三東工業社の成長戦略とビジネスモデルが変える建設業界

建設業

企業概要と最近の業績

三東工業社株式会社

【全体の業績】

三東工業社株式会社は、滋賀県を主たる地盤として、民間・公共向けの建築工事および土木工事を手掛ける総合建設企業です。

同社は、医療・福祉施設、教育施設、店舗、工場などの建築分野から、道路、河川、下水道などの社会インフラ整備を担う土木分野まで幅広く展開し、地域に密着した高度な施工技術と豊富な実績を強みとしています。

建築事業と土木事業の双方で培った地域社会からの厚い信頼と堅実な施工体制を基盤に、需要の変化に柔軟に対応しながら建設市場において着実なポジションを確立しています。

こうした強固な事業基盤のもと、最新の2026年6月期通期連結業績は順調に推移し、売上高は82億5000万円(前期比6.8%増)、営業利益は3億8000万円(前期比18.8%増)、経常利益は4億1000万円(前期比17.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億7000万円(前期比15.0%増)となり、増収増益を達成いたしました。

この業績向上をもたらした主な要因としては、主力である建設事業において公共工事および民間工事の手持ち案件が円滑に進捗し、売上高が順調に拡大したことが挙げられます。

さらに、資材価格や労務費の高騰といった厳しい外部環境に対し、施工プロセスの効率化や徹底した現場での原価管理、適切な追加変更手続の実施を着実に推進したことが、全体の利益率を押し上げる結果となりました。

【参考文献】https://www.santo.co.jp/ir/

価値提案

株式会社三東工業社は、滋賀県や関西圏を基盤として公共インフラの維持改修から民間工場の建設までを手掛け、さらに高品質なアスファルト合材の自社製造と供給を一貫して行う建設サービスを提供しています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、創業以来滋賀県の地域インフラ整備に深く関与してきた歴史があり、琵琶湖の環境保全に関する厳格な地域基準を満たす施工能力と、自社プラントの柔軟な資材供給力を融合させて、品質と環境対応を両立する必要があったためです。

この価値提案を裏付けるように、同社は滋賀県建設業格付において土木や建築および舗装などの主要部門で最高位のAランクを継続して取得しています。

また、二酸化炭素削減型の舗装資材である再生アッシュの自社製造を行い、環境負荷の低減にも貢献しています。

さらに、2025年6月期における主要公共工事引き渡し後の欠陥ゼロ率は99.8パーセント超という極めて高い水準を記録しており、地域密着型の高耐候かつ高品質なインフラ整備が同社の強力な武器となっています。

主要活動

株式会社三東工業社における事業の軸は、土木や舗装などの公共工事の施工管理と民間工場の建設、そして自社プラントによるアスファルト合材の製造および建設廃材の再生リサイクル処理です。

【理由】
なぜそうなったのかというと、建設業界全体で施工管理技士の不足や資材価格の高騰が続く中、外部からの資材購入依存度を下げて自社工場での合材製造と内製化した工程管理を組み合わせることで、安定した収益と施工体制を確保する必要があったためです。

具体的な活動実績として、滋賀県栗東市にあるアスファルト合材製造プラントでは、大規模なインフラ整備の需要に応えるため24時間の出荷と供給体制を構築しています。

また、生産性向上の取り組みとして、3DレーザースキャナやICT建機を活用した次世代の施工基準であるアイ・コンストラクション対応工事を、2025年6月期において年間18件実施しています。

さらに、産業廃棄物の中間処理施設では、年間およそ12万トンにのぼる建設廃材の再資源化処理を行っており、資源循環の面でも重要な役割を果たしています。

リソース

株式会社三東工業社の経営を支える中核的な経営資源は、自社で所有するアスファルト製造プラントおよびリサイクル施設と、1級施工管理技士をはじめとする高度な有資格者集団です。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、公共工事の総合評価落札方式においては、技術者の保有資格数やICT施工の経験、そして国際的な品質認証の取得状況が、そのまま落札率の向上や加点に直結する入札システムとなっているためです。

このため、同社は人材開発と自社設備の更新に優先的に投資を行っています。

2025年6月30日時点において、社内には1級土木施工管理技士が78名、1級建築施工管理技士が35名在籍しており、高い技術力を保持しています。

設備面では、滋賀県栗東市に位置する敷地面積およそ1万5000平方メートル規模のアスファルト合材製造プラント拠点を有し、大量の資材供給を自前で賄っています。

加えて、品質マネジメント規格のISO9001および環境マネジメント規格のISO14001の全社認証を長年にわたり維持し続けており、官公庁からの厚い信頼を担保する重要なリソースとなっています。

パートナー

株式会社三東工業社の事業運営においては、滋賀県内の地場下請協力会社や大手ゼネコン各社、地元自治体、そして資材メーカーとの強固なパートナーシップが不可欠です。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、大型の公共工事や複合的な建築案件では共同企業体を結成して施工に当たることが多く、自社の社員だけでなく地場の協力会社ネットワークとの信頼関係が、施工の生産能力と安全品質を維持するために必須であるためです。

同社は、協力会社で組織される安全衛生協議会である三東会を主宰しており、ここにはおよそ120社の企業が加盟して安全管理と技術の共有を図っています。

また、大手ゼネコンとの共同企業体方式による協力体制を構築しており、滋賀県が発注する主要県道の道路改良工事など、大規模案件を共同で受託しています。

さらに、地域社会の安全を守るパートナーとして、滋賀県道路公社および国土交通省近畿地方整備局の滋賀国道事務所と防災協定を締結しており、緊急時のインフラ復旧においても中核的な役割を担っています。

チャンネル

株式会社三東工業社が受注を獲得するための経路は、公共工事向けの電子入札システムと、民間法人に対する直接営業や既存顧客からのリピート指名に大きく分かれています。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、公共工事においては透明性と公平性が求められるため電子入札システムが必須の経路となる一方、民間の建築や土木需要においては、地元企業の経営層や地方銀行のネットワークを通じた直接の交渉と情報入手が重要になるためです。

2025年6月期の実績では、滋賀県入札情報サービスなどの公共工事入札システムを経由した受注の構成比がおよそ55パーセントを占めており、安定した事業基盤となっています。

一方で、民間企業からのリピートや紹介を経由した受注構成比もおよそ45パーセントを占めており、官民のバランスが取れたチャネルを構築しています。

民間案件の開拓においては、滋賀銀行などの地域金融機関と連携したビジネスマッチングを積極的に活用しており、年間およそ25件の相談実績を上げるなど、地域密着型の営業チャネルが有効に機能しています。

顧客との関係

株式会社三東工業社は、発注者である官公庁や地方自治体との間で長期的な信頼に基づく高い施工評価を獲得し、民間施主に対しても手厚いアフターフォローを提供しています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、公共工事では前年度の工事成績評定点が次年度の総合評価落札方式での加点要素として直接的に影響し、民間工事でも建物が完成した後の長期的な維持管理に寄り添うことが、将来の追加工事や改修工事の受注に直結するためです。

同社の施工品質の高さは数値にも表れており、2025年6月期の滋賀県発注工事における平均工事成績評定点は82.5点と、県の平均を大きく超過する極めて高い水準を達成しています。

また、民間企業向けの施工物件に対しても、引き渡し後1年、2年、5年の節目に行う定期点検の実施率が100パーセントとなっており、顧客との継続的な関係構築を徹底しています。

これらの地道な取り組みが評価され、滋賀県優良工事表彰を過去10年連続で受賞するという輝かしい実績を誇っており、顧客との強固な信頼関係を裏付けています。

顧客セグメント

株式会社三東工業社の主な顧客層は、滋賀県や周辺市町村などの官公庁をはじめ、滋賀県内に拠点を置く製造業や物流企業、そして合材を購入する周辺の建設業者です。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、同社が地盤とする滋賀県は内陸型の工業県として湖南工業団地などの製造業の集積が進んでおり、官公庁による老朽化インフラの維持補修ニーズと、地場製造業による工場の増改築ニーズの両方が強固に存在しているためです。

2025年6月期における顧客属性別の売上高構成比を見ると、官公庁および自治体が52.3パーセント、民間企業が46.4パーセント、個人やその他が1.3パーセントとなっており、多様な顧客層を取り込んでいます。

また、自社プラントで製造したアスファルト合材は社内利用にとどまらず、地域の建設会社およそ80社に対して外販を行っており、同業者も重要な顧客セグメントとなっています。

民間部門においては、栗東や草津などの湖南地域を中心とした民間工場の改修や建設の受託実績が累計200件以上にのぼり、地元企業からの根強い支持を集めています。

収益の流れ

株式会社三東工業社の収益は、公共および民間工事の請負代金収入を中心としつつ、アスファルト合材の販売収入や不動産の賃貸収入が複合的に組み合わさっています。

【理由】
なぜそうなったのかというと、建設請負によるフロー収益は季節変動やマクロ経済の景気変動リスクを受けやすいため、合材の販売といった準ストック収益と、不動産賃貸などの安定したストック収益を組み合わせることで、事業ポートフォリオのリスクを分散する必要があったためです。

2025年6月期における事業別の売上構成比は、建設事業が88.5パーセント、アスファルト合材などの製造販売事業が10.2パーセント、不動産事業およびその他が1.3パーセントとなっています。

建設工事の完成払いに依存しない強みとして、アスファルト合材の外販による安定的な月次の現金流入が確保されており、資金繰りの安定に大きく寄与しています。

さらに、自社で所有する不動産の賃貸および太陽光発電事業からは、2025年6月期において年間1億6100万円の高粗利率な収益が生み出されており、収益基盤の底上げを果たしています。

コスト構造

株式会社三東工業社のコスト構造は、工事の施工に伴う外注費や材料費などの売上原価と、事業運営に必要な販売費および一般管理費、そして自社プラントや最新建機への設備投資から構成されています。
 
【理由】
なぜそうなっているのかというと、建設業の収益性は外注費と原油価格に連動する資材価格に大きく左右されるため、自社での合材製造による材料費の削減と、協力会社である三東会との連携による適正な単価維持を通じて、製造原価を厳格にコントロールする必要があるためです。

2025年6月期の実績によれば、売上原価率は88.2パーセントとなっており、資材高騰の環境下でも一定の利益水準を維持しています。

また、同期間の販管費率は6.2パーセントに抑えられており、効率的な人員配置と経費の削減が徹底されています。

将来の競争力維持に向けた資本的支出としては、プラント機器の更新やICT建機の導入などに2025年6月期において年間およそ2億8000万円の設備投資を実施しており、コスト削減と生産性向上を両立させる投資を継続しています。

自己強化ループ

株式会社三東工業社には、施工の品質向上が次の受注を呼び込み、その利益がさらなる技術力の強化につながるという強力な自己強化ループが存在しています。

この好循環は、まず公共工事における丁寧な施工とICT技術の活用によって、滋賀県などの発注者から高い工事成績評定点を獲得することから始まります。

その高い技術評価が次期入札時の加点となり、総合評価落札方式において競争優位性を発揮して受注確率が上昇します。

受注が増加することで自社のアスファルト合材プラントの稼働率が向上し、資材の内製化によるコスト低減と利益率の改善が実現します。

そして、そこで創出された豊富な資金を、1級施工管理技士の育成や最新設備へと再投資することで現場の施工力がさらに高まり、再び発注者からの高い評価へとつながっていくのです。

この循環が実際に機能していることは数値からも明らかであり、2025年6月期における滋賀県発注工事成績評定点の平均点は82.5点という高水準を記録しています。

その結果として同期間の公共工事入札落札率はおよそ28.5パーセントに達しており、アスファルト合材プラントの年間出荷量も約18万5000トンを誇っています。

さらに、これらの利益を投じた結果、1級国家資格の保有者数は2024年6月期の109名から2025年6月期には113名へと順調に増加しており、成長のサイクルが強固に回っています。

採用情報

株式会社三東工業社は、地域社会のインフラを支える責任感を持ち、主体的にチームでモノづくりを楽しめる人材を求めています。

2025年4月実績および2026年4月予定の新卒初任給は、大学院卒の技術職および総合職が月給25万円、大学卒の技術職や営業職が月給23万8000円、大学卒の事務職が月給22万円に設定されています。

専修や高専および短大卒は月給21万8000円、高校卒は月給19万8000円となっており、これに加えて現場手当や資格手当が支給されます。

休日制度については土曜日と日曜日が休みの完全週休2日制を採用しており、2025年度および2026年度の年間休日総数は122日となっています。

直近の採用実績としては2025年度に男性7名と女性2名の合計9名が入社しており、その際の応募者数およそ90名から算出される採用倍率はおよそ10.0倍です。

働きやすさの指標となる平均勤続年数は、2025年6月30日時点において17.2年と長く、定着率の高さが伺えます。

また、同時点での従業員の平均年間給与は685万円となっており、充実した就業環境が整備されています。

株式情報

株式会社三東工業社は、東京証券取引所のスタンダード市場に上場しており、証券コードは1788です。

株式の売買単位である単元株数は100株に設定されており、決算期は6月期で本決算月は6月となっています。

株主還元の方針については、健全な財務体質の維持と将来の事業展開に必要な内部留保を確保しつつ、株主に対して継続的かつ安定的な配当を行うことを基本としています。

具体的には連結配当性向の30パーセント程度を目安としており、配当金による直接的な利益還元を重視しているため株主優待制度は設けていません。

株価の水準については、2026年8月時点でおよそ1800円から2000円前後の価格帯で推移しています。

この株価と単元株数から算出される最低投資金額の目安は、およそ18万円から20万円程度となります。

なお、株価や企業の業績予想などの数値は市場の動向によって日々変動する性質があるため、実際の投資判断を行われる際には最新の情報を必ずご自身でご確認いただきますようお願いいたします。

未来展望と注目ポイント

株式会社三東工業社は、2025年6月期から2027年6月期までの3カ年を対象とした中期経営計画であるSANTO Challenge 2027を推進しており、地域のインフラを支える企業としてさらなる成長を目指しています。

この計画における最終年度の2027年6月期の数値目標として、売上高135億円、営業利益8.5億円、自己資本利益率8.0パーセント以上、自己資本比率65.0パーセント以上の維持を掲げています。

今後の成長を牽引する注力領域としては、防災や減災に対応する公共土木工事の受注拡大に加え、民間製造業向けの脱炭素対応の改修建築工事の受託が挙げられます。

また、環境配慮型のアスファルト合材の開発と製造販売の拡大も重要な戦略に位置づけられています。

これらの戦略を支えるため、3カ年累計でおよそ10億円の設備投資枠を設定しており、自社プラントの環境対応化やICT建設機械の更新に資金を投じる計画です。

さらに、後継者不足に直面する滋賀県や近隣府県の建設業者を対象としたM&Aも継続して検討しており、地域ナンバーワンの高品質ゼネコンを目指す同社の今後の躍進が大いに期待されます。

 

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