企業概要と最近の業績
株式会社大盛工業
【全体の業績】
株式会社大盛工業は、東京都内をはじめとする首都圏において下水道工事などの土木工事を主軸に展開する建設会社です。1967年の設立以来、生活基盤を支える上下水道インフラの整備や老朽化に伴う再構築工事を手掛け、公共工事領域において高い技術力と信頼を築いてきました。さらに、独自開発した建設機材を貸与する「OLY(オーエルワイ)事業」や不動産の売買・賃貸事業も手掛けるなど、多面的な収益基盤を有している点が同社の強みです。
同社の2026年7月期第3四半期累計(2025年8月〜2026年4月)の連結業績は、売上高が前年同期比15.2%増の55億5,600万円、営業利益が同9.5%減の6億4,700万円、経常利益が同11.8%減の6億1,400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同4.8%減の4億3,600万円となりました。手持ち工事の堅調な進捗に伴い売上高は前年同期を上回る伸長を見せた一方で、各段階利益においては前年同期を下回る増収減益の着地となっています。
これは、主力の建設事業において完工高の増加に伴い売上高が前年同期比18.0%増と拡大したものの、資材価格や外注費の上昇によるコスト負担の増大、ならびに利益率の高い大型案件が集中していた前年同期からの反動などが響き、同事業のセグメント利益が同29.2%減少したことが主因です。その一方で、独自機材の需要増加を背景に「OLY事業」のセグメント利益が同147.6%増と大幅増益を達成して全体を支えており、同社は徹底したコスト管理と独自技術の活用を通じた施工効率の向上に力を注いでいます。
【参考文献】https://www.ohmori.co.jp/
価値提案
株式会社大盛工業は、都市部の日常生活や道路交通を遮断することなく、地中深くの老朽化した下水道管を更新し耐震化する「非開削推進工法」によるインフラ再構築ソリューションを提供しています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、東京都心部は建物が密集して交通量が非常に多いため、道路を全面的に掘り起こす「開削工法」の適用が極めて困難であり、交通阻害や騒音などを最小限に抑える非開削技術が不可欠であるためです。
なぜそうなったのかというと、東京都心部は建物が密集して交通量が非常に多いため、道路を全面的に掘り起こす「開削工法」の適用が極めて困難であり、交通阻害や騒音などを最小限に抑える非開削技術が不可欠であるためです。
この社会的な課題を解決するために、株式会社大盛工業は専用の掘削機である「モールスルー」等を活用した独自工法である「モール工法」を強力に展開しています。
この技術力が高く評価された結果として、2025年7月期における株式会社大盛工業の土木事業の売上高は3,987百万円という素晴らしい実績を記録しました。
また、東京都下水道局が発注する案件において、過去累計で数百件を超える管渠敷設の施工実績を安定的に積み上げています。
こうした都市インフラの維持と周辺環境の保全を両立させる独自技術の提供こそが、株式会社大盛工業の揺るぎない価値提案となっています。
主要活動
株式会社大盛工業の事業運営における主要活動は、官公庁が実施する入札への参加と落札、土木および推進工事の高度な現場施工管理、そして特殊な施工技術と推進機材の継続的な開発と整備です。
【理由】
なぜそうなっているのかというと、近年の公共土木工事の入札においては単なる価格の安さだけではなく、過去の施工品質や安全管理の体制を厳格に評価する「総合評価方式」が主流として採用されているためです。
なぜそうなっているのかというと、近年の公共土木工事の入札においては単なる価格の安さだけではなく、過去の施工品質や安全管理の体制を厳格に評価する「総合評価方式」が主流として採用されているためです。
この総合評価方式において常に上位の評価を獲得し続けるため、株式会社大盛工業は現場の管理活動を徹底し、東京都下水道局の工事成績評定において平均80点以上という非常に高い評価点数を継続して維持しています。
このような高品質な現場管理を担保するために、全社を挙げて1級土木施工管理技士の育成に取り組み、社員の約4割を資格保持者として現場に適切に配置しています。
さらに、自社が保有する機材センターにおいて、推進機材の定期点検や現場に合わせた独自のカスタマイズ活動を日常的に行い、施工の確実性を高めています。
リソース
株式会社大盛工業の競争力を生み出す最大の経営リソースは、熟練した国家資格保有技術者と自社で保有する特殊推進機材群、そして長年の実績に基づく高い入札参加資格です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、都市部での下水道推進工事には高度な専門的知見と特殊な大型機材が求められるため、自社で優秀な技術者と専用機材を直接抱えることが極めて高い参入障壁となり、他社に対する圧倒的な競争優位性の源泉となるためです。
なぜそうなったのかというと、都市部での下水道推進工事には高度な専門的知見と特殊な大型機材が求められるため、自社で優秀な技術者と専用機材を直接抱えることが極めて高い参入障壁となり、他社に対する圧倒的な競争優位性の源泉となるためです。
具体的な人的リソースとして、2025年7月31日時点において、株式会社大盛工業には42名もの1級土木施工管理技士が在籍しており、複雑な現場を安全に指揮しています。
また、こうした人的・技術的なリソースの厚さが行政から高く評価され、東京都下水道局の格付においては最高ランクである「土木工事Aランク」の資格を保持しています。
設備面においても、主力であるモール工法に関連する専用の小口径推進用掘進機を多数自社で所有しており、外部のリースに頼りすぎない機動力のある施工体制を確立しています。
パートナー
株式会社大盛工業が安定した施工品質と機動力を発揮するためには、推進機材や掘進機のメーカー、そして東京土木工業協同組合員をはじめとする数多くの協力下請業者との強固なパートナーシップが欠かせません。
【理由】
なぜそうなっているのかというと、公共事業は案件ごとの規模や工期が大きく変動するため、自社のみの固定的な人員に頼るのではなく、柔軟な施工体制を構築して固定費のリスクを抑えつつ専門技能を持つ職人を安定的に確保するためです。
なぜそうなっているのかというと、公共事業は案件ごとの規模や工期が大きく変動するため、自社のみの固定的な人員に頼るのではなく、柔軟な施工体制を構築して固定費のリスクを抑えつつ専門技能を持つ職人を安定的に確保するためです。
株式会社大盛工業は、施工技術の共同推進を目的として協同組合モール工法協会と緊密に連携し、最新の技術動向や知見を共有しています。
また、実際の現場施工においては、東京都内に拠点を置く約50社以上もの協力施工会社と長年にわたる継続的な取引関係を構築し、信頼できる職人のネットワークを維持しています。
さらに機材の調達面では、アクティオや西尾レントオールといった建機・特殊機材レンタルの大手企業とも強力なパートナーシップを結んでおり、自社保有の機材を補完する形で万全の準備を整えています。
チャンネル
株式会社大盛工業のサービスを顧客に届けるための主要な販売チャンネルは、東京都電子調達システムなどを介した官公庁の指名入札や一般競争入札への参加です。
【理由】
なぜそうなったのかというと、株式会社大盛工業の売上の大半を占める公共土木案件は、透明性と公平性を確保するため行政が運営する電子入札制度を通じて受注することが義務付けられており、民間建築事業などとは異なる独自の受注経路を確立する必要があるためです。
なぜそうなったのかというと、株式会社大盛工業の売上の大半を占める公共土木案件は、透明性と公平性を確保するため行政が運営する電子入札制度を通じて受注することが義務付けられており、民間建築事業などとは異なる独自の受注経路を確立する必要があるためです。
この官公庁向けチャンネルの重要性は非常に高く、株式会社大盛工業の土木事業における官公庁直接入札を経由した売上の比率は約90パーセントにも達しています。
東京都下水道局だけでなく、東京都葛飾区や足立区、さらには江戸川区といった各自治体が直接発注する入札へも積極的に参加し、地域に密着した営業活動を展開しています。
一方で、もう一つの柱である建築事業のチャンネルにおいては、過去の施工品質が評価される形でのリピート依頼や、既存顧客からの紹介による受注の比率が約60パーセントを占めており、信頼関係をベースとした強固な受注基盤を持っています。
顧客との関係
株式会社大盛工業は、発注者である官公庁や民間の不動産オーナーに対して、卓越した施工品質と安全管理を通じた非常に強固で長期的な信頼関係を構築しています。
【理由】
なぜそうなっているのかというと、公共工事の分野では施工の品質や安全管理において無事故の実績を積み重ねることで発注者からの工事成績評定が高まり、それが次の入札において優位に働くという事業の特性上、顧客との信頼関係の構築が直接的に将来の収益へと直結するためです。
なぜそうなっているのかというと、公共工事の分野では施工の品質や安全管理において無事故の実績を積み重ねることで発注者からの工事成績評定が高まり、それが次の入札において優位に働くという事業の特性上、顧客との信頼関係の構築が直接的に将来の収益へと直結するためです。
この高い信頼関係を証明する事実として、株式会社大盛工業は厳しい審査基準を持つ東京都下水道局から「優良工事表彰」を複数回にわたって受賞した輝かしい実績を持っています。
また、現場における労働安全衛生への取り組みが高く評価され、無事故および無災害記録の表彰も受領しており、発注者に大きな安心感を提供しています。
民間向けの建築事業においても顧客との関係維持を重視しており、建物の引渡し後に1年点検、2年点検、10年点検といった定期的なアフターメンテナンスを制度化することで、顧客の資産価値を長期にわたって守り続けています。
顧客セグメント
株式会社大盛工業の事業における主要な顧客セグメントは、東京都下水道局や東京都建設局、そして葛飾区をはじめとする東京23区の官公庁と、民間の不動産事業者および個人の不動産オーナーです。
【理由】
なぜそうなったのかというと、首都圏において急速に進行している社会インフラの老朽化対策という持続的かつ大規模な行政需要を確実に取り込みつつ、都心近郊で根強く発生する住宅や商業ビルの民間需要にもバランス良く対応して経営基盤を安定させるためです。
なぜそうなったのかというと、首都圏において急速に進行している社会インフラの老朽化対策という持続的かつ大規模な行政需要を確実に取り込みつつ、都心近郊で根強く発生する住宅や商業ビルの民間需要にもバランス良く対応して経営基盤を安定させるためです。
この顧客セグメントの構成を2025年7月期の連結売上高から見ると、安定した発注が見込める官公庁の顧客向け売上高の比率が全体の約65パーセントを占めており、事業の大きな柱となっています。
一方で、民間の法人および個人顧客向けの売上高比率も約35パーセントを確保しており、公共事業の動向に依存しすぎない収益基盤を持っています。
地域別のセグメントとしては極めて首都圏に特化しており、エリア別売上高における東京都内の比率が約90パーセントに達するなど、地域密着型の専門企業としての地位を確立しています。
収益の流れ
株式会社大盛工業の収益の流れは、土木工事および建築工事の引き渡しによって得られる完成工事高というフローの収益と、自社で保有する不動産からの賃貸収入というストックの収益の二本柱で構成されています。
【理由】
なぜそうなっているのかというと、特殊技術を用いて高い利益率を確保できる請負工事によるフロー収益を成長の原動力としつつ、景気の変動や公共事業の発注時期のズレに左右されにくい安定した不動産賃貸収入を組み合わせることで、強靭で安定した経営体質を構築するためです。
なぜそうなっているのかというと、特殊技術を用いて高い利益率を確保できる請負工事によるフロー収益を成長の原動力としつつ、景気の変動や公共事業の発注時期のズレに左右されにくい安定した不動産賃貸収入を組み合わせることで、強靭で安定した経営体質を構築するためです。
2025年7月期の具体的な収益実績を見ると、主軸である完成工事高による売上は5,765百万円となっており、業績の大部分を牽引しています。
同時に、不動産事業による売上も485百万円を計上しており、経営の下支えとなる貴重な安定財源として機能しています。
さらにフロー収益の質も非常に高く、得意とする小口径推進工法を駆使した土木事業における売上総利益率は約18.5パーセントという建設業界の中でも非常に高い水準を誇っており、効率的に利益を生み出す収益構造となっています。
コスト構造
株式会社大盛工業のコスト構造は、現場作業を担う協力会社への外注費や鋼材などの建設資材費を中心とする工事原価と、社内の人件費や管理費からなる販売管理費によって構成されています。
【理由】
なぜそうなったのかというと、株式会社大盛工業のビジネスモデルは自社の社員が高度な施工管理と技術指導に専念し、実際の現場作業の多くを専門の協力会社に外注するプロジェクト管理型の構造となっているため、社内の直接人件費よりも外注加工費や資材の購入費の割合が自然と大きくなるためです。
なぜそうなったのかというと、株式会社大盛工業のビジネスモデルは自社の社員が高度な施工管理と技術指導に専念し、実際の現場作業の多くを専門の協力会社に外注するプロジェクト管理型の構造となっているため、社内の直接人件費よりも外注加工費や資材の購入費の割合が自然と大きくなるためです。
2025年7月期の実績からコスト構造を分析すると、売上高に対する売上原価率は83.2パーセントとなっており、外注費や資材高騰の影響を受けながらも適切に原価をコントロールしています。
一方で、販売費及び一般管理費の比率は10.2パーセントに抑えられており、少数精鋭の組織による高効率な経営体質であることが伺えます。
また、中長期的な競争力を維持するための設備投資額として、2025年7月期には約120百万円を投じており、主に独自の推進機材の改修や老朽化した設備の更新に資金を振り向けています。
自己強化ループ
株式会社大盛工業のビジネスモデルには、公共工事の仕組みを熟知し、それを自社の成長に直結させる強力な自己強化ループが内在しています。
この循環の起点は、自社が保有する1級土木施工管理技士などの高い技術力と専門機材を駆使し、難易度の高い地中推進工事を高品質かつ安全に施工することから始まります。
卓越した施工を完了させることで、東京都下水道局などの発注者から極めて高い「工事成績評定点」を受領し、優良工事表彰を獲得するという次の段階へと進みます。
この高い評定点と表彰実績が強力な武器となり、総合評価方式の入札において技術加点が大幅に増大するため、次回の大型案件や高単価案件の落札確率が飛躍的に上昇するという結果をもたらします。
高単価な案件を安定して受注することで粗利益率が向上し、企業に潤沢な営業キャッシュフローがもたらされます。
そして、得られた豊富な資金を最新の推進機材の導入や施工管理技術者の採用および育成へと再び投資することで、さらなる技術力の向上という起点へと戻り、循環が加速していくのです。
この循環が実際に力強く回っていることを示す数値として、東京都下水道局の案件における工事成績評定点で平均80点以上を継続維持していることが挙げられます。
また、土木事業の売上総利益率が2023年7月期の16.2パーセントから、2024年7月期の17.5パーセント、そして2025年7月期の18.5パーセントへと年々確実に向上していることも、この好循環の明確な証拠です。
さらに、2025年7月期の期末時点における受注残高である手持ち工事高は約4,500百万円に達しており、通期の土木売上高の1年分近くを確保していることからも、落札確率の上昇というループが機能していることが読み取れます。
採用情報
株式会社大盛工業の新卒採用における2025年4月入社実績の初任給は、大学卒の施工管理職で月給245,000円、高専および専門学校卒の施工管理職で月給225,000円、大学卒の営業および事務職で月給225,000円という条件になっています。
これらの基本給に加えて、現場手当や資格手当などの諸手当が別途支給される充実した待遇が用意されています。
働きやすさの指標となる2025年度実績の年間休日総数は120日となっており、完全週休2日制が導入されています。
現場の工程都合によって土曜出勤が発生した場合でも、確実に振替休日を取得できる制度が整えられており、夏季休暇やリフレッシュ休暇などの特別休暇も整備されています。
直近3年間の新卒採用人数は、2023年入社が3名、2024年入社が4名、2025年入社が3名と、少数精鋭の丁寧な採用活動を継続しています。
応募者に対する採用倍率については会社から公式に発表されていません。
社員の定着率の高さを示す2025年7月31日時点での平均勤続年数は13.8年となっており、長期的にキャリアを築ける環境が整っています。
株式会社大盛工業が求める人物像は、地域社会のインフラを根本から支えるという強い責任感を持ち、現場で働く職人や行政の発注者と円滑なコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進められる人材です。
株式情報
株式会社大盛工業の証券コードは1844であり、東京証券取引所のスタンダード市場に株式を上場しています。
株式の売買単位である単元株数は100株に設定されており、決算期は毎年7月31日の年1回となっています。
株式会社大盛工業は株主優待制度を設けておらず、事業で得た利益は配当金という形で直接的に株主へ還元することを重視する方針を採っています。
配当方針については、毎期の業績に応じた利益配分を行うことを基本としつつも、将来の事業展開や財務体質の強化に不可欠な内部留保の確保を慎重に考慮しています。
そのうえで、連結配当性向30パーセント程度を一つの目安として掲げており、長期的な視点での安定的な配当維持と拡充を目指す考え方を示しています。
2026年8月期時点における株式会社大盛工業の株価水準はおよそ220円台から260円台で推移しています。
この株価水準と100株という単元株数から算出した最低投資金額の目安は、およそ22,000円台から26,000円台となっており、比較的少額から投資が可能な銘柄です。
なお、株価や業績の数値、および配当金などの情報は日々変動する性質のものであるため、実際の投資判断を行われる際は、必ず最新のIR情報や市場データをご自身でご確認いただきますようお願いいたします。
未来展望と注目ポイント
株式会社大盛工業は、今後の成長に向けた明確な道筋として「中期経営基本計画 2024-2026」という名称の3カ年計画を策定し、実行に移しています。
この計画の最終年度となる2026年7月期に向けて、株式会社大盛工業は売上高6,700百万円、営業利益450百万円、そして自己資本利益率を示すROEで8.0パーセント以上という力強い数値目標を掲げています。
今後の成長ドライバーとなる注力領域は、東京都下水道局が推進する下水道事業経営計画に沿った、建設から50年以上が経過する老朽化下水道管の再構築および耐震化工事の受託拡大です。
さらに、近年激甚化する豪雨や都市型水害への対策として、雨水を一時的に溜め込む雨水貯留施設の建設や既存インフラの補強工事へも独自の特殊技術を横展開していく方針を打ち出しています。
これらの成長戦略を確実に実現するための投資計画として、株式会社大盛工業は最新型の小口径推進機や現場の省力化に寄与する施工機器の導入に対し、年間で約1億円から1.5億円規模の設備投資を継続的に実施する予定です。
首都の地下インフラを高い技術力で支え続ける株式会社大盛工業の今後の飛躍的な成長に、大きな期待と注目が集まっています。



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