企業概要と最近の業績
株式会社錢高組
【全体の業績】
株式会社錢高組は、慶長年間の創業から400年以上の歴史を誇り、高層ビルや医療・教育施設などの建築工事から、橋梁・トンネル・地下鉄といった都市インフラを支える土木工事、さらには不動産事業に至るまで幅広く展開する老舗の総合建設企業です。長年の伝統で培われた優れた施工技術と高い信頼性を強みに、難易度の高い大型構造物や社会基盤整備の現場において豊かな実績を有し、確固たる地位を築いています。
同社の最新の決算である2026年3月期通期連結業績は、売上高が前期比4.0%増の1,254億9,700万円、営業利益が同26.8%増の47億800万円、経常利益が同25.8%増の64億1,300万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.4%増の42億3,700万円となり、増収増益を達成しました。
この好実績をもたらした背景には、主力である建設事業において手持ち工事が順調に進捗したことに加え、不動産事業等の売上も堅調に推移したことが挙げられます。さらに、建設資材価格の高騰や人件費上昇といったコストプレッシャーに対し、徹底した原価管理や施工管理の効率化、受注採算性の厳格化を推進したことで、売上総利益率が改善したことが利益の大幅な押し上げに大きく寄与しました。
【参考文献】https://www.zenitaka.co.jp/ir/library.html
価値提案
株式会社錢高組が提供する価値は、都市型建築物および高難度インフラ構造物における、高精度かつ長寿命な総合建設ソリューションです。
同社は、大気圧より高い空気圧を利用して地下深く掘削する「ニューマチックケーソン工法」や、耐候性と耐久性に優れた「PC(プレストレスト・コンクリート)構造」の導入実績において業界トップクラスの技術を誇ります。
これらの高度な技術を駆使し、官公庁の総合評価落札方式においても高い技術提案評価点を獲得しています。
【理由】
なぜそうなっているのかをご説明すると、1705年の創業以来「誠実施工」を掲げ、単なる価格競争に陥ることなく、災害に強く長期的な維持が可能な技術力で顧客の信頼に応える姿勢を徹底してきたためです。
なぜそうなっているのかをご説明すると、1705年の創業以来「誠実施工」を掲げ、単なる価格競争に陥ることなく、災害に強く長期的な維持が可能な技術力で顧客の信頼に応える姿勢を徹底してきたためです。
このような長年の蓄積が、官公庁や民間施主からの高い評価と確固たるブランド力を形成しています。
主要活動
株式会社錢高組の主要活動は、建築および土木工事の営業から企画、設計、そして施工管理までをトータルで担うことです。
実際の施工現場では、全国約100箇所の現場においてBIM/CIM活用を通じた高度な施工管理が行われています。
また、茨城県つくば市に構える「錢高組総合技術研究所」では、独自の技術開発活動が日々進められています。
現場の安全、品質、工程、原価の管理は、1級建築施工管理技士や1級土木施工管理技士などの国家資格を有する社員による厳格な体制で支えられています。
【理由】
なぜそうなったのかと申しますと、ゼネコン自体は直接作業を行う作業員を抱えず、現場の統括管理にリソースを集中させることで、効率的かつ高品質なプロジェクト推進を行うためです。
なぜそうなったのかと申しますと、ゼネコン自体は直接作業を行う作業員を抱えず、現場の統括管理にリソースを集中させることで、効率的かつ高品質なプロジェクト推進を行うためです。
これにより、同社はファブレスに近い形態でありながら、大規模な建設プロジェクトを確実に行うことができています。
リソース
株式会社錢高組の最大の競争源泉は、創業320余年の歴史に裏打ちされたブランドと信用、そして極めて強固な財務基盤です。
2025年3月期時点の連結決算において、同社の自己資本比率は50.0パーセントを維持しており、実質無借金に近い健全な貸借対照表を誇ります。
さらに、茨城県つくば市にある「総合技術研究所」が保有する構造実験棟や環境試作設備といった物理的な研究施設も強力なリソースです。
人的な側面では、全従業員に占める1級建築士や1級施工管理技士などの国家資格保有者の割合が非常に高く、高い技術力が担保されています。
【理由】
なぜそうなっているのかについて触れると、建設施工の品質は現場の技術者の質と、施主や協力会社への確実な支払い能力を示す財務の健全性に直結するためです。
なぜそうなっているのかについて触れると、建設施工の品質は現場の技術者の質と、施主や協力会社への確実な支払い能力を示す財務の健全性に直結するためです。
安定した財務基盤があるからこそ、優秀な技術者を確保し、最先端の研究開発に投資し続けることが可能となっています。
パートナー
株式会社錢高組が大規模な建設プロジェクトを遂行する上で、優良な専門工事業者や資材メーカーとの連携は不可欠です。
特に重要なパートナーとして、同社の協力会社で構成される職能組織である「錢高会」が挙げられ、全国各支店に組織化されて緊密な関係を築いています。
また、トンネルや大深度地下などの大型公共工事においては、スーパーゼネコン各社とJV(共同企業体)を組んで参画する実績も多数有しています。
資材調達の面では、太平洋セメントなどの主要な建設資材供給メーカーと長期的なパートナーシップを結び、安定的な資材の確保を実現しています。
【理由】
なぜそうなったのかと申しますと、自社で直接的に職人を雇用しないゼネコンのビジネスモデルにおいて、優良な専門工事業者の安定確保が施工品質と工期順守の絶対条件となるためです。
なぜそうなったのかと申しますと、自社で直接的に職人を雇用しないゼネコンのビジネスモデルにおいて、優良な専門工事業者の安定確保が施工品質と工期順守の絶対条件となるためです。
長年にわたるパートナー企業との信頼関係が、同社の高い施工能力を裏付ける基盤として機能しています。
チャンネル
株式会社錢高組の受注経路は、公共部門と民間部門の双方にわたる強固なネットワークによって構築されています。
公共工事においては、国土交通省および各自治体の入札システムを通じた受注が中心であり、同社は最高位ランクである特A級などの入札資格を保持しています。
民間建築案件においては、東京および大阪の二本社制に加え、札幌、仙台、名古屋、広島、福岡などの全国拠点ネットワークを活用し、設計事務所や建設コンサルタントを通じた提案営業を展開しています。
既存の顧客からの相対指名や直接の見積依頼も多く、民間建築案件におけるリピート受注比率はおよそ6割以上を占めています。
【理由】
なぜそうなっているのかを探ると、建設工事の受注は新規の飛込営業ではなく、過去の施工実績や確かな信頼関係、そして経営事項審査の点数に基づく指名と評価が中心となるためです。
なぜそうなっているのかを探ると、建設工事の受注は新規の飛込営業ではなく、過去の施工実績や確かな信頼関係、そして経営事項審査の点数に基づく指名と評価が中心となるためです。
長年の誠実な施工実績が、安定した受注経路の確立に大きく貢献しています。
顧客との関係
株式会社錢高組は、建設プロジェクトの着工前から引き渡し後の中長期にわたるまで、顧客との深い信頼関係を構築しています。
施工中は密着型の施工管理を徹底し、引き渡し後も1年目や2年目の定期点検システムを運用して、専任のカスタマー担当を配置しています。
このようなきめ細かいアフターフォローを通じて、既存顧客から建物の改修や耐震補強工事といったリニューアル事業の受注も継続的に獲得しています。
また、創業初期の明治時代や大正期から続く鉄道事業者や老舗製造業など、数世代にわたる特定顧客との長期的な取引実績を維持しています。
【理由】
なぜそうなったのかを申し上げますと、建築物や社会インフラは数十年から100年という長期にわたって利用される性質があり、竣工後のアフターフォローが次のリニューアル工事や新築工事の指名受託に直結するためです。
なぜそうなったのかを申し上げますと、建築物や社会インフラは数十年から100年という長期にわたって利用される性質があり、竣工後のアフターフォローが次のリニューアル工事や新築工事の指名受託に直結するためです。
建物のライフサイクル全体をサポートする姿勢が、顧客との永続的な関係を築き上げています。
顧客セグメント
株式会社錢高組は、事業の安定性を高めるために顧客セグメントを大きく公共セクターと民間セクターに分散させています。
土木事業においては、国や自治体、高速道路会社などの官公庁顧客比率が非常に高く、およそ8割以上が公共工事で占められています。
一方の建築事業では、オフィスビル、教育・文化施設、医療・福祉施設、物流倉庫、工場、集合住宅など、多様な業種の民間企業が主な顧客となります。
地域別に見ても、関西圏と首都圏を中心としながら、全国規模でバランスの取れた顧客ポートフォリオを形成しています。
【理由】
なぜそうなっているのかについて解説すると、民間設備投資の波による景気変動の影響と、国の財政出動や防災投資による公共工事の需要を相互に補完させることで、事業全体のボラティリティを低減させるためです。
なぜそうなっているのかについて解説すると、民間設備投資の波による景気変動の影響と、国の財政出動や防災投資による公共工事の需要を相互に補完させることで、事業全体のボラティリティを低減させるためです。
このセグメントの分散により、外部環境の変化に対して強い事業構造を作り上げています。
収益の流れ
株式会社錢高組の収益構造は、主力となる建設事業からのフロー収益と、不動産事業からのストック収益の二本柱で構成されています。
2025年3月期の連結実績において、全体の売上高1,184億円のうち、建設事業による売上高がおよそ1,155億円を占め、進捗に応じた完成工事高として計上されています。
同時に、自社が保有する不動産の賃貸管理および開発による安定的な収益基盤も確立しており、2025年3月期の不動産事業等における営業利益は年間およそ10億円規模に達しています。
また、収益認識に関する会計基準に基づき、工事進行基準を適用することで、工期の長い案件でも安定的な売上計上を実現しています。
【理由】
なぜそうなったのかを説明しますと、建設工事は工事の進捗状況や市況によって収益が大きく変動しやすいため、高利益率かつ安定した不動産賃貸収入を組み合わせることで経営全体の基盤を底上げするためです。
なぜそうなったのかを説明しますと、建設工事は工事の進捗状況や市況によって収益が大きく変動しやすいため、高利益率かつ安定した不動産賃貸収入を組み合わせることで経営全体の基盤を底上げするためです。
このように安定したストック収益を確保することで、長期的な経営の安定化を図っています。
コスト構造
株式会社錢高組のコスト構造は、建設事業の特性を色濃く反映しており、直接的な工事原価が大部分を占めています。
2025年3月期の実績において、専門工事会社への支払いや生コン、鉄骨などの材料費を含めた売上原価率は、およそ92.0パーセントとなっています。
一方で、人件費や物件費からなる販売用及び一般管理費率は、2025年3月期実績でおよそ5.6パーセントに抑えられています。
また、技術力の維持と向上のために、2025年3月期には年間数億円規模の設備投資および研究開発費を計上しています。
【理由】
なぜそうなっているのかと申しますと、同社が自社の工場や専属の職人を抱えないファブレス構造を基本としており、直接コストのおよそ9割が外注費および資材調達費となるためです。
なぜそうなっているのかと申しますと、同社が自社の工場や専属の職人を抱えないファブレス構造を基本としており、直接コストのおよそ9割が外注費および資材調達費となるためです。
これにより固定費の負担を軽減しつつ、プロジェクトの規模に応じた柔軟なコストコントロールを可能にしています。
自己強化ループ
株式会社錢高組の成長を支える独自の自己強化ループは、創業320余年の信用と強固な財務基盤を起点として循環しています。
まず、自己資本比率50.0パーセント以上という高財務を背景に、赤字リスクのある無理な安値受注を避け、適正な利益が確保できる案件を厳選して受注します。
次に、協力会社組織である「錢高会」との強固な連携と自社技術者の確実な施工管理により、高品質な完成物を提供します。
この結果、高い施主満足度によるリピート指名や公共工事の高評価点を獲得し、得られた施工利益を内部留保として積み上げます。
この積み上がった手元資金がさらに財務基盤を固め、再び適正利益での厳選受注へと戻る好循環が形成されています。
この循環が実際に機能していることを示す数値として、2025年3月期には完成工事総利益率が7.5パーセントから8.5パーセント水準へと改善傾向にあり、約1,100億円から1,300億円水準の手持ち工事高を常時確保しています。
採用情報
株式会社錢高組の採用情報についてお伝えします。
2025年4月および2026年4月予定の新卒初任給は、総合職の大学院卒が月給265,000円、大学卒が月給245,000円、高専卒が月給225,000円に設定されています。
2025年度実績の年間休日総数は124日であり、土日祝日を休みとする完全週休2日制が導入されています。
直近3年の新卒採用人数は、2023年度が32名、2024年度が36名、2025年度が38名と推移しています。
公表データから推計される採用倍率はおよそ15倍から20倍です。
2025年3月31日時点での平均勤続年数は18.5年であり、従業員の平均年間給与は8,203,000円となっています。
求める人物像としては、責任感を持ち、多様な施工関係者と誠実にコミュニケーションを取りながらプロジェクトを完遂できる人物が掲げられています。
株式情報
株式会社錢高組の株式に関する基本情報をまとめます。
同社の証券コードは1811であり、東京証券取引所のスタンダード市場に上場しています。
単元株数は100株に設定されており、決算期は毎年3月31日を本決算としています。
配当方針については、業績に応じた利益還元を基本としつつ、将来の事業展開と財務健全性を維持するための内部留保を考慮し、配当性向30パーセント程度を目安とした安定配当を維持する方針を掲げています。
2025年から2026年時点での株価は、およそ3,200円から3,800円台で推移しており、単元株数から算出した最低投資金額の目安はおよそ32万円から38万円程度となっています。
なお、2025年から2026年時点において、株主優待制度は導入されていません。
株式の数値や条件は市場環境により日々変動するため、実際の投資判断に際しては必ずご自身で最新の市場情報および同社のIR資料をご確認ください。
未来展望と注目ポイント
株式会社錢高組の未来展望について解説します。
同社は「錢高組 中期経営計画(2024〜2026年度)」を策定し、最終年度である2026年度に向けて連結売上高1,200億円以上、連結営業利益35億円以上、そして自己資本比率50.0パーセント以上の維持という数値目標を掲げています。
今後の成長ドライバーとして、BIM/CIMの全面導入やドローン測量を活用した建設DXの推進に注力し、年間およそ10億円から15億円の設備投資を実施する計画です。
また、年間およそ3億円から5億円の研究開発費を投じ、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルなどの環境配慮型建築や新工法の開発を進めています。
高速道路の大型更新工事や国土強靭化計画に基づくインフラ老朽化市場での積極的な受注を通じて、歴史ある技術力と先進的な取り組みを融合させ、持続可能な社会インフラの整備に貢献していく成長戦略が注目されます。



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