企業概要と最近の業績
株式会社高松コンストラクショングループ(TAKAMATSU CONSTRUCTION GROUP CO., LTD.)
【全体の業績】
株式会社高松コンストラクショングループは、大阪と東京の2大本社体制を敷き、中核子会社の「高松建設(建築主軸)」や「青木あすなろ建設(土木・準大手ゼネコン)」など、連結20社からなる独自の専門建設企業集団(ホールディングス)です。東証プライム市場に上場しています。
同社は、賃貸マンションや商業ビル、工場の企画・設計・施工において高い収益性を誇る「建築事業」と、道路、トンネル、橋梁、海洋土木といった公共・民間のインフラ整備を担う「土木事業」の2つを大きな柱としています。土地所有者に対する不動産活用の提案から、高度な土木エンジニアリング、引き渡し後のメンテナンスにいたるまで、グループ各社の強みを融合させてワンストップでプロデュースする強力なビジネスモデルを確立しています。
同社の2026年3月期通期連結決算は、受注高が4,360億98万円(前期比11.4%増)と極めて活発に推移し、売上高が3,576億7500万円(前期比3.2%増)、本業の儲けを示す営業利益が178億9700万円(前期比56.2%増)、経常利益が175億1200万円(前期比64.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が114億2600万円(前期比77.1%増)となり、売上高の堅調な拡大に加え、すべての段階利益において劇的な爆発的増益を達成しました。この極めて好調な着地と現・中期経営計画(2025年度〜2027年度)における株主還元方針に基づき、年間配当は前期の82円から48円の超大幅増配となる「130円」へと引き上げられました。
この優れた業績をもたらした最大の要因として、手持ち工事の豊富な積み上げが順調に施工期を迎えたことと、採算性(粗利益率)の大幅な改善が挙げられます。期間中、都市再開発に伴う民間建築や、サプライチェーン国内回帰に連動した工場・物流施設等の引き渡しが順調に進捗しました。
特に、受注時における徹底したリスク精査(不採算案件の排除)と、資材価格高騰分に対する発注者との適切な価格適正化(スライド条項の適用や工事費改定交渉)の推進が実を結び、売上原価率を適切に抑え込むことに成功。これにより、全体のトップラインを大きく上回るペースで利益が伸長し、稼ぐ力が飛躍的に向上しました。
建設業界全体は、主要建築資材(鋼材、コンクリートなど)の上昇や、人手不足(いわゆる建設2024年問題以降の労務・外注コストの高止まり)といった構造的なマクロ課題に直面しています。
しかし同社は、グループ内の機材・人員の相互融通による効率的な現場配置、子会社である青木あすなろ建設における「アジアからの海外施工管理技術者の積極採用・育成(退職者ゼロの手厚い生活支援体制)」に代表される先駆的な人財対策によって人手不足の壁を乗り越えています。財務面においては、自己資本比率46.7%とゼネコンとして極めて健全な水準を維持しており、1株当たり純資産(BPS)も4,218円へと着実に積み上がっています。続く2027年3月期においても、売上高3,700億円、営業利益182億円とさらなる増収増益を見込んでおり、累進配当(配当予想は144円へさらに増配を計画)を掲げ、豊かな社会・インフラの構築に貢献する専門企業集団として強固な成長トレンドを維持しています。
【参考文献】https://www.takamatsu-cg.co.jp/ir
価値提案
高松コンストラクショングループの価値提案は、高品質な建築・土木工事と幅広い不動産サービスを一括して提供できることです。
建築工事では長年培った技術力と実績をもとに、安全性と耐久性に優れた構造物を提供し、土木分野でも道路や橋梁など社会インフラの建設を得意としています。
不動産事業では自社グループのノウハウを活かし、土地や建物の売買・賃貸をはじめ、資産価値の最大化を目指したコンサルティングも行うため、法人や個人それぞれのニーズに柔軟に対応できる点が強みです。
こうした総合力を背景に、最適な工法やプランの提案から施工管理、アフターサポートまでを一元的に提供することで、顧客は余計な手間やコストを抑えつつ安心して任せられる利便性を享受できます。
【理由】
なぜこうした価値提案が求められるようになったのかというと、建設や不動産といった資金やリスクの大きい分野ほど、一括で任せられる安心感や専門性が高く評価されやすいからです。
ワンストップ対応が企業や個人の負担を減らすため、総合力のある企業が選ばれやすくなっています。
主要活動
この企業の主要活動は建築や土木の工事を中心とした施工事業と、不動産の売買や賃貸といった取引事業の2軸です。
施工事業では顧客からの受注をもとに、設計や資材調達、実際の建設工事までをトータルで行います。
土木工事においては公共事業への入札を通じて道路や河川工事、インフラ整備に貢献しており、民間施設の開発にも積極的です。
一方の不動産事業では、売買や賃貸仲介、開発、管理など幅広いサービスを手掛け、個人顧客だけでなく法人顧客にも対応しています。
【理由】
なぜこうした主要活動を展開しているかというと、建設による安定した受注収入と、不動産領域での付加価値創出を組み合わせることで、景気の変動や単一市場リスクに左右されにくい経営基盤を築く狙いがあるからです。
また建築と不動産を一貫して行うことで、竣工後の物件活用や資産価値の維持向上を見据えた新たなサービスを提案しやすくなり、顧客満足度の向上にも寄与しています。
リソース
同社が持つリソースとしては、高い技術力や経験豊富な人材、充実した施工管理システム、さらには不動産開発に必要な資金力が挙げられます。
施工管理では安全管理や品質管理を徹底し、現場の進捗を精密にコントロールするためのノウハウが蓄積されています。
また不動産事業においても、土地の選定や市場調査、契約交渉などを円滑に進める専門家が多数在籍しているため、建設から販売までをスムーズに行うことが可能です。
【理由】
なぜこれらのリソースが重要かというと、建築や土木は安全性と品質が第一に求められるだけでなく、納期やコストを厳守する管理能力が欠かせません。
さらに不動産取引は法的手続きやマーケティングスキルも要求されるため、多角的な専門知識を持つ人材と資金力が競争優位をもたらしています。
このように多種多様なリソースがそろうことで、事業領域を広げながらも安定的なサービスを提供できる体制を築いているのです。
パートナー
高松コンストラクショングループのパートナーは、工事を共同で進める下請け業者や資材供給業者、不動産売買の仲介で連携する企業など多岐にわたります。
特に建設業界では、質の高い資材を適切な価格で供給してくれるパートナーや、熟練の職人を抱える下請け企業が不可欠であり、これらとの長期的な関係性が安定した工事品質を支えています。
不動産事業においても、地元の不動産会社や金融機関との連携は欠かせません。
【理由】
なぜこうしたパートナー体制が重要かというと、建設や不動産は一社だけで完結するには非常に幅広い工程や専門分野を含むためです。
優良なパートナーとの連携は、コストの最適化や工期短縮、トラブルの未然防止につながり、結果的に顧客満足度の向上をもたらします。
各パートナーとの信頼関係があるほど、品質や納期に関するリスクが減少し、持続的な成長を可能にします。
チャンネル
同社のチャンネルには、入札や直接営業、オンラインプラットフォームを通じた情報発信などが含まれます。
建築や土木においては公共事業の入札が大きな契機となるほか、大口顧客への提案営業や設計事務所との協業なども売上拡大につながっています。
不動産においては、自社のウェブサイトやポータルサイトで物件情報を公開するだけでなく、店舗での来店相談にも対応し、幅広い顧客層をカバーしています。
【理由】
なぜこうしたチャンネルが選ばれているかというと、建設業は公共部門の案件が一定の規模を占めるため、入札制度に取り組むことが不可欠だからです。
一方で民間企業や個人向けに関しては、直接のコミュニケーションが信頼獲得に大きく寄与します。
さらにオンラインの活用によって情報発信を強化することで、遠方の顧客や若年層にもアプローチしやすくなっています。
このように複数のチャンネルを使い分けることで受注機会を逃さず、多面的な市場開拓を可能にしています。
顧客との関係
同社は長期的に安定した信頼関係を築くことを重視しており、アフターサービスやメンテナンスをしっかり行う体制が整っています。
建設工事が完了した後の設備点検や修繕など、顧客の要望に応じて速やかに対応できるように、専任スタッフやコールセンターを置くなどの工夫をしています。
不動産事業でも、契約後のトラブル対応や管理業務を請け負い、顧客が安心して物件を利用できるサポートを行っています。
【理由】
なぜこのように顧客との関係を重視しているかというと、建築や不動産はいずれも高額の投資や長期的な利用が前提となるため、企業に対する信頼や満足度が次回の受注や紹介などに直結するからです。
一度築いた良好な関係が新たな案件の獲得につながり、その循環が企業成長を支えています。
顧客セグメント
法人顧客では、企業や公共機関など大規模な建設案件や不動産活用が中心です。
たとえば工場・倉庫の建築、商業施設やオフィスビルの開発、公共インフラ整備といった事業規模の大きな案件が多く、入札を含めた競争力が重要となります。
一方、個人顧客向けには住宅建築や不動産売買、賃貸管理などを提供しており、将来の資産形成や住まいの安定確保を支援します。
【理由】
なぜこうしたセグメントが形成されているかというと、建築・土木分野での官民案件の受注実績が企業の信用力や技術力を示す一方、個人向けの不動産需要も経済状況やライフスタイルの変化によって継続的に発生するためです。
幅広い顧客層を対象とすることでリスク分散にもなり、経営の安定が図られています。
収益の流れ
収益の流れとしては、建設工事における請負契約による収入と、不動産の売買や賃貸から得られる収入が中心となります。
建設工事では設計から施工、完成引き渡しまでの工程に応じて契約金額が設定され、進捗に応じた入金が行われます。
不動産事業では物件の売買仲介手数料や賃貸料、管理手数料などが継続的な収益源となります。
【理由】
なぜこのような収益構造をとっているかというと、建設事業は受注ごとに大きな売上を見込める一方、不動産事業はストック型の収入をもたらすため、両者を組み合わせることで安定と成長を両立させやすいからです。
景気や季節要因で波がある建設工事と、比較的安定収益を生みやすい不動産をバランスよく運用することで、企業全体の収益を安定化させる狙いがあります。
コスト構造
コスト構造においては、材料費や人件費、外注費が大きな割合を占めています。
特に建設業では鉄骨やコンクリート、木材などの資材コストが変動しやすく、人材不足による人件費高騰も懸念されやすい状況です。
また外注費に関しては、専門工事業者や設計事務所などとの協力が不可欠であるため、いかに効率的に委託するかが重要なポイントとなります。
【理由】
なぜこうしたコスト構造になっているかというと、建築や土木は多くの工程や専門分野が関わるプロセスであり、すべてを自社内で完結させるのは非効率だからです。
必要に応じて外部の専門企業と連携し、コスト増を抑えながら品質を維持するために、人件費や資材費の管理が欠かせません。
不動産事業においても広告宣伝費や維持管理費などが発生するため、これらをいかに最適化するかが企業の収益性を左右するポイントとなっています。
自己強化ループ
高松コンストラクショングループが持つ自己強化ループは、高品質な施工技術と顧客満足度の高さによるリピート受注の循環にあります。
優れた建築・土木工事を行うことで評判が広がり、新しい顧客との契約や既存顧客からの追加依頼が増えます。
そうした案件が増えることで、同社はさらに施工ノウハウや人材を強化し、技術力や管理能力を向上させられます。
技術が向上すればするほど、高度な案件にも対応できるようになり、より大規模かつ高収益のプロジェクトを受注できるようになります。
その結果、企業としての信頼性やブランド力も高まり、公共事業の入札や大手民間企業の案件での優位性が高まるという好循環が生まれます。
この繰り返しが自己強化ループとなり、事業拡大と売上増を後押ししているのです。
不動産事業でも同様に、高いコンサルティング力や信頼度による継続的な紹介・契約が加速し、長期的な成長を実現する仕組みができ上がっています。
採用情報
高松コンストラクショングループは初任給に関して詳細な金額は公開していませんが、業界水準に合わせた条件を提示しているとされています。
年間の休日は約120日あり、土日祝が休みとなるケースが多いようです。
採用倍率の具体的な数値は非公表ですが、技術系や総合職ともに人気があり、競争率は高めといわれています。
建築や不動産は専門性が求められる分野であり、資格取得支援や研修制度など、人材育成にも力を入れていることが予想されます。
株式情報
銘柄は高松コンストラクショングループで証券コードは1762です。
年間の配当金は82円で、中間配当41円、期末配当41円となっています。
2025年3月7日時点の株価は1株あたり2808円でした。
安定した業績と配当を出している点は投資家から注目されており、今後の成長戦略次第ではさらなる評価が期待されます。
未来展望と注目ポイント
高松コンストラクショングループの未来展望としては、建築事業の受注拡大と不動産事業のさらなる拡充がポイントになりそうです。
公共事業の入札ではインフラ需要が依然として高いため、高度な技術力を発揮する機会が続くことが見込まれます。
また不動産分野では、人々のライフスタイルや企業の働き方が変化する中で、リノベーションや都市開発など新しいニーズが拡大すると期待されます。
環境に配慮したサステナブルな建築や、資産価値の長期的な維持を重視する動きが強まっているため、こうしたトレンドを取り込む設計や施工技術が重要になります。
建築と不動産の2本柱が相互に補完し合うことで、リスク分散と収益確保を両立しやすい体制をさらに強化できるでしょう。
国内需要だけでなく、将来的には海外市場を視野に入れた展開や新技術の導入、デジタルトランスフォーメーションへの対応なども期待されるため、総合的な事業拡大の可能性は十分にあります。
成長戦略としては、IR資料などを通じて積極的に情報発信を行い、投資家や顧客との信頼関係を深めながら、持続可能な事業運営を続けていくことが大切になるでしょう。



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