企業概要と最近の業績
日本基礎技術株式会社
【全体の業績】
日本基礎技術株式会社は、地盤改良や斜面安定、グラウト工事、アンカー工事などの特殊土木工事を強みとする、地盤分野に特化した専門建設会社です。
斜面崩壊を防ぐ防災・減災対策工事をはじめ、大規模インフラ整備や建造物の基礎補強など、安全な土地利用と防災基盤の向上を支える高度な技術力と豊富な実績を有し、社会の安全・安心に寄与しています。
同社の最新の通期決算では、売上高が283億2,600万円(前年同期比4.5%増)、営業利益が13億300万円(前年同期比31.2%増)、経常利益が14億2,400万円(前年同期比23.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が8億9,200万円(前年同期比21.7%増)となり、増収とともに幅広な増益を達成しました。
これは、国土堅牢化や防災・減災に向けた公共工事需要が堅調に推移するなか、得意とする特殊土木・地盤技術を生かした施工が着実に進捗したことによるものです。
資材価格や燃料費の高騰といった外部環境の厳しい要因に対し、現場における徹底した工程管理や施工の効率化、ならびにコスト抑制策を推し進めたことが利益率の改善を結実させました。
【参考文献】https://www.jafec.co.jp/ir
価値提案
日本基礎技術株式会社は、目に見えない地下や斜面の安全および補強を実現する高度な特殊土木技術と、環境保全を両立させるエンジニアリングソリューションを提供しています。
具体的には、地下水の流動を阻害しないための特許工法であるJ-WAS工法や、超高圧噴射を用いて地盤を強固にするCJG工法、さらには急傾斜地での土砂崩壊を防ぐハイパーアンカー工法といった独自の高度な技術を現場で駆使しています。
【理由】
それは日本国内は国土に占める山地の割合が多く、豪雨や地震による土砂災害リスクが極めて高いため、一般的な土木工事の手法では不可能な精密かつ堅牢な地盤や斜面の補強が社会インフラの維持に不可欠であるからです。
それは日本国内は国土に占める山地の割合が多く、豪雨や地震による土砂災害リスクが極めて高いため、一般的な土木工事の手法では不可能な精密かつ堅牢な地盤や斜面の補強が社会インフラの維持に不可欠であるからです。
社会課題である防災や減災に対して、日本基礎技術株式会社はこれら複数の特許技術や専用工法を提供することで、特殊土木分野において他社には容易に模倣できない強固な価値を提案し続けています。
主要活動
日本基礎技術株式会社の主要な活動は、複雑な地質データの綿密な解析から始まり、各案件に最適な工法の選定や設計、さらには自社製の専用施工機械を駆使した現場の施工管理、新規工法および技術の研究開発にまで多岐にわたります。
これらの活動を裏付けるように、同社は技術開発や各種試験の拠点となる施工技術研究所を自社で運営しており、年間数十件に上る特許や実用新案の出願および維持を継続的に行っています。
加えて、全国各地の工事現場においては、ICT技術や自動化施工機器の導入と運用を積極的に進めており、作業の効率化と安全性の向上を日々図っています。
【理由】
それは建設現場における地質条件が場所ごとに全く異なるため、定型的なマニュアル作業ではなく、高度な技術的判断と個別のカスタム設計に基づく緻密な施工が常に現場で求められるからです。
それは建設現場における地質条件が場所ごとに全く異なるため、定型的なマニュアル作業ではなく、高度な技術的判断と個別のカスタム設計に基づく緻密な施工が常に現場で求められるからです。
日本基礎技術株式会社はこうした一連の活動を通じて、困難な条件下でも高品質な工事を遂行できる専門性の高い体制を構築しています。
リソース
日本基礎技術株式会社の事業を支える最も重要なリソースは、自社で開発した特殊土木機械群と蓄積された特許技術や施工ノウハウ、そして高い専門性を持つ人材の厚みです。
人員構成については、2025年3月末時点の単体従業員502名のうち、およそ5割超の社員が1級土木施工管理技士などの難関国家資格を保有しており、極めて専門性の高いエンジニア集団を形成しています。
また、全国12箇所に展開する支店および営業所のネットワークと、自社で所有・管理する高性能なボーリングマシンや薬液注入プラントなどの専用機材も、同社の機動力を支える強力なリソースとなっています。
【理由】
それは自社独自の専用機械と有資格者による施工体制を直接保持することで、技術の外部流出やブラックボックス化を防ぐとともに、他社を寄せ付けない高い品質競争力と利益率を維持できるからです。
それは自社独自の専用機械と有資格者による施工体制を直接保持することで、技術の外部流出やブラックボックス化を防ぐとともに、他社を寄せ付けない高い品質競争力と利益率を維持できるからです。
日本基礎技術株式会社はこれらのヒトとモノのリソースを徹底して内製化することで、業界内での確固たる優位性を築き上げています。
パートナー
日本基礎技術株式会社のビジネスを円滑に進める上で欠かせないパートナーは、大規模な案件を共同で手掛ける大手総合建設会社や、工事の直接の発注元となる官公庁およびインフラ運営企業です。
具体的な提携先や取引先としては、鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設といった日本を代表する大手ゼネコンの協力会社ネットワークに深く組み込まれており、長年にわたって強固な信頼関係を構築しています。
また、公共インフラの発注元として国土交通省の各地方整備局や、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本といった高速道路会社とも緊密なパートナーシップを結んでいます。
【理由】
それは都市部の大深度地下開発のような大型インフラ工事では一次下請けとして大手ゼネコンとタッグを組む一方で、道路や河川の斜面防災工事などでは官公庁やインフラ企業から直接発注を受けるという柔軟な事業構造となっているからです。
それは都市部の大深度地下開発のような大型インフラ工事では一次下請けとして大手ゼネコンとタッグを組む一方で、道路や河川の斜面防災工事などでは官公庁やインフラ企業から直接発注を受けるという柔軟な事業構造となっているからです。
日本基礎技術株式会社はこれらの多様なパートナーと案件の特性に応じて連携することで、安定した受注の確保と事業基盤の強化を実現しています。
チャンネル
日本基礎技術株式会社が顧客から仕事を受注するための主要なチャンネルは、官公庁が実施する公募型のプロポーザル方式や指名競争入札への参加、そして大手ゼネコンへの直接的な技術提案営業です。
また、建設コンサルタント向けに自社の特許工法に関する技術説明会を年間数百件規模で定期的に開催し、技術的な優位性を周知する啓蒙活動も重要な販売経路の一つとして機能しています。
2025年3月期のデータを見ると、全体の売上構成比において元請工事比率が約35パーセントを占め、大手ゼネコン経由などの下請工事比率が約65パーセントを構成しています。
【理由】
それは特殊土木という専門的な分野においては、単なる価格競争ではなく、工事の設計段階から自社の独自工法を仕様書に盛り込んでもらう技術提案型営業が受注の成否を大きく握るからです。
それは特殊土木という専門的な分野においては、単なる価格競争ではなく、工事の設計段階から自社の独自工法を仕様書に盛り込んでもらう技術提案型営業が受注の成否を大きく握るからです。
日本基礎技術株式会社はこれらの複合的な販売チャンネルを駆使し、初期段階からの案件への入り込みと確実な工事の受注を見事に両立させています。
顧客との関係
日本基礎技術株式会社は、単発の工事請負契約で終わるのではなく、施工後の長期的なモニタリングや追加の補強提案を通じて、顧客と強固で継続的な信頼関係を構築しています。
その結果として、官公庁が発注する公共工事において、同社は平均80点以上という極めて高い工事成績評定点を維持しており、発注機関から絶大な信頼を獲得しています。
さらに、同一の高速道路やインフラ区間において、過去の実績が評価されて継続的な補強工事を受注するケースや、施工後の長期計測データを顧客に提供する体制も手厚く整えられています。
【理由】
それは同社が手掛ける施工対象が目に見えない地下や斜面であるため、過去の現場の複雑な地質データや地下構造を正確に把握している企業への再発注や継続相談が顧客にとって最も安心で合理的であるからです。
それは同社が手掛ける施工対象が目に見えない地下や斜面であるため、過去の現場の複雑な地質データや地下構造を正確に把握している企業への再発注や継続相談が顧客にとって最も安心で合理的であるからです。
日本基礎技術株式会社はこのような情報の蓄積と高い施工品質を背景に、顧客と長期にわたって良好な関係を維持し続けています。
顧客セグメント
日本基礎技術株式会社が主なターゲットとしている顧客セグメントは、国土交通省や都道府県、市町村などの官公庁をはじめ、高速道路会社や鉄道事業者、そして大手から中堅規模の総合建設会社といった法人顧客です。
2025年3月期の売上構成を見ると、公共インフラ関連の工事を中心とする公共工事依存度が全体の約70パーセントを占めており、民間工事依存度は約30パーセントとなっています。
また、エリア別の売上内訳に注目すると、関東、近畿、中部の3大都市圏を中心とした地域が全体の約7割を占めており、都市部でのインフラ整備需要が高いことがわかります。
【理由】
それは同社の事業が、国や自治体が主導する公共インフラの維持管理および防災や減災需要と、民間企業が主導する都市部の大型再開発に伴う大深度地下の基礎工事需要という強固な2本柱で構成されているからです。
それは同社の事業が、国や自治体が主導する公共インフラの維持管理および防災や減災需要と、民間企業が主導する都市部の大型再開発に伴う大深度地下の基礎工事需要という強固な2本柱で構成されているからです。
日本基礎技術株式会社はこれら公共と民間の両セグメントに対して、それぞれのニーズに合致した最適な特殊土木技術を的確に提供しています。
収益の流れ
日本基礎技術株式会社の主要な収益の流れは、多様な顧客と締結する工事請負契約に基づく完成工事高の計上であり、いわゆるフロー型の収益モデルを基本として事業を展開しています。
具体的な業績数値として、2025年3月期の完成工事高は278億5000万円に達しており、同時点での受注残高も約160億円と非常に潤沢な水準を確保しています。
さらに特筆すべき点として、同社が提供する高い技術力が評価された結果、完成工事総利益率はおよそ17.5パーセントという建設業界の中でも非常に高水準な利益率を叩き出しています。
【理由】
それは建設業界の標準的な会計慣行として、工事の進捗度合いや完成引き渡しの時点での出来高に応じて代金を回収する請負契約の仕組みが根付いており、ストック型ではなくフロー型の収益構造にならざるを得ないからです。
それは建設業界の標準的な会計慣行として、工事の進捗度合いや完成引き渡しの時点での出来高に応じて代金を回収する請負契約の仕組みが根付いており、ストック型ではなくフロー型の収益構造にならざるを得ないからです。
日本基礎技術株式会社は、このフロー収益の構造の中でも、独自技術の活用により高付加価値案件を獲得することで、安定した収益基盤と高い利益水準を維持しています。
コスト構造
日本基礎技術株式会社の事業運営に関わるコスト構造は、主に現場の施工に直接かかる工事原価と、会社全体の運営を支える販売費及び一般管理費によって構成されています。
2025年3月期の実績データによれば、全体に占める売上原価率は82.5パーセントとなっており、販売費及び一般管理費の比率は11.7パーセントに抑えられています。
また、将来の成長に向けた先行投資として、全自動噴射プラントなどの機械設備に対して年間約12億円の設備投資を行い、同時に新工法の開発に向けて約2億円の研究開発費を継続的に投入しています。
【理由】
それは特殊土木工事という事業の性質上、地盤改良に使用するセメントや特殊薬剤、鋼材といった専用資材の調達コストに加え、下請けの協力会社へ支払う外注費と専門作業員の労務費が事業原価の大部分を占めざるを得ないからです。
それは特殊土木工事という事業の性質上、地盤改良に使用するセメントや特殊薬剤、鋼材といった専用資材の調達コストに加え、下請けの協力会社へ支払う外注費と専門作業員の労務費が事業原価の大部分を占めざるを得ないからです。
日本基礎技術株式会社は、資材価格の高騰といった外部環境の変化に対して、ICT施工の導入による現場の生産性向上や原価低減策を進めることで、強固なコスト構造を維持しています。
自己強化ループ
日本基礎技術株式会社の成長を牽引するビジネスモデルには、独自の技術力を起点とした明確な自己強化ループが存在しています。
第一の起点として、地盤や斜面の難現場に対応できる独自の特許技術や新工法を自社で開発し権利化します。次に、その圧倒的な技術力を武器にして、他社には対応が困難な高難度の案件や環境配慮案件を顧客からの指名で、かつ優位な価格設定で受注を獲得します。
続いて、獲得した高単価な案件を確実に施工し完了させることで、発注者からの高い工事評価点と適正な利益率である完成工事高および粗利益をしっかりと創出します。そして最後に、生み出した潤沢なキャッシュフローを、施工機械の最新化やICT化、さらなる新技術の研究開発へと積極的に再投資します。この再投資によって技術的優位性が一段と高まり、再び第一の起点へと戻る強固な循環が形成されています。
この好循環が実際に機能していることは、2023年3月期から2025年3月期にかけての売上高推移が238億円、256億円、278億円と力強く拡大傾向にあることや、2025年3月末時点で自己資本比率68.2パーセントという極めて健全な財務基盤を維持しているという定量指標によって明確に裏付けられています。
採用情報
日本基礎技術株式会社は、将来の事業成長を力強く担う人材の確保に向けて、充実した採用条件と良好な職場環境をしっかりと整備しています。
2025年4月入社の実績に基づく新卒初任給は、大学院修了者が月給26万0000円、大学卒が月給24万5000円、高専や短大および専門卒が月給22万5000円と学歴に応じた給与体系が明確に設定されています。
働きやすさの指標となる年間休日総数は125日を確保しており、土日祝日が休みの完全週休2日制を採用しているほか、年末年始休暇や夏季休暇に加え、創立記念日休暇やリフレッシュ休暇といった各種の特別休暇も充実しています。
直近の採用実績については、2023年度が18名、2024年度が20名、2025年度が22名と年々着実に新卒採用人数を拡大しています。なお、採用倍率に関する公式な情報については公表されていません。
従業員の定着率を示す2025年3月期時点の平均勤続年数は15.3年であり、同時点の平均年間給与も738万円と、安定して長く働ける環境がデータから読み取れます。
同社が求める人物像は、社会インフラを支える強い意欲を持ち、工事現場での円滑なコミュニケーション力と主体性、そして協調性を発揮できる人材とされており、書類選考や適性検査を経て複数回の面接を行う選考フローが用意されています。
株式情報
日本基礎技術株式会社の株式に関する基本情報について解説します。
同社の証券コードは1914であり、東京証券取引所のスタンダード市場に株式を上場しています。株式の売買単位である単元株数は100株に設定されており、毎年の決算期は3月に定められています。なお、株主優待制度については導入されておらず、株主に対する利益還元は配当を通じて直接的に行うことを優先する方針が示されています。
その配当方針としては、連結配当性向30パーセント以上を基本目標として掲げており、企業の業績に応じた適切な成果配分と、長期的に安定した配当を継続していくという考え方を採用しています。
株価の水準については、2026年8月時点でおよそ650円から720円台の範囲で推移しており、単元株数である100株を購入するための最低投資金額の目安は、各種手数料等を除いておよそ6万5000円から7万2000円程度となります。
なお、株式市場における株価や配当金などの数値は、国内外の経済状況や企業業績の変動によって常に変化するため、実際の投資判断を行われる際は、最新の株式情報をご自身で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
未来展望と注目ポイント
日本基礎技術株式会社の今後の成長戦略における最大の注目ポイントは、中期経営計画と積極的な技術革新による事業基盤のさらなる強化です。
同社は2024年3月期から2026年3月期までの3か年を対象とする中期経営計画「JFE2026」を推進しており、最終年度となる2026年3月期には完成工事高285億円から300億円、営業利益17億円から20億円、自己資本比率65パーセント以上の維持という力強い数値目標を掲げています。
この目標達成に向けた成長ドライバーとして、政府が推進する国土強靱化計画に伴う斜面崩壊対策工事の受注シェア拡大や、都市部の再開発における環境対応型工法であるJ-WAS工法の採用推進に注力しています。
さらに、3か年累計で約35億円から40億円の設備投資を実施し、全自動噴射プラントや電動ボーリングマシンの導入を進めるとともに、年間約2億円から3億円の研究開発費を継続投入して低炭素型の地盤改良材やAIを活用した地盤判定システムの開発を行っています。
これらの取り組みを通じて、日本基礎技術株式会社は強靱で安全な国土づくりと地球環境保全に貢献する技術開発型地盤エンジニアリング企業のトップを目指すという確固たる長期ビジョンを描いています。



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