株式会社エムビーエスのビジネスモデルと成長戦略で挑むリフォーム界の未来

建設業

企業概要と最近の業績

株式会社エムビーエス

【全体の業績】

株式会社エムビーエスは、外壁のリフォームや建物のメンテナンス、構造物の補強工事などを主軸に展開する建築塗装・リフォーム専門企業であり、独自の「外壁リニューアル工法」をはじめとする高度な技術力と施工品質を最大の強みとしています。

既存の建物を壊さずに長寿命化させる環境配慮型の特殊工法を中心に、一般住宅から商業ビル、公共構造物まで幅広く対応する多角的なビジネスモデルを構築しており、ストック型社会への移行に伴うリフォーム需要の拡大を背景に市場において確固たる地位を築いています。

このような強固な事業基盤を持つ同社の最新の通期決算における業績は、売上高が4,103百万円となり、前年同期に比べて11.3パーセントの増収を記録しました。

本業の儲けを示す営業利益は455百万円となり、前年同期比で41.2パーセントの大幅な増益を達成しています。

また、経常利益については472百万円を計上し、前年同期比で38.1パーセントの増益となりました。

最終的な経営成果である親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比42.5パーセント増の312百万円となり、全体として非常に力強い増収増益を果たす好決算となっています。

この業績結果をもたらした要因としては、建設業界における深刻な人手不足や原材料費・物流コストの上昇といった厳しい外部環境が継続したものの、首都圏を中心とした都市部での営業活動を大幅に強化したことが功を奏しました。

さらに、独自の特殊工法を用いた高付加価値な大型案件の受注が順調に推移したことに加え、施工現場における工程管理の徹底や資材調達の最適化による原価低減施策が実を結び、コスト上昇の圧力を補って大幅な利益拡大へと繋げています。

【参考文献】https://www.mbs-p.co.jp/ir

価値提案

株式会社エムビーエスが提供する最大の価値は、建造物の外壁や土木インフラを壊さずに美しく長持ちさせ、かつ施工後も内部の劣化状況を目視で点検し続けられるという独自の復元技術です。

国土交通省の新技術情報提供システムであるNETISにも登録されている特許取得技術のスケルトン防災コーティングが、この価値を支えています。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、従来の完全防水型塗料による塗装工事では、塗膜の下でコンクリートの劣化や結露が進行しても外から目視で確認できず、突然のコンクリート剥落などの二次災害リスクが存在していたという業界課題があったためです。

この課題を解決するため、水蒸気は通すが水分は通さず、さらに透明度を維持するガラス連続繊維シートであるMBSクリアガードを用いた独自のコーティング工法が開発されました。

ミクロン単位で表面を削り、その上に透明なクリアコーティングを施すことで、トンネルや橋梁といった巨大なインフラ設備の維持と管理性を劇的に高める価値を顧客に提案しています。

主要活動

株式会社エムビーエスの主要な企業活動は、自社の特許技術を活用した特殊コーティングの施工作業と、独自のITシステムを用いた施工進捗および施工履歴の全面的な公開活動です。

現場で利用するQRコードや、施主専用に発行されるログインIDとパスワードを通じて、日々の工事状況をデジタルデータとして蓄積しています。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、リフォーム業界全体に根強く存在する、手抜き工事をされるのではないかという顧客側の不安や不信感を完全に払拭するためです。

この施工・進捗管理システムを利用することで、日中は仕事などで現場にいない施主であっても、スマートフォンやパソコンから職人の作業状況をリアルタイムに確認できるようになります。

施工のプロセスをブラックボックス化させず、圧倒的な透明性を担保して工事を進めること自体が、同社の最も重要な事業活動となっています。

リソース

株式会社エムビーエスにおける中核的なリソースは、透明なまま補強を行う特許取得のスケルトン工法という独自技術と、自社でゼロから育成された文系出身の若手技術者集団です。

2024年11月時点における従業員の平均年齢は35.1歳と若く、社員の8割以上が建築系ではない文系出身者で構成されているという非常に珍しい人的資源を持っています。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、建設業界全体で深刻化している職人不足の未来を見越し、既存の職人を外部から採用するのではなく、自社の独自工法を扱う専門の技術者を社内で育成する方針をとっているためです。

入社直後に行われる約1週間の本社研修や、配属先での徹底したマンツーマン研修を通じて、未経験者をプロフェッショナルに育て上げています。

経営トップが掲げる急がば回れの精神のもと、あえて外部の職人に過度な依存をせず、自前主義による強固な人的リソースの構築を推進しています。

パートナー

株式会社エムビーエスのビジネスを支える重要なパートナーは、地域に密着して活動する各地の契約工務店や、インフラの指定管理機関、そして巨大な建造物を保有する大手企業群です。

【理由】
なぜそうなったのかというと、同社が掲げる日本全国のインフラを保全する列島リフォームというビジョンを実現するためには、直営拠点だけでなく地域のネットワークや大手資本との連携が不可欠だからです。

具体的には、地域の契約工務店が同社の技術を一般住宅の施主に提案し、取次を行うことで、全国規模での営業網を構築しています。

また、大規模なインフラ補修の分野においては、橋梁やトンネルなどの維持管理を担う指定管理機関との連携を進めています。

さらに、スーパーゼネコンと呼ばれる大手建設会社や、鉄道会社、電力・通信企業といった巨大インフラ企業に対しては、下請けとしてではなく、独自の特許技術を提供するソリューションパートナーとしての立ち位置で協業関係を築いています。

チャンネル

株式会社エムビーエスが顧客に価値を届けるためのチャンネルは、全国に展開する直営の支店網と、提携する工務店を経由した営業ルート、そしてITを活用した施工・進捗管理システムというWEB上の販路です。

直営拠点としては、最近移転や拡張を行った埼玉支店や岡山支店など、全国各地に多数の営業基盤を展開しています。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、地域に密着したスピーディーな営業活動を展開すると同時に、施工の透明性を証明する仕組み自体を最強の営業ツールとして活用するためです。

公式サイトや専用システムを通じて公開される過去の施工写真や詳細な作業進捗のデータは、それを見た顧客に大きな安心感を与えます。

このWEBを通じた情報公開のチャンネルが、既存顧客からの紹介や将来的なリピート受注といった新たな顧客獲得経路に直結しており、リアルな店舗網とデジタルの仕組みを融合させた強力な販売経路を形成しています。

顧客との関係

株式会社エムビーエスは、施工のプロセスを透明化し、住宅履歴情報を安全なデータとして半永久的に保存することで、世代を超えた長期的な信頼関係を顧客と構築しています。

施主には、完成までの全工程を記録した工事アルバムという形でデータが提供され、その情報は悪用防止策としてQRコードで厳重に封印される仕組みが採用されています。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、工事が完了すると壁の内部や下地などの見えない部分が確認できなくなるため、それらを写真データとして確実に記録に残しておく必要があるからです。

この記録があることで、数十年後に発生する将来的な修繕工事や、予期せぬ災害時の迅速な対応計画の立案が容易になります。

さらに、不動産売買の際にも住宅の資産価値を客観的かつ適切に評価するための証拠資料として機能するため、施工後も長期間にわたって顧客の利益を守り続ける強固な関係性を維持しています。

顧客セグメント

株式会社エムビーエスがターゲットとする顧客セグメントは、主に2つの明確な層に分かれています。

1つ目は、戸建て住宅の美観向上と長寿命化を希望する個人の顧客層であり、2つ目は橋梁やトンネルといった巨大インフラの老朽化対策を迫られている法人および公共機関の顧客層です。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、創業以来の主力であるホームメイキャップ事業で個人宅のメンテナンス需要を確実に取り込みつつ、同時に国策レベルの課題である日本のインフラ老朽化問題に対処するためです。

高度経済成長期に集中的に建設されたインフラ設備は現在一斉に耐用年数を迎えており、スケルトン工法を用いた建築工事業は、この社会課題を抱える自治体やインフラ企業を直接的な顧客としています。

また、公共工事向けのコンクリート剥落防止技術などを通じて、国や地方自治体といった官公庁セグメントからの専門的な保守点検ニーズにも幅広く対応しています。

収益の流れ

株式会社エムビーエスの収益構造は、2026年5月期の売上高実績において、個人宅向けを中心とするホームメイキャップ事業が48億300万円を売り上げ、全体の約95パーセントという圧倒的な基盤フロー収益を生み出しています。

一方で、インフラ向けを主力とする建築工事業の2026年5月期における売上高は1億8800万円ですが、こちらは前年比でプラス46.1パーセントと急激な成長を遂げています。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、創業時から長年培ってきた外壁リフォーム事業で安定的かつ潤沢なキャッシュフローを稼ぎ出し、その利益を次なる成長エンジンであるインフラ向けの特許工法に集中投資する戦略をとっているからです。

現在のところ収益の大部分は戸建て住宅向けのフロー収益に依存していますが、スケルトン工法の技術が全国の土木インフラに採用されることで、今後は法人や公共機関からの大規模な工事収益がさらに拡大していく事業構造になっています。

コスト構造

株式会社エムビーエスのコスト構造を特徴づけているのは、独自工法の要となる特殊コーティング剤の研究開発費および調達費と、未経験の人材を専門家にするための莫大な教育研修費です。

財務の健全性を示す自己資本比率は2026年5月期時点で75.9パーセントと極めて強固であり、この基盤を背景に、2026年5月期には2億6900万円の自己株式取得を実施し、配当金総額として1億300万円を支出するなど株主還元コストも強化しています。

【理由】
なぜそうなっているのかというと、同社の事業競争力の根幹が独自技術とそれを扱う人そのものであるため、新入社員向けの本社研修費やマンツーマン研修費といった内製化のための先行投資を意図的に惜しまない方針をとっているためです。

外部の下請け業者に支払う外注費を減らし、自社の社員の育成費用に振り替えることで、長期的には高品質な施工を担保し、他社には真似できないコスト競争力と利益率の高さを生み出しています。

自己強化ループ(フィードバックループ)

株式会社エムビーエスの成長を自動的に加速させる自己強化ループは、透明性を武器とした独自の価値提供からスタートします。

まず起点として、特許技術であるスケルトン工法や、施工工程の写真をWEBで公開する施工・進捗管理システムを用いて、高品質かつ誤魔化しのない工事を提供します。

次に、見えない部分までスマートフォン等で確認できる圧倒的な安心感が施主の満足度を急上昇させ、結果として既存顧客からの口コミによる紹介やリピート注文、さらには地域の工務店からの新たな提携依頼が増加します。

この需要拡大によって、2026年5月期における前年比プラス6.7パーセントの売上増収や、約14.3パーセントという高い営業利益率が実現し、強固な内部留保が形成されます。

そして得られた潤沢な資金を、2024年11月時点で社員の8割を占める文系未経験者の採用と独自の社内教育に全額投資し、組織全体の施工力と技術レベルを底上げします。

最後に、自前で育て上げた若手技術者集団と洗練された技術力が、再び最初の大規模インフラ施工や高品質な全国展開へと向かい、さらなる売上と信頼を獲得するという強力な循環が常に回っています。

採用情報

株式会社エムビーエスの2026年入社等に向けた新卒採用情報について解説します。

初任給は学歴によって異なり、大学院および大学卒の場合は240,000円、短大・高専・高校卒の場合は220,000円に設定されています。

対象となる職種は営業、管理マスター、施工マスターなどで、全学部全学科から広く募集を行っています。

休日制度については、土日祝日が休みの完全週休二日制をベースとしており、有給休暇は初年度に10日、以降最大で20日が付与され、慶弔休暇や産前産後休暇、裁判員休暇などの特別休暇も用意されています。

ただし、年間の総休日数に関する公式情報は公表されていません。

直近の募集人数としては男女不問で20名を目標として掲げていますが、過去3年間の具体的な採用人数や採用倍率については公式情報がありません。

また、2024年時点での平均年間給与は476万円となっていますが、平均勤続年数に関する公式情報も公表されていません。

求める人物像としては、社員の8割が文系出身であることからもわかる通り、建築の専門知識よりも人物面を重視しています。

選考フローは会社説明会から始まり、一次面接、二次面接、最終面接という流れで進み、筆記試験等は実施されず面接のみで人物評価が行われます。

株式情報

株式会社エムビーエスの株式に関する基本情報を解説します。

証券コードは1401で、東京証券取引所のグロース市場および福岡証券取引所のQ-Boardに上場しています。

株式の売買単位である単元株数は100株となっており、決算期は毎年5月に設定されています。

なお、株主優待制度については実施されていません。

配当方針については、株主への利益還元を経営の重要課題と認識しつつ、経営体質の強化と事業展開のための内部留保の充実を勘案し、財務状況や業績を踏まえて決定するスタンスをとっています。

配当性向の具体的な数値目標などは設定されていませんが、2026年5月期の1株当たり配当金は、前期実績の13円から増配となる15円が実施されました。

株価水準については、2026年7月末時点でおよそ1,200円台後半で推移しています。

したがって、単元株数である100株を購入するための最低投資金額の目安は、およそ12万円台後半となります。

これらの株価や配当などの数値は常に変動するため、投資判断を行う際は必ずご自身で最新の公式情報等をご確認いただきますようお願いいたします。

未来展望と注目ポイント

株式会社エムビーエスの今後の成長戦略における最大の注目ポイントは、特許技術であるスケルトン工法を用いた土木インフラ向けの建造物保全事業の飛躍的な拡大です。

日本全国に存在する高度経済成長期に造られた橋脚やトンネルは、深刻な老朽化問題に直面しており、これらを透明なコーティングで長寿命化する同社の技術は国策レベルの需要に合致しています。

中期経営計画の具体的な数値目標や、2027年5月期の通期業績予想は中東情勢などのマクロ経済の不確実性を理由に未定とされていますが、企業としての長期ビジョンは明確です。

経営トップが列島リフォームというスローガンを掲げる中、時短を優先する業界の風潮に逆行し、急がば回れで徹底した内製化と人材投資を継続する方針を打ち出しています。

設備投資や研究開発においても、拙速なM&Aに頼るのではなく、自前の技術と人材を泥団子を鉄球に磨き上げるように育て上げることを優先しています。

同時に、大規模なインフラを保有する企業やスーパーゼネコンに対しては、独自のソリューションパートナーとして提携を深める構えです。

また、四半期ごとに社員の投票で将来のトップ候補を決める社長選挙を実施するなど、次世代の経営人材を育成する斬新な組織風土も持っており、事業と組織の両面で持続的な成長に向けた力強い歩みを進めています。

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