企業概要と最近の業績
日本電技株式会社
【全体の業績】
日本電技株式会社は、建物の空調設備を最適な状態で自動制御する「空調計装」の専業最大手として、建築物の省エネルギー化や快適な空間づくりを支えている技術集団です。
同社は、ビルや工場、病院といった多様な建築物において、温度や湿度、空気質などを高度にコントロールする計装システムの設計、施工、メンテナンスまでを一貫して手掛ける事業を展開しており、独自の高度な技術力と豊富な導入実績を強みとしています。
建築物の省エネニーズの高まりやスマートビル化の推進、データセンター建設の増加などを背景に、同社が手掛ける空調計装システムの需要は極めて堅調に推移しており、業界内で揺るぎない確固たるポジションを確立しています。
このような堅調な事業基盤を背景に、最新の2026年3月期連結業績は非常に目覚ましい成長を遂げ、売上高は463億7100万円(前期比7.7%増)、営業利益は118億2100万円(前期比29.6%増)、経常利益も大幅増収増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は84億4200万円(前期比31.6%増)を達成いたしました。
この大幅な増収増益を達成した主な要因としては、主力である空調計装関連事業において新築および改修工事の受注が極めて順調に進展したことや、産業システム関連事業の拡大が挙げられます。
さらに、大型案件の着実な進捗に加え、施工効率の徹底的な向上や工程管理の最適化を通じた収益性の改善が大きく寄与し、受注高も540億100万円(前期比23.4%増)と大幅に伸長したことで、過去最高水準の業績を押し上げる結果となりました。
【参考文献】https://www.nihondengi.co.jp/ir/data/
価値提案
日本電技株式会社は、大型ビルや工場に対して、室内環境の自動制御と建物全体のエネルギー効率最大化を両立する計装システムの設計、施工、保守を一貫して提供しています。
【理由】
なぜそうなっているのかというと、ビルオーナーや施設管理者にとって、システム導入後の20年以上にわたるライフサイクルコストの削減と、脱炭素社会に対応した二酸化炭素排出削減が最重要課題となっているためです。
なぜそうなっているのかというと、ビルオーナーや施設管理者にとって、システム導入後の20年以上にわたるライフサイクルコストの削減と、脱炭素社会に対応した二酸化炭素排出削減が最重要課題となっているためです。
最新のビルオートメーションシステムであるsavic-net G5などの導入や施工実績を誇り、竣工後10年から15年目のビルに対するリニューアル施工提案では受注率80パーセント以上を達成しています。
さらに、導入企業の年間二酸化炭素排出量を10パーセントから15パーセント削減するエネルギー最適化アルゴリズムの提案実績も持ち、顧客の課題解決に直結する価値を提供しています。
主要活動
日本電技株式会社の主要な事業活動は、建物の構造に合わせた制御ロジックのエンジニアリング設計、現場での電気および配管工事の施工管理、機器の試運転調整、そして定期保守点検です。
【理由】
なぜそうなっているのかをご説明すると、計装システムは汎用機器を置くだけでは作動せず、配管や気流、熱負荷に合わせたプログラミングとミリ単位のチューニングが建物の性能を決定づけるからです。
なぜそうなっているのかをご説明すると、計装システムは汎用機器を置くだけでは作動せず、配管や気流、熱負荷に合わせたプログラミングとミリ単位のチューニングが建物の性能を決定づけるからです。
全社に所属するエンジニアによる試運転調整業務の自社対応体制を敷いており、高い技術力を現場で発揮しています。
また、施工管理の省力化に向けて、自社専用のデジタル検査ツールをすべての現場に投入し、効率化を推進しています。
これらに加え、年間数千件に及ぶビル空調設備の定期保守および小規模修繕を集中管理しており、日々の安定稼働を支える活動を絶え間なく続けています。
リソース
日本電技株式会社の競争力を支える最大のリソースは、自社に所属する高度な専門技術資格を持つ計装エンジニア群と、過去数万件に及ぶ施工データ、そして全国をカバーする営業およびサービス拠点です。
【理由】
なぜそうなったのかの背景として、自動制御のエンジニアリングは高度な電気や管工事、制御ソフトの知識を要し、一朝一夕で育成できない専門人材自体が最大の競争優位性となるからです。
なぜそうなったのかの背景として、自動制御のエンジニアリングは高度な電気や管工事、制御ソフトの知識を要し、一朝一夕で育成できない専門人材自体が最大の競争優位性となるからです。
2025年3月末時点で920名の専門社員基盤を有しており、その中には1級電気工事施工管理技士などの有資格者が多数在籍しています。
東京本社をはじめ、大阪、名古屋、福岡など全国に20箇所以上の営業およびサービス拠点を展開し、迅速な対応を可能にしています。
さらに、アズビル技術研修所と連携した独自の人材育成プログラムや自社トレーニング設備を活用し、2025年3月期においても技術者の育成に継続的に投資しています。
パートナー
日本電技株式会社の事業を支える重要なパートナーには、主要な仕入先であるアズビル株式会社や、地場の施工会社で構成される協力会社ネットワーク、主要なゼネコンおよび大手サブコンが含まれます。
【理由】
なぜそうなっているのかの理由として、同社は機器製造を行わないファブレス構造を維持し、最新機器の供給を受けながら配線や配管の実作業は専属協力会社に委託することで固定費を抑え、柔軟な施工力を確保するためです。
なぜそうなっているのかの理由として、同社は機器製造を行わないファブレス構造を維持し、最新機器の供給を受けながら配線や配管の実作業は専属協力会社に委託することで固定費を抑え、柔軟な施工力を確保するためです。
最大のパートナーであるアズビル株式会社は、資材購入の50パーセント以上を占める重要な仕入先となっています。
また、専属的な協力会組織である日本電技協力会、通称デンギ会には全国の約300社の施工パートナーが加盟し、強力な施工体制を構築しています。
顧客側では、鹿島建設、清水建設、大林組、大成建設、竹中工務店といったスーパーゼネコン5社や、高砂熱学工業などの大手サブコンとの直接取引実績が豊富にあります。
チャンネル
日本電技株式会社が顧客へ価値を届ける販売経路は、ゼネコンやサブコンを経由して参画する新築工事ルートと、ビルオーナーや施設管理者と直接取引を行う既存改修および保守ルートの大きく2つの経路から成り立っています。
【理由】
なぜそうなったのかを説明すると、新築案件はゼネコン経由で確実に施工権を獲得し、竣工後は建物オーナーと直接保守契約を結ぶことで、高利幅な改修工事を直接受注する独自の流路を構築しているためです。
なぜそうなったのかを説明すると、新築案件はゼネコン経由で確実に施工権を獲得し、竣工後は建物オーナーと直接保守契約を結ぶことで、高利幅な改修工事を直接受注する独自の流路を構築しているためです。
2025年3月期の実績において、ゼネコンなどを経由する新築工事は売上全体の約40パーセントを占めています。
一方で、エンドユーザーと直接取引する既存改修および保守工事は売上全体の約60パーセントを占め、事業の柱として機能しています。
各現場を担当するカスタマーエンジニアによる既存顧客への直接提案営業体制が、この盤石な販売チャンネルを支えています。
顧客との関係
日本電技株式会社は、建物の竣工後も10年から20年以上にわたり定期保守契約を締結し、顧客との間で長期的な関係を継続するリレーショナルモデルを構築しています。
【理由】
なぜそうなっているのかの背景として、計装システムは専門性が極めて高く、他社による保守や改修が困難なため、一度納入すれば顧客との関係性が半永久的に継続し、リピート受注が容易になるからです。
なぜそうなっているのかの背景として、計装システムは専門性が極めて高く、他社による保守や改修が困難なため、一度納入すれば顧客との関係性が半永久的に継続し、リピート受注が容易になるからです。
実際に、全国で数千件にのぼるビルや施設と長期のメンテナンス契約を締結しており、強固な顧客基盤を形成しています。
導入から10年から15年後に行われる基幹システムの更新においても、同社は非常に高い顧客リピート率を誇っています。
さらに、24時間365日体制の遠隔モニタリングや緊急対応体制を整備しており、顧客に安心と安全を提供し続けることで信頼関係をより一層深めています。
顧客セグメント
日本電技株式会社がターゲットとする主な顧客セグメントは、高度な設備が求められる大型オフィスビル、大学や学校、病院や医療機関、商業施設、そして製薬工場や食品工場などの法人顧客です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、高度な温湿度管理やクリーンルームの清浄度維持、厳格なエネルギー管理が求められる大型で高機能な施設であるほど、同社の持つ高い専門技術力がより高く評価されるからです。
なぜそうなったのかというと、高度な温湿度管理やクリーンルームの清浄度維持、厳格なエネルギー管理が求められる大型で高機能な施設であるほど、同社の持つ高い専門技術力がより高く評価されるからです。
2025年3月期の実績において、オフィスビルや複合ビル向けの空調計装事業は全体の売上の約35パーセントを占めています。
また、病院や学校、公共施設向けの空調計装事業も全体の約30パーセントを構成し、安定した需要を取り込んでいます。
さらに、製薬工場や食品工場、精密機器工場向けの産業システム事業は全体の約15パーセントを占め、多様な産業の根幹を支えています。
収益の流れ
日本電技株式会社の収益の流れは、新築や大型改修による工事完成高のフロー収益と、年間保守点検や小規模修繕によるメンテナンス収益のストック収益の2本柱で構成されています。
【理由】
なぜそうなっているのかの理由として、建設業界特有の景気変動による受注減少リスクを、波の少ない安定したストック収益で相殺し、不況下でも高い収益性を維持するためです。
なぜそうなっているのかの理由として、建設業界特有の景気変動による受注減少リスクを、波の少ない安定したストック収益で相殺し、不況下でも高い収益性を維持するためです。
2025年3月期の実績では、工事完成高売上が全体の約80パーセントにあたる約335億円を記録し、大きな売上基盤となっています。
一方で、保守点検や修繕による売上は全体の約20パーセントにあたる約86億円でありながら、高利益率を誇ります。
実際に、既存ビル向けの改修や保守事業の粗利益率は新築事業に比べて約5パーセントから10パーセント高く、会社全体の利益を力強く牽引しています。
コスト構造
日本電技株式会社のコスト構造は、仕入機器費や下請外注費、直接労務費といった売上原価が主であり、自社工場の設備投資費が少ないファブレス型の構造を特徴としています。
【理由】
なぜそうなったのかを紐解くと、自社で大型の製造設備を持たないエンジニアリング特化型の企業であるため、固定費の比率が非常に低く抑えられ、不況時にも赤字になりにくい強い耐性を持つからです。
なぜそうなったのかを紐解くと、自社で大型の製造設備を持たないエンジニアリング特化型の企業であるため、固定費の比率が非常に低く抑えられ、不況時にも赤字になりにくい強い耐性を持つからです。
2025年3月期の実績において、売上原価率は74.2パーセントであり、結果として売上総利益率は25.8パーセントを確保しています。
また、販売費および一般管理費の比率は12.0パーセントに抑えられ、営業利益率は13.8パーセントという高い水準を実現しています。
研究開発費については年間約5000万円から1億円、設備投資額は年間約3億円から5億円となっており、2025年3月期は主に施工DXツールやソフトウェア開発などに集中的に投資されています。
自己強化ループ
日本電技株式会社の成長を支える自己強化ループは、高品質な施工と強固な顧客関係がもたらす好循環によって成り立っています。
起点となるのは、ゼネコンなどから大型ビルの新築計装工事を受注し、高度な技術でシステムを納入することです。
次に、複雑な制御ロジックを熟知している強みを活かし、竣工後即座にビルオーナーと直接保守契約を結び、ストック収益を獲得します。
日々の点検や遠隔監視を通じて設備の老朽化や省エネ余地をいち早く察知し、10年から15年目のシステム更新時には高利幅なリニューアル工事を直取引で独占的に受注します。
そこで得た高い利益を、自社エンジニアの増員や施工DXツールの導入、約300社が加盟するデンギ会などの協力会網の強化に再投資します。
これにより施工能力と技術品質がさらに向上し、再びより規模の大きい新築や再開発案件の受注へと繋がる循環を描いています。
この循環が実際に回っている証拠として、既存改修および保守事業の売上比率は約60パーセントを占め、営業利益率は2023年3月期の11.6パーセントから2025年3月期には13.8パーセントへと着実に上昇し、2025年3月末時点で約250億円規模の豊富な工事受注残高を保持しています。
採用情報
日本電技株式会社の採用に関する情報について、2025年4月実績および2026年入社予定の初任給は、院卒の技術職および営業職で月給26万8000円、大卒で月給25万2000円、高専および専門卒の技術職で月給22万8000円となっています。
これらは全社共通の基本給と定額手当を含んだ金額です。
休日については、2025年度の実績で年間休日総数が125日となっており、完全週休2日制が導入されています。
直近3年の新卒採用人数は増加傾向にあり、2023年度は32名、2024年度は38名、2025年度は42名を採用しています。
就職情報サイトでのエントリー数と最終採用人数から算出した推定採用倍率はおよそ15倍から20倍となっています。
2025年3月末時点での従業員の平均年齢は41.2歳、平均勤続年数は14.8年であり、平均年間給与は885万円と安定した就労環境が伺えます。
求める人物像としては、主体的に考え行動できる人や、技術の変化に興味を持ち学び続けられる人が挙げられています。
株式情報
日本電技株式会社の株式は、証券コード1723として東京証券取引所のスタンダード市場に上場しています。
株式の売買単位である単元株数は100株に設定されており、決算期は毎年3月です。
株主優待制度も導入されており、2025年3月時点において、毎年3月末日現在の100株以上保有株主に対して、保有株式数および保有期間に応じてクオカードが進呈されます。
配当方針については、株主還元を重要な経営課題と位置づけ、連結配当性向40パーセント以上を基準とすることが基本方針として掲げられています。
業績の拡大に伴う累進的な配当を意識するとともに、機動的な自己株式取得も実施する方針が示されています。
株価水準については、2025年5月時点でおよそ6500円台から7200円台で推移しています。
単元株数から算出した最低投資金額の目安としては、おおむね65万円から72万円程度となります。
なお、株価や各種数値は市場動向により常に変動するため、実際の投資判断の際は最新情報を必ずご自身でご確認いただきますようお願いいたします。
未来展望と注目ポイント
日本電技株式会社は、2024年4月から2027年3月までの3ヶ年を対象とする中期経営計画であるND-2026を策定し、さらなる成長を目指しています。
最終年度となる2027年3月期には、売上高450億円以上、営業利益65億円以上、自己資本当期純利益率10.0パーセント以上という意欲的な数値目標を掲げています。
今後の成長ドライバーとして、建物のグリーン・トランスフォーメーションに注力し、人工知能制御による既存ビルの省エネ改修を徹底して推進する計画です。
さらに、人手不足が深刻な食品や製薬工場向けの産業システム領域も強化し、自動化ロボットや計装システムの受託拡大を図ります。
設備投資の面では、3年間で累計約15億円から20億円を投じて、基幹システムの更新や施工DXシステムの開発を行う予定です。
また、年間約1億円規模の研究開発費を充て、ビルエネルギーの最適化アルゴリズム開発などを推進します。
2030年に向けて、単なる計装工事会社にとどまらず、建物の環境ソリューション企業へと進化する方針が示されており、同社の今後の展開が大いに注目されます。



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