの官公庁と、工場や倉庫を新設する民間企業の大きく2つに分かれます。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、国土強靭化という国策に応えるとともに、地盤である新潟県内の市場縮小リスクをヘッジするため、首都圏や東北エリアにおける民間企業の大型設備投資を取り込む必要があったからです。
なぜそうなったのかといえば、国土強靭化という国策に応えるとともに、地盤である新潟県内の市場縮小リスクをヘッジするため、首都圏や東北エリアにおける民間企業の大型設備投資を取り込む必要があったからです。
官公庁向けの代表的な案件としては、国家規模のプロジェクトである北海道新幹線関連工事などを手掛けています。
一方で民間顧客向けには、首都圏や東北エリアでの大型工場および巨大倉庫の建設需要を確実に取り込んでいます。
これらの民間顧客からの積極的な受注拡大により、2026年3月期における建築事業の売上は前期比で51パーセント増という飛躍的な伸びを記録しました。
地域や官民のバランスを最適化した顧客セグメント戦略が、株式会社植木組の安定成長を可能にしています。
収益の流れ
株式会社植木組の収益の流れは、工事の進行に伴って計上される建設工事の請負代金を中心とした、フロー型のビジネスモデルとなっています。
【理由】
なぜそうなっているのかといえば、売上高の9割以上を土木および建築の建設事業が占めるという、伝統的な総合建設業の事業構造を長年維持しているからです。
なぜそうなっているのかといえば、売上高の9割以上を土木および建築の建設事業が占めるという、伝統的な総合建設業の事業構造を長年維持しているからです。
2026年3月期の全体の売上高は632億9000万円であり、その内訳を見ると収益の柱が明確に分かります。
主力の土木系事業の売上が329億800万円、次いで建築系事業の売上が241億4000万円となっており、この2部門で建設事業の大部分を占めています。
また、不動産分譲や賃貸による不動産売上が24億2600万円あり、建設事業を補完する収益源として機能しています。
大規模な工事を確実に完成させることで得られる請負代金が、安定したキャッシュインフローを生み出す基盤となっています。
コスト構造
株式会社植木組のコスト構造は、工事に直接関わる売上原価と、事業活動を支える販売費及び一般管理費(販管費)で構成されています。
売上原価の主な内訳は、建設に必要な資材費や、協力会社に支払う外注費および労務費です。
【理由】
なぜそうなったのかといえば、建設業界全体で長年にわたり資材価格の高止まりと人手不足による労務コストの上昇が続いており、これらが利益を圧迫する最大の構造的要因となっているからです。
なぜそうなったのかといえば、建設業界全体で長年にわたり資材価格の高止まりと人手不足による労務コストの上昇が続いており、これらが利益を圧迫する最大の構造的要因となっているからです。
実際の数値を見ると、2026年3月期の売上原価は557億6406万円、システム投資や従業員給与などを含む販管費は38億483万円となっています。
コスト上昇の波は激しく、2027年3月期の会社公表の業績予想においては、建設コスト上昇の影響により営業利益が前期比で14.0パーセント減の32億円になるという見通しが示されています。
いかにしてICT技術などを活用し、これらのコスト増加を吸収して利益率を維持して向上させるかが、極めて重要な経営課題となっています。
自己強化ループ
株式会社植木組のビジネスモデルには、企業の成長を自動的に加速させる独自の自己強化ループが存在しています。
この好循環の起点は、経営基盤から得た資金を、ICTやBIM/CIMといった新技術の導入、「新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)」を目指す給与改定や完全週休2日制の推進など、人的資本への積極的な投資に向けることです。
資金を投下してDX推進と社員のモチベーション向上が結びつくことで、現場の圧倒的な生産性向上と施工品質の高度化が実現します。
その結果として、適正工期での施工実績が積み重なり、工事成績優秀企業としての評価や顧客からの厚い信頼を獲得することにつながります。
この高い信頼が、官公庁からの大型土木工事の安定的な受注や、首都圏での巨大な民間建築案件の獲得という結果をもたらします。
最終的に、これらの受注拡大が売上と利益を押し上げ、2026年3月期における営業利益37億2100万円(前期比30.4パーセント増)という業績につながり、生み出された利益が再び技術と人材への投資へと循環していくのです。
この強固なループが実際に回っていることは、平均勤続年数18.6年という極めて高い人材定着率の数値からも証明されています。
採用情報
株式会社植木組の2025年6月時点における新卒初任給は、学歴や職種によって細かく設定されています。
大学院修了者は23万6000円から24万2000円、大学卒は23万円から23万6000円、高専や専門学校ならびに短大卒は20万4000円から20万9000円となっています。
さらに技術職に対する現場手当や、関東エリア勤務者に対する地域手当などの加算制度も用意されています。
休日制度については土日祝日が休みの完全週休2日制を採用しており、年間休日総数は122日から124日です。
休暇制度も充実しており、8月14日から8月16日までの夏期休暇や、12月31日から1月3日までの年末年始休暇に加えて、慶弔や産前産後、育児介護などの各種特別休暇が整備されています。
2026年3月期末時点での従業員の平均勤続年数は18.6年と長く、平均年間給与も704万681円と高い水準を維持しており、働きやすい環境が数字に表れています。
なお、直近3年の新卒採用人数、採用倍率、求める人物像、および詳細な選考フローについては、公式採用ページや複数の就職情報サイトで公表されていません。
株式情報
株式会社植木組は、東証スタンダード市場に上場しており、証券コードは1867です。
株式の売買単位である単元株数は100株に設定されており、決算期は毎年3月となっています。
株主に対する利益還元策として株主優待制度を導入しており、毎年9月末時点の株主を対象に実施されています。
優待の内容は、100株以上を継続して1年未満保有する株主には500円分のQUOカードが、1年以上保有する株主には1000円分のQUOカードが贈呈され、保有株数に応じて金額が増額される仕組みです。
配当方針については、連結配当性向30パーセント以上の配当を継続的かつ長期的に実施するという明確な目標を第15次中期経営計画で掲げており、安定的な利益還元を重視する姿勢が伺えます。
2026年7月末時点における株価水準はおよそ2700円台で推移しており、単元株数から算出した最低投資金額の目安は約27万円台となります。
株価や配当額などの各種数値は市場環境により日々変動するため、投資を検討する際の最終的な判断は、最新の公式情報等をご自身で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
未来展望と注目ポイント
株式会社植木組の今後の成長戦略において注目すべきは、2025年度から2027年度を対象期間とする「第15次中期経営計画」で掲げられた力強い数値目標です。
この計画では、売上高500億円以上を安定的に確保し、ROE(自己資本利益率)7パーセント以上の継続、そして連結配当性向30パーセント以上の実現を目指しています。
注力領域としては、民間建築の受注を拡大することによる建築事業のシェア向上や、ごみ処理場およびCCS(二酸化炭素回収・貯留)などの環境関連事業への新たな挑戦が挙げられています。
また、設備投資や研究開発の方針も明確であり、「新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)」の実現に向けた人的資本投資や、ERP導入、生成AIの活用に向けた研究開発を積極的に進めています。
経営陣は「UEKI VISION 150」という長期ビジョンの中で、創業150年に向けて「成長を求め、挑戦を楽しむ企業へ」というメッセージを発信しています。
新潟県内の市場縮小や資材高騰という逆風の中にあっても、伝統と最新の建設DXを融合させ、次なる成長ステージへと進む株式会社植木組の取り組みから目が離せません。



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